お知らせ
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ゴールデンウイーク中の休診について
5月3日(水)より5月7日(日)まで休診とさせていただきます。 緊急時の対応はこちらをご覧ください。
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お子さんの歯磨き攻略法!
みなさんこんにちは( ¨̮ ) 皆さんはお子さんの歯磨きスムーズに出来ていますか? 親御さんの「しっかり虫歯予防をしてあげたい!」という気持ちとは裏腹に、なかなか歯磨きをさせてくれないお子さんが多いと思います。 今回はなぜ歯磨きを嫌がるのか、そしてどうしたらスムーズにお口のケアをする事が出来るのかを一緒に考えていきたいと思います! 【子供が歯磨きを嫌がる理由】 ・お口の中を触られるのが嫌 歯磨きに慣れていないお子さんでしたら、歯ブラシがお口に入るのは不快に感じてしまいます。 特に歯茎や舌などの歯以外の部分に歯ブラシが当たると、刺激を感じやすいため、拒否反応を示してしまう恐れがあります。そのため、小さい頃から徐々に慣らしていく必要があります。 ・遊んでいるので磨きたくない 遊んでいたり、絵本やテレビを見ている途中で強制的に歯磨きをしてしまうと、意識や行動の切り替えができないため、歯磨きを嫌がる原因になります。 子どもの様子を伺いながら、落ち着いたタイミングをみて歯磨きをしましょう。 ・歯磨きが怖いから嫌 夜は親御さんも疲れている時間帯になります。 スムーズに歯磨きができない場合、お子さんが嫌がっていても無理やり歯ブラシをしたり、場合によっては押さえつけて歯ブラシをしているかもしれません。 そうした経験や記憶が重なってくると、「歯磨き=怖い」というイメージが植え付けられ、歯磨きが嫌になることがあります。 お子さんが上手く歯磨き歯磨きができなくても、落ち着いて優しく対応するようにしましょう。 ・仕上げ磨きが痛い 皆さんは歯ブラシ、正しく持てていますか? 歯ブラシの正しい持ち方は鉛筆と同じ持ち方です。 持ち方が正しくないと必要以上に力が入ってしまい、赤ちゃんが痛みを感じる原因となってしまいます。 【年齢的の磨き方】 ・0歳 生後6~9か月頃から前歯が生え始めます。 清潔なガーゼ等で歯を拭いましょう。 1歳半の健診を受けた子どもの内、2~5%に、虫歯が見つかると言われています。 将来歯が生え始めて、いきなり歯ブラシをして嫌がれたりしない為にも、実はこの時期からお口の中に触れて慣れさせる事が重要となってきます。 歯磨きの歌の動画を流してみたり、頬を触るなどのスキンシップをとってみるのも効果的です! ・1歳 上下の前歯が生え揃います。 上の前歯が生えてきたら「本人用」と「仕上げ磨き用」の2本の歯ブラシを用意して、いよいよ歯ブラシをスタートさせます。 食事をしたら歯を磨くということを習慣化させましょう。 ・1歳半 奥歯(第1乳臼歯)が生え始めます。 生えたての奥歯は食べかすや歯垢が非常に溜まりやすい形状になっており、虫歯の原因菌であるミュータンス菌も、奥歯が生え始める頃から口の中に定着してくると考えられています。 加えて、甘い飲み物やお菓子を口にするようになり、虫歯の危険度が高まります。 また、できればこの頃までに卒乳する事をおすすめします。 ・2歳 前歯と奥歯の間の歯(乳犬歯)が生えます。 イヤイヤ期の歯磨きは「頑張ってるね」「えらいね」など上手く褒めながら磨きましょう。 特に前歯の裏、奥歯の溝など虫歯になりやすい場所から磨く工夫をすると良いでしょう。 ・3歳 1番奥の歯(第2乳臼歯)が生えてきます。 乳歯20本が生え揃う3歳児健診では、噛み合わせのチェックも可能となります。 虫歯になりやすい奥歯の歯と歯の間はできるだけフロスを使用しましょう。 【嫌がらないための工夫ポイント】 ①小さい頃から慣れさせる はじめは歯の本数も少なく、無理に磨く必要はありません。 歯ブラシが歯や歯茎に当たる感覚を早いうちから覚えさせてあげましょう。 最初のうちは持ち手が丸く、柄の短い赤ちゃん用の歯ブラシがおすすめです。 慣れてきたら自分で持たせてあげて、口に入れたり噛んだりして慣れさせてあげましょう! 必ず転んだりして喉の奥を突かないよう見守ってあげてください。 ②好きなキャラクターや色の歯ブラシを使う 歯ブラシにはたくさんの種類があります。 ある程度の年齢になると、好きなキャラクターや色があると思いますので、そのキャラクターや好きな色の歯ブラシを使うことで、毎日の歯磨きの時間が楽しみになります。 薬局や歯科医院でお子さんと一緒に歯ブラシを選びましょう! ③味や香りのある歯磨き粉を使う フルーツの味や匂いがあるものが多いので、お子さんの好きなものを選んであげましょう。 何種類か用意して、歯磨きの前に一緒に選んだり、混ぜたりしてみるのも、歯磨きの時間が楽しくなるポイントです。 ④親御さんも一緒に磨く いくらやり方を教えても、子どもはいきなり自分では歯磨きはできません。 親御さんも一緒に歯磨きをしてやり方を見せてあげましょう! そして、会話やスキンシップも交えながら歯磨きの時間を楽しい時間にすると良いです。 ⑤歯磨きをする時間を決める それまで楽しく遊んでいたのに急に歯磨きとなると、多くのお子さんは嫌がるでしょう。 きちんと、「◯時からは歯磨きの時間」と決めて習慣化すれば、遊んでいても切り替えられるようになり、歯磨きが嫌でなくなるでしょう。 ⑥歯磨き動画やアプリを活用する どうしても歯磨きを嫌がる、ぐずって仕上げ磨きをさせてくれない場合に、歯磨きの動画やアプリを活用することもおすすめです。 可愛いキャラクターと一緒に歯を磨けることで、やる気のスイッチを入れてあげましょう。 ⑦歯磨き後に褒める 歯磨きが終わった後は、大げさなくらいしっかりと褒めてあげましょう! もし上手くできなかったり、途中で終わったとしても頑張ったことを褒めるようにしてあげましょう。 褒めることで、歯磨きを好きになってもらいましょう! 【まとめ】 お子さまの虫歯の予防として、歯科医院でのフッ素塗布やシーラントなども大切ですが、それよりも大事なのが毎日のお家でのケアです! どれだけ定期検診に来ていただいていても、お家でのケアができていなければ虫歯のリスクは高くなってしまいます。 毎日の積み重ねを大切にし、虫歯に負けない丈夫な歯を目指しましょう! 歯科衛生士 池田
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ドイツで世界最大のデンタルショーに参加
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 3月16日から19日にかけて、ドイツで行われた国際デンタルショー(International Dental Show : IDS)、通称ケルンデンタルショーに参加しにドイツに行ってまいりました。 ケルンデンタルショーは2年ごとに開催されるデンタルショーで、世界64カ国から2,327社もの歯科関連メーカーが参加する、世界最大のデンタルショーです。 歯科を含む医療機器はドイツ製のものが多く使用されています。ドイツ製の医療機器はとても信頼性が高く機能面においても優れいていて、当院でも様々なドイツ製の機械や材料を使用しています。病院などでもCTやMRIなどの分野ではドイツ製のものがよく見られますね。 当院でも様々なドイツ製の機械や材料を使用しています。 ちなみに最近ではコストパフォーマンスに優れ機能面でも遜色のない、韓国メーカーの医療機器も増えてきました。 さらにここ数年は中国製品もかなり良くなってきました。価格は韓国製品よりもさらに安いのですが、メンテナンスの問題もあり購入には抵抗があります。ただし小型機器を消耗品感覚で購入するならいいかもしれません。 実は今までに海外の国際学会に参加した際、このケルンデンタルショーの事が一緒に行った日本の先生たちの間で話題になることがあり、行ったことのある先生が多くて私もいつか行きたいなと以前から思っていました。 今回このケルンデンタルショーは100周年記念大会ということと、新型コロナ感染に対する海外渡航規制がかなり緩和されてきましたので、一生に一度の機会と考えて思い切って参加することにしました。 このデンタルショーに参加することで、世界中の最新歯科機器の情報を手に入れることができ、私の知識も大きくアップデートされると思いました。 現在ロシアとウクライナの戦争のため、日本からヨーロッパに行くためにはロシアを大きく迂回する必要があります。 そのため日本からドイツまで所要時間が15時間かかります。。 日本を出発した飛行機はドイツとは逆方向に進み、なんと北極圏からグリーンランドの上空を通過して北欧やイギリスの方からドイツのフランクフルト空港に進みます。 平面にした世界地図で見ると訳がわかりません。地球儀でルートを見てようやく納得できました。 フランクフルト空港からドイツの新幹線ICEで1時間でケルンに到着しました。 憧れのケルンデンタルショーに来ることができて感激です! ケルンデンタルショーは4日間開催されます。1日ではとても回りきれないとのことです。 会場は7つの建物に分かれています。更に2階建てか3階建てになっています。そのため会場は全部合わせて13ホールもあります。。。 日本デンタルショーが有明のビックサイトでせいぜい2ホールほどしか使用しないので、単純に7倍ほどの広さになります。 さすが世界一の規模を誇るデンタルショーです。どこに行ってもかなり混んでいます。 ほとんどの人は歯科関係者だと思われますが、70%は海外からの参加者だそうです。 欧米人がほとんどですが、日本人や韓国人、中国人などのアジア人も結構いました。 ドイツ製品だけでなく、スペインのメーカーやイタリアのメーカーなど日本では見られない歯科製品が展示してありました。 ここのメーカーのデンタルチェアーにはなんとX線装置が付いていました! これならわざわざ患者さんがレントゲン室まで何度も移動しなくて済むのでとても便利です。 残念ながら日本の法律では、X線撮影は厳重にX線防護を施したX線撮影室で行わなければならないので、この機械の導入は不可能です。 以前アメリカのレーザー歯学会に参加した際に見た歯科用レーザーの最新モデルが展示してありました。 最高出力(ピークパワー)が100ワットというものすごい高性能な半導体レーザーです。 アクリル板にデジタル表示されてとても近未来感があります。 当院でも導入している光殺菌装置Fotosanと世界一明るいLED照射器を作っているデンマークのCMS社のブースもあり、そこでいろいろと診療に関する役立ち情報などを聞くことができました。 日本のデンタルショーではこのような海外製品は輸入業者や商社のブースに少し展示しているだけで詳しい話を聞くことはできないので、その点も参加してよかったと思います。 毎日診療で使用しているドイツのメーカーのブースを見ることができてすごく嬉しいです。 各社の最新の製品が展示してありました。 いろいろと面白いセミナーやデモが行われていました。 このデモはいかに自然で他の歯と調和の取れたセラミック冠を作るかということを実演していて大盛況でした。 ちなみにドイツではどこに行っても、もはやマスクをしている人はまったくいませんでしたね。 日本のメーカーも頑張っていました。松風、モリタ、NSKなどという歯科ではとても大きなメーカーが会場のメインスペースでかなり大きな規模を確保していました。 超音波スケーラー(歯石をとる機械)のメーカーのEMS社のブースで、大阪支店の担当歯科衛生士さんがいらしたので、最新の超音波スケーラーについて詳しく話を聞くことができました。 歯石を取るときにこの機械を使うことで、機械が歯石の状況を瞬時に判断して最適なパワーにするため、患者さんは痛みを感じることがなく深い歯石も取り除くことができるとのことでした。 時間があまりなかったので観光らしい観光はしなかったのですが、ケルン中央駅を出て眼の前のケルン大聖堂は圧巻でした。この聖堂が完成するまでに600年!もかかったそうです。 以上、今回は短期間のドイツ旅行でしたが、とても充実した4日間でした。 今後もケルンデンタルショーで得られた知識と情報を患者様に還元できるように頑張ってまいります。
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インプラントの歴史について
みなさんこんにちは(*´▽`)ノ いろんなことが新しく始まる4月ですね! 新学期、新社会人などにわくわくしていると思いますが、ぜひ新生活に向けて検診に来てくださいね☺️ 今回は1度は耳にしたことがある"インプラント″について面白いお話しをしたいと思います。 まず皆さんはインプラントがどのようなものか知っていますか? インプラントは人工歯とアバットメントと呼ばれる連結部分とフィクスチャーと呼ばれる人工の歯の根っこでできています。 なんと!このインプラントの始まりはうさぎ🐰なんですよ!面白いですね〜 ウサギとインプラントがどう関係するの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。 「インプラント」とは、人工の目であったり耳であったり…臓器といわれるものに医学的にいろいろと応用されている、体に埋め込む器具の総称のことです。 歯科の世界でインプラントと言うと、“歯科用インプラント”といって、失ってしまった永久歯の代わりに使われている“第三の歯”というイメージでしょうか? 最近はとてもよく聞く治療法になってきているので、ご存じの方も多いと思います。 大切な歯が事故などで失われてしまった時の選択肢として、入れ歯やブリッジなどの治療方法がありますが、歯科用インプラント治療は、歯の根の代わりになるチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着し、噛めるように機能の修復をしたり、見た目の審美性を整えたりします。 今では日本でもインプラント治療を行っている歯科医院はたくさんありますが、ではそのはじまりは?となると、タイトルにもあるようにウサギと関係してくるのです。 その歴史は、1952年スウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルク博士が発見したある現象から始まります。 博士がウサギの体内にチタン製の器具を埋め、後から取り出すという実験をしていたところ、偶然にも骨と器具が強固に結合してしまい外すことができなくなってしまうということがありました。 この出来事から、博士は様々な検証や実験を重ね、「チタンが諸条件を満たせば拒否反応もなく骨と強く結合する」と、私たち人間に応用ができるまでに構築していきました。博士はこの方法をオッセオインテグレーション(骨結合)として発表しました。 ブローネマルク博士は、このチタンと骨組織がピッタリと結合してしまうという現象を歯科治療に応用できないか?という考えからチタンと骨組織の研究を続け、 1965年に初めて実用化されたのがチタン製の人工歯根(インプラント)を使った治療なのです。 日本においては、このオッセオインテグレーションの技術が応用されたインプラントは1983年に東京歯科大学で開始されたそうです。 このような実験中の偶然によって発見されたインプラント治療の原理は、まさに画期的なものでした。 顎の骨と結合したインプラントは、天然の永久歯と同じように咬め、しっかりとメインテナンスを続ければ簡単に外れることなく永続的な使用に耐えるのです。 このような優れた耐久性と、もとのように噛めることから、インプラントは「第二の永久歯」とまで呼ばれ、失われた歯を再生するに近い、優れた歯科治療とされているのです。 インプラント治療は歯を失われた方にとっては、その不自由さを軽減してくれるとても便利な治療法になります。 ただし、しっかりとした技術と知識が必要な治療法でもあります。 もし、インプラント治療をお考えの方は、そのメリット・デメリットなどをきちんと説明させていただくのでお気軽にご相談下さい! 歯科衛生士 山口
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歯ぐきが下がる
こんにちは(^^) 暖かい日が多く、春を感じますね🌸 突然ですがみなさん、歯茎が下がる原因って知ってますか? ①歯周病 歯周病になると骨が破壊されて溶けてしまうので、それに伴って歯茎も下がっていきます。 ②ブラッシングの力が強すぎる 歯ブラシを力任せにゴシゴシやっていると、歯茎が傷つき下がってしまいます。 ③歯ぎしり・食いしばり 寝ている間や無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりなどをしていると、歯や組織に過剰な負担がかかり骨が下がってしまい歯茎が下がる原因となってしまいます。 ④詰め物や被せ物が合っていない 詰め物や被せ物にずれがあると、その部分の歯茎に炎症を起こして歯茎が下がってしまうことがあります。 ⑤爪を噛んだりする癖がある 歯を支えている組織がダメージを受けてしまい歯茎が下がることがあります。 ⑥歯並びが悪い 歯列から外にはみ出している歯の外側の骨が薄かったり、歯磨きをする際に他の歯より力がかかりやすいために、歯茎が下がりやすくなります。 ⑦矯正治療の影響 成人になってから歯列矯正を行うことにより、歯茎が下がってしまうことがあります。 これは、もともと重なっていて歯茎がダブついていたのが歯を並べたことによって引き締まったため下がったように感じます。 ⑧加齢 歯茎に異常がなくても、加齢によって徐々に下がってしまうことがあります。 と、様々な理由が考えられます。 歯茎が下がることによる症状として ・歯根が露出することでしみるたり不快感が出る ・歯の出ている部分が多くなるので歯が長くなったように見える ・歯がぐらぐらする といったことがあげられます。 何か当てはまる事はありましたか? 気になったらすぐ歯科医に相談しましょう! ■そういえば、歯医者っていつからあるんでしょう…? 701年(大宝元年)に定められた『大宝律令』などには、医学生の学びの対象として目耳口歯科と明記されているそうで、当時は目、耳、口、歯は1つの科でした。 また16世紀半ばには木を彫って作った「木入れ歯」が実用化されました。 元々は仏師が作っていましたが、江戸時代になると「入れ歯師」と呼ばれる専門の職業が定着します。 さらに幕末から明治維新にかけては「入れ歯師」の他にも、「口中医(こうちゅうい)」や「開業歯科医」、「歯抜き師」、そして街で薬を売ったり抜歯をしたりする「香具師(やし)」といった様々な専門家が出来上がり、現在の歯科の領域を分けてきたそうです。 その後、1883年(明治16年)に新たな歯科医籍が作られ、医師と歯科医師は法的に分けられたのでした。 現代とは違い設備が全く整っていない時代でも、その時にできる範囲の処置をその時代の人が考え工夫して今に至ると思うと凄いことですね! いつの時代でも大切な自分の歯。 自分でしっかり守っていきましょう。 歯科アシスタント 松本
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飲んだ薬はどのようにして体の中で働くのか?
こんにちは、歯科医師の鈴木です。 今回は、飲んだお薬がどんな風に身体の中で働くのかをお話したいと思います。 薬を説明するには、難しい言葉ですが大きく二つに分けて 薬物動態PHAMACOKINETICSと 薬力学PHARMACODYNAMICSとがあります。 今回は薬物動態についてお話致します。 薬物動態は薬の体の内での移動=代謝を意味します。 ① 薬を飲む ② 血液への薬の吸収 ③ 血液から効かせたい臓器への薬の移動 ④ 薬の身体の外への排泄 以上の話を中心に説明します。 薬物動態 PHAMACOKINETICS お口から飲むお薬は、ほとんど十二指腸で吸収されます。 十二指腸は胃よりも酸性度が低いからです。 そして薬は肝臓から出ている代謝酵素によって代謝されます。 薬物代謝の主な目的は、肝臓で薬物をより溶性(水に溶けやすい性質)の高い形に変換し、腎臓、肺、胆汁、皮膚、便に排泄されやすくすることです。 肝臓は薬を代謝する重要な臓器であり、薬は主に大規模なシトクロムPー450(CYP)スーパーファミリー酵素によりほとんどの薬物はCYPによる生体内変換を受けます。 吸収されなかった物質は血漿中に残り、最終的に腎臓を通過して尿中に排泄されることになります。 薬の飲むとどのように血液中に薬が漂うかを示す表があります。 それを血中濃度曲線といいます。 血中濃度曲線 • 血液中の薬の時間経過は山型曲線を描く。 多くの薬は血液中の濃度が一定以上になると効き目が現れ、それ以下になると効き目が消えていきます。 • この血中濃度曲線は、その薬がどのくらいの時間で効き目を現し、いつまでそれが続くかなど薬の体内での行動を表します。 • グラフの1番高いところが最高血中濃度(CMAX)、そこに到達するまでの時間(TMAX)は、薬の効き目のスピードを知る目安になります。 • CMAXの半分に減るまでの時間が半減期(T1/2)で、半減期が長いほど薬は体の中に長く留まり、効き目が続きます。 • 濃度曲線の下の面積をAUCといい、これが大きいほど体の中で薬がたくさん利用された(=バイオアベイラビリティが高い)と判断できます。 では、次に連続して飲む抗生物質などを考えてみましょう。 薬を連続して飲むと、定常状態という薬に効果が出ている状態を考えてみます。 定常状態 (STEADY STATE) 薬が血中に入ってくる量と出ていく量が等しくなる状態 定常状態とは、薬を一定時間ごとに繰り返し投与する時、特に抗生物質があげられますが、身体の中で薬が効いている、有効域に達している状態を意味します。。 下の図はバンコマイシンという抗生物質を飲んだときの曲線です。 連続して飲む必要がありますが、なぜ一日三回毎食後飲まないといけないかというと、薬の有効域という薬がやっと効き出す領域にたどり着くまでには、最低4回目から5回目の服用で、やっと薬が効いてきているという事が分かります。 なので、連続して飲まないといけない薬は必ず用法を守って連続して飲んでいく必要があります。 今度は薬物排泄について考えてみましょう。 薬が体から排出される時間は薬を飲むのをやめたら、すぐに身体の中に薬がなくなるわけではないのです。 薬は連続で飲むのをやめると血液中の薬の濃度は半分になり、徐々に時間をかけて身体から薬の量が減っていき、時間がかかるのです。 このように薬の連続服用をやめても、薬の種類によっては、身体の中にまだ残っている薬もあります。 歯科でよく使う抗生物質は、この身体の中で残っている分も含めて3日間から4日間ときめております。 人間の身体は非常に複雑で、すごく精密にできていて、研究が進むとこのような複雑な代謝も解明されています。 複雑な薬の身体での代謝や分解を理解して、薬を処方しています。 ダイナミックな人間の身体はとても勉強していて面白いです。また論文などを拝読しましたら皆さまにお知らせいたします。 歯科・口腔外科医 鈴木孝美
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臨時休診のお知らせ
ドイツ研修参加のため、3月16日(木)~21日(火)まで休診とさせていただきます。 緊急時の対応はこちらをご覧ください。
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『2023年トルコ・シリア地震』ヘの支援について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 2月6日にトルコとシリアの国境付近で発生した大地震で、多くのビルが崩壊し多数の死傷者が出ているとのことです。 日本赤十字社の公式サイトより 私は30年以上前にトルコとシリアに行ったことがあり、今回の地震のニュースを聞きとてもショックでした。 現在、国際赤十字社(イスラム圏内は赤新月社)が救助活動や復興支援を行っています。 日本赤十字社はこれらの活動を支えるための救援金の受付をしており、私も少しでも役に立てればと思い寄付をさせていただきました。 2023年トルコ・シリア地震救援金 被災された地域の1日も早い復興を心より願っております。
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『歯』にまつわる情報について
こんにちは! 歯は全部で何本あるか知っていますか?歯があるのが当たり前になっていて、あまり気にしている方は少ないと思います。そこで歯について考えてみましょう! まず乳歯は20本、永久歯は(親知らずを含む)32本あります。 乳歯は永久歯と比べて小さく、エナメル質は薄く弱い為、むし歯になると急速に進行して神経まで達するような痛みを伴うむし歯になりがちです。 まずは下の前歯が生えてきたらガーゼなどでお手入れを始めます。 さらに上の歯が生えてきたら、一日一回は歯みがきが必要です。 さらに生え始めたばかりの歯(乳歯と永久歯)は菌に弱いため、虫歯になりやすく進行も早いです。 特に混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざっている時)は歯ブラシで磨きにくい為、親御さんが仕上げ磨きをしてあげるといいですね♪ さらに細かく見ていくと、歯の中の構造は『エナメル質』・『象牙質』・『セメント質』・『歯髄』『歯肉』・『歯槽骨』・『歯根膜』からできています。 歯が口の中に露出している部分を『歯冠』、歯冠より下の部分を『歯根』といいます。 『エナメル質』歯冠部の表面を被っている人間の身体組織の中で最も硬い組織です。 でも、酸に簡単に溶けてしまうはという弱点があります。 『象牙質』エナメル質、セメント質の内側にあり、歯冠部から歯根部までの歯を形づくる組織です。 エナメル質よりも柔らかく、酸に溶けやすい組織です。 象牙質には象牙細管という細い管が通っていて、管の中は組織液で満たされています。 『セメント質』歯根部表面を被っている組織で、歯根膜によって歯槽骨と結合しています。 『歯髄』一般に神経と呼ばれる組織で、神経線維のほかに血管やリンパ管などが通っています。象牙質に栄養を補給しています。 『歯肉』歯肉(歯ぐき)は、歯根を取り囲んでいます。歯肉はとても軟らかい組織であり、ちょっとした刺激で傷ついて出血したりします。 『歯槽骨』歯肉に包まれて歯を支えているのが歯槽骨(顎の骨)です。歯は歯槽骨のくぼみにしっかりと根を下ろして、物を噛む時などに加わる強い力に耐えています。 『歯根膜』歯根膜は歯周靭帯とも言われ、歯と歯槽骨の間をつなぎ、まるでクッションのように歯にかかった圧力を吸収・緩和しています。 また極端に固いものを噛んだ時に痛いと感じるのは、この歯根膜が圧力センサーの働きをしているからです。 歯は食べ物を噛み砕いて食感を楽しんだり、会話をする上での発音を助けたり、顔の形を整えてくれたりなど、役割があるので、1本1本大事にしましょう♪ ○8020運動 『8020運動』とは、日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。 20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。 そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。 食事は生活の中でもとても大切な事なので、年齢を重ねてもしっかり噛めて、味わえるように歯を大切にしていきましょう! その為には定期検診やセルフケア(お家でのケア)が大切です。 定期検診では、虫歯の早期発見、早期治療や歯周病の予防、歯垢、歯石除去などができる為、虫歯や歯周病が悪化する前に発見できます。そのため、最悪抜歯になるリスクを減らすことができます!! しかし歯科医院には毎日通うことはできないため、セルフケアが特に大切になってきます。 鏡を見ながら1本1本しっかり歯ブラシを当てて磨けるといいですね♪ 朝起きる時に細菌が一番増加するので、寝る前の歯磨きを丁寧にしっかり磨くのがおすすめです^ - ^ぜひやってみてくださいね! 歯科衛生士 楠
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岡本太郎の絵を展示しました
岡本太郎の絵が手に入りましたので、診療室に展示することにしました。 若い人はご存知ないかもしれませんが、50年前の大阪万博のシンボルである『太陽の塔』の製作者です。 身近なところでは、渋谷駅の井の頭線のホームから伸びているコンコースの壁に、とても大きな絵画が展示してありますが、それも岡本太郎の絵です。 渋谷駅の絵は元々、大阪万博と同じ時期にメキシコに新しくできるホテルのために制作したものだそうです。(ホテルは開業前に倒産して、しばらく絵画の行方がわからなくなっていました) この絵のタイトルは、『哄笑』といいます。 リトグラフのため、同じものが多く存在しますが、50年前のものにしてはとても状態が良かったです。 もし患者さまでご来院された際は、ぜひ御覧ください。