谷村歯科医院ブログ
-
子供の歯並びのズレについて
こんにちは、歯科医師の鈴木です。今回は、子供の歯並びが悪くて下の一番奥の歯(下顎第二大臼歯)が正しく生えないことについてお話ししたいと思います。最近の社会では、子供達が軟らかくて食べやすい食事を好むようになり、咬む力、咀嚼機能が低下して、下の顎が小さくなり、その影響で子供達の歯並びが悪くなっています。この状態では上と下の歯がしっかり噛まない、『不正咬合』 という噛み合わせになってしまいます。一口に不正咬合と言っても、いろいろなパターンがあります。奥歯でしか噛んでおらず、前歯に隙間が空いてしまっている開咬。隣同士の歯が外側に向いていたり内側に向いていたりする叢生。歯が噛める位置まで生えてこないで止まってしまう低位萌出。上の歯よりも下の歯のほうが外側に生えて噛んでいる反対咬合などがあります。その中でも、11歳~12歳に生えてくる下の一番奥の歯(下顎第二大臼歯)※が、何らかの原因で生えてくることができずに骨の中に埋まった状態が多くみられます。※親知らずは除きます 上の図は、6~8歳の子供の下の歯の生え替わりを示した状態です。乳歯から永久歯への交換の仕方ですが、順番に乳歯の下に永久歯が生えてきて交換されるのですが、一番奥の7番目の歯、つまり下顎第二大臼歯が、顎が小さくて、ずっと骨の中に埋もれて、生えてこない問題が生じています。現代人の食事は調理され、一生懸命に咀嚼しなくても食事ができて、歯を道具として使わなくなってきています。このため、一回の食事に要する咀嚼回数が減少しているのも事実です。咀嚼回数が減少するということは、唾液の分泌量も減少し、結果的に飲み込めない現象が生じています。そのためお茶やジュースなどで口の中の食べ物を流し込む子供が増加しています。つまり、軟らかい食べ物ばかりなので、噛む必要がなく、唾液が出ないのでジュースで流し込む。すると顎がしっかりと成長せず、歯並びが悪くなるということになるのです。そうならないように、日常の食生活をまずは噛み応えのある食べ物に変えて、食べ物をよく咬んで食べ、咀嚼回数を増やすことが大切であると考えます。親知らずに関しては、はるか昔、人類の顎がまだ大きかったときには必要でしたが、顎が小さくなったものの歯の本数は変わりませんでした。そのため親知らずは積極的に抜歯したほうがいいのです。しかし現代人の食生活は、親知らずの手前の第二大臼歯も生えてこなくなったり、変な方向から生えてくるようになってしまいました。お子様の歯並びが悪くならないように、お父様、お母様に置かれましては、お子さんに加工食品だけでなく、できるだけ硬い食べ物も出すようにして下さい。子供の虫歯が減少し、歯並びへの関心が高まる現在、不正咬合の早期発見が歯科医師としてとても必要だと思います。この下顎第二大臼歯の萌出障害は今後増えていくと考えられます。この状態を放置していると、前の歯の第一大臼歯(6歳臼歯)への悪影響も考えられ、さらにかみ合わせは不安定になります。学校歯科検診で萌出が遅れていると指摘を受けたり、12歳になっても下顎の第二大臼歯が生えてこなければ、歯科医院にてX線写真による精密な検査を必要とします。当医院では、いつでもご相談をお受け致しております。
-
歯間清掃用具について
みなさんこんにちは!梅雨も明けて本格的に暑くなってきましたね。コロナウイルス予防もとても大事ですが、同時に夏は熱中症にもならないよう予防しなければいけませんね!さて今回はテーマは、歯間ブラシやデンタルフロスなどの 『歯間清掃用具について』 のお話です。 みなさんは歯ブラシの他に歯間清掃用具はお使いですか?いつまでも自分の歯で美味しく食事をして、健康な生活をおくるためには日々のご自身による歯とお口の正しい 『セルフケア』 が欠かせません。そのためには年齢による成長や老化や生活環境により変化するお口や歯と歯茎には、それぞれの状況に対応した、正しい清掃用具とその使い方によるセルフケアをすることが必要です!そこで歯ブラシだけでは磨けない、歯と歯の間磨きにくい汚れを歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って取ることも重要になってくるのです。歯と歯が接している部分の虫歯は、歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで予防ができます。デンタルフロスや歯間ブラシなどの 『歯間清掃用具』 は、様々な種類やサイズがあります。ご自分に合っている歯間清掃用具はどのようにして選んだらよいのでしょうか?今回は私がおすすめの歯間清掃用具の選び方のポイントをこれからご紹介しますので、是非参考にしてみてください!1 歯間清掃用具の種類についてブラッシングをしただけでは、歯と歯の間は十分に磨けていない事があり、プラーク(歯垢)や食べかすが残ってしまいます。そして、虫歯や歯周病になってしまうところも多くはこの歯と歯の間、隣接面なのです。この隣接面の汚れを効率よく落としてくれるのが、『歯間ブラシ』 と 『デンタルフロス』 です。この歯間ブラシとデンタルフロスですが、必ずしもすべての部分で必要というわけではありません。使い方を間違えるとむしろ歯ぐきを傷つけてしまいます。2 歯間ブラシとデンタルフロスの違い<歯間ブラシ>歯と歯の間の隙間が広い歯と歯ぐきの間の三角の溝には、歯間ブラシが適しています。歯間ブラシは、ワイヤーにナイロン毛をつけたものやゴム製の小さなブラシで、歯と歯の間のプラークを効率よく取り除くことができます。<デンタルフロス>歯と歯の間の隙間が狭い部分の清掃に適しています。ナイロンやポリエチレン等の弾力性のある細い繊維を数多く寄り合わせて作られています。その繊維が歯と歯の間の汚れ(プラーク)をからめとります。3 歯間ブラシのサイズの選び方歯間ブラシのブラシ部分は、様々なサイズ(太さ)があります。効率よく歯と歯の間を磨くためには、歯と歯の隙間の広さやご自分のお口の状態に合った歯間ブラシのサイズを選ぶことがとても重要になってきます!<選び方のポイント>歯茎に近い歯と歯の間にすっと抵抗なく挿入でき、動かす時にきついと感じない程度の大きさが適切な大きさです。初めて歯間ブラシを使用する場合、小さいサイズから順々に試しましょう。小さいサイズでも入らない場合はデンタルフロスで清掃することをおすすめします。お口の状態によっては、デンタルフロスと併用したり、数種類の歯間ブラシのサイズを組み合わせたりするとよい場合もあります。またサイズは部位によっても異なってくるのでお口の状態に合わせて選ぶのが大切です。4 1日3日使わないといけないのか?1日3回は理想的ですが、1日に使う回数より、毎日続けていくことがとても大切です。食べカスは24時間で歯垢(プラーク)に変わり始めますので、1日1回はお使いになることをおすすめします。特に寝ている間は唾液が減り、お口の中の細菌が増えてしまいますので、1日の最後にハミガキと一緒に使う習慣をつけるととても良いです。5 自分自身にあった歯間清掃用具を選択するためにこのように、歯間清掃用具には様々な種類があります。お口の状態に合っていないものを使い続けると、歯や歯茎を傷つけてしまう可能性や炎症を悪化させることがあるため、歯間清掃用具を選ぶ際は慎重に行う必要があります。また歯茎の状態など、お口の中の状態は常に変わっていくので、定期的に歯間清掃用具の種類を見直していくこともとても大切です。なかなか自分にあった歯間清掃用具が分からない方や普段使っていて自分に合っているか不安な方もいらっしゃると思います。当院では歯科衛生士が 『歯間清掃用具』 の選び方や使い方のアドバイスなども行っています。みなさんが普段使用しているデンタルフロスや歯間ブラシなどがあればお持ちになって、気軽にお声掛けやご相談下さい!DH 池田
-
舌の痛みの種類と主な原因 2
みなさんこんにちは!最近は雨の日が多くジメジメして気分もなかなか上がりませんね、、、早く梅雨明けしてほしいですね。今回は、前回舌の痛みをお話させていただいたのでその続きを書きたいとおもいます。前回、舌の痛みには様々な種類と原因があることをお伝えしたかとおもいます。『ストレスなどの精神的なもの』 と、『器質的変化を伴う痛みがあるもの』 と様々ありましたね。①炎症によるもの②悪性腫瘍によるもの③外傷によるもの④貧血によるもの今回は、5つ目からまた他の原因についてご説明していきますね!器質的変化を伴う痛みの5つ目は、⑤口腔乾燥症唾液分泌量低下の原因として、シェーグレン症候群などの唾液腺炎による器質的病変もありますが、ストレスなとの精神疾患による自律神経の不調を原因とする場合もあります。唾液分泌量が低下すると、口の中の細菌が増殖してしまいます。口腔乾燥による舌の痛みは、カンジダの増殖が関わっていることも多いです。口腔乾燥は、加齢と共に増えていきますので、唾液腺マッサージなども取り入れるといいかもしれませんね。耳の近くの頬をマッサージしたり、顎の下あたりをマッサージするといいですよ!ネットなどでも唾液腺マッサージと調べるとたくさんでてきますので、是非見てみてください!⑥アレルギーお口の中は、様々なアレルギーが引き起こりますが、口腔アレルギー症候群がとても多いです。花粉症の人では、花粉と果物や野菜に含まれるアレルゲンが共通しているため、果物や野菜を食べた際に反応が起こります。⑦栄養欠乏通常の食事を摂取できていると栄養欠乏は発症しにくいです。なにか疾患があって薬を飲まれている方は、その副作用の可能性もあります。これらのように、舌が痛くなるのには様々な理由があります。また、器質的変化を伴わない舌の痛みは、精神、心理状態が症状の発現に大きく関わっています。うつ病の患者さんが舌痛症を発症している場合もあります。さて、前回と今回の2回で舌の痛みには、器質的変化を伴うものと、伴わないものなど様々ご説明させていだきました。日々、舌の色の違いや、舌苔(舌の上についている汚れ)の量、腫瘍ができていないか、鏡でチェックしておくと、変化があったときに分かりやすいかもしれませんね。口の中が乾燥していないか、食物アレルギーなどはないか、貧血になっていないか、などもチェックするといいかもしれませんね!もしなにか舌の痛みて不安がある方や、診て欲しい方は、1度当院に来院してくださいね!月に1度の大学病院の先生がいらっしゃる外科外来の日もありますし、平日の夕方まででしたら口腔外科の先生もいらっしゃいます。DH大久保
-
舌の痛みの種類と主な原因 1
みなさんこんにちは!まだまだ新型コロナウイルスが終息する気配がなくストレスも多く溜まる毎日ですね。3密をせずにリフレッシュできる方法をみつけたいですね!みなさん今まで舌が痛くなったことはありませんか?今回は、『舌の痛みの種類と主な原因』 について書きたいと思います。舌がピリピリしたりヒリヒリしたり、火傷をしたような痛みだったり、なにもしなくても痛かったり様々あるかと思います。舌を動かすと痛い、食事で舌がしみる、食物などの刺激が加わることで痛くなる、などおっしゃる方も多いです。舌の痛みが周期的であったり生活環境の変化によって痛みが増幅することもあります。痛みを感じる部位は舌の先、真ん中、側面、奥などで、片方だけの場合と両側である場合があります。舌痛症と言われる病気では火傷をしたようなヒリヒリとした痛みが両側性に、場合によっては唇や口蓋(上あご)にまで広がっていることがあります。そして食事中に痛みが増えることはなく、逆に痛みが和らぎ、痛みは午後から夕方にかけて強くなることが多いです。ストレスにより痛みが強くなることもあります。しかし、『カンジダ症』 では食事がしみ痛みが強くなるという特徴があります。歯科医院て舌の診察を受ける際には、正確に症状をお伝えくださいね!これから、器質的変化を伴う舌の痛みをご説明していきます。①炎症によるもの白炎病変や潰瘍性病変として出現することが多いです!②悪性腫瘍によるもの舌癌の多くが扁平上皮癌です。白色として出現するために、発見が比較的容易です。ただし、病理診断をしなければ確定診断になりません。③外傷によるもの褥瘡正確に潰瘍には必ず原因があります。入れ歯や、合っていない被せのも(補綴物)の存在、舌を必要以上に動かすような悪習癖がある方は、要注意です。また、食いしばりが強く、舌に歯の跡がついているような場合や、舌の先の部分が軽度に赤くなっている場合は、外傷による痛みも考えられます。痛みがあるために気になって無意識のうちに舌を動かしてしまい気づかないうちに軽度の外傷を起こしていることもあります。④貧血によるもの貧血による舌炎では、鉄欠乏性貧血の 『PlummerVinson症候群』 と悪性貧血による 『HUNTER舌炎』 が有名です。舌乳頭の消失や、発赤などの肉眼的所見が舌炎の診断には有効です。血液検査で診断することが多いです。また、鉄欠乏性貧血は持続的な出血が原因であることが多いので、月経過多や、子宮筋腫による出血の有無など、患者さんからの問診がとても大切になります。歯科医院で診察してもらうときには、正確にお伝えくださいね!今回は、まず4つの器質的変化を伴う舌の痛みをご説明させていただきました。次回もまた続きをご説明させていただきますので興味のある方は読んでみてくださいね!DH大久保
-
入れ歯の種類と違いについて
みなさんこんにちは、最近は雨の日が多くジメジメしていますね。今日は、入れ歯の種類についておはなしします。『入れ歯』 といっても、大きく分けて、歯がまだ何本か残っている時に使う 『部分入れ歯』 と、歯が全部なくなってしまった時に使う 『総入れ歯』 があります。部分入れ歯とは、自分の歯がまだ残っている場合に使う入れ歯です。バネを自分の残っている歯(天然歯)にかけて安定させて使います。総入れ歯とは、全部の歯がない時に使います。これは陰圧によって吸着しています。(吸盤効果で動かないようにしています)保険の部分義歯 ・安価に作ることができます。・発音しにくかったり食べ物のの味が変わったりする場合があります。・入れ歯の強度が弱く、寿命が短いと言えます。・残ってる歯にも負担がかかる恐れがあります。・見た目の改善や厚みなどは考慮されません。保険で決められたルールで作る必要があります。コバルトクロムの部分義歯・保険の入れ歯に比べて、強度に優れているため壊れにくいです。・舌が触れる部分を薄く作ることができるため、装着感に優れており、発音もしやすいです。・レジン(保険のプラスチック)の1/3の厚さで作ることができます。・金属が丈夫なので長持ちします。修理も可能なことが多いです。・冷たいものや温かいものが感じられ、食べ物のを美味しく食べることができます。チタンの部分義歯・コバルトクロムの部分義歯より軽く、体に優しく、強固な材料なので金属アレルギーのある方におすすめです。・チタンは人工関節にも使われている金属で、生体親和性に優れています。・薄く作ることができるため、装着感に優れており、発音もしやすいです。・歯垢(プラーク)がつきにくいので汚れにくいです。・冷たいものや温かいものが感じられ、食べ物のを美味しく食べることができます。・チタン合金はコバルトクロム合金よりも硬いので、めったな事では壊れませんが、壊れた場合は修理が難しいです。ノンクラスプデンチャー・柔らかい材料でできており、バネに金属を使わないため、目立ちません。バネ(金属)が気になる方にとてもおすすめです。・今までにないフィット感があり、とても軽いため、違和感がなくなじみやすい入れ歯です。・ノンクラスプデンチャーには材質によって種類がいくつかあります。硬めのものは修理が簡単ですが、柔らかめのものは快適な反面、修理が難しいか不可の場合があります。ノンクラスプデンチャーの入れ歯洗浄剤について入れ歯洗浄剤は、過酸化物・過酸化物+酵素・酵素・次亜塩素酸・銀系無機抗菌剤・生薬・酸・消毒薬などに分類されます。中でも熱に溶けてしまうプラスチック(熱可塑性樹脂)は強アルカリ性または酸性タイプのものを使うと変色や劣化してしまう可能性が高いので、中性タイプ(酵素系、過酸化物+酵素系)がいいです。今市販されているものは弱アルカリ性から中性を示す過酸化物+酵素系・酵素系のものが多いので熱可塑性樹脂への影響は少ないです。入れ歯は洗浄剤を使わないと歯垢(プラーク)が付きやすく、一旦プラスチックの隙間に入り込んでしまうと硬い歯石となってこびりついてしまいます。入れ歯の隙間に入り込んだ歯石は、洗浄剤を使ってもなかなか取り除くことができなくなってしまいます。また入れ歯に歯垢・歯石がついたままだったり、入れ歯を洗わないでおくと、材質の劣化や誤嚥性肺炎や義歯性口内炎のリスクが出てきてしまうので、きちんとお手入れをしましょう。DH関
-
口腔ケアと様々な病気
こんにちは(^^)皆さんもゆっくり、少しずつではありますが元の生活に近づけている事と思います。まだまだ大変な時期の中、梅雨も近づきどんよりしがちですが、晴れた日には日光に当たり外の空気を吸って気分転換を忘れずに。今回は口腔ケアと病気の繋がりを調べてみました。『口腔ケア』 とは歯みがきだけではなく、歯ぐき、舌、粘膜など口の中の全てから入れ歯まで含めた清掃のことです。食べ物を咀しゃくし飲み込む機能を維持・回復する口からのどにかけてのリハビリテーションなど、幅広い意味で使われる言葉です。歯と歯の間・歯の付け根部分や、歯と歯ぐきの境目に歯垢が溜まると、虫歯や歯周病になります。口腔ケアを適切に行うことで虫歯や歯周病予防が期待できます。また、口腔ケアは虫歯や歯周病以外にも様々なメリットがあります。どのようなメリトがあるのか、それぞれ説明をしていきます。⚪︎誤嚥性肺炎の予防日本人の死亡原因の上位である肺炎。特に高齢者に多い誤嚥性肺炎は、唾液や飲み物、食べ物が誤って気管から肺に入り込んでしまい、口腔内の細菌が肺に入ってしまうことで起きます。口腔ケアで口腔内の細菌数を減らし、飲み込みの機能を維持向上することで誤嚥性肺炎を防ぐ効果が期待できます。⚪︎唾液の分泌を促す要介護の方の多くが口の機能が低下し、内服薬の副作用などにより唾液が出にくく口腔内が乾燥しがちになります。また、唾液には口の中をきれいに保つ自浄作用もあるので、こちらも低下します。唾液が減って自浄作用が弱くなると虫歯や歯周病になりやすくなります。口腔ケアで口の中を刺激することで唾液が出やすくなります。⚪︎口臭の改善虫歯や歯周病が進行している場合や、舌の表面に汚れが付着すると口臭の原因になります。口腔ケアを行い、歯と歯茎の境目や舌、頬などを優しく擦り口の中を清潔に保つことは口臭を予防します。⚪︎味覚の改善舌に多く汚れが付着したり、口腔内の乾燥が進むと味覚が鈍くなってしまいます。舌ブラシなどを使用して舌をきれいにし、口腔内がしっかり潤ってくると味覚の改善効果があります。味覚が良くなると、食事も薄味で大丈夫になるので成人病予防にもなります。⚪︎認知症の予防歯がほとんどなく入れ歯を使用していない人は20本以上歯が残っている人に比べて1.9倍、あまり噛めていない人は何でも良く噛める人に比べて1.5倍、認知症になる確率が高くなるというデータがあります。歯を大切にする口腔ケアで大切な歯を失わないようにしていきたいですね。⚪︎心臓病や糖尿病の予防歯周病菌が血中に入り込むことで心内膜炎、心筋梗塞や狭心症などの心臓病を引き起こすリスクが高まると言われています。また歯周病が悪化すると、糖尿病も悪化するとも言われています。口腔ケアで歯周病菌を減らしましょう。⚪︎インフルエンザの予防口は食べ物だけでなく、細菌やウイルスの入り口にもなります。歯科医師や歯科衛生士が、専門的な口腔ケアを実施したところ、通常の口腔清掃だけをしていた人に比べ、予防接種の有無にかかわらずインフルエンザの発症が10分の1に抑えられたといった報告があるそうです。口腔内の状況と様々な身体の病気には繋がりがある事が分かりましたね。定期的な歯科検診はもちろん、毎日の自分でのケアがとても大切です。今は元気な方も、感染症予防の為、そして今後の身体の健康の為に口腔ケアをしっかりして清潔な口腔内を保ちましょう! 歯科アシスタント 松本
-
『新型コロナウイルス感染症』に関する歯科医師からのご提案
こんにちは、歯科医師の鈴木です。現在、新型コロナウイルスの感染予防のため、歯科治療を控えている患者さまがとても多いです。しかし、歯垢と歯石がついていたり虫歯や歯周病があると、ウイルスによる感染を起こしやすくなります。歯科医師の立場からすると、歯科医院ではコロナウイルスによる感染の騒動が起きる以前からきちんと感染予防対策が行われていますので、決して怖がることなくちゃんと歯科治療を受けられたほうがいいと思います。これからそれについて詳しく説明をしていきます。【歯科の病気の面から】歯科治療を受ける第1の理由は、まず 『虫歯と歯周病の治療』 です。虫歯と歯周病は、ご自分の口の中に存在する細菌による感染症です。そして、自身の免疫力が低下すると、細菌の活動性が高まり、痛みや腫れが出現します。そうならないためにも、できるだけ早く虫歯と歯周病を治す必要があるのです。歯科治療を受ける第2の理由は、『ウイルス感染を未然に防ぐ』 ためです。仮に、ウイルスが口の中に侵入したとします。これらのウイルスは舌や喉で増殖して体の中に入り込みます。しかしそうさせないためには、歯に付着する歯垢をきれいに取り除くのがたいへん効果的です。どうして歯垢を取ることがウイルス感染を防ぐのに効果的かというと、歯垢はウイルスによる感染を助けてしまう のです!歯垢の中には 『プロテアーゼ』 『ノイラミニダーゼ』 という酵素が存在します。これらの酵素はウイルスが実際に口の中に入った後で、ウイルス感染を助けてしまうのです!まず 『プロテアーゼ』のせいで、ウイルスはより粘膜を通過しやすい状態になり、『ノイラミニダーゼ』 のせいで、細胞内で繁殖したウイルスが、他の細胞へと広がりやすくなります。ウイルス感染を防ぐためにも、歯垢、歯石を取り除くことはすごく大事です。お口の隅々まで歯垢を取り除くことは、セルフケアのみでは不可能です。そのためかかりつけの歯科医院で、しっかりと歯垢や歯石をとってもらいましょう。現在テレビをつけると不安をあおるよなうな報道ばかりです。今のような自宅にこもって、不安を感じている状態が続くと心身ともに疲弊してしまいます。お口のトラブルも増えてきて、味覚がおかしい、舌が痛い、しびれる、顎が痛い、どこかわからないが歯が痛いといった症状が出やすくなっています。このような不定愁訴は、心労によるストレスで体の免疫力が低下していることから来ています。そのため、以下で述べるような対策をして、コロナや不安感に負けない体を作っていきましょう。【対策のご提案】対策1.毎日、テレビやネットからコロナの情報(主に悪い情報)が入って来ます。なかなかいいニュースは発信させれません。そのためテレビを見続けていると、だんだん憂鬱になってきてしまいます。頭の中がコロナのことばかりになってしまうのを防ぐため、日中にあえてテレビを見ない、スマホなどでSNSを見ない時間を確保しましょう。その時間は、コロナ情報ではなく他のことに意識を向けましょう。できればポジティブになることや、楽しいことを考えると体の免疫力も高まっていきます。対策2.心と身体は密接な関係があります。ストレスが強いと胃潰瘍になるように、心を病んでいると体の働きも悪くなってしまいます。逆に、体を動かすと心も強くなっていきます。なかなか公園やジムに行くことはできませんが、お家でできるストレッチやエクササイズをやってみましょう。安倍首相も非常事態宣言の時におっしゃっていたように、散歩をするのは何ら問題はありません。ぜひ、ウォーキングやストレッチをしてみてください。体を動かすと血液の循環が良くなり、体の隅々まで細胞が活性化されます。脂肪の減少、筋肉の増強、新肺機能の向上、そしてメンタルの強化にとっても役立ちます。対策3.毎日食後はていねいに歯を磨きましょう。家にいてダラダラしてしまうと、歯磨きもおろそかになってしまい、ウイルス感染のリスクが高まります。歯磨きと一緒にマウスウォッシュも併用するととても効果的です。対策4.歯科医院で歯垢・歯石を取り除いてもらいましょう。かかりつけの医院で決められた間隔で通いましょう。今は痛みがなくても、虫歯や歯周病が悪化したり、ウイルスに感染してからでは遅いのです。定期検診はみなさんの健康を守るためにとても役に立ちます。【おわりに】今、私達に出来る大切な事は、『密集・密接・密閉を避ける事』 です。そして、ウイルス感染しないようにしたり、重症化させないためにできる数少ない予防方法が、『歯の治療』 なのです。歯科医院では、スタッフがマスクとゴーグルをして、使い捨てのものを使ったり器具も殺菌消毒をして感染予防対策をしています。むしろ混んでいるスーパーやコンビニに行くほうがよっぽど感染リスクがあります。虫歯や歯周病になっていたり、定期検診で歯 周病の進行を食い止めている患者さんが歯科治療を止める必要は全くありません。皆さんと、この難局を一緒に乗り越えていきましょう。
-
口腔ケアと誤飲性肺炎について
みなさんこんにちは!寒い日がだんだんと終わり、暖かくなってきましたね。最近はコロナウイルスの流行で不要不急の外出が出来ず、ストレスが溜まってしまいます。家の中でなにか出来る、運動やストレッチなど積極的におこないたいです。この機会に新しい趣味など見つけたりできたら嬉しいですね。ところで家にいる時にみなさん、ダラダラ食べやダラダラ飲みをしていませんか?お口の中に食べ物や甘い飲み物がずっとあると、口の中が酸性になったままになってしまい、特に歯の溝や歯と歯の間が虫歯になりやすくなってしまいます。また食べたあとに歯磨きをしないと、プラーク(歯垢)がたまったり、このプラークが時間が経つと固まってしまい歯石がついてしまいます。歯石がついたまま放置しておくと、毒素の強い歯周病菌が爆発的に増えて歯周病になってしまいます。歯周病が進むと歯ぐきがブヨブヨしてきたり、歯がグラグラしてきて、ひどくなると最終的に歯が抜け落ちたりしてしまいます。お家に居て時間がある時こそ、朝、昼、夜の3回ゆっくり丁寧に歯磨きしましょうね!さて本日は、『誤飲性肺炎』 について説明いたします。誤嚥性肺炎は、テレビなどでもよく聞く言葉なので、皆さんご存知かと思います。唾液や食べ物などが食道ではなく誤って気道に入ってしまい、細菌感染を起こしてそれが元で肺炎になってしまうことを誤飲性肺炎といいます。誤飲性肺炎は体の機能が衰えてしまった高齢者に起きやすくなっています。そもそもお口の中の衛生状態が悪いと、虫歯や歯周病になってしまいます。特に自分で歯磨きをすることが困難であるご高齢の方や、身体になにか障害がある方は、より顕著になります。このような方は虫歯や歯周病以外にも、嚥下障害を有することが多いため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。ご高齢者や神経学的な障害がある方は、歯周病に罹患していることが口腔内細菌を増加させ、かつ誤嚥性肺炎を起こしやすい状態なので、 歯周病で誤嚥性肺炎のリスクが高まる と言われてるのです。このように誤飲性肺炎を防ぐ上でも、日々の歯磨きや歯科医院での定期検診はとても大切なのです。ご高齢者では誤嚥性肺炎の発症や、それに続く死亡リスクが高くなりますが、その理由として、加齢に伴う生活機能低下に伴うプラークコントロール能力(歯磨きを綺麗に行える能力)の低下と歯周病の進行、口腔内細菌の増加、嚥下機能の低下による唾液の誤嚥などが考えられます!美味しいご飯を食べるためにも、健康で生きていくためにも、毎日の歯ブラシと歯科医院での定期検診は頑張りましょうね!また、口腔ケアが悪いと誤飲性肺炎以外にも早産のリスクがあります。早産、低体重児出産のリスクファクターとして、喫煙、飲酒、薬物(麻薬など)がありますのでこのような体にとって毒になるものはとらないようにしたいですね。歯周病が進行している方は、早産などのリスクも上がりますので、お口のケアをしっかりしましょうね。歯周病は、歯周病原細菌と、宿主(お口の中)との相互作用によって歯周組織が破壊される慢性炎症です!慢性歯周炎は35歳以上の80%が罹患してるとも言われています。歯周病は自覚症状がなく、歯がグラグラしたり歯ぐきから出血するようになるころには、重度の歯周病に進行していることが多いので、歯科医院で定期検診を受診することをオススメします!新型コロナウイルス感染が流行している今、歯科医院に来院を控える方も多いかと思います。しかしお口の状態を清潔に保つことは、虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、誤飲性肺炎や早産のリスクを軽減させます。さらにウイルスによる感染リスクを下げ、万が一に感染しても重症化することを防ぐ効果もあります。そのため、コロナウイルスのために受診を控えている方も、虫歯や歯周病があれば歯科治療を受けたほうがいい場合もあります。新型コロナウイルスの流行が落ち着き、今までの普段通りの生活が送れるようになったらぜひみなさん歯科医院を受診してみてくださいね!DH大久保
-
歯ブラシなどの歴史について
みなさんこんにちは!コロナウイルスが流行ってますが手洗いうがいは徹底していますか⁇今日は、歯磨きの歴史など調べてみたのでお話しします‼︎《世界の歯磨きの歴史》歯磨きはどれくらい前からあると思いますか⁇なんと紀元前五千年前からあるんです。この頃は歯ブラシのような形ではなく、麻の繊維を指に巻き歯を磨いたようです。そして、紀元前三千年前頃の遺跡からは、黄金の爪楊枝が見つかったそうです。しかし今とは異なりうがいをする習慣がなかったので、歯磨きをしたらそのままだったそうです。日本に仏教が伝わったのと同時に "歯木" (しぼく)と呼ばれる小枝を使ったものも一緒に伝わりました。僧侶から一般人に徐々に広まっていったそうです。《日本の歯ブラシの歴史》日本に初めて歯ブラシが広まったのは1890年大阪盛業会社が、『歯刷子』 という名前で発表したものだそうです。歯ブラシという名前で登場したのは大正3年にライオンが製造した、『万歳歯刷子』 (ばんざいはぶらし)が最初です。それ以降は 『歯ブラシ』 という名前が使われるようになったそうです。《日本最初の歯医者さん》みなさんは "小幡英之" という方を知っていますか?実はこの方は日本で初めての歯医者さんなのです。この方は明治8年に日本初の歯医者の資格試験(歯科医師国家試験)に初めて合格しました。《日本の昔の歯の治療》室町時代→江戸時代この間は甘いものが少なかったため、歯の治療というと虫歯を削ることではなく痛い歯を抜くことが多かったようです。当時は麻酔はないので、激痛に耐えながら歯を抜いていました。江戸時代江戸時代では歯科医師とはべつに、『入れ歯師』 という職業がありました。この時代の入れ歯の素材は木だったそうです。とても痛そうですが、歯肉の形に合わせて作ってあったり金属のバネを使ったり現代に似た技術で作られていたそうです。《お歯黒とは》お歯黒という言葉を聞いたことありますか⁇昔の女性がしているイメージがありますが、お歯黒には様々な意味があります。江戸時代では既婚者のしるしで歯を染めていました。他にも歯が黒く輝いている女性は美人ともされていました。そしてなんとお歯黒には、虫歯を予防、進行抑制の効果もあったそうです。成分はタンニンと第一鉄の化合物でできています。現代ではこのお歯黒を元に製品が開発されています。《世界初の歯ブラシ》世界初の歯ブラシは、中国で使われました。今使われているものとは素材が全く異なり骨や竹に豚の毛を植え付けたものでした。《世界初の歯磨き粉》古代インドでは、『ニーム』 という木の樹液が歯磨き粉として使われていました。これはむし歯や歯周病の予防薬が配合されていたようです。こんなに昔から歯周病やむし歯があったなんて驚きですね。先ほどもお話しした歯木にも塩をつけて磨いていたようです。ローマ時代の歯磨き粉は、動物の骨を焼いて骨灰や卵の殻を焼いた灰を使って作られた歯磨き粉で磨いていたようです。14世期のフランスは蜂蜜、塩、酢で作った歯磨き粉もあったそうです。《日本初の歯磨き粉》552年に中国から、楊枝と塩で磨くということも伝えられました。1625年に日本で初めて歯磨き粉の製造と販売を丁字屋喜左衛門がしました。このときの主成分は 『琢砂』 と言われる陶土でした。明治時代からは、海外から安全な研磨剤が入ってくるようになりました。1850年にアメリカではチューブ式の練歯磨きが発売されました!日本では1911年にライオンからチューブ式の歯磨き粉が発売されました。普段使っている歯ブラシや歯磨き粉にこんなに歴史があり世界によって成分や素材が違うことにとても驚きました。皆さんもぜひ調べてみてください☺︎︎DH関
-
歯の痛み
こんにちは(^_^)皆さん体調は大丈夫ですか?免疫力を上げ、手洗いうがいを徹底して細菌を寄せ付けない体を作りましょう!咳やくしゃみエチケットにも気を付けて。皆さん、歯が痛いと思うことありませんか?「歯が痛い」といっても、冷たいものを食べると歯がしみる。時々歯の奥がズキズキと痛むことがある。など、その症状はさまざまですよね。歯の痛みの原因として多いのは、『虫歯』 や 『歯周病』 などですが、歯以外に原因がある場合もあります。○歯からくる痛み・虫歯虫歯とは、口の中の細菌が出す酸によって歯が溶かされた状態のことです。熱いものや冷たいものを口にふくむと歯がしみたり、痛みが持続する、叩くと響く鋭い痛みなどの症状が虫歯の特徴といえます。口の中にはたくさんの種類の細菌が住んでいて、その中でもミュータンス菌と呼ばれる菌が虫歯の原因菌です。ミュータンス菌、CMなどで聞いたことがあるかもしれないですね!この菌は、口の中に残った糖分を栄養として歯の表面にくっつき、そこで増殖してプラーク(歯垢)ができます。また、この細菌は糖分から同時に乳酸を作り出すため、プラークの内部は酸性になり、ゆっくりと歯の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。歯に穴が開いてしまうと、いわゆる 『虫歯』 の状態になります。そのまま放置していると、やがて酸に弱い象牙質も壊れていき、歯髄の神経や血液にまで細菌が侵入してしまいます。こうなると耐え難いほどの痛みが出たり、ひどい場合には歯の根っこが化膿して全身に悪影響が出ることもあります。ごく初期の虫歯ならば再石灰化によって自然修復することも可能ですが、歯髄炎まで進行すると抜髄という治療によって歯髄を取り除くしかない場合が多いのが現実です。生えたばかりの永久歯はエナメル質が未成熟なため、生えてから2~4年後の間が最も虫歯にかかりやすいといわれているそうです。・知覚過敏何らかの原因によってエナメル質が傷ついて象牙質が露出してしまい、外部からの刺激が内側の神経に伝わりやすくなり痛みを感じます。熱いものや冷たいものでしみたり症状は虫歯と似ていますが、痛みが一過性であることと、叩いても痛まないなどの点が虫歯との違いです。歯の根元部分にはエナメル質がなく、全て象牙質でできているため、加齢による歯ぐきの後退などによっても象牙質はむき出しになり、知覚過敏の主な原因になります。〜知覚過敏と虫歯の見分け方〜▫︎食べ物で歯がしみる時間 知覚過敏→10秒程度 虫歯→数10秒~数分▫︎しみる歯を叩いた場合 知覚過敏→痛みはない 虫歯→響くような鋭い痛み▫︎歯の様子 知覚過敏→歯の表面はきれい、歯の根元が露出している虫歯→歯に茶色~黒色のシミがある、歯の根元は露出していない○歯茎からのくる痛み・歯周病歯周病は歯を支える歯ぐきや骨などの組織が破壊される炎症性疾患の総称で、40歳以上の日本人のおよそ8割がかかっているともいわれています。歯周病は、歯ぐきのみに炎症が起こっている歯肉炎と、炎症が進行して骨に及ぶ歯周炎に別れます。歯周病の原因は、主に歯に付着したプラーク中の細菌(歯周病菌)です。プラークを放置していると隣接した歯ぐきに炎症が起き、歯と歯ぐきの間に隙間(歯周ポケット)ができます。歯肉炎の段階だと自然治癒も可能ですが、歯周ポケットから侵入した歯周病菌がゆっくりと歯周組織を破壊していくと、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。歯周病のなりやすさについては個人差があり、喫煙やストレス、糖尿病などの要因も歯周病リスクを高めることが分かっています。少しでも痛みや違和感などを感じたら、歯科に行ってチェックしてもらいましょう!歯科アシスタント 松本