お知らせ
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フッ素に関するQ&A
みなさんこんにちは。最近段々と冷えてきましたが体調はいかがですか?冬はインフルエンザなども流行ってきますので、健康管理気をつけましょうね。歯科医院では、虫歯予防に 『フッ素』 を塗布します。今回はフッ素に関して普段の診療中にいくつか質問を受けるので、みなさんにご紹介しますね。Q 虫歯予防にフッ素が効果あると聞きますが、いつ頃から塗布したらいいですか?A フッ素は生えたての歯のほうが取り込まれやすいので、乳歯の上下前歯が生えてくる1歳頃から塗布し、その後は3ヶ月〜4ヶ月ごとに塗布していくと良いでしょう。歯科医院で塗布するフッ素は、高濃度のフッ化物が使われています。定期的に歯科医院での口腔管理を行いながら、歯の萌出状態などをチェックしフッ素を塗布することをオススメします。Q フッ素はどのように塗るのですか?A 綿棒やトレーやうがいなどの方法があります。フッ化物を塗布する方法として、いくつかあります。綿球や綿棒に高濃度フッ素のジェルを付けて歯面に塗布する方法や、歯ブラシの毛先にフッ化物を付けて歯面に塗布ふる方法があります。既製のトレーを使い、泡状や溶液状のフッ化物をトレーに入れて口腔内にいれる方法もあります。フッ素を歯面に直接塗布する以外にも、フッ化物の液体の洗口剤で口中をうがいする方法もあります。洗口剤を使う場合には、ブクブクうがいが確実に出来たり、理解や協力を得られる4歳以上の子供が適応になります。フッ化物の洗口剤は、萌出直後の歯質の成熟を助け、脱灰した歯質の再石灰化を促進するので、4歳頃から14歳頃まで継続を推奨しています。矯正装置を装着している方にもフッ化物洗口剤はオススメです。矯正装置がついていると、磨き残しをなく歯磨きするのが難しく、虫歯になりやすい場合もありますので、フッ化物を使ってケアをすると良いかとおもいます。Q フッ素は市販されていますか?A 様々な成分や形状のフッ素製品があります。市販されてる歯面塗布用のフッ化物は、フッ化ナトリウムか、リン酸酸性フッ化ナトリウムがあります。剤形としては、ジェル状や液状、泡状など様々な種類があります。ジェル状のものがお子さんには使いやすいかなと思います。また歯磨きや、仕上げみがきが終わったあとに、歯ブラシにジェル状のフッ化物を付けて歯面に塗ってあげるのも良いかと思います。Q フッ素を塗るときの注意事項はありますか?A 使用量を守る必要があります。また副作用が出る場合があります。フッ化物を使うにあたって注意しなければいけないことがあります。1度に過度のフッ素を摂取しないようにしてください。フッ化物を応用したことによる副作用がでる可能性があります。主な副作用は 『急性中毒』 と 『アレルギー』 です。吐き気や腹痛の症状がでたりする場合があるので、用法と容量をしっかり守ることかとても大切です。ただ、フッ素はもともと食品(魚の皮や骨、お茶、海草などに多い)や、飲料水中にも含まれている微量元素ではあるので、恐れるものではありません。特に市販されているフッ素製品を適切に使用すれば、安心かと思います。Q 市販されている製品中のフッ素の濃度はどれくらいですか?A 2020年10月現在、1,500ppmが上限となっています。従来では、市販されてる歯磨き粉のフッ素濃度の上限は1,000ppmとされていました。しかし2017年3月に厚生労働省よりその上限を1,500ppmに引き上げられました。成人向けの歯磨き粉のcheckupや、クリニカ、シュミテクト、クリアクリーンなど、市販されてる歯磨き粉の中に高濃度でフッ素が入ってるのがありますので、ぜひ使ってみてくださいね。フッ素を塗布したあとは、30分間はご飲食は控えた方が効果あります。このようにフッ素は虫歯を防ぎ歯を強くする効果があるとても有効なツールです。しかし虫歯予防にはまず歯ブラシをていねいに行い、磨き残しをなるべく少なくしているのがとても大切です。そのうえでフッ素を塗布して虫歯を防ぎましょう。そして、定期的な歯科医院での検診もして、虫歯の早期発見と早期治療を心がけましょう。DH大久保
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喫煙は歯周病を悪化させる!!
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は喫煙、タバコを吸うことがお口の健康にいかに悪影響を与えるのかを説明していきます。 今ではタバコが健康に良い、または影響がないと考えている人はほとんどいないでしょう。 歯科治療においても喫煙の有無はとても重要です。 重度の歯周病を罹患している方の喫煙率はとても高いです。 ではなぜタバコを吸うと歯周病になったり悪化するのでしょうか? まずは歯周病について解説していきます。 1 歯周病とは? 歯周病とは歯垢・歯石の中の歯周病の原因菌によって歯のまわりの歯ぐきが腫れて、出血や痛みや膿が出て歯周ポケットが深くなり、最後には歯を支えている顎の骨、歯槽骨が溶けて歯が抜けてしまう病気です。 歯周病は歯を失う最大の原因で、50歳半ばより急速に広がっていきます。 歯周病の中期までは痛みを伴わないので自分が歯周病だとは気がつきにくく、50歳代半ばで痛くなって膿も出てぐらぐらし始めたときはすでに手遅れになっていて、もはや抜歯しか選択肢がないということになってしまいます。 この成人の80%が罹患しているといわれている歯周病ですが、実は喫煙率が大きく関係しています。 タバコの中に含まれているニコチンの血管収縮作用により、歯肉の隅々に酸素がいきわたらなくなり、免疫作用が大きく低下します。 すると細菌感染が起こりやすくなり歯周病になってしまうのです。 タバコを吸う人の歯周病罹患率は、非喫煙者の3倍です。 また、歯を失う確率も、タバコを吸わない人の2倍となっております。 2 喫煙と歯周病の関係 タバコを常用している人は、吸わない人に比べるとニコチンの血管収縮作用により血液の流れが悪くなります。 すると歯肉に栄養がいきわたらなくなります。歯周病菌と戦う白血球の数も減ってしまいます。 さらに、歯周病菌によってダメージを受けた歯肉と骨の修復が働かなくなります。 この悪循環によって歯周病菌がさらに繁殖します。 そして通常は歯ぐきが腫れると、出血して気が付くのですが、タバコを吸っているとニコチンの強力な血管収縮作用で出血が抑えられてしまいます。 そのためタバコを吸っていると、歯周病の初期から中期の段階では出血が抑えられてしまうため、自分が歯周病になっていると気が付かないのです。 歯周病の怖いところは、重症化していよいよ抜歯というところにならないと症状が出にくいところです。 つまり、歯茎がはれ上がり、ぐらぐらして物が噛めないというところになって、ようやく気が付いても遅いのです。 そして重度の歯周病の方の喫煙率はものすごく高いのです。 3 喫煙は万病のもと 昔は、タバコの害といえば肺がんで、しかも吸いすぎなければ大丈夫という認識でした。 タバコのパッケージには、『健康を損なう恐れがあるため、吸いすぎに注意しましょう』 といった、なんともあいまいな文章が側面にあるでした。 日本の政治家は異常に喫煙率が高く、厚生労働省の出す禁煙に関する法案をことごとく握りつぶしてきました。 しかし2020年東京オリンピックのおかげもあり、ようやく日本でも禁煙に関してかなり改善してきました。 それでもコンビニで手軽に買えたり、派手なポスターや雑誌の宣伝が認められていたり、基準を満たせばレストランでも喫煙可だったりまだまだ禁煙に関するルールは不十分ですが、数年前までに比べればだいぶましになりました。 ただし残念ながら今でもJT、日本たばこの最大の株主は日本政府です。ということは、、、完全禁煙の道は遠いのが現状です。 タバコがいかに心身ともに有害かということが分かってきたおかげで、年々喫煙率は下がっております。今では成人に占める喫煙率の割合は14%とのことです。 それでもまだ日本は喫煙率が高く、タバコのラベルにも注意書きが文章で書いてあるだけで、実際に喫煙者は見もしないでしょう。日本は残念ながらまだまだ喫煙大国なのです。 海外のタバコのラベルには、タバコのせいでできた腫瘍などのひどい写真が張り付けてあります。 その中には、重症の歯周病や舌癌、歯肉癌などの写真も数多く掲載されています。 このような写真に喫煙者の抑制効果はあまりないそうですが、若年者などの新規の喫煙者を増やさないためには効果があるそうです。 当院に通院中でまだ30代にも関わらず、かなり重症の歯周病の患者さんが何人かいらっしゃいます。そのような患者さんにタバコを吸うかお聞きすると、全員喫煙者でした。私がいかにタバコが歯周病を悪化させているのかを説明し禁煙をお勧めするのですが、皆さん苦笑いするだけです。これでは我々歯科医師と歯科衛生士が頑張って治療してもあまり歯周病は改善しません。毎月通院している方もいらっしゃいますが、なんとか現状維持です。それでも少しずつ歯周病は悪化していきます。 ちなみにコロナウイルスの感染は、歯周病と密接に関係していることが分かっています。 タバコを吸うことで歯周病が悪化して、それによって新型コロナウイルスにも感染しやすくなってしまうのです。 4 タバコを吸うのを今すぐやめよう タバコはほんとに百害あって一利なしです。 タバコはその成分の二コチンに薬物依存性がありますが、覚せい剤と違って依存の欲求はたったの8時間で消えるといわれています。(残念ながら体内からタバコの成分が抜けるには10年以上かかるそうです。) ですからタバコ依存から脱出することはだれでもできるのです。 タバコは嗜好品なので生きていくうえで必要性はまったくありません。 人類が発明した最悪の生産物は核兵器とタバコと言われています。 このような理由から、当院では健康を司る医療機関として、喫煙に強く反対します。 タバコを吸う方は今すぐ禁煙して、自分のため、家族や周りの人のために健康な生活を取り戻しましょう!
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歯周病の原因菌となりやすい人の特徴について
みなさんこんにちは。だんだん肌寒くなってきましたね。体調にはくれぐれも気を付けましょう。今日は、『歯周病の原因菌の種類と歯周病になりやすい人の特徴』 についてお話しします。皆さん歯周病ってどんな病気かご存知ですか?歯周病とはただ歯ぐきが腫れているというだけではありません。あごの骨が溶けて、最後は歯が抜けてしまうとても怖い病気です。歯周病初期では細菌の塊、歯垢(プラーク)によって歯ぐきが炎症を起こし、歯と歯の間の歯ぐきは丸く腫れぼったくなります。更に色は真っ赤になります。歯周ポケットは4mm以内です。皆さんの中には歯ブラシをして出血してくる方もいるのではないでしょうか?それはもしかしたら歯周病の初期状態かもしれません。歯周病中期では初期症状から更に進行すると歯周ポケットは5mm~7mmまで深くなります。歯周病は骨が溶けて歯を支えきれなくなり揺れてきてしまう病気ですが、痛みがほとんどないので痛くないから大丈夫と思っていると、気づかないうちに骨が溶けていることがあります。重度の歯周病になってしまうと、歯ぐきは下がり骨が溶け歯と歯の間が目立ってきます。さらに歯がグラグラしてくるので噛み難かったり、話しづらい、口臭が気になると言ったことも出てきてしまいます。こうなるといくら歯科医院で治療しても元には戻りません。《歯周病の菌について》歯周病は様々な有害な菌が原因で発症してしまう病気です。歯周病の原因菌にはたくさんの種類がありますが、今回は特に 『red complex(レッド コンプレックス)』 と言われる最も害を及ぼす3種類を紹介します。◎porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)偏性嫌気性グラム陰性桿菌で、他の菌とバイオフィルム(歯ブラシでは取れないほどの強固な病的な膜)を作ります。更にこの菌は内毒素を持っています。この内毒素によって歯を支えているあごの骨(歯槽骨)の吸収を引き起こします。◎tannerella forsythensis(タンネレラ・フォーサイセンシス)嫌気性グラム陰性菌。紡錘状のような形をしており、同じく内毒素を持っています。 ◎treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)嫌気性グラム陰性菌。らせん状のような形をしています。歯茎の隙間から血管の中に入り込みます。今紹介したのは3つだけですが、歯周病の主な菌は約15種類以上もいるそうです!歯周病の原因菌の多くは嫌気性菌という、空気を好まない菌です。歯周ポケットが深くなると空気があまりない空間が多くなり、この歯周ポケットで大繁殖してしまいます。《歯周病になりやすい特徴》歯周病になりやすい人には以下のような特徴があります。①喫煙タバコを吸う人は吸わない人に比べると歯周病リスクが圧倒的に高くなっています。なぜかというとタバコの中に含まれているニコチン、これは免疫力を低下させる作用があります。他にも血管収縮作用があるため歯茎からの出血が起こりにくいので、歯周病にも気づかないことがあります。また、唾液の分泌量も低下するため歯石やプラークがつきやすくなります。すると歯周病原因菌が繁殖して、さらに歯周病が悪化するのです。②糖尿病歯周病と糖尿病は双方で密接な関係にあります。・糖尿病→歯周病糖尿病により免疫の働きが落ち感染症に罹患しやすくなります。さらに高血糖になると炎症が強くなるので悪化しやすくなります。糖尿病の人が歯周病になると、治療もかなり困難になります。・歯周病→糖尿病歯周病により炎症性物質がたくさん作られ、インスリンの働きが抑制されてしまいます。そうなると血糖コントロールが悪くなり糖尿病になってしまいます。糖尿病になると、失明や手足の血流循環不足で壊死して切断になるリスクも出てきます。③ストレスストレスを感じていると自律神経が乱れ免疫が低下して歯周病になってしまうことがあります。歯周病の原因菌をゼロにすることはできませんが、通常は白血球などの免疫作用で病気になるのを体が防いでいるのです。しかし、ストレスが続くことで口腔内環境が悪化して歯周病になってしまうのです。これら喫煙・糖尿病・ストレスの他にも、食習慣・薬の影響・不適合なかぶせもの・肥満・遺伝なども歯周病の感染と重症化に関係があると言われています。以上、歯周病の原因菌と歯周病になりやすい人について解説をいたしました。歯周病にならないように毎日の歯ブラシやフロスと歯科医院での定期検診を徹底して、80歳まで自分の歯を20本以上残せるように頑張りましょう!ちなみに当院では、通常歯石が付いてくる3ヵ月ごとの定期健診と歯石の除去をお勧めしています。日頃どんなケアをすれば良いのかわからないなどあればスタッフに声をかけてくださいね。 DH 関
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セルフケアの種類と方法について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。前回のブログでは、歯周ポケットを改善して健康な状態に保つには、セルフケアと歯科医院での定期的な検診が有効と説明しました。では、普段おこなうセルフケアはどうやって行えばよいのでしょうか?今回は、『セルフケアの種類と方法』 について説明いたします。セルフケアの基本は歯ブラシ虫歯と歯周病を防ぐためにまず行うことは、やはり毎日の歯ブラシです。しかし、歯ブラシもやり方を間違えると逆効果になったり、歯と歯ぐきを傷つけてしまいます。まず歯ブラシの回数ですが、できれば一日3回、通常でも2回はしましょう。歯ブラシのタイミングは、夜寝る前と朝起きた時です。夜寝ているときは唾液の用が少なくなります。すると唾液で食べかすや歯垢を洗い流す作用が減少して、細菌が大繁殖します。虫歯や歯周病の原因菌が増えることで、次第に虫歯や歯周病になるのです。口の中だけでなく、細菌を飲み込むことで体調不良になることもあります。夜寝る前と朝一番に歯を磨くことで、細菌の繁殖を防ぐことができるのです。また最近の常識として、食後すぐの歯磨きはお口に残っている食べ物が研磨剤や歯を溶かす酸として働いてしまい歯を傷つけてしまうため、しないほうがいいとされています。最低でも食後30分経ってから歯を磨くようにしましょう。「食後3分以内に磨こう!」というフレーズは過去の常識です。今では歯にとって良くないということがわかっていますので、このフレーズは忘れてしまいましょう。歯ブラシの種類ですが、基本的には毛先が細くて硬さは普通のものがおすすめです。毛先が細いほうが、前回ご説明した歯周ポケットの奥まで入ってくれるので効果的です。あまり柔らかすぎる歯ブラシは毛先がそっくり返ってしまうので歯垢が取れません。歯周病が進んで普通の硬さの歯ブラシだと痛くて磨けない、といった場合に使うようにしましょう。硬い歯ブラシは、女性など手の力が弱くて歯垢を落としきることができない場合は有効です。ただし毛先が硬いと弾力が少なくて隙間に届きにくくなります。たまに、「歯ブラシが硬くないと磨いた気がしない」 といった方がいらっしゃいますが、歯がどんどん削れて歯がしみる『知覚過敏』になってしまったり、歯の柔らかい部分が露出して虫歯になりやすくなってしまいますので気をつけましょう。洗口剤を活用しよう液体タイプのセルフケア商品には大きく分けて2種類あります。一つは歯ブラシをする前に口に含む 『液体ハミガキ』 です。液体ハミガキはデンタルリンスとも言います。これは一般的なペースト状の歯磨き粉の替わりに使用します。様々な薬用成分が歯を磨いた際に効果があります。もう一つは歯ブラシの後に使用する、『洗口剤』 です。洗口剤はマウスウォッシュと呼ばれています。歯ブラシをしてお口をすすいだ後に使用することで、口中の殺菌・消毒、口臭の防止、歯垢と歯石の沈着予防に効果があります。マウスウォッシュをした後は口をすすぐことはしません。効果が半減してしまいます。さらにどちらのタイプもアルコールタイプとノンアルコールタイプがあります。アルコールタイプは殺菌効果や清涼効果が高いのですが、刺激が強かったり口内炎や傷があるとすごくしみるため使用できません。ノンアルコールタイプは刺激が少ないので万人向けです。ただしお口をブクブクすると泡だらけになってしまうのでやや使いづらいです。デンタルフロスや歯間ブラシを活用しようどんなに丁寧に歯ブラシをしても、歯と歯の間の歯垢は落とせません。たいてい虫歯になりやすいところは歯と歯の間なのです。そこで役に立つのが 『デンタルフロス』 と 『歯間ブラシ』 です。デンタルフロスは細い糸で歯と歯の間に通します。種類も色々ありますが、おすすめはワックスが付いていて滑りが良いタイプです。歯間ブラシは金属製の細くて短いワイヤーにナイロンの毛先が巻きつけてあります。歯周病で歯と歯の間に隙間ができてしまったり、歯並びが悪くて隙間がある場合にとても効果的なツールです。隙間が大きい場合はデンタルフロスでは歯垢が取り切れないため、そういった際には歯間ブラシをおすすめします。なお歯間ブラシは歯と歯の間に入らなければ使う必要はありません。デンタルフロスだけで十分です。歯と歯の間の隙間が殆ど無いのに無理に歯間ブラシを入れると、歯ぐきを傷つけてしまい隙間が広がってしまうため逆効果です。歯間ブラシにはワイヤーの太さで種類がいくつかありますので、自分のお口にあった適切な太さのものを使用しましょう。ガムを噛むのは効果的?ガムを噛む事で唾液の分泌が促進されますので、口中を浄化する作用があります。ただし、ガムを噛むことは歯ブラシの替わりにはなりません。またガムに砂糖が入っていると本末転倒です。ガムを噛むときは、成分をよく見て代替糖である 『キシリトール』 が入っているものを選びましょう。ここで注意が一つ。キシリトールが入っていても砂糖やブドウ糖加糖が入っているものはあまり効果がありません。甘味成分としてキシリトール100%のものを選びましょう。もし歯科医院で販売しているのであれば、まずキシリトール100%と思って間違いないでしょう。お口の健康を保つことは虫歯と歯周病の予防だけでなく、全身の健康やインフルエンザやコロナウイルスの感染防止のためにもとても重要です。しかし残念ながらこれらのセルフケアを頑張っていても、次第に歯垢と歯石は溜まっていきます。そこでセルフケアに加えて、歯科医院での定期検診を活用しましょう。歯科医院では溜まった歯垢と歯石を取り除くだけでなく、定期的に歯周ポケットを測定したりレントゲンを撮影することで、見えない病巣を早期に発見し、対処することができます。セルフケアとプロのケアで健康な体を維持しましょう。
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インプラント・ブリッジ・入れ歯
こんにちは(^^) まだ汗ばむ気温ですが、空気は秋の匂いになってきましたね! 感染対策を怠る事なく日常に楽しみを見つけていきたい秋ですね♪♪ 歯を失ってしまった時の治療法である、インプラント・ブリッジ・入れ歯について、それぞれの特徴などを簡単に。 ★審美性 インプラント→ ジルコニアやセラミックス冠なので審美性に優れていて、 天然歯に近い仕上がりになる。 インプランのかぶせものは、周囲の歯に合わせた形・色を選択できるので、不自然さがほとんどない。 ブリッジ→ 保険適応だと奥歯は銀歯になる。保険外治療の場合はとても優れており、ジルコニアやセラミックなどの審美材料を使用すれば天然歯に近い仕上がりとなる。 入れ歯→ 保険適応の場合、部分入れ歯に使用するバネが金属部分のため目立つし見た目に劣る。保険適用外材質を使えば金属のバネのない部分入れ歯を作ることができる。 ★噛む機能 インプラント→ 天然歯と比較すると90%程度と言われているが、自分の歯(天然歯)とほぼ同じ物を噛むことができる。 ブリッジ→ 支えとなる歯の状態で異なるが、天然歯の6~7割程度の咀嚼力になる。 入れ歯→ 噛む力は天然歯よりも大きく低下してしまい、天然歯と比較すると20%程度。 固い物などが食べにくくなったり、くっつきやすいものは食べれなかったり小さく切ってから食べる必要が出てくる。 ★違和感 インプラント→ チタン合金製の人工歯根を顎の骨に入れ、その上にセラミックスのかぶせものをつけているで、天然歯に近い使い心地で違和感はほとんどない。 ブリッジ→ つながったかぶせものを接着剤で固定しているので安定感があり、違和感は少ない。歯がないところの隙間が気になることがある。 入れ歯→ 外形が大きく厚みがあり、口内に違和感があり、なかなか馴染まない。 総入れ歯は粘膜のみで支えているので、ズレたり痛みを感じたりすることがある。 ★味覚への影響 インプラント→ ほとんどない。 ブリッジ→ ほとんどない。 入れ歯→ 歯ぐきや上あごがプラスチックや金属で覆われるので、温度や味が感じにくくなる。 ★他の歯への影響 インプラント→ 自立しており他の歯へ影響を与えることはほとんどない。 ブリッジ→ 失った歯の両脇の歯を大きく削り支柱とするため、削られた歯へ大きな負担がかかる。 無理に噛んだり歯ぎしりがある人は、支台となる歯が折れてしまうことがある。 入れ歯→ 部分入れ歯の場合、バネをかける歯に大きな負担がかかる。揺さぶられるためグラグラになりやすい。 ★歯槽骨の吸収 インプラント→ 歯槽骨の吸収を抑制できる ブリッジ→ 歯槽骨の吸収が進んでしまう 入れ歯→ 歯槽骨の吸収が進んでしまう ★清掃のしやすさ インプラント→ 歯ブラシやフロスなど、自分の歯(天然歯)と同じ清掃方法でできるので、口の中を清潔に保ちやすい。 ブリッジ→ 天然歯と同じように清掃できるが、天然歯とダミーの歯の間に食べかすが詰まりやすく、また歯ブラシが届きにくいので、残っている歯が虫歯になりやすい。 入れ歯→ 義歯用ブラシや義歯洗浄剤を使っての清掃が必要。残っている歯にも食べかすが残りやすくなるので丁寧に歯ブラシをしないと虫歯になりやすい。 また、入れ歯は食事の後は毎回外して清掃が必要。 ★外科的治療 インプラント→ 顎の骨に直接ネジ穴をあけ人工の歯根を埋入するので、外科的治療が必要になる。 ブリッジ→ 必要ない。 入れ歯→ 必要ない。(骨が尖っていたり出っ張っている場合は必要になることがある) ★費用 インプラント→ 保険が適用とならないので費用が高くなる。 ブリッジ→ 材質によっては保険適用のものがある。自費だとインプラントと同じぐらいになることがある。 入れ歯→ 材質によっては保険適用のものがある。自費だとインプラントと同じぐらいになることがある。 ★治療期間 インプラント→ 治療期間が長くなる。 ブリッジ→ 短期間で治療可能。(抜歯した歯ぐきの状態による) 入れ歯→ 短期間で治療可能。(抜歯した歯ぐきの状態による) ★耐久性 インプラント→ 定期的なメンテナンスを欠かさずに行っていれば、10年以上も問題なく使える。 ブリッジ→ 定期的なメンテナンスを欠かさずに行っていれば長く使うことはできるが、支柱にした歯が虫歯になったり、負担がかかるため折れてしまうことがある。 入れ歯→ 人工の歯がすり減ったり、構造が複雑なためバネが折れたりすることがある。 歯ぐきの状態が変化するので約3年ほどで傷みが出てきたりゆるくなることがある。 歯を失ってしまった場合は以上の3種類の治療方法があります。 これらのどの方法も一長一短がありますが、定期的に検診に行くことでできるだけ長く安全に使うことが可能です。 治療が終わってもメンテナンスフリーというわけにはいきませんので、治したあとも定期検診を欠かさないようしましょう。 歯科アシスタント 松本
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歯周ポケットについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。最近、歯周ポケットとという言葉はテレビのCMなどでもよく耳にするようになってきました。「この歯ブラシは歯周ポケットの奥まで届く」 とか、「歯周ポケットの中まで磨こう!」 など。歯周ポケットとは何でしょうか?今回はこの歯周ポケットについて説明をしていきます。歯周ポケットとは?歯周ポケットとは、歯と歯ぐきのあいだにある溝のことです。お口の中をよく見ると、歯と歯ぐきにあいだには1ミリ以上の隙間が空いています。その隙間の底部から先は、歯根膜という線維で歯と顎の骨がつながっています。歯周ポケットの長さは?歯周ポケットの深さは、『ポケットプローブ』 という器具で測ります。この器具には1ミリごとのメモリがついていて、歯周ポケットがどれぐらいの深さか一目で確認できるようになっています。ポケットの深さは、健康な歯ぐきの状態で1~2ミリ、やや腫れの歯肉炎で3ミリ、中等度の歯周病で4~5ミリ、重度の歯周病になると6ミリ以上になってしまいます。ちなみに歯周ポケットが全く無いということはありません。どんなに健康な人でも0.5ミリから1ミリの健康なポケットが存在します。ちなみに下の前歯ではポケットが全般的に浅く、一番奥の歯の後ろはポケットが深くなりがちです。さらに親知らずが中途半端に手前の歯と引っかかっていたるすると、ポケットは10ミリを超えてしまいます。歯周ポケットが深くなる原因歯周ポケットに歯垢や歯石がたまると不衛生になり細菌が繁殖します。歯周病の原因菌がポケットに入ると、中で炎症を起こします。すると歯ぐきが腫れ上がって出血したり触ると痛む場合があります。この状態が 『歯肉炎』 です。歯ぐきが腫れることで相対的に歯周ポケットの深さが深くなります。この歯肉炎の状態では、しっかりと歯垢と歯石を取り除き歯周ポケットの中をきれいにすることで、ポケットの深さを改善して、歯肉炎を治すことができます。しかし、この歯肉炎の状態を放っておくと、歯ぐきの奥の顎の骨(歯槽骨)が溶けてしまいます。顎の骨が溶けていくと歯周ポケットも深くなっていきます。この状態が、『歯周炎』 です。その他に歯周ポケットが深くなる原因として、歯並びが悪い、親知らずが横向きに引っかかっているなどでポケットが深くなります。歯周ポケットが深いときの状態ポケットが深いと、通常の歯ブラシだけではポケットの底部まで届かなくなってしまいます。すると細菌や食べかす、膿などがヘドロ状に溜まっていき、悪臭を放つようになります。歯周病の原因菌はこの歯周ポケットの中で歯垢を餌にして毒素を出し、また体の免疫機能も骨が腐らないように、自分で骨を溶かしていきます。さらに歯周病が進んでポケットが深くなると歯ぐきが腫れて出血して、歯を支えている骨が溶けることで食べかすが挟まるようになって、歯もグラグラしていきます。歯の根が露出するので、冷たいものがしみる、知覚過敏になっていきます。また歯と歯の間の骨が溶けてしまうので、歯ぐきもそれに伴って下がり、歯が長く見えることで歯が伸びた感じになります。重度の歯周病になると、いよいよ歯がグラグラして痛くて噛めない、歯ぐきが腫れて熱を持つようになり、最後は歯が抜けてしまいます。歯周ポケットの改善方法は?歯周病になって歯ぐきが腫れると、歯を支えている骨が溶けてしまっても見かけ上は隙間がないように見えてしまいます。また歯周病は、いよいよ重症になり残すのが不可能になるぐらいになってから症状が出るので、痛くなってから歯科医院に行っても手遅れということがあります。そのため歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が、正確に歯周ポケットの状態を測定して、正しいケアを行う必要があります。歯周ポケットが広がり重症化するのを防ぐためには、適切な頻度で定期検診に行くことをおすすめします。歯科検診では、虫歯のチェックの他に、歯周ポケット測定と歯垢・歯石の除去、歯ブラシや歯間ブラシなどの指導を行っております。歯科検診の頻度は通常3~6ヶ月をおすすめしていますが、歯周病が進んでいる方は1~2ヶ月での来院をおすすめしています。歯ぐきが腫れたり、歯ブラシで血が出る、口臭が気になる、噛むとグラグラする、痛いなどの症状があれば早めに歯科医院を受診してください。
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非歯原性歯痛
今回は、歯が痛いにもかかわらず、痛みの原因が歯ではない場合についてご紹介致します。 1・歯はどんな時に痛むのか? 通常は歯が痛い場合、虫歯だったり歯周病で痛い場合がほとんどです。 ほかには歯が割れたり折れたり、ぶつかって脱臼した状態の時ももちろん歯が痛みます。 虫歯の場合は、歯が細菌が出す酸によって溶けることで歯の中の神経(歯髄)に刺激が伝わり痛みとなって脳に信号が送られます。 歯周病の場合は、歯ぐきが腫れて膿を持ち、骨が溶けてしまいます。 そうなると歯がグラグラして歯を支えている骨や歯ぐき(歯周組織)が痛くなったり、歯の根が露出してしみるようになり歯が痛みます。また歯と歯を支えている骨をつないでいる『歯根膜』という繊維が引っ張られて痛みが出ます。 しかし、歯や歯の周りの歯周組織が原因でないのに歯が痛むことがあります。 このような場合の痛みを 『非歯原性歯痛』 (ひしげんせいしつう)といいます。 歯が痛くなって歯科医院に行き、レントゲンを撮ってもらったりしても何もないため、「しばらく様子を見て下さい」 と言われてしまいます。 『非歯原性歯痛』 の場合、様子を見ても痛みがおさまらない場合があるので、本人もどうしたらいいのか分からなくなってしまいます。 この、歯自体はなんとも無いのに歯が痛い、『非歯原性歯痛』 にも様々な原因があるため、歯科医院で何が原因なのかしっかりと把握してもらって、適切な処置を受ける必要があります。 ちなみに 『非歯原性歯痛』 に関しては、私が所属しています日本口腔顔面痛学会では以下のように分類されています。 https://jorofacialpain.sakura.ne.jp/?page_id=3129 いかがでしょうか? 『非歯原性歯痛』 にもこのようなさまざまな原因があります。 お口の周り、口腔領域以外の原因に関しては、残念ながら歯科医院で治すことはできません。 今回は、この分類の中でも比較的頻度が高い、『①筋・筋膜性歯痛』 をご紹介致します。 2・筋・筋膜性歯痛について 上記の画像は、左側が噛むための筋肉の一つ 『咬筋』 からの痛み、右側が同じく噛むための筋肉の一つ 『側頭筋』 という筋肉の筋膜痛を示します。 これはどういうことかというと、筋肉痛にもかかわらず、歯が痛いと錯覚してしまうのです。 なぜこのように錯覚を起こすのかというと、筋肉の痛い部分(トリガーポイント)を5秒間圧迫すると、関連痛として歯の痛みとして感じてしまうという事実があります。 咬筋のトリガーポイントを押すと、上の奥歯に痛みがでます。 側頭筋のトリガーポイントを押すと、側頭筋の前の方では上の歯の前歯、後ろの方では上下の奥歯に痛みが生じる場合が多いです。 痛みの特徴としては、ずーっと重い鈍痛、長い痛みの時間を感じます。 それからストレスがかかるとより一層悪化します(休日には楽になるなど)。 同じ姿勢を30分以上すると悪化する。 なお、原因不明の歯の痛みの78.8%がこの筋膜痛を感じるといった報告もあります。 また、増悪する原因として、筋肉痛である肩こり、首こりで悪化するといった報告もあります。 3・筋・筋膜性歯痛の治し方について 咬筋や側頭筋を触わって歯が痛む場合は、筋・筋膜性歯痛だと考えられます。 その場合は、ご自身で行えるセルフストレッチや、歯科医院で行うレーザー療法などの理学療法、お口の開口訓練などの治療方法があります。 (セルフストレッチに関しては必ず歯科医師の指示の下で行ってください。 自己流で行うとかえって症状が悪化する場合があります。また肩こりと違うので指で強くグリグリと押したり、ハンディマッサージ機などで強い刺激を与えないようにしてください) 筋・筋膜性歯痛を診査・治療するうえで大事なことは、診るべきポイントは歯だけではないということです。 下の歯を支えている下顎骨はフリーな状態になっていて、いろいろな筋肉と繋がっています。 この下顎骨は鎖骨などとも筋肉がくっついて全身の体の一部ですので、広い視野を広げて全身の状態を診察しながら診断をする必要があります。 実際に、この筋肉痛が脊髄に痛み刺激として入った時に、脊髄で収束や投射といった反応が起こり歯に痛みが生じます。 歯の神経はとても繊細です。また、歯に関連する感覚はすべて痛みとして感じます。 歯に伝わっている神経は頭の中の神経、12神経の中の一つですので、このような現象が起こるので、注意しながら診察していく必要があります。 当院では原因不明の歯の痛みがある場合には、口腔外科担当医が診察をいたします。 また状況に応じて、専門の大学病院にご紹介することが可能です。 もしもこのような症状をお持ちでしたら、お気軽にスタッフまでご相談下さい。 口腔外科医 歯科医師 鈴木
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子供の歯並びのズレについて
こんにちは、歯科医師の鈴木です。今回は、子供の歯並びが悪くて下の一番奥の歯(下顎第二大臼歯)が正しく生えないことについてお話ししたいと思います。最近の社会では、子供達が軟らかくて食べやすい食事を好むようになり、咬む力、咀嚼機能が低下して、下の顎が小さくなり、その影響で子供達の歯並びが悪くなっています。この状態では上と下の歯がしっかり噛まない、『不正咬合』 という噛み合わせになってしまいます。一口に不正咬合と言っても、いろいろなパターンがあります。奥歯でしか噛んでおらず、前歯に隙間が空いてしまっている開咬。隣同士の歯が外側に向いていたり内側に向いていたりする叢生。歯が噛める位置まで生えてこないで止まってしまう低位萌出。上の歯よりも下の歯のほうが外側に生えて噛んでいる反対咬合などがあります。その中でも、11歳~12歳に生えてくる下の一番奥の歯(下顎第二大臼歯)※が、何らかの原因で生えてくることができずに骨の中に埋まった状態が多くみられます。※親知らずは除きます 上の図は、6~8歳の子供の下の歯の生え替わりを示した状態です。乳歯から永久歯への交換の仕方ですが、順番に乳歯の下に永久歯が生えてきて交換されるのですが、一番奥の7番目の歯、つまり下顎第二大臼歯が、顎が小さくて、ずっと骨の中に埋もれて、生えてこない問題が生じています。現代人の食事は調理され、一生懸命に咀嚼しなくても食事ができて、歯を道具として使わなくなってきています。このため、一回の食事に要する咀嚼回数が減少しているのも事実です。咀嚼回数が減少するということは、唾液の分泌量も減少し、結果的に飲み込めない現象が生じています。そのためお茶やジュースなどで口の中の食べ物を流し込む子供が増加しています。つまり、軟らかい食べ物ばかりなので、噛む必要がなく、唾液が出ないのでジュースで流し込む。すると顎がしっかりと成長せず、歯並びが悪くなるということになるのです。そうならないように、日常の食生活をまずは噛み応えのある食べ物に変えて、食べ物をよく咬んで食べ、咀嚼回数を増やすことが大切であると考えます。親知らずに関しては、はるか昔、人類の顎がまだ大きかったときには必要でしたが、顎が小さくなったものの歯の本数は変わりませんでした。そのため親知らずは積極的に抜歯したほうがいいのです。しかし現代人の食生活は、親知らずの手前の第二大臼歯も生えてこなくなったり、変な方向から生えてくるようになってしまいました。お子様の歯並びが悪くならないように、お父様、お母様に置かれましては、お子さんに加工食品だけでなく、できるだけ硬い食べ物も出すようにして下さい。子供の虫歯が減少し、歯並びへの関心が高まる現在、不正咬合の早期発見が歯科医師としてとても必要だと思います。この下顎第二大臼歯の萌出障害は今後増えていくと考えられます。この状態を放置していると、前の歯の第一大臼歯(6歳臼歯)への悪影響も考えられ、さらにかみ合わせは不安定になります。学校歯科検診で萌出が遅れていると指摘を受けたり、12歳になっても下顎の第二大臼歯が生えてこなければ、歯科医院にてX線写真による精密な検査を必要とします。当医院では、いつでもご相談をお受け致しております。
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インディアナ大学の客員講師に昇格しました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。少し前になりますが6月7日付で、アメリカインディアナ大学歯学部の客員講師に昇格することができました。私は昨年、この大学の日本ディビジョン ( JIP-IU Japan Implant Practice - INDIANA UNIVERSITY) の1年間のインプラントコースを受講しました。その際に、通常のコース以外にも追加で症例発表を行ったので、コース修了だけでなく客員研究員 (Visiting Reserch Fellow) にもなっていました。今回はまたさらに研究発表を提出し歯学部長のチェックを受けて承認され、客員講師 (Visiting Lecturer) となりました。昨年のインプラントコースの修了式の様子本来ですと、6月7日に東京で年次大会があって、その際にアメリカから歯学部長や教授陣、さらに医学部の解剖学の教授も来日されます。そして、会場でポスター発表をして教授陣がチェックして質問を受けてパスすることでこのタイトルを獲得することができます。しかーし、今年の年次大会は、コロナ禍の影響で中止となってしまいました。。。延期の予定もないとのことで、せっかく3月にひたすら学会発表の症例を作成したのにどうなってしまうのかとても心配でした。幸いにも事務局の方から、今年の分も問題がなければ受理されて客員講師へと昇格が認められるとのことでした。7月になってから事務局より、客員講師の認定証が郵送されました。本来この認定証は昨年の学会の時のように、懇親会で合格者が発表されて、歯学部長の先生から直々に受け取ることができるはずでした。今年はコロナ禍のせいで仕方がないとはいえ、認定証が郵送で送られてきたので、ちょっと味気ない感じでしたね。インディアナ大学の日本インプラントコースの客員講師の先生のリストですインプラント治療は、歯科治療の中でも様々な知識が必要となる治療方法です。大前提として、正確な解剖の知識が必要となります。また、全身の状態にも習熟している必要があります。さらに顎の骨にただ安全にインプラントを入れるだけではなく、かぶせものがしっかり入って長期的に見て安定するような方向に入れる必要があるし、型どりも誤差が許されません。そしてインプラントを入れた後も歯周病と同じような症状、いわゆる 『インプラント周囲炎』 にならないようにしていく必要があります。万が一にインプラント周囲炎になってしまっても、ある程度は知識と技術と経験で回復させることができます。当院では、その際にとても効果的な歯科用レーザーを設置しています。ちなみに歯科用レーザーを効果的に使用するのにも、知識と技術が必要です。私は、アメリカのレーザー歯学会に毎年参加していて、指導医のタイトルも修得しました。昨年ダラスで行われたレーザー歯学会に参加した様子今年のアメリカレーザー歯学会は4月にサンディエゴで行われる予定でしたが、これもアメリカで爆発的に増えている新型コロナウイルスの感染の影響で中止になってしまいました。これからの超高齢化社会では、歯が虫歯や歯周病でなくなってしまう人がどんどん増えていくと思われます。そのような歯がなくなってしまった人に、もう一度噛める喜びと健康を提供することができるのが、『インプラント治療』 なのです。インプラント治療は患者さまも手術や経済的な負担など大変な部分もありますが、治療が終わって、きれいでなんでも噛めるようになった喜びはとても大きいのです。当院では、私のほかにもインプラントを専門としているベテランの口腔外科医やスタッフ一同で患者さまをバックアップしていきますのでご安心下さい。
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歯間清掃用具について
みなさんこんにちは!梅雨も明けて本格的に暑くなってきましたね。コロナウイルス予防もとても大事ですが、同時に夏は熱中症にもならないよう予防しなければいけませんね!さて今回はテーマは、歯間ブラシやデンタルフロスなどの 『歯間清掃用具について』 のお話です。 みなさんは歯ブラシの他に歯間清掃用具はお使いですか?いつまでも自分の歯で美味しく食事をして、健康な生活をおくるためには日々のご自身による歯とお口の正しい 『セルフケア』 が欠かせません。そのためには年齢による成長や老化や生活環境により変化するお口や歯と歯茎には、それぞれの状況に対応した、正しい清掃用具とその使い方によるセルフケアをすることが必要です!そこで歯ブラシだけでは磨けない、歯と歯の間磨きにくい汚れを歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って取ることも重要になってくるのです。歯と歯が接している部分の虫歯は、歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで予防ができます。デンタルフロスや歯間ブラシなどの 『歯間清掃用具』 は、様々な種類やサイズがあります。ご自分に合っている歯間清掃用具はどのようにして選んだらよいのでしょうか?今回は私がおすすめの歯間清掃用具の選び方のポイントをこれからご紹介しますので、是非参考にしてみてください!1 歯間清掃用具の種類についてブラッシングをしただけでは、歯と歯の間は十分に磨けていない事があり、プラーク(歯垢)や食べかすが残ってしまいます。そして、虫歯や歯周病になってしまうところも多くはこの歯と歯の間、隣接面なのです。この隣接面の汚れを効率よく落としてくれるのが、『歯間ブラシ』 と 『デンタルフロス』 です。この歯間ブラシとデンタルフロスですが、必ずしもすべての部分で必要というわけではありません。使い方を間違えるとむしろ歯ぐきを傷つけてしまいます。2 歯間ブラシとデンタルフロスの違い<歯間ブラシ>歯と歯の間の隙間が広い歯と歯ぐきの間の三角の溝には、歯間ブラシが適しています。歯間ブラシは、ワイヤーにナイロン毛をつけたものやゴム製の小さなブラシで、歯と歯の間のプラークを効率よく取り除くことができます。<デンタルフロス>歯と歯の間の隙間が狭い部分の清掃に適しています。ナイロンやポリエチレン等の弾力性のある細い繊維を数多く寄り合わせて作られています。その繊維が歯と歯の間の汚れ(プラーク)をからめとります。3 歯間ブラシのサイズの選び方歯間ブラシのブラシ部分は、様々なサイズ(太さ)があります。効率よく歯と歯の間を磨くためには、歯と歯の隙間の広さやご自分のお口の状態に合った歯間ブラシのサイズを選ぶことがとても重要になってきます!<選び方のポイント>歯茎に近い歯と歯の間にすっと抵抗なく挿入でき、動かす時にきついと感じない程度の大きさが適切な大きさです。初めて歯間ブラシを使用する場合、小さいサイズから順々に試しましょう。小さいサイズでも入らない場合はデンタルフロスで清掃することをおすすめします。お口の状態によっては、デンタルフロスと併用したり、数種類の歯間ブラシのサイズを組み合わせたりするとよい場合もあります。またサイズは部位によっても異なってくるのでお口の状態に合わせて選ぶのが大切です。4 1日3日使わないといけないのか?1日3回は理想的ですが、1日に使う回数より、毎日続けていくことがとても大切です。食べカスは24時間で歯垢(プラーク)に変わり始めますので、1日1回はお使いになることをおすすめします。特に寝ている間は唾液が減り、お口の中の細菌が増えてしまいますので、1日の最後にハミガキと一緒に使う習慣をつけるととても良いです。5 自分自身にあった歯間清掃用具を選択するためにこのように、歯間清掃用具には様々な種類があります。お口の状態に合っていないものを使い続けると、歯や歯茎を傷つけてしまう可能性や炎症を悪化させることがあるため、歯間清掃用具を選ぶ際は慎重に行う必要があります。また歯茎の状態など、お口の中の状態は常に変わっていくので、定期的に歯間清掃用具の種類を見直していくこともとても大切です。なかなか自分にあった歯間清掃用具が分からない方や普段使っていて自分に合っているか不安な方もいらっしゃると思います。当院では歯科衛生士が 『歯間清掃用具』 の選び方や使い方のアドバイスなども行っています。みなさんが普段使用しているデンタルフロスや歯間ブラシなどがあればお持ちになって、気軽にお声掛けやご相談下さい!DH 池田