谷村歯科医院ブログ
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とても大事な歯科健診
こんにちは(^^)寒かったり暑かったりで秋が満喫できない今年…秋の味覚で秋の香りを感じたいですね!○歯科検診とは 歯科医院で行っている歯科検診は、お口の中の健康を守るためにとても大切なことです。何かしらの症状が出てから受診するようだと、すでに重症化していることも多く、その分通院回数や費用といった負担も大きくなります。 歯科医院は、歯の痛みや歯茎の出血など、口腔内でのトラブルが起きてから受診するところと思っている方も多いです。虫歯ではないのに歯科医院へ行くことはあまりしたくないですよね。多くの方が、「できれば歯科医院へいきたくない」「痛くなってからでいいや」と感じています。なので、治療を終えても定期的に検診に来てくださいと言われ、「どこも悪くないのになぜだろう?」って思ってしまう方もいますね。 しかし、歯科検診は予防歯科の1 つで、自分の歯をできるだけ長く残していくために大切なメンテナンスなのです。○歯科検診で行うこと 歯科検診ではさまざまなことをチェックします。その中でも主なことは下記になります。・虫歯、歯周病の検査・歯垢、歯石の除去・ブラッシング指導・かみ合わせのチェック ・つめ物、かぶせ物が割れていないか、とれていないか ・腫瘍などのできものがないか ・顎の状態のチェックなどです。 歯科検診の内容は歯科医院によって異なります。しっかり定期的に通うことで、虫歯や歯周病の予防、初期段階での発見そして治療につながります。歯科検診に行ってるから虫歯にならないというわけではありませんが、早期発見・早期治療がとても大切なのです。 食後にしっかりと歯磨きを行っていても、歯と歯のあいだや歯周ポケットなどの歯垢が落としきれず磨き残しとなってしまうことがあります。歯垢は時間がたつと歯石へと変化し、歯ブラシだけでは取れない状態になってしまいます。さらに放置すると、虫歯や歯周病の原因となるため、定期的に歯科検診に行って歯科医師や歯科衛生士に口腔内をきれいにしてもらうことと、プロによるチェックが大切なのです。○歯科検診に行かないと… ・虫歯が進行する初期虫歯は痛みがないため、ほとんどの人が自分で気づかないか、気づいても痛みがないためそのままにしておく方がほとんどだと思います。なので、気が付かないうちに少しずつ大きくなっていき、神経をとる必要があるほど重度な虫歯にまで進行してしまいます。 そして痛みや腫れてから治療になると、痛みでつらい日々が続いたり治療の回数が増えたり治療が大掛かりになったり治療費が高額になったりと、ものすごいロスに繋がります。 ・歯周病が進行する歯周病は重症になるまでほとんど痛みがなく、気づかないうちに進行してしまう恐ろしい細菌感染の病気です。歯ぐきの痛みは重症になるまではありませんが、重症になる前に歯ブラシ時の出血や違和感、口臭、歯のグラつきなど、歯周病のサインは必ずでています。しかし忙しいからといってそのままにしていたり、気にしないで放置してしまうと、ある日突然頬が腫れたり激痛で眠れなかったり、最悪歯が抜け落ちるといったことになってしまいます。 ・腫瘍の発見が遅れる お口の中にも良性・悪性の腫瘍ができます。良性の場合はよほど大きくならなければ緊急性はあまりありませんが、悪性腫瘍であるガンができると生命の危険があります。 舌癌や歯肉癌などはなかなか自分では自覚しにくいです。 大きくなると、手術で除去する範囲も大きくなり、日常生活に大きな影響が出てしまいます。 ○歯科検診をしていない場合のデメリット ・虫歯が大きくなるまで気が付かない ・歯周病がひどくなるまで気が付かない ・お口の中のできもの(口腔がんなど)の発見が遅れる ・以前治療した所に不具合が起きる・治療期間や費用の負担が増える など様々な良くないことが起こります。歯科検診の大切さに少しでも気が付いていただけましたら、是非歯科検診の予約を!! お電話 03-3789-8241 24時間ネット予約 https://plus.dentamap.jp/apl/netuser/?id=3419 歯科アシスタント 松本
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なぜ虫歯ができるの?
こんにちは!最近は寒い日や暑い日が続いています。寒暖差が激しいので、外出する際は羽織るものを一枚持つなど、対策をしてお出かけしましょう^_^ さて、今日は『虫歯』についてお話しします!! 虫歯とは、歯垢(プラーク)の中にいる細菌(主にストレプトコッカスミュータンス菌)が作り出す酸によって歯が溶かさせる病気です。その微生物の量によって、虫歯になりやすい人、なりにくい人に分かれます。 つまり、この細菌が多い人は虫歯になりやすくて、少ない人は虫歯になりにくいといえます。 ただし、虫歯になる要素は細菌の他にもありますので、これから説明をしていきます。 1 虫歯の原因 虫歯になってしまう原因としては、3つ挙げられます。 これらの原因が重なったときに歯が溶けて虫歯になってしまいます。 ①細菌食べ物の中に含まれている糖を細菌が食べ、酸を作り出し歯を溶かします。 虫歯になる直接的な原因ですね。この細菌がいなければ虫歯にはならないのですが、残念ながらゼロにすることはできません。 ②糖質食べ物の中に含まれる糖質(砂糖)のことです。そして、間食をよくする方は虫歯になりやすいと言われています。 細菌はこの糖をエサにして酸を作り出します。ですから糖質を控えることは虫歯予防に効果的です。 ③歯質歯の質は人それぞれ違うため、虫歯になりやすい人もいます。特に乳歯や永久歯が変えたばかりの子どもは完全に歯の表面が硬くないため、虫歯になりやすいです。 他の人と同じように歯を磨いていて、それほど甘いものを食べる習慣がなくてもすぐに虫歯ができてしまう人は歯の質が弱い可能性があります。 これらのことをふまえて対策を考えてみましょう♪ 間食をよくする方はいらっしゃいますか?間食をするとこのようなことが起こります。 普段口腔内は中性ですが、食事をするたびに糖質が増えるため細菌が活性化し(糖を使って細菌が酸を吐き出す)、酸性へと傾きます。時間が経てばまた中性になりますが、間食が多い方だと酸性になっている時間が長いため、虫歯によりなりやすくなります。 ちなみに酸性から中性に戻るまでは約1時間くらいかかると言われています。 そのため、テレビを見ながらだったり、携帯電話を触りながらだったりする『ダラダラ食べ』をやめましょう! 2 歯垢(プラーク)がつきやすい場所はどこ?歯垢が付きやすい場所は、奥歯のでこぼこしている所や歯と歯の間、歯と歯茎の境目がつきやすいところになります。 ①奥歯の噛む面 歯の噛むところは溝が刻んであり、この溝で物を噛み砕いて外に逃がす効果があるのです。 しかしこの溝があることで食べかすが残ってしまいます。 この溝は思っている以上に深くて細いので、歯ブラシの毛先の太さではきれいに食べかすを取り除くことが難しいのです。 そこに虫歯菌が繁殖して酸を作って歯を溶かしてしまうのです。 ②歯と歯の間 歯と歯の間も、とても狭くて食べかすが挟まって歯ブラシで全部取り除くことは困難です。 このような隙間も細菌はとても小さいので入り込んでいきます。 そして知らない間に虫歯になってしまうのです。 ③歯と歯茎の境目 歯と歯茎の間はやはり細い溝になっているので、食べかすが残ってしまいます。 この溝のことを歯周ポケットといい、この歯周ポケットが大きくなっていくと、いわゆる『歯周病』になってしまいます。 歯ブラシで毎日頑張って歯を磨いていても、実際に歯ブラシの毛先がこの歯ぐきの付け根にあたっていないことが多いです。 歯を磨く時は歯の表面よりも少し歯ぐきの方に傾けて、小刻みに歯ブラシを動かのが食べかすや歯垢をきれいに取り除くコツです。 3 虫歯にならないようにするにはどうすればいいのか? 虫歯の原因は虫歯菌や糖質と歯の質ですが、虫歯にならないようにするために特に大事になってくるのが、毎日のセルフケアや定期検診です! 皆さんの中には3ヶ月に一回、歯科医院に定期検診に通っているからがいらっしゃるかもしれません。 ただし、定期検診に通っているからといって絶対に虫歯にならないとは限りません。 もちろん定期検診もとても大事なのですが、毎日のセルフケアがすごく大切なのです! いくら歯科医院の定期検診で歯垢や歯石を取ってもらっても、歯科医院に来ていない間に歯垢がずっと溜まっていると虫歯になるリスクが高くなります。 その為にセルフケアを行う際は、こういった所を意識してみましょう♪ ①1本ずつしっかり磨く歯ブラシを大きく動かしながら歯を磨いていても、あまり意味がありません。動かす範囲が大きい為、細かい所の歯垢は取れないからです。細かく1本ずつ磨くことによって、虫歯になるリスクを下げます。 一度歯を磨いているときによく鏡を見て、歯ブラシの当て方や動かし方を観察してみるといいですね。 しっかり歯ブラシで食べかすや歯垢が取り除けているか自信がない方は、歯科医院で定期検診の際に、歯科衛生士や歯科医師に聞いてみてください。私たちがていねいにご指導させていただきます。 ②補助具を使ってみる歯ブラシで磨いても歯と歯の間の歯垢を取るのはとっても難しいです。そのため、『デンタルフロス(糸ようじ)』を使うことをオススメします!フロスを歯に沿わせて使うことで歯と歯の歯垢を簡単にとることができ、歯と歯茎の間も掃除ができるため歯肉炎にもなりにくくなります。 また叢生(歯がガタガタずれている所)や歯ブラシでは届きにくい所にオススメなのは『タフトブラシ』です。このタフトブラシは歯ブラシの毛先の部分がとても小さいです。 そのため歯並びが悪いところや奥歯の歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間などの細かいところを磨くのに最適です。 ③歯ブラシの力加減を調整する強く歯を磨くからといって歯垢や歯石が取れるわけではありません。強くガシガシ磨くことで歯に細かいキズがついてそのためにしみたり着色がつきやすくなったり、歯茎に擦れたようなキズができて痛みが出たり歯ぐきが下がってきてしまいます。そうならないように、歯茎には歯ブラシが当たっても気持ち良い力加減で歯磨きをしましょう! ここまで虫歯や磨き方についてお話ししてきましたが、どうでしたか? 歯垢が残りやすそうなところや磨きにくいところがわからない方は歯科医院で聞いてみてくださいね! 歯科衛生士 楠
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帯状疱疹と歯の痛み
こんにちは、歯科医師の鈴木です。今回は、『帯状疱疹と歯の痛み』についてお話ししたいと思います。1 帯状疱疹とは? 帯状疱疹は水痘(みずぼうそう)と同じ、「水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)」によって生じる感染症です。このウイルスに初めて感染した場合は、ウイルスは口の中から侵入して水痘(みずぼうそう)を皮膚や粘膜に作ります。 これがいわゆるみずぼうそうの水疱です。 しかしこのウイルスは、この水疱を作っている間に水疱を作っている皮膚や粘膜の神経細胞の中に入り込みもっとその神経の奥に入り込んでそこにひっそりと住みつき、水痘の治療が終わっても一生そこに住みつくのです。2 帯状疱疹のお口の症状 帯状疱疹はそこに住みついたウイルスが身体の疲労や加齢などで抵抗力が弱まったときに、再活性化して生じる感染、いわゆる再帰感染、回帰感染で生じる病気です。問題は、歯の神経を司る『三叉神経』という神経の中にもよく住みつくので、再活性化したときに口の中や、歯の痛みとして症状がでる場合があります。歯の神経に再活性化した場合の一般的な前触れの症状として、右か左、どちらか一方の口の中や歯のチクチク、キリキリとした痛みや感覚の変化が出ます。 その後数日~一週間ほどして同じ側の皮膚や粘膜に小さな水疱が出てもっと大きくなりかさぶたになります。通常痛みが発生してかさぶたに治るまでに3週間~一ヶ月かかります。帯状疱疹が歯の痛みとして発現した場合は、最初の頃は眠れないほどの痛みで、虫歯の痛みと間違える可能性があります。 ただ、帯状疱疹が原因での歯の痛みは、一週間で自然に治るのでこれは特徴だと思います。 付け加えるなら口の中の粘膜にできる帯状疱疹は水疱を作らない場合が多く、すごくこれぞ水痘だ!と見分けがつかない場合が多いので、皮膚にできる場合と見分けるのがとても難しいです。私たち歯科医師は、もちろんレントゲンや検査によりこの歯が虫歯かはしっかりと診断できますので、全く虫歯や歯周病でないのに、眠れないほど歯が痛い帯状疱疹時の歯の痛みは必ず鑑別診断できますのでご安心下さい。キーワードは、最初は眠れないほどの痛みが一週間で何もしなくてもなくなるのが帯状疱疹の歯の痛みです。このように、全身の病気である帯状疱疹が歯の痛みとして出る場合があり、歯は全身の一つであります。 虫歯や歯周病も進行が進むと虫歯菌や歯周病菌が歯の血管から全身を回り、全身の病気と繋がることが場合があるので、お口の中のケアは健康を維持するためにも必須です。3 帯状疱疹の予防は? 帯状疱疹には予防ワクチンがあります。今は50才以上ならワクチン接種ができますので、帯状疱疹に子供のころかかったことがない方など是非接種をお勧めします。今は赤ちゃんのうちにみずぼうそうの予防接種を受けるので、子供の頃にみずぼうそうを患うお子さんが極めて少なくなり、周りにみずぼうそうになった家族がいないため、帯状疱疹への抗体ができていない場合が多いのです。歯を司る三叉神経という神経は脳神経の一つであり、非常に複雑な場所にあり、顔の筋肉を司る顔面神経と近く、顔面神経に帯状疱疹ウイルスが感染すると顔面神経麻痺を生じます。 テレビのニュースで、以前の横浜市長の林市長が帯状疱疹からの顔面神経麻痺を患ったというのも聞いたことがありますので、これを読んで下さった方は是非接種してみてください。歯科医師 鈴木孝美
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年齢別!お口のケア方法
みなさんこんにちは( ¨̮ )︎︎すごく暑い日が続きますね。今年は猛暑日が過去最多になったみたいです! まだまだ暑い夏が続きますので熱中症にかからないよう出来るだけ水分や塩分を補給して、体調管理をしていきましょう♪ さて、今回のテーマですが、『年齢別のお口の中のケア』になります! 暑い日はアイスクリームや炭酸など美味しく感じる季節ですが、それらには虫歯の原因になる砂糖が多く入っています。特に小さなお子さんはおやつをあげる際は注意が必要なので、食べた後にはしっかりと歯磨きをしましょう! 【どうして虫歯になるのか】虫歯は、お口の中にいるミュータンス菌という細菌が感染して引き起こされます。 生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、ミュータンス菌はいません! なのでそのままずっと、ミュータンス菌がお口の中に入らなければ、虫歯になることもありません。逆に、いったんお口の中に入ってしまうと、なくすことは難しいです。ミュータンス菌は、唾液によって感染します。 特にお母さんなどご家族から感染していることが分かっています。だからといって、親子のスキンシップやコミュニケーションを控えるのは難しいですよね。 唾液から感染してしまうので、熱いものを「フーフー」して冷ましてあげるのもダメ。 お母さんが使ったお箸やスプーンで、そのまま子どものお口に「あーん」して食べさせるのもだめ。あれもこれもダメ…と考えると、とても大変ですよね。ですが、感染についての正しい知識を身につけて、お子さんの虫歯ゼロを目指しましょう! 【年齢別のケア方法】 ・1歳~2歳この時期が最も虫歯菌に感染しやすい時期と言われています。この時期に、感染してしまうとミュータンス菌が優勢となり、虫歯になりやすくなってしまいます。一方、この時期を過ぎると、お口の中の細菌バランスが決まってくるので、感染の可能性が低くなっていきます。そして、たとえ感染したとしても、その時期が遅ければ遅いほど、虫歯のリスクが下がることも分かってきています!そして、この時期虫歯になりやすいのが上の前歯です。この時期はかじりとって食べる時期なので、上の前歯の裏側に食べ物が溜まりやすくなります。 歯磨きを嫌がってしまうお子さんもいるかと思いますが、親御さんが歯磨きをしっかりと行い、汚れをかき出してあげてください! ・3歳ごろ乳歯が生えそろい、顎や舌をたくさん動かしていろいろなものを噛めるようになります。 この時期は奥歯の咬む面が虫歯になりやすいです。 虫歯予防のために 家族で定期的な歯科健診とフッ化物塗布が大切です! ・4歳~5歳ごろ4歳から5歳になると、虫歯の咬む部分ではなく、歯と歯の間の部分に虫歯が発生しやすくなります。 ですから、普段の歯磨きに加え、親御さんがフロスを使用してあげることをおすすめします。また、歯みがき後のうがいはなるべく少ないお水で 1 回だけにする練習もしましょう。 そうすることで、歯磨き粉の中に含まれる色々な成分がお口の中に長い時間残ってくれます。 ・6歳~この時期は上下の前歯が生え変わり奥歯に永久歯(6歳臼歯)も生えてきます。 生えたての永久歯は今までと大きや形が異なり、磨きにくくとても虫歯になりやすいです! またブラシも届きにくくなるので、しっかりと奥までブラシを入れて磨きましょう。この時期には歯医者さんで歯磨き指導やフッ素を塗ってもらうことをおすすめします! ・中高生この時期になると、親御さんがお子さんのお口の中をみることはほとんどなくなってくるかと思います。お子さん自身が磨くことになるのでブラッシングが疎かになりがちです。 また虫歯リスクがまだまだ高い時期なので注意が必要です。 ・成人成人期は学生から社会人になり、慣れない環境や仕事によるストレスなどで歯や歯茎のケアを怠りがちな時期です。特にここまで虫歯についてお話してきましたが、歯周病になりやすい時期でもあります。 歯周病は気付かない間に進行してしまうので、歯に歯垢や歯石が付いたままの状態で放置してしまうと一気に進行してしまいます! 定期的に歯周病の検査、そして虫歯のチェック、歯石取りをしてもらいましょう。 ・高齢期高齢期では唾液の分泌が少なくなったり、歯を支えてる骨がやせ、それとともに歯茎が下がってくることで歯の根元が露出し虫歯になりやすくなります。適切な力で歯と歯茎の境目にしっかりとブラシを当て虫歯予防、そして歯周病にかからないようにしましょう! ここまで年齢別のお話をしてきましたが、みなさんはしっかりとお口のケアが出来ていますでしょうか? 年齢を重ねても自分の歯で美味しく食事ができるようにブラッシング頑張りましょう!また、定期検診にしっかりと通いお口の中をチェックしてもらうと、より自分のお口の中を把握出来るので、「最近歯医者さんに行ってないな〜」という方は、一度診てもらいましょう! 歯科衛生士 池田
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フッ素の大切さについて
みなさんこんにちは!(ˊᵕˋ)最近はジメジメした日が続きちょっと憂鬱になりますね太陽は出ていない曇りの日でも水分補給はしっかりして熱中症対策はしましょうね!今回は虫歯予防に効果的な、フッ素の大切さについてお話したいと思います! ◉フッ素とはまずフッ素にはどのような効果があるのかというと、『エナメル質の修復促進』『歯質強化』『菌の働きを弱める』など、虫歯の発生を防ぐ効果があり、予防に有効な成分として注目されています。 次にフッ素の実際の働きですが、以下の3つの働きで虫歯の発生と進行を防ぎます。①エナメル質の修復を促進酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。②歯の質を強化歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、虫歯への抵抗力を高めます。③菌の働きを弱める虫歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。 ◉虫歯はなぜできるのか?ところで虫歯はどのようにしてできるのでしょうか? 虫歯が出来るのは、虫歯の原因菌とされるミュータンス菌などの細菌が、糖分をエサにして酸を出し、その酸によって歯のエナメル質や象牙質が溶かされるからです。 酸によって歯が溶ける現象を『脱灰』といい、歯の溶けた部分が唾液の働きなどで修復される現象を『再石灰化』といいます。フッ素はこの再石灰化を促す働きがあります。◉毎日のケアが大事ごくたまに、「フッ素をしてはいけない」と思っている方がいらっしゃいますが、それは間違いです! 口内が常に中性であれば、歯の脱灰は起こりませんが、脱灰と再石灰化は1日の中でもめまぐるしく起こっています。 初期虫歯ができてしまっても、フッ素の活用やその他のケアにより再石灰化しやすい状態をつくり出せれば修復は可能です。 初期虫歯が修復されるまでにとは半年~1年程度かかるといわれています。 その意味では、歯科の定期健診が半年に1回以上、できれば硬い歯石が付き始める3ヶ月と推奨されています。 最近では政府が歯科検診を推奨しているニュースもしていましたね!また、初期虫歯は自分では見つけにくく、歯科専門家による定期的なチェックが必要です。『初期むし歯ができてしまった!』と慌てて一時的にケアに気を遣うだけでは、フッ素の効果は十分に発揮されません。 日々、口内の環境は変化し、脱灰に傾くリスクは常にあります。 だからこそ、毎日のケアでフッ素をしっかり取り入れ、継続的に虫歯予防に努めることが大切です。 ◉高濃度のフッ素塗布フッ素は歯科医院で歯科医師や歯科衛生士のみが塗布することのできる施術で、歯の表面のエナメル質に直接フッ素を塗っていきます。 この塗布用のフッ素は9,000ppmという極めて高いフッ素濃度ジェルが使われているので、高い効果が期待できます。フッ素塗布後は、歯に浸透させるために最低でも30分程度は飲食を控え、歯科医院で年に数回は塗布します。 ◉フッ素入り歯磨き粉でセルフケア毎日の歯磨きで使える『フッ素入り歯磨き粉』は1,500ppm以下のフッ素濃度と決められています。 歯科医院でのフッ素塗布に比べれば濃度は低いですが、毎日使うことで虫歯予防の効果を高めることができます。歯ブラシの上に出す歯磨き粉の量は、2センチ程度で十分なので、出しすぎないようにしましょう。どんなに出しても効果は殆ど変わりません。 また歯磨きの後でするうがいは、しすぎるとフッ素が流れてしまうので注意しましょう!◉フッ素洗口液を使ってうがいをするフッ化物の応用として『フッ素洗口液』によるうがいも効果があります。 フッ素の入った洗口液のフッ素濃度は250〜900ppmです。 薄めて使うタイプの洗口液は必ず薄めてから使用して下さい。 絶対に原液のまま直接、歯に付けたりしないでください。◉まとめフッ素は食事からも体内に取り込まれるミネラルのひとつでもあるので、虫歯菌の出す酸から歯を守り、歯質を強化してくれるため、歯に直接作用させるのが効果的です。 フッ素塗布やフッ素入り歯磨き粉、フッ素洗口液に関してや、フッ素の安全性で不安な方はぜひ気軽にスタッフにお尋ねくださいね! 歯科衛生士 山口
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歯の着色の原因は?
こんにちは(^^)近頃は暑くて暑くて、辛いですね。熱中症には気を付けましょう!外では日傘が欠かせませんね〜 1 歯の着色について歯に着色が着いてしまう理由は、日々の行動にあります。毎食後に必ず歯磨きを行っている人でも、ちょっとした行動が着色の原因となる能性があります。 今回はどのような原因で歯に着色が付くのか説明していきます。 2 歯の着色の原因 ○タバコを吸っている着色の一番の原因はやはりタバコです。 タバコを日常的に吸っているとヤニ(タール)によって歯が全体的に黄ばんだり、一部に茶色い汚れが着きます。 ヤニによる汚れは、一度付着すると落としにくい特徴があり、クリニックでも落とすのが難しいため、喫煙習慣のある人は十分注意してください。 ○着色しやすい食べ物をよく食べている普段口にする食べ物や飲み物の中にも、着色しやすいものがあります。代表的なものとして、コーヒー・お茶・カレー・ワインなどがあります。 色の濃い食べ物には、ステイン(汚れ)の元となるポリフェノールやタンニンが含まれていることが多く、その成分が歯のエナメル質を覆っている部分に付着することで、着色汚れになります。 ○歯並びが悪い歯並びが悪い場合も注意してください。着色は、歯に付着した色素をきちんと落とせていないことも原因の一つです。 歯並びが悪いと、隅々までしっかり汚れを落とすことが難しく、磨き残しが発生します。それを放置しておくと、歯垢が硬くて取りにくい歯石となって歯の表面にこびりついてしまいます。歯石自体にも汚れが付着しやすいので着色が更に増えてしまいます。 ○口呼吸している口呼吸をする癖がある人も、歯が汚れやすくなります。口呼吸によって口の中が渇き、唾液が少なくなってしまうのです。 唾液は口内を潤すと同時に、汚れを洗い流す役割もあります。口呼吸を繰り返すと、汚れを洗い流す唾液が十分に出なくなり、汚れは落ちにくく歯の表面に残ってしまいます。 口呼吸はアレルギー等で鼻が詰まっていて鼻呼吸が困難な場合や、歯並びが悪く上の前歯が出ていて唇がしっかり閉じられない場合になりやすいです。 耳鼻科に行って鼻のつまりを改善したり、矯正治療で歯並びを治す必要があります。 ○歯磨きに問題がある歯磨きする頻度が少なかったり、歯磨きをしていなかったり、雑な歯磨きで済ませていたりしてませんか? 歯磨きの回数が少なかったり、歯磨き自体が雑になっていたりする場合は要注意です。歯垢が残りやすく、自分では取ることが難しい歯石になってしまいます。そこからまた着色につながります。 正しい歯磨きの習慣は、虫歯や歯周病予防と同時に着色を防ぐ基本的なことです。 自分の歯の大きさと歯並びに合った歯ブラシを使用して正しい力と方法で丁寧に磨くようにしましょう。 歯と歯の間に付く汚れは歯ブラシが届いていない可能性があります。 そのような隙間に着色がつかないようにデンタルフロスや歯間ブラシも併用して清掃するようにしましょう。 ○つめ物やかぶせ物の変色歯自体に付く着色ではありませんが、つめ物やかぶせ物が劣化することがあります。 特にレジンと言われるプラスチックのような樹脂は吸水性があるため経年変化で色が変わってきてしまいます。 もしも見た目が気になるのであれば、新しくつめ物やかぶせ物を交換してもらいましょう。 またつめ物は歯との間がどうしても隙間や段差が生じてしまいますので、その隙間に着色が入り込んでしまうことがあります。 このような隙間に入り込んだ着色は歯ブラシやクリーニングでは完全に取り除くことが困難な場合があります。 その場合も着色を取りには一旦つめ物を削り取って新しくつめ直す必要があります。 以上が主に歯の着色になる原因です。原因は様々ですが、これらの中に当てはまるものがある人はここで一度生活習慣を見直してみましょう!どうしても取れない着色は、歯科医院でクリーニングをして取り除いてもらいましょう。 またクリーニングと同時に歯を白くするホワイトニングもいかがでしょうか? 歯科アシスタント 松本
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歯が痛いときの問診について
こんにちは、歯科医師の鈴木です。今回は歯の痛みがあった時の最新の問診の仕方についてお話します。 歯の痛みはつらいですよね。少しの痛みならともかく、ズキズキと脈打つ痛みだったり、脳に響くような痛みだと仕事や勉強にかなり影響してしまいます。自動車を運転していたら集中力が途切れて事故を起こすかもしれません。 そんな時は少しでも早く歯を削ってもらったり、もう歯を抜いてほしい~!って思うかもしれません。でもちょっとお待ち下さい。もしも歯が痛くても、必ずしも歯が原因で歯が痛い訳ではないかもしれません! 歯が痛いとのことで歯を削ったり神経を抜いたり抜歯をしても痛みが取れない場合があります。つまり痛みの原因が歯でなかった可能性があります。 そのようなことにならないように、歯科医院では頭の付近や全身疾患まで鑑別診断に含めた包括的な問診を行うことが大切です。 当院では、問診して本当に歯から来る痛みなのかよく診査診断をしてから治療にあたっております。このような包括的な問診を『痛みの構造化問診』、難しく言えば『仮説演繹法』とよばれるのですが、いかにどのように問診を行うか説明していきます。① 部位 痛む場所はどこですか?② 発現状況 痛みが始まるきっかけとなったことがありますか?③ 経過 今までたどった経過は、痛み始めてからどれくらいですか?④ 痛みの質 どのような種類の痛みですか?⑤ 痛みの程度 痛みの強さはどのくらいですか?⑥ 頻度 どのくらいの頻度で起こりますか?⑦ 持続時間 一回の痛みはどのくらい続きますか?⑧ 時間的特徴 痛みの変化の時間的特徴はありますか?⑨ 増悪因子 痛みを生じさせたり、悪化させることはありますか?⑩ 緩解因子 痛みを軽くできることはありますか?⑪ 随伴症状 痛いときに他に一緒に生じる特徴はありますか?⑫ 疼痛時行動 痛みのときに決まって行動することはありますか? 以上の12項目を問診して、痛みの特徴から必要な鑑別診断を行い、最終的な診断をつけることが大切です。 歯の痛みがもしかしたら大きな病気の一因になっていることもあります。 歯の神経は頭の神経に繋がっている神経の一つです。頭の神経は12あるのですが、その1つが歯の神経なので脳の中や耳のあたりなど頭に関する所に腫瘍ができたりしても、歯の神経を圧迫して歯の痛みとして危険の信号を出してることもあります。 そのような場合も考えて、他の12の神経が正常か診るのはとても大切になります、 この12の脳神経検査のやり方を説明致します。12脳神経検査① 第一脳神経 嗅神経 嗅覚を検査するので鼻腔でコーヒーなどを匂いが嗅ぐことができるか検査する。② 第二脳神経 視神経 視野を検査する。患者さんの視野がどこまで見えるか検査する。③ 第三・四・六脳神経 目の運動を検査する。④ 第五脳神経 目の神経、上の歯の神経、下の歯の神経が含まれており、どこかが鈍くなってないか精密触覚機能検査などを用いて検査する。咬む筋肉の衰えがあるかも見る。⑤ 第七脳神経 顔面神経 額のしわ寄せ、目を閉じれるか、口角を上げられるか検査する。味覚も検査する。⑥ 第八脳神経 内耳神経 聴覚の検査を行う。⑦ 第九・十脳神経 舌咽神経、迷走神経 咽頭部の運動を検査する。舌を圧迫して口蓋垂の偏位があるか診る。⑧ 第十一脳神経 副神経 肩の筋肉や首の筋肉の衰えがないか検査する。⑨ 第十二脳神経 舌下神経 舌の運動を検査する。舌を前にしたりして正常か検査する。 これだけの神経が頭の中には複雑に絡み合っています。頭の痛み、歯の痛みもそうですが、この12脳神経が絡み合って起こりますので、痛みの原因がどこかを精密に検査していきます。検査にはレントゲンやCT、MRI(大学病院で行います)を撮るのも必須です。 歯の痛みは大きな病気のシグナルになっていることもありますので、我々歯科医師は常に注意して診療しています。大学病院や医科の先生と連携しながら最善を尽くして治療していますので、ぜひどこが痛いか、いつからの痛みか詳しく教えていただけたら幸いです。痛みの原因を知ることで、治療計画を立てていきますので、お気軽にお申し付け下さい。また、不快な違和感も教えていただけたら幸いです。スタッフ一同一丸となって適切に行っていきます。歯科医師 鈴木孝美
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インプラント治療について考えてみます
みなさんこんにちは( ¨̮ )!最近お家で過ごす時間が増えてきて美味しいご飯、お菓子を食べる時間も増えましたね!美味しいものを食べるため必要な物、それは『歯』です。 これからお話することはそんな『歯』が何かしらの原因で少なくなった時にどのようにして補っていくか、今回は『インプラント』に焦点を当ててお話しようと思います。 インプラントという言葉自体は聞いたことがあっても、具体的にどのような治療なのかはよく分からないという方も多くいるかと思います。まずインプラントとは、虫歯・歯周病などの後天的な原因で歯の本数が少なくなってしまったり、先天的に歯の本数が少ない場合に行う治療の1つです。 インプラント以外の選択肢としては、『ブリッジ』『入れ歯』といった方法があります。 「では一体どれをやればいいんだ?」と選択肢が複数あるとどれを選べばいいのか分からなくなってしまうと思いますが、それぞれの治療にメリット、デメリットがあります。インプラント・ブリッジ・入れ歯のメリットとデミリット ①インプラントメリット・自分の歯と同じように噛める。・違和感がほとんどない・見た目が元の歯のように美しい・健康な歯を削らなくていい デメリット・外科手術が必要・治療期間が長い・保険適用でない ②ブリッジメリット・外科処置がない・入れ歯のような違和感が少ない・材料や方法で保険診療か自由 診療を選べる デメリット・両隣りの歯を削る必要がある。・隙間に物が挟まりやすい・メンテナンスが難しい ③入れ歯メリット・健康な歯を削る必要がない・広範囲の欠損にも対応ができる・物によってはバネが目立たな いタイプのものもある デメリット・見た目が気になる・硬いものが食べにくい・違和感がある・食べ物が挟まりやすい・調整が何回か必要 インプラントがおすすめな人 インプラント治療は、見た目にこだわりたい方、いつまでも若々しくいたい、また歯が無いことを周りに知られたくなかったり、旅行やお出かけの際に気にせず過ごしたいという方、そして健康な歯を削ったり、負担をかけたりしたくないなどそういったお悩みがある方におすすめです! 1つ前の項目でメリットについてお話しましたが、他にも多くのメリットがあるので気になる方は当院のスタッフにご相談ください! インプラントを入れる過程 ①術前診査 まずレントゲン撮影、CT撮影、口腔内検査を行い、それらを元に分析し精密検査をします。 その上で、歯の無い部分とその周囲の骨の厚み、骨の高さ、骨密度、骨吸収の程度、また下の奥歯であれば神経との関係もみて慎重にインプラントの治療計画を立てます。 ②一次手術(埋入) 虫歯治療と同様に歯茎に麻酔をし、予めシュミレーションされた長さ・太さのインプラント体を骨の中に埋入します。この時、必要に応じて骨が足りない部分に人工骨を入れたりします。治療時間は個人差ありますが2時間から3時間程です。また入院の必要などはなく、当日は安静にしていただき、翌日からは普通に生活できます。 ③二次手術 顎の骨がインプラント体と結合したら、被せ物をセットするための手術を行います。麻酔をして歯茎を切開し、インプラント体と人工歯を連結するパーツをつけます。 ④型どり、人工歯set 歯茎が二次手術後、落ち着いた後に型を取り、人工歯を作成します。形や色などは患者さんに合わせて作製し、取り付けます。 インプラントは人工歯を付けたらここで終了ではありません。1番大切なのはメンテナンスです。 メンテナンスについて インプラントを入れたあとは治療後に、インプラント周囲炎にかかりやすいので予防ケアが必要になります。インプラント周囲炎とはインプラントを入れた周りの歯茎が炎症を起こし顎の骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です! そうならないために必要になってくるのが、まずは患者さん自身で行っていただく『セルフケア』です。 正しいブラッシング方法を身につけ磨くことが大切になってきます。 そしてどんなに丁寧に磨いても落とせない汚れは必ずあるのでそれを『定期メンテナンス』にて歯科医院でケアするのがとても重要になってきます! またメンテナンス時、定期的にレントゲンを撮影しインプラントをセットした後の予後を確認する必要があります。 必ずインプラントを入れた後は歯科医院にてチェックしてもらいましょう! まとめ インプラントは自然な歯に近い噛み心地で人気が高いためおすすめですが、非常にデリケートなものであることを理解することが大切です。インプラントを入れた後は大切にできるだけ長くお付き合いするために専門的なクリーニングと定期的な検査が必要になってきます。必ず歯医者さんに通いましょう! ここまでインプラントについて説明してきましたが疑問点や、より詳しく聞きたいという方は当院のスタッフに気軽にご相談ください 𓈒𓏸 DH池田
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歯磨きはなぜするの?
こんにちは(^^)だんだん暖かくなってきて、天気の良い日は広い公園でピクニックとかしたくなりますね♪ 今回は、私たちはなぜ歯を磨かなければいけないのか説明していきます。 ○歯磨きはなぜするの? 虫歯や歯周病、口臭などの口のトラブルの多くは目には見えない細菌が引きこしています。 口の中に生息する細菌は、しっかり歯磨きが出来ている人でも1000~2000億個ほどあり、まったく歯磨きをしない人となると6000億個〜1兆個!になるともいわれているそうです。 この細菌すべてが悪い菌というわけではなく、口腔内環境を整えるうえで重要な役割を担っている菌も多く存在しているそうです。とはいえ細菌の良い悪いに関係なく、歯を磨かなければ口の中で細菌が増殖していく一方であることは間違いありませんね。 ○うがいをすれば細菌は減らせる? 「細菌を減らすだけなら、歯磨きでなくても水でうがいをすれば洗い流せるのではないか?」と思う人もいるかもしれませんが、口の中の細菌はそう簡単にはいかないようです。 口の中の細菌は共存できるよう、様々な種類の菌が塊をつくって生息しています。この細菌の塊が『プラーク』と呼ばれるものです。プラークはさらに『バイオフィルム』という膜で守られています。バイオフィルムで覆われているプラークは、うがいで洗い流すぐらいの力では落とすことができません。例えるのであれば、キッチンの排水溝にできるぬめりもバイオフィルムの一種なんです。水洗いだけであのぬめりを落とすことが不可能ですよね?歯の表面に付着したプラークは排水溝のぬめりを落とすときと同じように、ブラシでしっかり磨くことでしかきれいに落とすことができないというわけです。 ○プラークがついているとどうなるの? 歯に付着するプラークはクリーム色で粘り気があります。歯磨きをしなければプラークはさらに増えて、歯の表面全体を覆うようになります。表面をネバネバしたプラークで覆われてしまった歯はツヤを失ってしまい、また色も黄色っぽくなり本来の白い歯の美しさを失ってしまいます。 人の顔の中でも、特に清潔感の象徴となるのが口元ですね。そのため歯にツヤがなく、黄ばみが強くなっていたりすると、他人に不潔な印象を与えてしまいます。 そしてこのプラークによって歯が溶かされ虫歯になったり、硬い歯石となって歯周病が進行してしまいます。 虫歯になるとしみたり寝れないほどの激痛がやってきます。 歯周病が進行すると、歯がグラグラして最終的に歯が抜けてしまいます。 ○歯ブラシはどんなものを使ったら良いの? 歯ブラシはできるだけコンパクトなものを選びましょう。 市販している歯ブラシは必要以上に大きいものが多いです。 大きければ歯を磨く効率が上がるわけではありません。ブラシ部分が大きく厚みのある歯ブラシでは磨き残しが多くなったりします。 また男性は歯磨きをするときに力を入れすぎてしまうため、歯ブラシのナイロンの毛先で歯を痛めたり、歯ぐきを傷つけてしまいます。 そのため歯ブラシの毛先のかたさは『硬め』は使わず、『普通』か『やわらかめ』で力を入れずに磨くようにしましょう。 女性の場合も朝忙しくてつい力を入れすぎてしまう人は『硬め』は避けたほうがいいでしょう。 ○歯磨きはどれくらいの頻度でしたらいいの? 歯磨きは1日3回食後におこなうことが理想的です。 歯磨きは磨く回数ももちろん大切ですが、磨くタイミングも重要です。 食事をした後は、細菌が食べかすを餌にして増殖します。 そのため食べたあとは必ず歯を磨くようにしましょう。 また、食後だけではなく寝る前と起きたあとの歯磨きはとても重要です。特に就寝中は唾液の量が少なくなるため、細菌がもっとも繁殖しやすくなっています。なので就寝前の歯磨きは特にしっかりとおこなってください。 いかがだったでしょうか? 歯を磨くことはとっても大事で日常生活で欠かせないものです。 毎日の丁寧な歯磨きで、美しく健康な歯を保ちましょう! 歯科アシスタント 松本
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骨粗しょう症のお薬と抜歯
こんにちは、口腔外科を担当しております歯科医師の鈴木です。 今回は年配の方に多い『骨粗しょう症』で飲んでいるお薬と抜歯についてお話したいと思います。 今まで、骨粗しょう症の薬である、『ビスホスホネート製剤』は骨の密度を低くさせない代わりに骨を作る作用も止めてしまうので、この薬を飲んでいる患者さんは抜歯をすることができませんでした。 しかし最近の骨粗しょう症の薬はかなり進化していて、また抜歯も可能なようです。 はじめに2010年にはじめて日本での骨粗しょう症のお薬が、抜歯などで骨の壊死をもたらすとされていた、『薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)』の発表されてから約10年が経ち、臨床研究や症例の蓄積により新たな知見が増えました。それによると、「抜歯前の骨粗しょう症のお薬の休薬の効果に対する根拠はない」とされていて、当初から比較するとMRONJに対する認識は大きく変わってきています。 薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)とは?この薬剤関連顎骨壊死とはどういう状態のことかと言うと、「骨粗しょう症のお薬や注射を使用している患者さんで、8週間以上口の中に骨が露出した状態が持続されており、かつ、以前に顔に放射線治療を受けいない場合」のことを示します。 薬剤関連顎骨壊死になってしまう可能性のある人は、以下のいずれかに含まれます。① 骨粗しょう症やがんの治療で、ビスホスホネート製剤を使用している。② 骨粗しょう症やがんの治療で、デノスマブを使用している。(デノスマブは注射製剤のみになります。)③ がんやそのほかの疾患の治療で、血管新生抑制剤を使用している。 抜歯前の休薬は、顎骨壊死の発生を予防しない2010年に日本では、抜歯前は骨粗しょう症のお薬の休薬することが推奨されていました。 その後、2016年の発表では、骨粗しょう症のお薬の休薬の効果はMRONJの発症予防の関連は不明であること、また発生回数に基づいたMRONJ発症のリスクよりも骨折予防の利益の方がまさることや、歯科治療前の感染予防を十分に行えばMRONJは減少することなどから、歯科治療前の休薬を指示する根拠はないとされています。 また2017年には、休薬が顎骨壊死の治療の成績向上に与える影響がないこと、逆に骨折のリスクを高めてしまうとの報告があります。 抜歯はMRONJの発症リスク要因になってないあるデータでは、MRONJの発症は抜歯を契機に発症したのが2割で、その他8割は抜歯と関係なく発症しています。 つまりは、抜歯を行わなくてもMRONJは多く発生していることになります。故に、むしろ抜歯の原因になった細菌感染こそがMRONJの発生に深い関わりをもつのです。 感染源になる要抜歯の歯は、早めに抜歯を行うことが推奨されています。 MRONJの予防このMRONJの発生を抑えたり予防するには、口腔衛生管理や適切な歯科治療が重要と考えられています。 不衛生な口腔内からMRONJは自然発症する例も多く報告されている事から、特に口腔衛生管理が最も重要であり、骨粗しょう症のお薬を服用している患者さんには3ヶ月ごとの口腔ケアを行った場合、10倍のMRONJの発生予防効果があることが実際に公表されています。 一番の予防は定期検診が重要であります。 まとめ近年は、50才以上の女性の3人に1人が骨粗しょう症になる時代です。 誰もが骨粗しょう症のお薬を飲むようになることが普通になる時代です。最初に当院に通院したときには骨粗しょう症のお薬は飲んでなかったとしても、もし骨粗しょう症のお薬の治療が始まるも多くありますので、骨粗しょう症のお薬が始まったらできるだけ速やかにご報告されて下さい。患者さんの中には、歯科治療をすることがダメだと誤解をしている方もまだ多くいらっしゃると思いますので、多くは適切なお口の中のケアと感染源の抜歯は、健康にさらに役立つので、スタッフ一同一丸となって適切な治療をおこないます。 当院では、通院されている内科や整形外科の先生方とも連携して適切な注意を仰ぎ、医師の先生との連携を大切にして、患者さんにとって一番よい時期や方法で抜歯を行っていますのでどうぞご安心なさって下さい。歯科治療、口腔ケアを受けることによって顎骨壊死の多くは予防できますので、定期検診の重要性はとても効果があります。 口腔外科・歯科医師 鈴木