お知らせ
-
日々自己研鑚
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 谷村歯科医院ではスタッフが、空いている時間を利用して技術の研鑽に努めております。 当院の理念は、『患者さまに上質な医療を受けていただく』ということなので技術の研鑽は欠かせません。 歯をいつまでも長持ちさせるためには予防がとても大事ですが、虫歯や歯周病になってしまった場合は自然にもとに戻ることはないため、歯科医院で歯の治療が必要になります。 そして虫歯によって失った部分の回復には正しい診断のもと、正確に歯を削って汚染した部分を取り除き、美しく正確な機能回復をする必要があります。 基本的に歯科治療は主に以下の手順で行います。 1 診査 直接見て、叩いたり風をかけたり触って状況を確認するのと同時にレントゲン画像で歯の中の状況をチェックするなど、できる限り情報を集めます。 2 診断 病名を確定して、どのような治療が必要か、どの歯から治療するべきか、どのような段取りで進めていくのか、予測される影響などを考えて、治療方針を決めて患者さまに説明して同意をいただきます。 3 処置 全体の手順を考えて、正確に治療を行います。 4 検診 患者さんごとの適切な歯科検診期間を決めて、治療後も経過を確認していきます。 この中で特に「3 処置」 が重要ですが、歯科治療の特殊性として診断と投薬だけではなく、削ったり切ったりといった処置がとても重要です。この治療は、1mm以内というとても細かい作業が多いので、日々技術の研鑽は欠かせません。 治療は、器用さ・技術や知識・経験の3つが必要です。どれかが欠けても最適な治療ができません。 器用さは歯科の治療では重要ですが、ある程度もって生まれたものなので不器用だと大変です。しかしそれでも知識とたゆまぬ努力で練習を頑張れば、カバーすることが可能です。 歯科医院のスタッフが一体どのような練習をするのかというと、以下のような練習をします。 レントゲンの正しい撮影方法・歯周病の正確な検査・お口の規格にあった写真撮影・虫歯の正確な除去・型取り・仮のふた・仮歯・根の治療・被せ物の形成・セメントの適切な練和などなど・・・きりがありませんが、これらのすべてを正確に痛みを出さず、短時間で手早く行わなければなりません。 でも、これらは学校でやるべきなのでは?と思われるかもしれません。 もちろん、歯科大学や歯科衛生士学校でも一通りは実習があります。基礎基本もしっかりと教わります。 しかしほとんどの時間は国家試験に合格するための講義と試験で費やされるので、実技に関するカリキュラムはあるのですが、膨大な時間を要するので不十分です。 治療の技術に関しては卒業して仕事を始めてから何年もかけて覚えていくのです。 通常歯科医師が一人前になるには3年かかると言われています。 毎日診療して3年なので、大学生の実習だけでは到底時間が足りないことがおわかりになると思います。 現在当院には私のほかに勤務している歯科医師がおりますが、10年以上のベテラン医師と私と同期のインプラント専門医、そして口腔外科の指導医がおりますので安心して治療を受けていただけます。 特に外科処置は全身の病気と関連していると同時に、突発的に気分が悪くなったりすることもありますが、3名のベテラン口腔外科医師がおりますので、どんな状況でも適切に対応することができます。 また私も毎月のように学会やセミナー、実習に参加して、日々最新の歯科医療時技術の習得に努めています。 歯科衛生士も現在3名在籍してますが、とても勉強熱心なので昼休み等を利用して技術の向上に励んでおります。 これからも患者さまによりよい治療を受けていただくため、スタッフ全員で頑張ります!
-
お酒と虫歯
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 みなさんお酒は飲みますでしょうか?気分がいいとついつい飲みすぎてしまいますね。 お酒の飲みすぎはもちろん体によくありません。二日酔いや体調が悪くなるだけでなく肝臓に大きな負担をかけてしまいます。 実はお酒を飲みすぎると、二日酔いになるだけでなく虫歯にもなってしまうのです! アルコールの飲み過ぎは急性アルコール中毒の危険性がありますが、虫歯になりやすいとは不思議ですね。 ではどうしてお酒が虫歯と関係するのでしょうか? 1 歯はなぜ溶ける? 歯は酸によって溶かされてしまいます。食べ物や飲み物、そして酸のガスを吸い込むことで歯が溶けてしまいます。 歯が溶けることを脱灰といいますが、虫歯の原因菌が糖分を栄養素に酸を出すことで歯が溶けて虫歯になります。 酸性度の基準をpH(ペーハー)といいます。中性はpH7です。数字が低くなるほど酸性度が増し、数字が高くなるとアルカリ性になります。 そしてpHが5.4を下回ると歯の表面の一番固い組織であるエナメル質が溶け出します。 歯のエナメル質は人体の組織に中で一番硬い部分です。 そのため毎日食べ物を噛み砕き、永久歯は一生生え変わることなく使用することができるのです。 そのエナメル質を酸はいとも簡単に溶かしてしまいます。 2 飲み物の酸性度(pH)は? ジュースなどの甘い飲み物は糖分がたっぷりと含まれるので、虫歯や歯周病の原因菌の栄養源となります。 しかし酸性度、すなわちpHがどうかということに焦点を当ててみましょう。 水・お茶・牛乳 pH5.5~7 果汁100%ジュース・炭酸飲料・スポーツ飲料 pH2.2~4 果汁は意外に酸性度高いので、頻繁に摂取していると歯がだんだんと溶けていってしまいます。 スポーツ飲料は健康に良さそうなイメージですが、大量の糖分を含んでいますので虫歯になりやすい飲み物です。 極まれに乳幼児で口の中が虫歯だらけのお子さんがいます。 お母さんに詳しく聞いてみると、普段からミルクやお水代わりにスポーツドリンクを哺乳瓶に入れて飲ませていたりペットボトルを買い与えていたとのことです。 スポーツドリンクは発熱時や発汗後の水分補給としては体液に近い浸透圧なのでとてもいい飲み物と言えますが、ミルクやお水代わりに飲ませるものではありません。 3 お酒の酸性度(pH)は? お酒と一口に言っても、さまざまな種類があります。 ビール・ワイン・シャンパン・日本酒・焼酎・ウイスキー・ウォッカ・カクテルなどなど これらすべてのお酒は中性であるpH7よりも低く酸性でした。 つまりお酒を大量に飲むと虫歯になりやすいということです。 特にとても酸っぱいレモンを絞ったカクテルやチューハイ、梅酒ではかなり酸性度高い(pH値が低い)結果でした。 アルコールと果汁のダブルの酸で虫歯になる確率が高くなります。 4 どうすればいいのか? 外食や飲みに行くとついついお酒をだらだらと飲んでしまいます。 そのためお口の酸性度が上がって歯が溶けてしまいます。 しかも酔っぱらて帰ってくると歯ブラシもままならず、そのままベッドに直行というパターンではないでしょうか? お酒を飲んだ後は歯ブラシができれば一番いいのですが、基本的には唾液で口の中のpHは中和されます。 中和される時間は30分ほどかかりますので、だらだら飲みでは中和される暇がありません。 だらだら飲みをやめて、寝る前には歯を磨きましょう。 またマウスウォッシュも効果的です。 またお酒の種類はカクテルやワインよりも、ウイスキーや焼酎などの蒸留酒のほうが酸性になりにくいです。 谷村歯科医院では、専門の資格を持った歯科衛生士が歯の磨き方の指導をいたします。 分からないことがあればいつでもご相談くださいね。
-
歯と全身疾患の関係
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は『歯と全身疾患の関係』です。 お口は食べ物を最初に取り込む器官です。現在では口の中の環境が全身の健康状態や病気と深く関係があることが分かっています。 特に虫歯や歯周病があると、死に至る病気のリスクがとても高くなります。 そのため、たとえ歯や歯ぐきの症状が大したことなくても全身の病気が悪化して取り返しがつかなくなるまえに、早めに治療を受けましょう。 具体的に歯と歯茎に関係のある全身の病気にはどのようなものがあるのでしょうか? 1 歯と全身疾患との関係 歯周病と関係のある全身疾患は、次の通りです。 心筋梗塞・狭心症・虚血性心疾患など心臓の病気、糖尿病、肺炎などの肺の病気、また妊婦さんが早産や流産になる確率が上がります。 糖尿病は体調が悪くなるだけでなく失明や手足が腐って切断のリスクがあります。 心臓の病気は生死に直結するため、体調が悪くなった場合は一刻を争う事態になります。 2 心臓の病気 口の中に虫歯や歯周病があると、その原因菌が傷口から心臓に流れて心臓を動かしている血管に炎症を起こして動脈硬化や心筋梗塞になる可能性があります。 歯周病に罹患している人の心臓の病気で死亡する確率は、歯周病がない人の2~3倍になります。 まさに歯周病が寿命を縮めるというわけです。 歯ブラシをしていて歯茎から血が出る場合は歯周病や大きい虫歯かもしれません。 病原菌が歯ぐきから入り込んで心臓に行って重症になる前に、しっかりと虫歯や歯周病の治療をしたり、歯垢と歯石を取り除いてもらいましょう。 3 糖尿病 糖尿病になると歯周病にもかかりやすくなります。 糖尿病は血糖値を上昇させ、病気に対する抵抗力を低下させ、歯周病になる確率が健康の人の2倍にあがります。 糖尿病の人は、歯ぐきが慢性的に腫れています。 ブヨブヨとした腫れ方で、これはブラッシングだけでは治りません。 傷の治るのも悪くなり、抜歯やインプラント治療を行う際は要注意です。 4 肺炎 こちらも口の中の細菌や病原菌が誤って肺に入り、誤飲性肺炎を引き起こします。 この病気は抵抗力が弱かったり、たべものをよく噛んで呑み込めない高齢者に多い病気です。 歯周病のある高齢者の誤飲性肺炎での死亡率はとても高くなっています。 しょっちゅう咳き込んだり、胸が苦しい場合は病院で診てもらうと同時に、歯科医院で歯石をとりのぞいでもらいましょう。 5 早産・流産 妊婦時に歯周病があると歯周病菌が子宮や胎盤に感染することで、早産や流産の可能性が高まると考えられています。 また本人だけでなく、出産後に子供に口移しに食べ物を与えたりキスをすることで、子供に虫歯菌や歯周病菌を移してしまいます。 可愛い赤ちゃんにはもともと歯周病菌はいませんので、くれぐれも注意しましょう。 6 外見への影響 歯がなくなると、口の周りのしわが増えて実際の年齢よりも老けて見えるようになります。 しゃべるときも活舌が悪くなるので人との話がおっくうになてしまいます。 またよく噛めないことで食べ物を飲み込むようになり、肥満や脳の働きが鈍くなったり病気がちになってしまいます。 また噛む力が衰えると足腰の筋肉も衰えてしまいます。 寝たきりにの方の歯が全部無い、無歯顎の割合はものすごく高くなっています。 歯がなくなると寝たきりになって、要介護で家族や周りの人に迷惑をかけてしまいます。 このように口の中というのは、全身の状態と大きく関りがあります。 いつまでも健康に長生きするためには、お口の中の環境を整えることがとても大事なのです。 「歯や歯ぐきが悪くても大したことない」と思わず、なにかいつもと違うと感じたらすぐに歯科医院を受診してみてもらいましょう!
-
歯を強くする方法
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 みなさん、自分の歯は丈夫だと思いますか? 歯が丈夫な人でも虫歯の一つや二つはできたことがあるのではないでしょうか? 今回はそんな皆さまに「歯を強くする方法」に次いて説明いたします。 歯は固い硬組織のため、筋肉みたいに鍛えるようにはいきません。 固い食べ物を食べたり金属を噛んでも、歯が減ったり割れたりして逆効果です! 歯を強くするには鍛えることではなく、保護することが大事になってきます。 今回は歯を強くする方法を子供の歯と大人の歯に分けて解説いたします。 1 子供の歯 永久歯がまだ生えてない場合、カルシウムの入った食事や飲み物を摂取することで強い永久歯を作ることができます。 年齢的には12歳から15歳ぐらいまでです。 カルシウムが多く入っている食べ物や飲み物 牛乳、チーズ、エビ、カニ、魚、こんにゃく、ごま、ヒジキなど 子供の時期にしっかりとカルシウムを取らないと、歯の質が柔らかくて虫歯になりやすくなってしまいます。 また、定期的にフッ素を塗るのも効果的です。 フッ素の化合物が歯の表面をコーティングして、酸に対する抵抗力や歯のカルシウムが溶けるのを防いだりします。 歯を強くするには、子供の頃の食生活がとても大事になってきます。 2 大人の歯 大人の場合は歯が完成しているので、どんなにカルシウムを含む食品を摂取しても歯に取り込まれることがありません。 そのため、子供のような歯の成分を強化する効果はありません。 ただしフッ素を塗布したりフッ素入りの食品を摂取することは有効です。 フッ素入りの歯磨き粉を使ったり、歯科医院でフッ素を塗ったり、フッ素入りの食品(牛肉・リンゴ・海藻・緑茶)を摂取するようにしましょう。 フッ素の膜で、歯の表面のカルシウムが溶け出すのを防止することができます。 普段痛みや腫れなどの症状がなくても、定期的に歯科医院に行って歯石を取った後にフッ素を塗布してもらうことで、いつまでも歯を強くすることができます。 また検診によって虫歯や歯周病の早期発見と早期治療ができるため重症化を防ぐことができます。 最近は歯のホワイトニングをすることで、ホワイトニングの成分が歯の表面を傷めず逆に強くすることが分かってきました。 ホワイトニングは適切に歯科医師の指示のもとで処置を行えば、とても歯のためにもいいです。 永久歯はだめになったらもう二度と生え変わることはありません。一生大切に使う必要があります。 歯で食べ物でないものを噛んだり、酸性の物を食べ続けたりすると歯は減ったり欠けてしまいます。再生はしないので、歯に悪いことはできるだけしないようにしましょう。 また、食後は必ず歯を磨くようにしましょう。 歯が酸や虫歯で溶けて柔らかい象牙質が露出すると、虫歯や歯の摩耗が急速に進んでいきます。 さらに歯ぎしりがある人は夜寝るときにマウスピースをして寝るようにしましょう。 寝ているときは無意識に歯を食いしばったり歯ぎしりで少しずつ削れていってしまいます。 そうなると、どんなにフッ素を塗ったりカルシウムを接種しても全く追いつきません。 この歯ぎしりから歯を守る透明なプラスチックのマウスピースがとても重要です。 皆さんの中にはスポーツが趣味だったり、お仕事にされている方はいますでしょうか? そのような方も力を出す必要があるとにものすごい力で歯を食いしばるので、歯が割れたり削れてしまいます。 そのためマウスピースをつけて歯を保護することが必要ですが、スポーツ用のマウスピースは寝ているときのマウスぽピースよりも厚く、上の歯と下の歯が両方はまるようになっています。 もし歯を強くしたい場合に分からないことがありましたら、お気軽にスタッフにお声がけください。
-
歯のホワイトニング
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、「歯のホワイトニング」についてご説明します。 白く輝く歯はとても健康的で素敵ですよね。やはりどんなに顔が美人でも歯が汚かったら台無しです。 歯のホワイトニングとは、歯を特殊な薬剤で白くする方法のことです。 白い歯は、周りの人にとてもいい印象を与えます。 きれい、健康的、スッキリしている、清潔感がある、きちんとしている、信頼感がある などなど 美しい口元は、きれいな歯並び、虫歯や歯周病がなくさらに歯が白いことが必要です。 みなさんもホワイトニングで、黄ばんでいる歯も美しい白い歯にしませんか? ホワイトニングの種類・方法 ホワイトニングは薬品を使用して白くしていきますが、そもそも歯垢や歯石と着色だらけでは薬品が歯まで届きません。 また、歯が白くなっても表面の付着物に邪魔されて、白くなっているのかわかりません。 さらに、虫歯や歯周病があると歯の神経を痛めたり、歯ぐきを傷つけてしまいます。 ホワイトニングの前に、まずは表面の着色を取ったり虫歯と歯周病を治しましょう。 ホワイトニングに使用する薬剤には多くの種類がありますが、当院では厚生労働省で認可を受けている薬剤を使用しております。 短期間で白くなるものは海外製で日本人には合わないものもあり、最悪歯の神経を取るようになったり知覚過敏に悩まされる場合もあるそうです。 当院では安全第一で行っております。 当院で使用する薬剤は安全性が立証されており、歯が溶け出すようなことはありません。 ホワイトニングの方法には2つの方法があります。 1 オフィスホワイトニング 歯科医院で歯に薬品を塗布して専用の波長の光を当てて短時間で白くする方法です。 約1時間から2時間ほどで歯を白くすることができます。 時間がない方にお勧めです。 しかし白さは表面的な白さです。 また子供のころに抗生物質を服用して、歯が全体的に褐色になってしまっている場合も白くすることが難しいです。 2 ホームホワイトニング まず歯科医院で上と下の歯型を取ります。それをもとにぴったりとしたマウスピースを作ります。 そのマウスピースに歯科医院で渡された漂白キットの漂白液を自分で塗って歯にはめます。 この状態を2時間行います。これを2週間続けます。 この方法は時間はかかりますが、歯の中からじんわりと白くなるのでとても自然です。 毎日少しずつ白くなるので、「変わった」と実感しにくいことがあります。 歯の白さは絶対的な基準ではなく、感じ方なのでどの白さがいいのかは人それぞれです。 ホワイトニングをしても真っ白になるわけではありません。 歯の色は実際には黄色みや赤みがあります。 逆に真っ白だといかにもニセモノっぽくなりますが。 ホワイトニングの効果ですが、これは一生白いままではありません。 完全に元に戻るわけではないものの、多少後戻りがあります。 また、歯の表面に歯垢歯石や飲食物の着色がつくようになります。 定期的なクリーニングをすることで歯の白さを維持することは可能です。 当院では、まずは歯の表面の汚れを落とすクリーニングをおすすめしております。 薬剤を使うホワイトニングではなく、クリーニングだけでも本来の歯の白さが出てきて満足される方も多いです。 もしそれでももっと白くしたい場合や着色がそんなについていない場合はホワイトニングをしたほうがいいでしょう。 白い歯はそれだけで表情を明るくして健康で若々しいイメージを与えます。 特に年齢が進むと歯が黄色くなってくるのでホワイトニングはアンチエイジングの効果も期待できます。 ホワイトニングについて分からないことがありましたら、当院スタッフまでお声がけください。
-
プラークコントロールについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 本日は『プラークコントロール』についてお話いたします。 プラークとは歯垢のことですが、この歯垢を歯ブラシや歯間ブラシなどの道具を使って取り除き衛生的に良好に保つ行為を『プラークコントロール』といいます。 プラークコントロールは、現代人の食生活においてはとても重要です。 現代は様々な加工食品や砂糖の含まれた食品にあふれています。 通常の日常生活において、これらの食品をまったく口にしないわけにはいきません。 そのため、口の中には糖を栄養源とする虫歯の原因菌や歯周病の原因菌が増殖してしまうのです。 そこで様々な道具や薬品で取り除いたり殺菌を定期的にする必要があるのです。 みなさん、『プラークコントロール』毎日頑張っていますか? つぎはプラークコントロールの種類をご説明します。 プラークコントロールは大きく分けて、自宅で行うものと歯科医院で行うものに分かれます。 1 自宅で行うプラークコントロール ① 歯磨き なんといっても、口をきれいにするものと言って思い浮かべるものは歯ブラシですね。 ナイロンの毛先に歯磨剤をつけて毎日お掃除します。 歯ブラシは、歯の表面についた歯垢や着色を除去します。 しかし、歯の表面は顕微鏡レベルで凸凹や亀裂がありそこまではどんなに極細の歯ブラシでも届きません。 また、歯と歯の間や深い歯周ポケットにも届かないので、他の方法も併用することが望ましいです。 さらに、ほとんどの人が急いで歯ブラシをするせいで、ブラッシング圧が強すぎて歯を削ってしまったり歯ぐきを傷つけてしまっています。 ② 歯間ブラシ 歯科医院で衛生士さんに勧められる方も多いと思いますが、歯ブラシの次に効果的なのが歯間ブラシです。 歯ブラシでは届かない歯と歯の間をお掃除します。 歯間ブラシはサイズが豊富です。SSSサイズからLサイズまで大体5~6種類あります というのも歯と歯の間はとてもデリケートなので、自分のお口いなっていない歯間ブラシを使用すると逆に歯ぐきを傷つけて、雑菌に感染して晴れてしまったり歯周ポケットが広がってしまいます。 歯周病がひどい人や、歯と歯の隙間が大きい人が細すぎる歯間ブラシを使用してもあまり歯垢が取れません。 ③ デンタルフロス デンタルフロスとは糸ようじのことです。 歯間ブラシが入らないような狭い隙間を掃除します。 デンタルフロスは、糸の細さや滑りやすくするためにワックスがついていたり、さっぱり感を出すためにミント味があったりと様々な種類があります。 通常は長い糸を自分で切って使いますが、プラスチックの棒に1センチほどの糸を張ったもあり奥歯などはこちらのほうが使いやすいです。 2 歯科医院で行うプラークコントロール ① 歯石除去(スケーリング) 取り切れなかった歯垢は、やがて唾液に含まれているカルシウムと結合して、硬い歯石になります。 歯石には強い毒性を持った細菌の巣になりますが、歯磨きだけではとることができません。 そのため、歯科医院で国家資格を持った歯科衛生士や歯科医師が取り除きます。 ② フッ素塗布 歯の表面の傷ついたところをフッ素でコーティングします。 いかがでしょうか? 一言にプラークコントロールと言っても、これだけの種類があります。 いちばん大事なのは、正しいブラッシングです。 更に、歯科医院での歯垢と歯石の除去です。 この2つに付け加えて、様々な道具や薬剤を塗布することで、いつまでも健康な歯を維持することができるのです。 口の中は自分では見ずらいので、知らない間に虫歯や歯周病が進んでしまいます。 歯垢が固まって歯石になる期間は約3か月ほどなので、3か月ごとの歯科検診と歯石除去をお勧めしています。
-
キシリトールについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回はキシリトールについてお話しします。 みなさんキシリトールってご存知でしょうか? テレビの宣伝やコンビニなどで、キシリトール配合のガムを見かけたことはことはありますか? このキシリトールですが、何が体にいいのか、またどうして虫歯予防にいいのかということまではなかなか知らないのではないでしょうか? キシリトールとは? キシリトール(xylitol)とは天然素材の甘味料で、シラカバやカシから発見されたキシラン・ヘミセルロースを原料にした甘味料です。 ギリシア語の 「Xylon、木」 から命名されました。 キシリトール自体は野菜や果物にも含まれております。 身近な例では、レタス・ほうれん草・カリフラワー・イチゴ・ラズベリーなどです。 甘さは砂糖と同じぐらいですが、カロリーは25%も低く、口の中で溶けるときに熱を吸収するのでさらっとした清涼感があります。 キシリトールの安全性は世界保健機構、WHOでも認められており、日本でも1997年に食品添加物として認可されています。 虫歯にならない甘味料? 次はキシリトールの虫歯予防効果についてご説明します。 砂糖が入った食品を口にすると、口の中でミュータンス菌などの虫歯原因菌が糖を分解して発酵して『酸』を作り出します。 その酸によって、歯のエナメル質やさらに内側の象牙質が溶かされて虫歯ができてしまうのです。 しかしキシリトールは、ミュータンス菌によって発酵しないので、結果として歯を溶かす酸ができません。 虫歯の発生や進行を防ぐ ミュータンス菌がキシリトールを取り込むと、エネルギーを消耗させて菌自体の活性力が弱まっていきます。 そうすると口の中のミュータンス菌が減少するので、酸を摂取しても酸ができにくくなります。 キシリトールの働きとして、菌のかたまりである歯垢をサラサラにするということがあります。 歯垢は食べかすと違って、ネバネバしておりなかなか歯ブラシでしっかり落とすことは難しいです。 しかしキシリトールが歯垢をサラサラにするので取り除きやすくなります。 キシリトール入りのガムの効果は? キシリトール入りガムの効果としては、唾液がたくさん出るため、唾液に含まれているカルシウムが増えることです。 カルシウムが増えると歯の表面のエナメル質と結合して再石灰化を促します。 なお、キシリトール入りガムの種類ですが、必ず原材料名をチェックして、甘みとしてキシリトール100%の物を選んでください。 砂糖も含まれていては効果はあまり期待できません。 ショ糖は虫歯菌の栄養になりますので、いくらキシリトール入りでも糖による虫歯菌の増殖と酸で歯を溶かすスピードのほうが早いからです。 ちなみにフィンランドでは、食事の後や寝る前にキシリトールガムをかむ習慣があるそうですよ。 その効果もあって、フィンランドの人は虫歯が少ないのですね。 キシリトールの注意点 キシリトールは虫歯予防の効果はありますが虫歯を治す働きはありません。 どんなにキシリトールを食べても、溶けてしまった歯が元に戻ることはなく、これだけで虫歯を予防することもできません。 歯にこびりついている歯垢は、歯ブラシをしないと取り除くことはできません。 キシリトールはあくまで虫歯予防を助けてくれる補助的なものと考えましょう。 またキシリトールを毎日摂取しているからと言って虫歯にならないわけではありません。 虫歯予防でいちばん大事なことは毎日の歯ブラシと、定期検診になります。 虫歯を予防するためには、糖分を取りすぎない、歯をていねいに磨く、歯科医院で定期的に歯垢と歯石を取り除くことがとても大切です。そして普段の生活にキシリトールを取り入れたり、歯科医院でフッ素を塗布するととても効果的です。
-
子どもの歯について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、『子どもの歯について』です。 人間は生まれてからしばらくすると乳歯が生えてきます。 ところで乳歯は全部で何本ありますでしょうか? 正解は20本です。子供の歯である乳歯は0歳から生え始めます。 4歳ぐらいで乳歯が生えそろって、そのあと5~13歳ぐらいの間に順次永久歯に生えかわっていきます。 乳歯の使用期間はわずか10年ぐらいです。 そのため、「乳歯は永久歯が生えるまでの物だからちょっとぐらい虫歯になってもそのままでもいいかな」なんて放置していないでしょうか? 乳歯といえども虫歯がひどくなると強い痛みや腫れで、お子さんがとても苦しんでしまいます。 子どもの歯の状態は大人と比べてかなり異なっています。 それは乳歯と永久歯が存在して歯が生え変わるという過程があるためです。 そのため子供のお口の中の状態はとても複雑なので健康管理は親がチェックして、治してあげる必要があります。 次は乳歯の働きについてです 1 噛む 乳歯の最大の目的は噛むことです。 子どもの歯で食べ物をしっかりと噛むことで、あごの成長を促します。 口の周りの組織を刺激して、筋肉や表情に影響を与えます。 しっかりかみ砕いて食べ物を摂取することで、消化と吸収をよくします。 また噛んでいると唾液が多く出て、口腔内を浄化して虫歯になりにくくなり口臭も防げます。 2 発音をよくする 乳歯がしっかりと生えそろうことで、舌の動きとともに正しく発音をすることができます。 3 永久歯の歯並びをよくする 子どもの歯は乳歯から永久歯に生えかわりますが、永久歯の形ができてくると、乳歯の根が吸収していきます。 そして吸収したところに永久歯が誘導され、乳歯が脱落するとともに新しく生えてきます。 通常はあごの骨も年齢とともに発達してきて大きくなるので永久歯が生えるスペースができます。 しかし乳歯が虫歯や外傷などの理由で早期に脱落すると歯並びが悪くなるので要注意です。 そのため乳歯は生えかわって無くなるとはいえ、乳歯は今後の人生に大きくかかわっているのです。 お口の健康を守るために 子どもの歯の治療はとても大変です。 まず、子どもが怖がって暴れてしまい、治療が大掛かりになってしまいます。 また、子どもの口の中はとても小さいので器具がなかなか届きません。 さらにこちらの言うことが理解できなかったり、急に動いたりするためとても危険です。 唾液の量も大人と比べて子どもはとても多いので、詰め物がうまくくっつかなかったり、感染のリスクがあります。 そのため子どもの歯も親が、「痛がるようになってから歯医者に行けばいい」と考えず、少しでも早く歯科医院に来院してください。 また普段から、子どもが自分で歯磨きができるようになっても、仕上げ磨きをしたり、間食を減らして少しでも虫歯になるリスクを減らしましょう。 歯科医院には痛くなってから通うのではなく、定期検診や虫歯のチェックで何度も通って慣れておくといいですね。 医院の雰囲気で泣き出してしまうお子さんもいらっしゃるので、いざというときちゃんとできるようにしておくことも大切です。 虫歯予防のフッ素の塗布も、お子さんの歯を守るためにとってもいいですよ。 なお当院ではお子さんが治療に際して暴れてしまったり、口を閉ざして拒否してしまう場合に使用するネットなどの拘束具や開口器を使用しての治療は行っておりません。 これらを使用した治療はお子さんの人権を無視した行為であり、将来にわたって歯科医院に対するトラウマになったり、スタッフが怪我をするリスクにつながります。 そのため、どうしても治療が必要にもかかわらずお子さんの協力が得られない場合は、小児歯科専門医での受診をおすすめいたします。
-
虫歯はなぜ増える?
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、『虫歯はなぜ増える?』というテーマです。 いつもしっかりと歯磨きをしているのに虫歯ができてしまう、という方も多いのではないでしょうか? 虫歯は細菌による感染症ですが、口の中の細菌をゼロにすることはできません、 しかしそれでも虫歯になりやすい人となりにくい人がいます。 歯の質が、もともとかなり頑丈な人は虫歯になりにくいのですが、そうでない方でそんなに歯が柔らかくなくても虫歯になってしまう人がいます。 もしかしたらあなたがよく虫歯になってしまうのは、食事の仕方や飲み物の飲み方に原因があるのかもしれません。 今回は虫歯がなぜ増えるというテーマで、主に飲食に重点を置いて説明をしていきます。 虫歯ができるには3つの要素があります。 まず一番目は歯の質です。元々歯が固い人は虫歯になりにくく、歯が柔らかい人は虫歯になりやすいです。 二番目は清掃性です。食べかすや歯垢・歯石がきちんと丁寧に取り除いてあればいくら歯が柔らかくても理論上は虫歯になりません。実際に食べかすや歯垢・歯石をゼロにすることはできませんが。 三番目は食べ物・飲み物です。虫歯になりやすい食べ物・飲み物を多くとったり頻度が多いといくら歯が固くて歯ブラシを一生懸命にしていても虫歯になる確率は高くなります。 次は虫歯ができるメカニズムと食べ物・飲み物に関してご説明します。 虫歯は食べ物や飲み物に含まれる糖質を虫歯の原因菌が取り込み排泄物として酸を出し、それが歯の表面のエナメル質や歯の中の象牙質を溶かしていき虫歯となります。 歯の表面は通常酸に対して抵抗する膜に覆われていますが、限界を超えると耐えられなくなって歯が溶け出してしまいます。 特にエナメル質は硬いので虫歯の進行が遅いのですが、象牙質に虫歯が届くと急速に中で虫歯が進行していきます。 普段はこのように歯の表面が溶けないようなシステムになっていますが、食事や飲み物を飲むと一時的に酸性度が高くなります。 食後時間が空いている状態のお口の中は中性のpH7に保たれていますが、酸性度が上がってpH5.5を超えると歯が溶け出します。 通常はこの溶けた量はものすごく微量で、また唾液の中のカルシウム成分によりすぐに再石灰化が起こり元に戻ります。 しかし多量の糖分を摂取したりpHが元に戻る前にちょこちょこ間食を繰り返すと、再石灰化できる限界を越して虫歯になってしまうのです。 最近では甘くなくても、炭水化物も糖質のためご飯やパン、ラーメンなどもだらだら食べていると虫歯の原因になるとのことです。 あまり多量の糖分摂取や間食は虫歯の原因になるので注意が必要です。 虫歯にならないようにするにはどうすればいいか? 虫歯にならないような飲食の仕方を心がけましょう。具体的には以下のようになります。 1 食事と食事の間に適切な間隔を空けること 2 唾液が少なくなる就寝前の飲食は取らないこと 3 炭酸飲料などの清涼飲料水はできるだけ控える これらを実践することで虫歯の発生を抑えることができます。 ちなみにアイスクリームはものすごい量の砂糖が含まれているのでお勧めしません。 溶けたアイスクリームはびっくりするほど甘くて、食べれたものではありません。 そのため夏場に毎日のようにアイスクリームを食べて歯をあまり磨かないと、すごい勢いで虫歯になってしまいます。 現代の食生活では意識をして糖分を抑えていかないと、あっという間に過剰摂取になってしまいます。 虫歯にならないように食事の回数を決めて糖分を減らして、食べた後はていねいに歯を磨くようにしましょう。 そして、磨ききれなくて溜まった歯垢と歯石は、定期的に歯科医院を受診して歯科医師や歯科衛生士に取り除いてもらいましょう。
-
歯周病
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、歯周病についてお話します。 歯周病という言葉を最近テレビのCMなどでも耳にするようになりましたが、これは以前は「歯槽膿漏」と言われていたものです。 歯ぐきが腫れて血がにじんだり膿が出る症状があります。 この「歯周病」ですが、実は生活習慣病で成人の8割以上が罹患しています。 歯周病はお年寄りがかかる病気と思われがちですが、それだけでなく実は最近では小学生や中学生などの未成年でもかかっていることがあります。 これは清涼飲料水や甘いお菓子が増えてきたことによるものです。 歯周病とはどんな病気でしょうか? 歯周病とは名前の通り「歯の周りの病気」です。つまり歯を支えているあごの骨とその表面の歯ぐきが細菌感染を起こして炎症が進んでいる状態のことです。 食べ物を食べると口の中の細菌が活発になり毒性の強い細菌が毒素を出して歯肉に炎症が起きます。 歯垢が固まった歯石は細菌の住みかになっており、歯周病がどんどん進んでいきます。 歯周病の怖いところは、痛みをほとんど伴わないで進んでいくということです。 つまり痛くて噛めなくなった時には手遅れで抜歯になってしまうことがとても多いのです。 年とともに不幸にも歯がなくなってしまうことがありますが、実は歯がなくなる原因の第一位はこの歯周病なのです! 歯周病の症状について 歯周病は症状がほとんど出ないで進行していく怖い病気ですが、こんな症状が出たら手遅れになる前にすぐに歯科で診てもらいましょう。 ・歯ブラシをすると血がついている ・歯ぐきが赤く腫れている ・歯ぐきを押すと膿が出てくる ・歯石がついている ・歯ブラシや冷たいもので歯がしみる ・歯が長くなってきた気がする ・歯と歯の間に物がつまる ・口臭がある ・歯がぐらぐらする ・噛んだ時に高いところがある ・歯や歯ぐきが痛い 「歯周病」の原因は? 歯周病の原因は歯についた歯垢・歯石です。歯垢は一見食べかすに見えますが、実は大量の細菌のかたまりです。これが唾液のカルシウムとくっついて固くなったものが歯石です。 歯石がつくと歯と歯ぐきの間のすき間(歯周ポケット)に入り込み歯ぐきが腫れてきます。 この状態は「歯肉炎」といってこの時に歯科医院できれいに取り除くことで、腫れが引いて元に戻ることが可能です。 しかし何の症状もないため、どんどん進行すると今度は実際に歯を支えているあごの骨が溶けていきます。 こうなると歯の根が出てきて、しみたり歯が長く見えたりすき間ができて物がつまるようになります。 この時点で歯石を取って消毒することで歯周病の進行を止めることはできますが、一度失ったあごの骨はほとんど回復することはありません。 とても痛くなったり、グラグラして噛めなくなったときはもう手遅れです。歯の根の裏側まで歯石に覆われてもはやどうにもなりません。 どうすれば予防できるのか? 歯周病の予防は患者さん自身で行っていくことと歯科医院で行うことの両方が必要です。 1 毎日の歯ブラシなどのプラークコントロール 食後(30分以上開ける)や寝る前と朝起きた時の歯ブラシや糸ようじなどで日常の歯垢を取り除きましょう。マウスウォッシュも効果的です。 2 歯科医院での定期的な歯石除去 毎日念入りに歯を磨いていても届かないところや下の前歯の裏などに歯石がついてしまいます。 これは自分で取ることはできないので、歯科医院で専門の資格を持った歯科衛生士にとってもらいましょう。歯石は3ヶ月で付き始めるので3から6か月ごとの検診がおすすめです。 これらのセルフケアとプロフェッショナルケアの両方を行うことで、いつまでも自分の歯を健康に保つことができるのです。 セルフケアで分からないことがありましたら、いつでも当院スタッフにお尋ねください!