院長ブログ
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ドイツで世界最大のデンタルショーに参加
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 3月16日から19日にかけて、ドイツで行われた国際デンタルショー(International Dental Show : IDS)、通称ケルンデンタルショーに参加しにドイツに行ってまいりました。 ケルンデンタルショーは2年ごとに開催されるデンタルショーで、世界64カ国から2,327社もの歯科関連メーカーが参加する、世界最大のデンタルショーです。 歯科を含む医療機器はドイツ製のものが多く使用されています。ドイツ製の医療機器はとても信頼性が高く機能面においても優れいていて、当院でも様々なドイツ製の機械や材料を使用しています。病院などでもCTやMRIなどの分野ではドイツ製のものがよく見られますね。 当院でも様々なドイツ製の機械や材料を使用しています。 ちなみに最近ではコストパフォーマンスに優れ機能面でも遜色のない、韓国メーカーの医療機器も増えてきました。 さらにここ数年は中国製品もかなり良くなってきました。価格は韓国製品よりもさらに安いのですが、メンテナンスの問題もあり購入には抵抗があります。ただし小型機器を消耗品感覚で購入するならいいかもしれません。 実は今までに海外の国際学会に参加した際、このケルンデンタルショーの事が一緒に行った日本の先生たちの間で話題になることがあり、行ったことのある先生が多くて私もいつか行きたいなと以前から思っていました。 今回このケルンデンタルショーは100周年記念大会ということと、新型コロナ感染に対する海外渡航規制がかなり緩和されてきましたので、一生に一度の機会と考えて思い切って参加することにしました。 このデンタルショーに参加することで、世界中の最新歯科機器の情報を手に入れることができ、私の知識も大きくアップデートされると思いました。 現在ロシアとウクライナの戦争のため、日本からヨーロッパに行くためにはロシアを大きく迂回する必要があります。 そのため日本からドイツまで所要時間が15時間かかります。。 日本を出発した飛行機はドイツとは逆方向に進み、なんと北極圏からグリーンランドの上空を通過して北欧やイギリスの方からドイツのフランクフルト空港に進みます。 平面にした世界地図で見ると訳がわかりません。地球儀でルートを見てようやく納得できました。 フランクフルト空港からドイツの新幹線ICEで1時間でケルンに到着しました。 憧れのケルンデンタルショーに来ることができて感激です! ケルンデンタルショーは4日間開催されます。1日ではとても回りきれないとのことです。 会場は7つの建物に分かれています。更に2階建てか3階建てになっています。そのため会場は全部合わせて13ホールもあります。。。 日本デンタルショーが有明のビックサイトでせいぜい2ホールほどしか使用しないので、単純に7倍ほどの広さになります。 さすが世界一の規模を誇るデンタルショーです。どこに行ってもかなり混んでいます。 ほとんどの人は歯科関係者だと思われますが、70%は海外からの参加者だそうです。 欧米人がほとんどですが、日本人や韓国人、中国人などのアジア人も結構いました。 ドイツ製品だけでなく、スペインのメーカーやイタリアのメーカーなど日本では見られない歯科製品が展示してありました。 ここのメーカーのデンタルチェアーにはなんとX線装置が付いていました! これならわざわざ患者さんがレントゲン室まで何度も移動しなくて済むのでとても便利です。 残念ながら日本の法律では、X線撮影は厳重にX線防護を施したX線撮影室で行わなければならないので、この機械の導入は不可能です。 以前アメリカのレーザー歯学会に参加した際に見た歯科用レーザーの最新モデルが展示してありました。 最高出力(ピークパワー)が100ワットというものすごい高性能な半導体レーザーです。 アクリル板にデジタル表示されてとても近未来感があります。 当院でも導入している光殺菌装置Fotosanと世界一明るいLED照射器を作っているデンマークのCMS社のブースもあり、そこでいろいろと診療に関する役立ち情報などを聞くことができました。 日本のデンタルショーではこのような海外製品は輸入業者や商社のブースに少し展示しているだけで詳しい話を聞くことはできないので、その点も参加してよかったと思います。 毎日診療で使用しているドイツのメーカーのブースを見ることができてすごく嬉しいです。 各社の最新の製品が展示してありました。 いろいろと面白いセミナーやデモが行われていました。 このデモはいかに自然で他の歯と調和の取れたセラミック冠を作るかということを実演していて大盛況でした。 ちなみにドイツではどこに行っても、もはやマスクをしている人はまったくいませんでしたね。 日本のメーカーも頑張っていました。松風、モリタ、NSKなどという歯科ではとても大きなメーカーが会場のメインスペースでかなり大きな規模を確保していました。 超音波スケーラー(歯石をとる機械)のメーカーのEMS社のブースで、大阪支店の担当歯科衛生士さんがいらしたので、最新の超音波スケーラーについて詳しく話を聞くことができました。 歯石を取るときにこの機械を使うことで、機械が歯石の状況を瞬時に判断して最適なパワーにするため、患者さんは痛みを感じることがなく深い歯石も取り除くことができるとのことでした。 時間があまりなかったので観光らしい観光はしなかったのですが、ケルン中央駅を出て眼の前のケルン大聖堂は圧巻でした。この聖堂が完成するまでに600年!もかかったそうです。 以上、今回は短期間のドイツ旅行でしたが、とても充実した4日間でした。 今後もケルンデンタルショーで得られた知識と情報を患者様に還元できるように頑張ってまいります。
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『2023年トルコ・シリア地震』ヘの支援について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 2月6日にトルコとシリアの国境付近で発生した大地震で、多くのビルが崩壊し多数の死傷者が出ているとのことです。 日本赤十字社の公式サイトより 私は30年以上前にトルコとシリアに行ったことがあり、今回の地震のニュースを聞きとてもショックでした。 現在、国際赤十字社(イスラム圏内は赤新月社)が救助活動や復興支援を行っています。 日本赤十字社はこれらの活動を支えるための救援金の受付をしており、私も少しでも役に立てればと思い寄付をさせていただきました。 2023年トルコ・シリア地震救援金 被災された地域の1日も早い復興を心より願っております。
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岡本太郎の絵を展示しました
岡本太郎の絵が手に入りましたので、診療室に展示することにしました。 若い人はご存知ないかもしれませんが、50年前の大阪万博のシンボルである『太陽の塔』の製作者です。 身近なところでは、渋谷駅の井の頭線のホームから伸びているコンコースの壁に、とても大きな絵画が展示してありますが、それも岡本太郎の絵です。 渋谷駅の絵は元々、大阪万博と同じ時期にメキシコに新しくできるホテルのために制作したものだそうです。(ホテルは開業前に倒産して、しばらく絵画の行方がわからなくなっていました) この絵のタイトルは、『哄笑』といいます。 リトグラフのため、同じものが多く存在しますが、50年前のものにしてはとても状態が良かったです。 もし患者さまでご来院された際は、ぜひ御覧ください。
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3年ぶりの講習会の試験官
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 先日、歯科用レーザーや輸入歯科機器販売の会社が主催する講習会及び認定医の試験があり、その試験官として参加をいたしました。 この講習会は3年前と6年前に試験官として参加したことがあります。 3年前(2019年)の講習会参加の様子 他のセミナーや講習会同様、コロナ禍のためにこの講習会も2020年、2021年ともに中止となっておりました。 今回、規制が緩和されたのでこの講習会も開催され、主催者より試験官として参加を打診されました。 会場は三田にある会議室です。とても綺麗な会場でした。 講習会は土曜日と日曜日の二日間行われます。 今回も講師の先生は、UCSF歯学部予防修復学臨床教授のDonald J. Coluzzi先生です。 講義はすべて英語で行われ、私のレーザーの師匠の永井先生が翻訳します。 初日の夜は懇親会に引き続き、試験対策の勉強会がありました。 講義が終わると筆記試験があり、その後実技試験となります。 実技試験には実際の歯科用レーザーが使用されるので、安全のため各ブースが離れています。 私の担当は半導体レーザーという種類でした。 つまり歯肉を切ったり止血したり殺菌したりすることができます。 今回は永井先生の他に、レーザー学会の盟友?の河合先生が同じく試験官として参加していました。 河合先生にお会いしたのも3年ぶりでした。 最後はColuzzi先生とツーショット。最初の頃と比べると少しお年を召したかな? 試験官としての参加は緊張しますが、逆に色々と勉強し直すことができたので参加できて良かったです。 また来年も参加を打診されたらぜひ行こうと思います。 久しぶりのデンタルショー参加 少し前になりますが久しぶりにデンタルショーに行きました。 この東京デンタルショーも新型コロナの影響で3年ぶりの開催になります。 会場は前回と同様で東京ビックサイトでの開催です。 開催された10月はちょうどコロナ感染が少なかったこともあり、すごく賑わっていました。 ちなみにこのデンタルショーは歯科関係者と歯科関連学校の学生さんのみ入場できるので、全員歯科関係の仕事や学生ということになります。 やはり久々の開催ということもあり大盛況です。ただ、全体の規模としてはやや小さく、完全にコロナ禍前の規模に戻るのはもう少し先になりそうです。 谷村歯科医院の歯科機械はすべて『ヨシダ』という歯科メーカーの物を導入しています。 今回、最新式のCTを確認しましたが、撮影後に画像が出てくるまでのスピートがとても早くなっていたのに驚きました。 現在当院のCTでは画像処理をしてモニター上に表示されるまで数分かかるため、忙しい時などは患者さまと確認するのは後日になることが多かったのですが、これならすぐに確認できるので時間の効率化につながりいいと思います。 そして今回のデンタルショーでとても驚いたのがこの型取りの材料です。 虫歯などで歯を削ったあとは歯の型を取ります。 型取りの材料は、寒天とアルジネートという物を合わせて使用します。 寒天はいわゆる食べる寒天と同じような成分ですが、歯科用の材料なので食べられません。 アルジネートとは、粉と水を混ぜると軟らかいペースト状になり数分すると固まるので、歯科の型取りで最もポピュラーな材料になります。 寒天は温かくして歯の周りを正確にとり、その上に被せるように少し冷たくしたアルジネートをという材料を使います。 つまり温度がまったく違うので、分離したり失敗することがありそれが時間と労力の無駄になっていました患者さまも何度も同じ型を取るとうんざりしてしまいます。 しかしこれは精密なところを取る材料もアルジネートなので、材料同士はが分離するリスクがほぼなくなります。 寒天とアルジネートという組み合わせは学生の頃から決まっていましたので、このシステムを見た時は衝撃的でした。 ただしいい事ずくめのこのシステムも、細いところの型が取れないなどの欠点があるのでケースによって使い分けていきます。
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光学印象士・蛍光観察士認定セミナーに参加
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 6月26日の日曜日に品川フロントビル会議室にてセミナーに参加しました。 今回は『光学印象士』と『蛍光観察士』の認定セミナーになります。 主催しているのは財団法人日本スウェーデン歯科学会という団体で、5年前に別のセミナーに参加したことがあります。 その際は虫歯や歯周病を薬剤を塗布して治す『カリソルブ』『ペリソルブ』のセミナーでした。 虫歯や歯周病を薬剤で治療するセミナー『光学印象』とは何かというと、通常は歯型を取って模型を作ってそれをもとにつめ物やかぶせ物を作るのですが、歯型を取らずセンサーを口の中に当ててスキャンをしてそのデータをもとにつめ物やかぶせ物を作る方法です。 型を取らなくていいのでとても画期的な方法です。また様々な材料のカットにつながるので環境にも優しそうです。 この方法はメリットがたくさんあるのですが、まだ保険適応では厳しいのと、歯茎の下の部分の型取りはできないことがあったり、様々なメーカーから毎年のように新製品が出たりと、まだ過渡期的な印象を受けました。 もう一つの『蛍光観察』ですが、これは口腔がんを特殊なライトで表示させる診断方法になります。 口腔がんが発生すると、その病変部の粘膜の構造が変化します。この変化した部分に緑色の光を当てることで蛍光ロス(FVL)と云われる陰影像を観察し診断をします。 この方法は慣れが必要でまた確定診断ではないですが、口腔がんの早期発見に役立つと思われます。 会場は品川にあるオフィスビルです。このビルの地下1階がセミナー会場になっています。 この会場は以前に別のセミナーで利用したことがあります。品川駅から5分以内なのでとても便利です。 会場内の様子です。今回のセミナーは会場に来る以外にオンラインでも受講できました。 オンライン受講は便利なのですが、ライブ感が伝わらず集中力が途切れやすいのと、業者展示や使用している機器が見たかったので実際に行くことにしました。 オンライン受講はかなりの人数だったらしいのですが、実際の来場者数は少なめでした。 最初に『蛍光観察士』に関する講義がありました。講師の先生は私の出身校の口腔外科の名誉教授の先生で、学生の時や卒業して大学に残っていた際はお世話になりました。 講義の内容はとてもわかり易く、蛍光観察の必要性とその方法について学ぶことができました。 複数の業者が協賛していて、様々な展示物を見ることができました。ただし、参加人数が少ないせいか、業者の数も少なかったですね。 ところで、先日岸田首相が国民皆歯科健診を発表しました。お口の中の健康状態は全身の健康状態と密接な関わりがあるので、虫歯や歯周病などを予防することで全身の健康が向上し、医療費が抑えられるとの趣旨になります。 当院でも患者さまには治療が終わっても、また痛みがなくても定期検診がいかに大事かということをご説明しています。特に歯周病は成人の8割以上が罹患している国民的疾患です。この病気は最終的に歯が無くなるだけでなく、細菌が全身にまわることで心臓病・高血圧・脳卒中・糖尿病の悪化・早産等の生死に関わるような病気を引き起こすことになります。 もちろん虫歯や歯周病が進んで歯が無くなると、うまく物が噛めなくなるので生活の質も大きく下がることになるのです。 話は変わりますが、6月28日に新宿にある日本赤十字社の東京支部を訪れました。この日は火曜日だったので、午前中だけクリニックを休診にさせていただきました。 先日、日本赤十字社より連絡があり、私が様々な貢献をしているとのことで名誉会員の称号を授与して頂けるとのことでした。ついてはこの日に行われる総会の中で授与式があるので参加を打診され承諾いたしました。 日本赤十字社の東京支部です。ここには、数年前にも厚生労働大臣感謝状を授与していただきた際にも訪れました。 日赤のビルの入口を入った正面のところに、名誉会員の人や会社の刻印の入ったプレートが掲示されていました。 総会の行われる部屋に通されると、名前のプレートの入った席につくように指示されましたが、一番正面の席だったので少し緊張しました。。。 このような機会をいただきまして、日本赤十字社の方々にはとても感謝しております。 今後とも誠心誠意、患者様の治療に当たり、社会に貢献できるように努力いたします。
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久しぶりにセミナーに参加
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 先日の日曜日に大阪でセミナーに参加しました。 2年前の2月ごろから新型コロナウイルス感染症防止に伴い、様々な行事が中止になりました。 私が毎年参加していた学会や、セミナー、勉強会もすべて中止です。 特にアメリカで開催予定だったレーザー歯学会も中止だったので、とてもがっかりしました。 その後1年ぐらいしてからZOOM等でのオンラインの学会やセミナーが開催されたので、昨年から診療所や自宅のパソコンでオンラインでの参加を何度かしていました。 オンラインミーティングは便利な反面、かなり味気ないですね。なかなか何時間も集中することが難しです。 学生さんがコロナ禍で授業がオンライン授業となりましたが、同じように集中力を維持するのは大変でしょうか? しかし長かったコロナ禍による規制も無くなり、ようやく実際に会場に足を運んでセミナーを受けることができたので、とても良かったです。 今回私が参加したセミナーは治療等の技術系のセミナーではなく、患者様への接遇等のマーケティングと、スタッフの採用や扱いなどのマネジメントのセミナーでした。 会場は大阪駅からすぐの梅田センタービルの会議室でした。同じセミナーは東京でも開催されたのですが都合がつかなかったので、大阪会場の開催日に行くことにしました。学会やセミナーはやはり東京で開催されることが圧倒的に多いのですが、東京以外だと気分が変わっていいですね。 セミナーの会場内です。患者様に説明するツールが展示してありました。普段の診療で患者様に必要なことをすべて説明するのは時間が足りないし、患者様も覚えきれません。そのため治療の注意事項をまとめたツールを適切に渡す必要があります。当院でも様々な説明ツールを作って患者様にお渡ししていますが、今回当院でも使用できそうなツールをいくつか購入しました。 今回このセミナーで取り入れたポスターです。 『治療中に痛みを感じたら我慢せずに手を上げてください』 たまに患者様でどんなに痛くても我慢して、限界を超えてから痛い!と怒る方がいらっしゃいます。 特に男性で、「痛い」と言うのが恥ずかしいこと、男らしくない、弱いと思うみたいです。 治療前には必ず私から患者様には「お痛みがあれば左手を上げてください」と伝えたり、治療中も「大丈夫ですか?痛くないですか?」と声をかけていますが、それでも我慢する方が極まれにいらっしゃいます。患者様が痛くないように常に心がけてはいますが、実際に痛いかどうかはわからないので、皆さまも治療中は我慢しすぎないようにしてくださいね。『当院では予防と定期検診を積極的に推進しています』 もう一つポスターを待合室に掲示しました。 これも以前から当院では患者様に常にお伝えをしていますが、虫歯や歯周病は重症になると手遅れです。もはや抜歯しか方法がありません。そのために検診で早期発見・早期治療を行うことと歯垢・歯石を取り除くことがすごく重要になってきます。検診のタイミングは、軟らかい歯垢が歯ブラシで取れない頑固な歯石になってしまう3ヶ月を目安としています。 セミナー開始直前には満席になってしまいました。講習中は多くの先生が熱心に聞いてメモをとっていました。今回のセミナーは中小規模の歯科医院をターゲットにしている内容でしたので講演の内容がとてもしっくりきました。また、このセミナーはリピーターが多いのが特徴だそうで、今回もリピーター率がなんと90%以上だそうです。ちなもに私もこのコンサルタントのセミナーに参加するのは5回目です。 今はまだコロナ禍でいろいろと感染予防対策が必要な時期です。そのためセミナー会場も隣席とはアクリル板で仕切ったり、マスク着用、アルコール消毒は必須でした。 コロナ禍もだいぶ落ち着いてきたとは言え、まだまだコロナ前の状態になるには時間がかかりそうです。セミナー中はマスクで息苦しかったり少し不便なこともありましたが、久しぶりに直接セミナーに参加することができてほんとに良かったです。
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『ウクライナ人道危機』ヘの支援について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 ロシア軍によるウクライナ侵攻で、死傷者や多くの避難民が発生しています。 日本赤十字社の公式サイトより 実は私は以前、ウクライナの首都のキエフに行ったことがあります。(風光明媚でとても美しい都市でした) そのため、今回の軍事侵攻のニュースはとても身近で、多くのウクライナ人が犠牲になっていることを知り、とても胸が痛いです。 今回も、日本赤十字社を通して少しでもお役に立てればと寄付をさせていただきました。 ウクライナ人道支援義援金 戦争の1日も早い終結を心より願っております。
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『令和3年7月大雨災害』への支援について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 7月に入ってから全国で大雨が続き、それに伴う災害が各地で発生しています。 特に熱海市伊豆山地区で発生した土石流災害では7月13日現在で死者11日、行方不明者17人となっております。 被災地の様子 首相官邸の公式HPより 当院では少しでも被災された方々のお役に立てるように、日本赤十字社を通じて寄付をさせていただきました。 日本赤十字社令和3年7月大雨災害義援金 亡くなられた方々のご冥福と、被災された地域の一刻も早い復旧を心からお祈り申し上げます。
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虫歯・歯周病以外のお口の中の病気
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 お口の中の病気というと虫歯や歯周病を思い浮かべると思います。しかし口の中には虫歯や歯周病以外にも様々な病気ができるのです。今回はお口の中にどのような病気ができるのか説明を致します。 良性腫瘍 腫瘍は大きく分けて 『良性』 と 『悪性』 に分けられます。良性腫瘍は限られた部分で成長する腫瘍です。癌と違いますので成長がゆっくりで他の臓器への転移がありません。では放置してもいいかというとそんなことはなく、良性腫瘍の中でも多く見られる『エナメル上皮腫』 は顎の骨の中にできるため、大きくなると周りの組織を圧迫して、歯がずれたり骨が骨折したり神経や血管を圧迫して麻痺が起こってしまいます。そのためレントゲン撮影をして腫瘍が見つかったら、痛みなどの症状が無くてもまずは口腔外科を併設している病院で受診することをお勧めします。 このエナメル上皮腫以外にも、口の中にできる良性腫瘍として、血管が絡まりながら大きくなる『血管腫』や腫瘍の中が脂肪で満たされている『脂肪腫』、などがあります。 悪性腫瘍悪性腫瘍で代表的なものはお口の中にできる口腔癌です。その中でも特に発生頻度が高いものは『舌癌』です。次が『歯肉癌』になります。癌は炎症と違って初期の段階では痛くありません。自覚症状がほとんど無いのですが、何かお口の中に違和感を感じてそれが2週間たっても消えなければまずかかりつけの歯科医院を受診して診察してもらいましょう。ちなみに堀ちえみさんは舌癌になりましたが、2020年のテレビ朝日のたけしの家庭の医学で放送された再現ビデオの歯科医院のシーンは当院で私の指導のもと再現ビデオとして撮影されました。 嚢胞 『嚢胞』 とは、体の中にできた薄い皮や壁で覆われた空洞で腫瘍とは異なります。この空洞の中には通常体液で満たされています。嚢胞の中で一番多いのは、歯の根の先の骨の中にできる 『歯根嚢胞』 です。また、親知らずなどの歯が骨の中で袋に覆われている、『含歯性嚢胞』 や、粘液で満たされている『粘液嚢胞』 などがあります。 このように、お口の中には虫歯や歯周病以外にも様々な病気が発生します。 中でも悪性腫瘍の舌癌や歯肉癌は全身に転移する可能性がありますので、痛くないからと放置せず早めに歯科医院を受信するようにしてください。 口の中の違和感や痛みを放置してしまうと癌が全身に転移しまい、手遅れになってしまいます。。。 虫歯や歯周病のチェックと歯石取りで3ヶ月毎に定期検診で来院されていると、お口の中に異常があっても早期発見で専門病院を紹介して早期治療が可能になります。 特に口腔癌は痛みが出てからだと手遅れになりますので、違和感を感じたらすぐに歯科医院を受診してください。
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歯科のレントゲンについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 医療を行う上でとても重要な機器の一つにレントゲン装置があります。レントゲン機器は歯科治療を行う上で最も重要な診断装置と言えるでしょう。私は大学を卒業後、歯科大学の歯科放射線講座に在籍しておりました。 さらに現在は日本歯科放射線学会の認定医になりましたので、レントゲンでの診断をとても大事にしています。 医療の現場ではごく一般的にレントゲン撮影が行われておりますが、特に歯科においてはレントゲン撮影が不可欠です。なぜならば歯科治療は見えない部分の治療が多いので、レントゲンがないと診断能力が40%に下がると言われています。そのため、診療中は常にレントゲンの画像をみながら治療を行っています。レントゲン装置は直接見ることができないところも見ることができる、とても便利な診断機器で有効である反面、人体に有害な部分(被ばく)も併せ持っています。そこで今回は、歯科のレントゲンについて説明いたします。 レントゲンとは?レントゲンとは電磁波のひとつで、X線といいます。そのため、レントゲン撮影をする機械も、X線撮影装置と呼ばれています。そもそも電磁波とは何かというと、電気が流れるところに発生する波のことです。我々が普段見える可視光線、殺菌に使う紫外線、熱を発生させる赤外線、携帯の電波などがあります。この中で、波長が1pm~10nmの電磁波をX線と言います。電磁波について説明すると長くなりますので、また別の機会にいたします。ではなぜX線をレントゲンというかというと、1895年にドイツのヴィルヘルム・レントゲンという物理学者が発見したからです。ちなみにこのレントゲン博士は第1回のノーベル物理学賞を受賞しています。 レントゲン撮影は安全? レントゲンを医療で使用する場合は、診断と治療があります。このうち治療は、主に癌などの放射線治療になります。肺がん治療で放射線治療で使用するX線量は60シーベルト(1週間、治療部位のみ)とかなりの線量を当てますので、被ばくによる影響は無視できません。ただし肺がんは死亡率の非常に高いがんなので、有効性が副作用を上回ります。治療に比べて診断に使用するレントゲン量は桁違いに少ないので、問題ないと考えていいでしょう。年に1度の健康診断でも胸のレントゲンを撮影しますのが、この撮影で癌になったり副作用が出たということは今までに全くありません。 歯科医院のレントゲン撮影は安全? こちらは東京都歯科医師会が作製している放射線被ばくの図になります。 https://www.tokyo-da.org/images/pdf/1108.pdf これによると、歯科で使用するレントゲンの被ばく量は0.01~0.03ミリシーベルトとなります。つまり、飛行機でニューヨークを往復する際に被ばくする自然放射線量の10分の1以下なのです。たとえ飛行機に乗らなくても普通に生活しているだけで我々は1年間で2.4ミリシーベルトの自然放射線量を浴びています。ちなみに肺がんの治療で使用するX線量は60シーベルトですから、歯科用X線の被ばく量はなんと600万分の1ということになります。さらに歯科のレントゲン撮影は健康診断の際の胸のレントゲン撮影の被ばく量の5~2分の1ですが、それだけでなく歯科では胸に大きな鉛の入ったエプロンをかけるので、被ばく量はもはや限りなくゼロに近いです。一般的には、歯科用X線撮影は1度に17万枚!撮影しないと人体への影響は出ないといわれています。またX線は体内に蓄積されるものではないので、前回の撮影から日が浅いのでよくないのでは?と心配する必要もありません。 ごくまれに主に年配の方ですが、X線被ばくを心配してかたくなにレントゲン撮影を拒否される方がいらっしゃいます。「副作用が怖い」「歯でなくて口内炎なので撮る必要はない」「最近胸のレントゲンを撮ったばかりなのでもう撮りたくない」「余計なことはしたくない」などしかし今まで述べたように、歯科のレントゲン撮影の被ばく量は限りなくゼロに近く体内に蓄積されるものでもなく、また歯科治療ではレントゲン撮影を行わないと正確な診断と治療ができず、誤診や治療ミスにつながります。また撮影する必要があるか無いかは、歯科医師が決めることなので、患者さんの判断で撮る撮らないを決めるものではありません。 なお当院では初診時にはレントゲン撮影を行う旨をネット予約の際には記載しております。それでもレントゲン撮影をされたくない患者さまは、当院での受診をお断りしております。 このようにレントゲン撮影は歯科治療では不可欠ですが、例外的に妊娠中または妊娠の可能性のある方は緊急時以外の撮影は行いません。もしも妊娠が撮影後に後から分かったとしても、胎児が奇形や精神発達遅延を出現する放射線量は50ミリシーベルト以上なので、歯科医院のレントゲン撮影は問題ありませんのでご安心ください。