お知らせ
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乳歯の虫歯
みなさんこんにちは、だんだん気温が上がって来ましたね、水分をたくさんとって体調に気をつけましょう‼︎今日は乳歯の虫歯と予防方法を調べたのでご紹介していきます。 《虫歯ってどうやってなるの⁇》皆さんはどうやって虫歯ができるか知っていますか?お口の中には常に何億もの細菌がいます。そこへ食べ物が入ると虫歯菌の原因である『ミュータンス菌』が食べ物の糖分を餌にして『プラーク』という細菌の塊をつくります。プラークは別名『歯垢』ともいい、白色ややや黄色みのある色をしています。 これは粘性があるため強くうがいをしただけでは取ることができません。プラークは薄い膜を作りさらに細菌を増やしていきます。 この時の薄い膜は歯ブラシだけでは落とすことができません!そして、プラークは酸を出し歯を溶かしていきます。これが虫歯ができるまでの流れです。途中、歯も再石灰化と言って自己再生しますが追いつかないと虫歯になり穴が開き痛みが出て来てしまいます。 《乳歯は虫歯になりやすいの⁇》結論は、永久歯に比べ乳歯は虫歯になりやすい‼︎です。なぜ虫歯になりやすいのかと言うと、大きさを比べると永久歯より遥かに小さいです。そのため1番硬いエナメル質やその下の象牙質は永久歯に比べると半分の薄さになるからです。大人より虫歯の進行が早いです。そして先程お話しした再石灰化も弱いため虫歯になりやすいんですね。更に大人に比べてきちんと歯ブラシができるわけではないので虫歯になりやすいです。 《おやつ(間食)について》お子さんについ、ジュースを少しだけ…。お菓子を少しだけ…。与えていませんか?虫歯は量の問題ではなく時間が大切です。ジュースを飲んだあとお菓子を少しあげていてもお口の中には常にプラークの餌である糖分が停滞しています。そのため常にお口の中が酸性になり虫歯になりやすくなってしまいます。さらにずっとお口の中にあるキャンディーなども虫歯菌にとってすごく好都合な環境になってしまうので注意しましょう。どうしても歯磨きをできない環境であれば甘いものを食べた後にお水でうがいをしたりお茶を飲みましょう!(砂糖不使用なもの)ちなみに!これは大人のお口の中でも同じです。ながら食べやダラダラ食べはやめましょう。 《乳歯の虫歯を予防するには⁇》おうちでの歯ブラシはもちろんですが、この時にフッ素入りの歯磨き粉を使うとより虫歯を予防することができます。フッ素とは、歯の再石灰化を促進させるものです。歯の抵抗力がつきます。 しかし塗ったからと言って虫歯にならないわけではないので注意しましょう!歯磨き粉に入っているフッ素の濃度と歯科医院で使われているフッ素は濃度が違います。 歯科医院で使われているものの方が濃度が高いです。 定期的に濃い濃度のものを塗ると虫歯をより防ぐことができるので、定期的に歯科医院での塗布をおすすめします。 さらに、子供用のフロスを併用することです。 歯と歯の間にはプラークが溜まりやすいのでぜひ使ってみてください。 フロスは子供自身が行うと危ないことがあるので保護者の方がやるか目を離さないようにして下さい。フロスのやり方がわからない時はスタッフにお気軽に聞いて下さいね。 暑くなって来てスポーツドリンクを飲むことが多くなると思います!スポーツドリンクの中にも砂糖がたくさん入っているので虫歯になりやすいので気をつけて下さいね。 歯科衛生士 関
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虫歯の進行度について
みなさんこんにちは少しずつ雨の日が増えジメジメしていますね。今日は虫歯についてご説明します。虫歯はどのように進行していくか皆さん知っていますか? 虫歯にはCO〜C4と進行度を表すものがあります。歯科医院ではカリエス(caries)ともよびます。 CO(シーオー)これは初期虫歯の状態をいいます。この時の歯は穴が空いていたりとても痛むと言うわけではなく少し白く濁ったような色をしています。 この状態は削って処置をしないことが多くフッ素を塗り再石灰化という自然治癒を待ちます。そのため経過観察になります。 一見分かりにくいので是非早期発見のためにも歯医者さんで診てもらいましょう! C1この状態は歯の表面の1番硬いエナメル質の虫歯です。この時は自覚症状があまりありません。奥歯の溝が少し黒くなっている程度です。この時にフッ素を塗っても自然治癒は期待できません。 C2さらに進行していくとエナメル質の下にある象牙質という柔らかい部位に虫歯が進行している状態をいいます。エナメル質に比べ象牙質はかなり柔らかいので一気に進行してしまうことがあります。この状態は冷たいものが染みたり、少しズキッと痛むことがあります。 当院では金属の詰め物を作り再発しないように治療していきます。 C3これは神経まで進行している虫歯になります。神経まで到達しているのでかなり痛みが強かったり常にズキズキと痛むことがあります。この状態の虫歯は神経を取り根っこの治療をして全て被せる処置になってきます。虫歯といっても細菌が感染している状態なので根っこの中の細菌をきれいにお掃除することが大切です。 C4これが最も大きな虫歯です。虫歯により噛むところが全てなくなってしまい根っこのみの状態です。 この時とても痛そうに聞こえると思いますが神経が腐っているのでもう痛みはありません。 この状態では歯を治療することは、ほぼ難しく抜歯になってしまいます。抜歯のあとはインプラント、入れ歯、ブリッジなどの治療になるのでご質問があればお気軽に先生やスタッフにお声がけください。 虫歯と言ってもCO以外自然治癒は不可能な病気です生活習慣やお手入れの方法によって一気に進行してしまうものです。早期発見がとても大切ですね♪ちなみに実は虫歯は噛むところの他に歯と歯の間も虫歯になるんです。 しかし歯ブラシだけでは歯と歯の間は絶対に汚れを落とすことはできません。 そこでフロスを使ってみてください!モノが挟まった時だけでなく通常の時に使うとプラークと呼ばれる細菌の塊で虫歯の元がたくさん取れるとおもいます。他にもワンタフトブラシや洗口液フッ素入り歯磨き粉など使って虫歯にならないように気をつけましょう! 歯科衛生士 関
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歯ブラシ以外の口腔ケアについて
こんにちは。最近は天気があまり良くないですね。梅雨の時期になりましたね。 みなさんは、歯磨きをする時にはデンタルフロスや歯間ブラシなど、歯ブラシ以外になにか使っていますか? 歯ブラシのみで口腔内のプラークを全部取り除くことは、難しいのです。 歯と歯が隣り合わせている隣接部などには、歯ブラシ以外の清掃用具を使うのをオススメします。 デンタルフロスとは、ナイロン製の糸でできていて、ワックスがついているタイプと、ワックスが付いていないタイプがあります。 デンタルフロスの繊維が帯状のものやスポンジ状のものがあり、一般的には白い糸ですが、黒色の糸でプラークを見えやすくしたものや、水色のミントのフレーバーのものもあります。歯と歯の間や、歯列不正になっているところ、ブリッジの被せものがはいっていて、歯がないダミーの歯になっているところの清掃に適しています。 小児でも乳歯列が完成し空隙が認められない場合には、デンタルフロスによる清掃も必要になります。特に、3歳〜4歳児は乳臼歯の歯と歯の間の虫歯が発生しやすいです。保護者の方による仕上げ磨きとデンタルフロスが効果的です。 デンタルフロスを使う時、歯と歯の間を勢いよく通過させると、歯肉を傷つけてしまうこともありますので、小児はもちろんですが、大人の方も気をつける必要があります。 ワックスがついてないタイプは、繊維が広がり歯面に密着するので清掃効率はよいですが、歯と歯の間の隙間がせまいところや歯石がある所に使用すると切れることがありますので気をつけてください。ワックスがついているタイプは、繊維にワックスが着いているので歯と歯の間にデンタルフロスを通しやすく、ワックスが付いていないタイプよりも強度があります。 ブリッジの被せものがはいっていて、ダミーの歯になっているところと歯肉の間の清掃には、スーパーフロスというものがおすすめです。 スーパーフロスとは、デンタルフロスにスポンジがついているものです。 薬局などに販売していますので、是非見てくださいね。 歯と歯の間の隙間が大きい方には、歯間ブラシがおすすめです。 歯間ブラシは、ナイロンの毛をワイヤーで放射状に止めた小さなブラシです。 歯間ブラシの持つところのホルダーは、ストレート型やアングル型に分類されています。 ブラシのみを交換するタイプと、ホルダー一体型になっているタイプがあります。自分が使いやすいものを選んでくださいね。 歯間ブラシのサイズは、4S〜LLの6段階あります。 使うサイズを間違えてしまうと、歯肉を傷つけてしまったり、歯肉退縮の原因になってしまいます。 もしも自分で歯間ブラシのサイズが分からない方は、歯科医院で歯科医師または歯科衛生士に聞いてみてください。 デンタルフロスも歯間ブラシも、正しい使い方で使用するとお口の中を綺麗に保つことができます。 定期検診で、どこに磨き残しが多いのか、どのように磨いたら綺麗に磨けるのか、聞いてみてくださいね! 歯科衛生士 大久保
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いろんな動物の歯について
みなさんこんにちは、最近は気温も上がってきましたね。今日はいろんな動物の口の中について調べてみました。ちなみに人には何本の歯があるか知っていますか⁇ 大人は28〜32本です。(親知らずが元からなかったり骨の中に埋まっていることもあるので個人差があります。)子供の歯(乳歯)は全部で20本あり永久歯へ生え変わります。 《犬》犬も人と同じように乳歯から永久歯へと生え変わります。 乳歯は28本もあり永久歯はなんと42本もあります。犬の歯は人と違って犬歯がとても大きく鋭いです。 これは、狙った獲物を離さないためにがっちりと噛み付くためにあります。みなさんは犬は虫歯になると思いますか⁇実は犬も虫歯や歯周病になります。 人に比べて虫歯になりにくく歯周病になりやすいという特徴があります。 もちろん歯石も付きます。人と同じように定期的なチェックが必要のようですね。 《猫》猫の永久歯は全部で30本もあります。乳歯から永久歯へ生え変わります、ちなみに乳歯は26本だそうです。犬と同じように犬歯がとても鋭く尖っているのが特徴です。 これは野生で獲物を逃さないように食い込ませて捕らえ、肉を引きちぎるときに使います。猫も歯周病になります。お口の中をチェックし歯石がついていれば病院に相談する必要があります。 《うさぎ》うさぎの歯は全部で28本と人と同じくらい歯があります。そして、うさぎも乳歯から永久歯へと生え変わるようです。うさぎの歯は“常生歯”と言って常に伸び続けます。 どれくらいの速度で伸びるかというと月に約1cmも伸びています。うさぎは食物繊維が多い草を餌にしますが、草を食べることにより擦り減りバランスが取れるという仕組みです。餌が柔らかいものだと歯が伸びすぎてしまいます。犬や猫、人と違いうさぎには犬歯がありません。 犬歯は獲物を捕らえる動物にありますが、うさぎは草食動物なので犬歯がないんですね。 《サメ》みなさんはサメの歯が何本か知っていますか?また見たことはありすか?実はサメの歯は種類にもよりますが200本もあるようです。そして大きな特徴はサメの歯は使い捨てのように抜けたら次々に歯が生えてきます。そして生涯で使う歯はなんと5万本もあるようです。人は歯が抜けないように歯ブラシや定期検診をしますが、サメはベルトコンベアーのように生えてくるので羨ましいですね。 《カタツムリ》かたつむりの口の中には”歯舌”とよばれる舌に約一万〜二万本もの歯がついていて、噛み砕いて食べず削って食べています。 そしてサメと同じように歯がボロボロになると生え変わり何度も生えてきます。更にカタツムリは草だけではなく野菜や果物などの硬いものでも難なく食べれます。他にタニシも歯舌を持っています これから梅雨の時期になりますね‼︎カタツムリを見かけたら是非観察してみてください。 歯科衛生士 関
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虫歯・歯周病以外のお口の中の病気
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 お口の中の病気というと虫歯や歯周病を思い浮かべると思います。しかし口の中には虫歯や歯周病以外にも様々な病気ができるのです。今回はお口の中にどのような病気ができるのか説明を致します。 良性腫瘍 腫瘍は大きく分けて 『良性』 と 『悪性』 に分けられます。良性腫瘍は限られた部分で成長する腫瘍です。癌と違いますので成長がゆっくりで他の臓器への転移がありません。では放置してもいいかというとそんなことはなく、良性腫瘍の中でも多く見られる『エナメル上皮腫』 は顎の骨の中にできるため、大きくなると周りの組織を圧迫して、歯がずれたり骨が骨折したり神経や血管を圧迫して麻痺が起こってしまいます。そのためレントゲン撮影をして腫瘍が見つかったら、痛みなどの症状が無くてもまずは口腔外科を併設している病院で受診することをお勧めします。 このエナメル上皮腫以外にも、口の中にできる良性腫瘍として、血管が絡まりながら大きくなる『血管腫』や腫瘍の中が脂肪で満たされている『脂肪腫』、などがあります。 悪性腫瘍悪性腫瘍で代表的なものはお口の中にできる口腔癌です。その中でも特に発生頻度が高いものは『舌癌』です。次が『歯肉癌』になります。癌は炎症と違って初期の段階では痛くありません。自覚症状がほとんど無いのですが、何かお口の中に違和感を感じてそれが2週間たっても消えなければまずかかりつけの歯科医院を受診して診察してもらいましょう。ちなみに堀ちえみさんは舌癌になりましたが、2020年のテレビ朝日のたけしの家庭の医学で放送された再現ビデオの歯科医院のシーンは当院で私の指導のもと再現ビデオとして撮影されました。 嚢胞 『嚢胞』 とは、体の中にできた薄い皮や壁で覆われた空洞で腫瘍とは異なります。この空洞の中には通常体液で満たされています。嚢胞の中で一番多いのは、歯の根の先の骨の中にできる 『歯根嚢胞』 です。また、親知らずなどの歯が骨の中で袋に覆われている、『含歯性嚢胞』 や、粘液で満たされている『粘液嚢胞』 などがあります。 このように、お口の中には虫歯や歯周病以外にも様々な病気が発生します。 中でも悪性腫瘍の舌癌や歯肉癌は全身に転移する可能性がありますので、痛くないからと放置せず早めに歯科医院を受信するようにしてください。 口の中の違和感や痛みを放置してしまうと癌が全身に転移しまい、手遅れになってしまいます。。。 虫歯や歯周病のチェックと歯石取りで3ヶ月毎に定期検診で来院されていると、お口の中に異常があっても早期発見で専門病院を紹介して早期治療が可能になります。 特に口腔癌は痛みが出てからだと手遅れになりますので、違和感を感じたらすぐに歯科医院を受診してください。
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クリーニング・ホワイトニング
こんにちは(^^)日中は暖かい日が続いていますが、日が落ちるとまだ肌寒いですね。 寒暖差に気を付けて過ごす日々ですね。 今回は、『クリーニング』 と 『ホワイトニング』 について少しだけ。 ○クリーニング 歯の 『クリーニング』 は、歯科医院で行われる歯垢・歯石除去や着色を落としたりする口内ケアのことです。 毎日、ブラッシングを丁寧に行っていてもそれだけでは全ての汚れを落とすことはできません。 クリーニングは専門の機器や技術を用いて行われるので、毎日のブラッシングでは落としきれない汚れ、歯垢、歯石の原因などを取り除くことができます。 クリーニングでタバコやワイン、コーヒーといった飲食物による色素の沈着を落とすことができます。 ただし、クリーニングにホワイトニング効果はありません。 あくまでも、歯本来の色を取り戻すものです。 歯をさらに白くするためにはホワイトニングを行う必要があります。 クリーニングには基本的にデメリットはありませんが、クリーニング直後はステインが付着しやすいので要注意です。 なので、クリーニングが終わってから半日ぐらいはワインやコーヒーなど着色しやすい飲食物を避けることが大切です。 また、1度だけのクリーニングでは歯の色を取り戻したり、口臭を改善・予防したりするのは難しいので、定期的にクリーニングを行うことをおすすめします。 なおクリーニングは、できるだけ本来の歯の色になるようにしていくものなので、ホワイトニングの効果はありません。 ホワイトニングは、見た目を美しくすることを目的として行われるもので、クリーニングは口内環境を整えて歯の健康を維持することが目的のものです。 クリーニングとホワイトニングとでは、治療の目的や内容が違うので気を付けましょう。 歯茎が健康な状態であれば、クリーニングでの痛みや出血は基本的にありません。 ただし、歯茎の状態があまり良くない場合は痛みを感じる場合があるので歯科医師や歯科衛生士と相談しながらクリーニングを行いましょう。 クリーニングを行う間隔の目安は3ヶ月に1回です。 歯磨きが正しく行えていない場合は歯垢や歯石が付着しやすいので、短い期間で行う必要がある場合があります。 具体的な期間については、クリーニングを行う歯科医院で聞いて見てください。 ○ホワイトニング 『ホワイトニング』 とは、黄ばんだ歯を漂白し、白くて美しい歯に仕上げることです。 人の歯は、外側からエナメル質・象牙質・神経の3層構造になっていますが、このうち象牙質は黄みがかった色をしています。 日本人は1番外側のエナメル質が薄いため、黄ばみがかった象牙質が透けやすいのです。 年齢を重ねるとエナメル質はさらに薄くなっていく一方で象牙質は厚みを増していくので、黄色くなった象牙質が透けることで、歯の黄ばみはどんどん強くなっていきます。 こうなると歯の表面の着色を取り除くクリーニングだけでは歯は白くなりません。 黄色くなってしまった歯を白くするには、歯の内部を漂白する 『ホワイトニング』 が必要になります。 一般的にホームホワイトニングの場合は約1年、オフィスホワイトニングの場合は3ヶ月~6ヶ月と言われていますが、やはり個人差があります。 毎日の歯磨きの回数や時間、食事や喫煙の習慣など、ホワイトニング後のケアにより効果の持続期間は違ってきます。 また、歯科医院での歯石取りやクリーニングなどを行っている場合は、ホワイトニングの効果が長持ちしやすくなります。 歯科医院によって扱っているホワイトニングが違うので気になる方はお気軽にお聞きください。 歯科アシスタント 松本
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歯の痛みのメカニズム
こんにちは。歯科医師の鈴木です。 今回は、『歯が痛むメカニズム』 についてお話させて頂きます。 下の図は歯の断面図と組織図です。 歯は硬いエナメル質に囲まれて、その内側は象牙質、更にその内側には神経や血管が混ざった歯髄で構成されています。 また、歯を支えている骨と歯の間には歯根膜といわれる繊維があり、歯が直接骨とくっついているのではなく、この歯根膜という繊維を介して歯の根が骨と付いています。 エナメル質は、硬い組織です。 このエナメル質には、神経はありません。 だから、歯は硬い組織で熱い物や冷たい物、硬い物でも食事が出来ます。しかしエナメル質以外には全て神経の末端があります。つまり、神経の末端があるのは、象牙質、歯の中の血管や神経(歯髄)、歯根膜や歯茎です。ここに細菌が感染したり傷ついたりする(侵害刺激)と、神経の末端は脳に、『痛み』として伝わります。その神経の末端のことを自由神経終末といいます。 この自由神経終末が痛みを受ける受容器で侵害受容器です。 下の図は刺激が加わると脳に痛みとして伝わる図を示しています。 痛み刺激は自由神経終末から背中の脊椎に伝わり、最後は脳の大脳辺縁系で感知され、脳で初めて 「痛い!」と感じます。 痛みを伝える神経自由神経終末には、2種類の神経線維があります。 ①Aδ繊維 鋭く早い痛みを伝えています。 この痛みは一過性のもの、ズキンとくる痛みの種類です。食事の際でも繰り返し噛むと、ズキンズキンと連続した痛みになります。 ②C繊維 鈍く遅い痛みを伝えています。じわじわと痛むという種類の痛みです。 よく歯の痛みで、『ズキン』ときて、あとから『じわーっ』とくる痛みを感じたご経験がある方もいらっしゃると思いますが、それは一番最初Aδ繊維により脳へ痛みが伝わり、その後遅れてC繊維によりじわじわといった違う痛みの種類が脳へと伝わっているというメカニズムなのです。 象牙質の痛み 象牙質には、Aδ繊維が多くあり鋭い痛みとして脳に伝わっています。 歯の中の神経と血管(歯髄) 歯髄にはC繊維が多くあり、じわじわとした痛みとして脳に伝わっています。 この歯髄は硬い歯の中にあるためとても閉鎖的であり、この歯髄のC繊維は極めて敏感である特徴があります。 歯根膜の痛み ここにはAδ繊維とC繊維両方が介在して早い痛みと遅い痛みを複雑に伝えて、また両方が誘発しあい、患者様にはとても辛い痛みとなっています。ここの痛みは歯を噛み合わせたり、叩いたりすると感じる鋭いAδ繊維の痛みと、ここの歯根膜に病気が伝わるとじわじわと感じるC繊維の痛みがあります。 このように末端の神経には2種類あり、歯の痛みがズキンときたり、じわじわと遅く感じたりします。私たち歯科医師はこのような痛みのメカニズムを考えながら、日々どこが痛みの原因なのかをレントゲン写真や、お口の中を拝見して様々な病気の様子から原因を突き止めています。歯の痛みのメカニズムと照らし合わせながら、その痛みの原因は歯であるのかそれとも歯ではないのかなど、全身の状態も考えながら診察していきます。 なお、歯が原因ではないのに歯が痛くなるお話は以前のブログに記載させて頂いていますので参考にされて頂けると幸いです。 『非歯原性疼痛』について 歯科医師 鈴木孝美
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歯科のレントゲンについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 医療を行う上でとても重要な機器の一つにレントゲン装置があります。レントゲン機器は歯科治療を行う上で最も重要な診断装置と言えるでしょう。私は大学を卒業後、歯科大学の歯科放射線講座に在籍しておりました。 さらに現在は日本歯科放射線学会の認定医になりましたので、レントゲンでの診断をとても大事にしています。 医療の現場ではごく一般的にレントゲン撮影が行われておりますが、特に歯科においてはレントゲン撮影が不可欠です。なぜならば歯科治療は見えない部分の治療が多いので、レントゲンがないと診断能力が40%に下がると言われています。そのため、診療中は常にレントゲンの画像をみながら治療を行っています。レントゲン装置は直接見ることができないところも見ることができる、とても便利な診断機器で有効である反面、人体に有害な部分(被ばく)も併せ持っています。そこで今回は、歯科のレントゲンについて説明いたします。 レントゲンとは?レントゲンとは電磁波のひとつで、X線といいます。そのため、レントゲン撮影をする機械も、X線撮影装置と呼ばれています。そもそも電磁波とは何かというと、電気が流れるところに発生する波のことです。我々が普段見える可視光線、殺菌に使う紫外線、熱を発生させる赤外線、携帯の電波などがあります。この中で、波長が1pm~10nmの電磁波をX線と言います。電磁波について説明すると長くなりますので、また別の機会にいたします。ではなぜX線をレントゲンというかというと、1895年にドイツのヴィルヘルム・レントゲンという物理学者が発見したからです。ちなみにこのレントゲン博士は第1回のノーベル物理学賞を受賞しています。 レントゲン撮影は安全? レントゲンを医療で使用する場合は、診断と治療があります。このうち治療は、主に癌などの放射線治療になります。肺がん治療で放射線治療で使用するX線量は60シーベルト(1週間、治療部位のみ)とかなりの線量を当てますので、被ばくによる影響は無視できません。ただし肺がんは死亡率の非常に高いがんなので、有効性が副作用を上回ります。治療に比べて診断に使用するレントゲン量は桁違いに少ないので、問題ないと考えていいでしょう。年に1度の健康診断でも胸のレントゲンを撮影しますのが、この撮影で癌になったり副作用が出たということは今までに全くありません。 歯科医院のレントゲン撮影は安全? こちらは東京都歯科医師会が作製している放射線被ばくの図になります。 https://www.tokyo-da.org/images/pdf/1108.pdf これによると、歯科で使用するレントゲンの被ばく量は0.01~0.03ミリシーベルトとなります。つまり、飛行機でニューヨークを往復する際に被ばくする自然放射線量の10分の1以下なのです。たとえ飛行機に乗らなくても普通に生活しているだけで我々は1年間で2.4ミリシーベルトの自然放射線量を浴びています。ちなみに肺がんの治療で使用するX線量は60シーベルトですから、歯科用X線の被ばく量はなんと600万分の1ということになります。さらに歯科のレントゲン撮影は健康診断の際の胸のレントゲン撮影の被ばく量の5~2分の1ですが、それだけでなく歯科では胸に大きな鉛の入ったエプロンをかけるので、被ばく量はもはや限りなくゼロに近いです。一般的には、歯科用X線撮影は1度に17万枚!撮影しないと人体への影響は出ないといわれています。またX線は体内に蓄積されるものではないので、前回の撮影から日が浅いのでよくないのでは?と心配する必要もありません。 ごくまれに主に年配の方ですが、X線被ばくを心配してかたくなにレントゲン撮影を拒否される方がいらっしゃいます。「副作用が怖い」「歯でなくて口内炎なので撮る必要はない」「最近胸のレントゲンを撮ったばかりなのでもう撮りたくない」「余計なことはしたくない」などしかし今まで述べたように、歯科のレントゲン撮影の被ばく量は限りなくゼロに近く体内に蓄積されるものでもなく、また歯科治療ではレントゲン撮影を行わないと正確な診断と治療ができず、誤診や治療ミスにつながります。また撮影する必要があるか無いかは、歯科医師が決めることなので、患者さんの判断で撮る撮らないを決めるものではありません。 なお当院では初診時にはレントゲン撮影を行う旨をネット予約の際には記載しております。それでもレントゲン撮影をされたくない患者さまは、当院での受診をお断りしております。 このようにレントゲン撮影は歯科治療では不可欠ですが、例外的に妊娠中または妊娠の可能性のある方は緊急時以外の撮影は行いません。もしも妊娠が撮影後に後から分かったとしても、胎児が奇形や精神発達遅延を出現する放射線量は50ミリシーベルト以上なので、歯科医院のレントゲン撮影は問題ありませんのでご安心ください。
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ホワイトニングについて
みなさんこんにちは! 3月に入り少しずつ暖かい日が増えてきましたね(´∀`) 春になると花粉が飛んで辛い方も多いのではないでしょうか。より一層マスクがかかせないですね! さて、今回のテーマは歯を白くする 『ホワイトニング』についてお話していこうと思います。 まず歯のホワイトニングとは、専用の薬剤を使用して歯を白くする施術のことです。よく間違われてしまうのは、ホワイトニング=クリーニングと思われている方も多いのではないでしょうか?クリーニングは歯の表面を機械的に磨いてお茶やコーヒー、タバコといったステインを除去するという処置になります。 例えば普段からよくお茶やコーヒーを飲んでいる方は歯の表面に着色が付きます。そのような場合、表面の汚れを機械的にクリーニングをして落ちる方はホワイトニングは必要ないかもしれません。 クリーニングを行っても落ちきらない歯の着色や、元々の歯の黄色味が気になる方はホワイトニングを検討された方が良いかと思います! ・ホワイトニングの種類について ホワイトニングには大きく分けてオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2種類があります! まずこの2種類についてご説明していきます。 ①オフィスホワイトニングとは オフィスホワイトニングでは歯科医院専用の薬剤を塗布し特殊な光を当て白くします。1度の施術白くすることができるため効果を実感しやすいのが特徴です。また毎日のセルフケア(ホームホワイトニング)が面倒という方にもおすすめです!しかしデメリットとしてその後の食生活などで後戻りがしやすいので、半年から1年ごとに繰り返し行う必要があります。また個人差はありますが、知覚過敏のような「歯がしみる症状」が出る場合がありますが、通常は数日でおさまります。 "当院のオフィスホワイトニング" 当院のオフィスホワイトニングの特徴として施術中の歯茎のピリ付き感やしみるといった症状が比較的少なく施術を受けて頂けるのが特徴です!! 1度受けて頂くだけでも、ワントーンお色が明るくなるので笑った時などの雰囲気が一気に明るくなりますのでおすすめです。是非気になる方はお声がけ下さい! ②ホームホワイトニングとは ホームホワイトニングは、歯医者さんにて型取りをしそれを元にして作ったマウスピースと専用の薬剤を使って自宅で行うホワイトニングです。 歯医者さんで行うオフィスホワイトニングよりも濃度の低い薬剤を使用するため、時間をかけて少しずつ歯を白くしていくのが特徴です。歯の内部まで時間をかけて白くするため効果が長持ちしやすいのがメリットですが、効果の実感に時間がかかるのと毎日行わなければいけないためそれが苦になってしまうという方にはそれがデメリットになってしまうかもしれません。 ・ホワイトニングでは白くならない歯について ホワイトニングしても白くできない歯がありますのでそれについて説明します! 次の歯においてはホワイトニングしても白くできないため注意が必要です。 ①神経を失った歯 神経を失った歯は栄養が届かず、黒く変色してしまいます。この場合ホワイトニングをしてもあまり効果が期待出来ません。 ②形成不全の歯 遺伝などによって歯の表面や歯の内部に形成不全が生じていることがあり、その場合に歯が変色するケースがあります。 濃く変色しているとホワイトニングをしてもほとんど白くなりません。 ③人工物 詰め物、被せ物、インプラント、入れ歯などが当てはまりますがこれらはいずれも人工物であり、天然の歯ではありません。なので薬剤を使用して白くするのは不可能です。 ・最後にホワイトニングをお考えの方へ! 同じホワイトニングの治療を行ったとしても、効果が出やすい方と出にくい方がいるため個人差があります。 もちろん回数を重ねれば効果は出てくると思いますが、回数がどの程度必要かどうかは目標の白さによって変わってきます。 また、自分自身では色の変化が分かりにくい事も多いので、当院では施術を受ける前と受けた後に写真を撮影し比較を行います!! 少しでもホワイトニングについて興味がある方、また今の自分の歯の色がどのくらいの明るさなのか気になる方は短時間で調べることも可能ですので気軽に私たちスタッフにお声がけ下さいね! DH池田
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治療した歯の根元が黒くなってきた
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 皆さんの前歯には詰め物やかぶせ物は入っていますでしょうか? もしもかぶせ物が入っているならば、かぶせ物の境目はきれいですか? 今回は、かぶせ物(差し歯)を入れた後に境目や歯ぐきが黒ずんでくる現象について説明をいたします。 1 差し歯の付け根が黒くなってきた! 前歯が大きな虫歯やぶつけて折れたりヒビが入ってしまうと、歯を削って差し歯をかぶせる必要があります。 かぶせた当初はきれいでも数年してくると差し歯の境目が出てきて黒っぽかったり、歯ぐきが黒ずんでくることがあります。 当院でもそのような患者さまが来院されて、「この黒い部分だけを埋めてほしい」 と相談される場合があります。 また、すでに以前の歯医院さんで歯ぐきの付け根だけを樹脂でカバーしていることがあります。 このように、前歯の歯ぐきの付け根の黒いラインは美容に大きく影響しますので、審美的観点から気にする人がとても多いです。 歯科では黒い部分を 『ブラックマージン』 とか 『ブラックライン』 と呼びます。 虫歯ではないので緊急性はなく痛みもないのですが、長期的にみるとアレルギーの原因にもなります。 2 どうしてブラックマージンができるのか? ブラックマージンはかぶせ物が入っている歯で発生します。 かぶせ物の内側に補強のための金属を使用している場合にこの金属が露出、腐食、さびが生じて歯ぐきの境目が黒くなります。 かぶせ物の中でも保険治療で使用している硬質レジン前装冠に使用している金属は銀合金のため、程度の差はありますが経年変化で徐々に黒くなっていきます。 歯周病で歯肉の退縮が進むと差し歯の境目が露出して、金属が見えてきます。 この金属が影になって黒っぽく見える場合があります。 また、歯ぐきが黒ずむ現象ですが、こちらは差し歯に使用している金属が粗悪なものだと真っ黒に腐食して歯茎にしみこんでいくために黒くなってしまいます。 さらに保険治療で使用している金属のコアー(土台)も銀の含有量が多いために経年変化でイオン化して溶け出し、歯肉を黒変させてしまうことが分かっています。 3 ブラックマージンができたときの治療方法は? ブラックマージンが気になる場合は、かぶせ物を新規に作り直す必要があります。 その際に保険適応のかぶせ物にした場合、人によってはまた何年かするとブラックマージンができてしまいますので、あまり意味がありません。 金属を使用しないかぶせ物や土台にする必要があります。 かぶせ物は強度と審美性とアレルギーに優れたセラミックス冠やジルコニア冠にすることをお勧めします。(保険適応外) 土台も金属でなくても強度と柔軟性を併せ持ったグラスファイバーコアーがありますので合わせてこちらをお勧めします。 なお見た目が気になるからと部分的に樹脂でカバーすることはお勧めしません。 ブラックマージンの部分だけを樹脂でカバーすると段差ができたりザラザラしていてそこだけ歯垢がたまりやすくなります。 すると歯肉が炎症を起こし歯周病になって骨の吸収が進み歯ぐきが退縮してさらに歯根が出てきます。 歯の根が出てくると、歯と歯の隙間が大きくなって物が挟まりやすくなったり、歯が伸びた感じになってしまします。 4 ブラックマージンにならないかぶせ物、コアーについて 金属を使用していないと黒くならないだけでなく、歯ぐきが将来退縮してかぶせ物の境目が出てきてもあまり目立ちません。 また、金属アレルギーの心配ないため体にやさしい素材と言えます。 かぶせ物は主にジルコニアクラウンとオールセラミックスクラウンがあり、土台にはグラスファイバーコアーがあります。 ・ジルコニアクラウン ジルコニアは人工ダイアと言われており、非常に硬い素材です。 このジルコニアを前歯のかぶせ物に使用できるように白く加工して表面をグラデーションのあるセラミックで何層も焼き付けたものがポーセレンジルコニアです。 セラミックスを表面に使用することでとてもきれいに仕上がります。 奥歯では噛んでも壊れないように耐久性重視でジルコニアのみで作製するフルジルコニアがあります。ただし透明感はあまりありません。 ・オールセラミックスクラウン 耐久性のあるガラス系のセラミックスを使用いたします。 前歯ではジルコニアと同様に表面に何層かセラミックスを焼き付けて立体感を再現します。 透明感があるためとてもきれいで、単体でも奥歯では自然感が再現できます。 歯よりも硬いですが、ジルコニアと比較すると衝撃にもろい面があります。 ・グラスファイバーコア(土台の材料) 歯の根の治療をした後はかぶせ物を直にかぶせるわけではなく、芯棒となるコアー(土台)を入れます。 この材料にグラスファイバーコアーを入れることで、歯の内部からの黒変や腐食を防ぐことができます。 さらにグラスファイバーコアーは適度の柔軟性を有しているため、歯に限界以上の力が加わったときに歯の根が折れる前にファイバーが折れることで抜歯にならずに済む場合があります。 その際はもちろん土台とかぶせ物を作り直す必要がありますが、抜歯になるよりははるかにましです。 以上、今回は治療後の歯の根元の黒ずみについて説明いたしました。 特に前歯は噛むという機能以上に審美的な意味合いが強いので、古いかぶせ物が入っていて黒く変色しているならそろそろメタルフリーの素材に変えることをお勧めします。 かぶせ物に関しては保険外ですとどうしても治療費がかさむ場合があります。 ご不明な点は当院スタッフまでお気軽にお声がけください。