院長ブログ
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予防歯科とは?
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は『予防歯科』について説明しようと思います。 ところで皆さん、歯科医院へはどんな時に行きますか? ・歯が痛くなった、しみる ・つめものが取れた ・歯ぐきが痛い、腫れた ・グラグラしてかめない ・歯をぶつけた、かけた ・親知らずが痛い、腫れた ・顎が痛い、音がする これら以外にも、歯医者に行こうと思う理由はまだまだありますが、基本的には 「症状が出て困っているので行く」 のでしょう。 もちろん『治療』をすることは大事ですが、治療が必要になる前の『予防』もとても重要です。 『予防歯科』とは、治療が必要となる前に歯石を取ったり、虫歯ができても 『早期発見して早目に治すこと』 です。 予防歯科は家庭での歯磨きなどのホームケアだけでも、歯科医院でのプロフェッショナルケアだけでもお口の健康を守ることができません。 つまり自分の口の健康を保つためには、普段から適切に歯磨きをするのはもちろん、 『歯科医院で決められた期間の間に定期検診を受ける』 ことが大切です。 実際に歯科医院で予防歯科でどのようなことをするのかお話しします。 虫歯と歯周病のチェック レントゲンを撮ったり歯周病の検査をして病巣がないかチェックします。 レントゲンは特に症状がなくても定期的に撮影してチェックすることで、虫歯ができても早めの対処が可能になります。 歯周病のチェックもとても大事です。歯と歯ぐきの間の隙間(歯周ポケット)の深さを確認してその深さに応じて歯石を取り除きます。 腫瘍や親知らず、噛み合わせのチェック 若い人なら親知らずがほかの歯に悪影響を与えていないか、また年配の人なら顎骨内に腫瘍が発生していないかチェックします。 親知らずが手前の歯を圧迫していたり、歯ブラシが届かない場合は他の歯に悪影響を与えるため、抜歯などの対策が必要になってきます。 また、レントゲン画像で、腫瘍が疑われる場合はただちに専門の歯科大学病院に紹介いたします。 特に悪性腫瘍は時間が経つとどんどん他の組織を破壊していきますので、全身にとても大きなダメージを与えるので、早期発見がとても重要になってきます。 歯石の除去 普段のケアで取れない歯垢や歯石を除去します。特に歯石は病原菌の住みかになっていて歯ブラシでは取れないので歯科医院で取り除く必要があります。 この歯石は最初はザラザラしていますが、そのうちに頑丈な白い歯石になります。 これをほおっておくと、腫れた歯ぐきから出る血液と結合して歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に入り込む黒くて歯周病の原因菌のすみかとなる「縁下歯石」ができてしまいます。 この縁下歯石が溜まっていくと、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が歯周病菌によってどんどん溶かされていき、最後は歯がグラグラして抜けてしますのです。 ブラッシング指導 毎日一生懸命歯ブラシをしても正しく行わないと歯垢が残ったり歯や歯ぐきを傷つけてしまいます。そのため、患者さん一人一人のお口の中の状態にあった歯みがきの指導を行います。 予防歯科を実践すれば絶対に虫歯にならないわけではありません。 さすがに数ヶ月の検診だけで絶対に虫歯にならないようにすることは、我々歯科医師にはできません。 毎日の正しい歯ブラシと患者さま一人ひとりにあった期間での定期検診と歯垢・歯石の除去がとても大事です。 そして、もしも虫歯が見つかったとしても早めに治療することで、治療期間もコストも抑えることができ、痛みや腫れたり抜歯のリスクも抑えることができるのです。 ちなみに初診のときに虫歯がかなり多かった人も、すべての治療が終わった後に決められた期間に予防歯科を受けているとその後はあまり悪くなりません。 虫歯は、食べ物と清掃と歯の硬さなどの要因が重なったときにできます。 歯が弱い人は、他の人と同じように歯ブラシをしていても虫歯ができやすいです。 そうした方も予防歯科を実践するようになってから、ほとんど虫歯にならず快適に生活を営むことができています。 症状が出てからだと、痛みも出たり何度も通院したり費用も掛かったりするので、ぜひとも『予防歯科』の受診をお勧めします。 当院では予防歯科を積極的に実践しています。 予防歯科を実践できるように国家資格である歯科衛生士が多数在籍しております。 もしも予防歯科について分からないことがありましたら、お気軽に歯科医師や歯科衛生士にお尋ねください。
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入れ歯の種類
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今日は 『入れ歯の種類』についてお話ししようと思います。 入れ歯とは、歯がなくなってしまった場合に元の歯の代わりの機能を持たせた、『取り外し式の人工歯』です。 入れ歯には、部分的に歯がない場合に使う『部分入れ歯』と、歯が全部なくなってしまったときに使う『総入れ歯』 があります。 たまに患者さんで部分入れ歯のことを『ブリッジ』とおっしゃる方がいますが、これは誤りです。 ブリッジも歯が無くなったときに使いますが、こちらは無い部分の前後の歯を削ってつなげた『銀歯やセラミックのかぶせ物』のことで、接着剤で歯にくっつけるため取り外しはできません。 患者さんと話をしていて、「どうも話がかみ合わないな」と感じる事があり、よくよく聞いてみるとブリッジと部分入れ歯を勘違いしていたことがありました。 さて入れ歯の種類に戻ります。 入れ歯には、『部分入れ歯』と『総入れ歯』がありますが、さらに保険適用かどうかや使用している材質でいろいろな種類があります。 特に部分入れ歯は構造が複雑で、残っている歯にかかるバネが金属製のものや目立たないもの、磁石を使用したものなど他人からわかりにくいものも開発されています。 保険適応の入れ歯は、何といっても安価で作れることが最大のメリットになります。 しかし保険適応には厳格なルールがあり、「バネが見える」「入れ歯が厚ぼったい」「温度が分からない」「噛む所が減ってしまう」などといった個々の事情を考慮することができません。 また、入れ歯を作製してから6か月間は作った医院はもちろん、他の医院に行っても入れ歯を新しく作ることはできません。 そこで、保険の入れ歯の問題点を改善した入れ歯が保険外ではいろいろあります。 金属床の入れ歯 歯の内側の、外から見えにくいところにプラスチックより薄い金属を使った入れ歯です。 舌が触れるところが薄くなるので、口の中に空間ができて楽になります。 温度がすぐに伝わるので食事がおいしくなり、火傷などの危険性も減ります。また入れ歯が真っ二つに割れるといったリスクも少なくなります。 入れ歯用の金属の種類は、 『コバルトクロム合金』 や 『チタン合金』 になります。 コバルトクロム合金は昔から保険外の材料として使われています。 チタン合金も20年ぐらい前から使用されている金属で、コバルトクロムに比べてとても軽く、金属アレルギーのリスクも少なくなっています。 ただしチタン合金は加工がとても難しく、コバルトクロムを使用した入れ歯よりもやや高額となります。 弾力のある材質を使用した入れ歯 こちらはプラスチックの代わりに弾力性のある繊維素材をした入れ歯になります。 よく、 『ノンクラスプ』 や 『フレキシブル』 の入れ歯といわれています。 金属のバネの代わりに一体化したピンク色をした繊維素材を用いるため、つけていてもほとんど入れ歯とはわかりません。 この材料は入れ歯用として使われ始めたのが比較的新しく、様々な種類があります。 一番柔らかいのは、 『ポリアミド』 という材料です。痛みが出にくいのですが、修理がほぼできず、しっかりかむと曲がって噛みにくいことがあります。 次は、 『ポリエステル』 で、少し弾力があり、修理もお預かりになりますが可能です。 他には、 『ポリカーボネイト』 があります。よくスーツケースの素材として使用されています。 とても頑丈で修理もできますが、柔らかさはほとんどありません。 これら以外にも、磁石を使用したり、残っている歯にかぶせるものがついていたり、シリンダーのロック装置がついていたりと様々な種類があります。 しかしどの入れ歯を選んでも、一生ぴったりした入れ歯はありません。 それは口の中の顎の状態がどんどん変化していくからです。 お口の中の歯ぐきの厚みや顎の骨はどんどん変わっていきます。 しかし入れ歯は硬いので、数年すると合わなくなってがたがたになったり、歯ぐきが痛くなってしまいます。 そのため、入れ歯に特に問題がなくても、定期的に歯科医院でチェックしたり調整をすることも必要です。 もし合わない入れ歯を無理やり使用し続けていよいよ壊れてしまっても、新しい入れ歯はすぐにはできません。 何週間もかかるので、その間はとても困ることになります。 入れ歯は、『自分の体の一部』 となるわけですから安易に妥協せず、快適に人生を過ごせるような入れ歯を選ぶようにしましょう!
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インプラントのセミナーに参加しに広島に行ってきました!
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 昨日、『インプラントのハンズオンセミナー』 に参加しに広島に行ってきました! インプラントのセミナーは東京でももちろん頻繁に開催していますが、私の師匠の先生が使用しているインプラントのメーカーが広島でセミナーを開くので、急遽申込みをしました。 歯科用インプラントの種類は国内のメーカーと海外のメーカーを合わせると、現在100種類以上もあります。 今回はアメリカの、『スプライン』というメーカーのインプラントの講習を受けてきました。 このインプラントはネジの構造が独特で、ゆるみにくい構造になっているそうです。 インプラントは顎の骨に埋める本体と土台と被せ物の3つのパーツで成り立っています。 インプラント本体は顎の骨とがっちり固定されるため問題ないのですが、本体と土台と被せ物は特殊なネジでつけていきます。 このネジは手で締めるだけでは長期間噛んでいると緩んでしまうので、締め付ける力を制御できる専用の電動ドライバーを使用して締めます。 しかし、それでも何年かたつと緩む場合があるのですが、このスプラインインプラントはネジが特殊構造で緩みにくそうです。 実は歯科用インプラントはメーカーの互換性がほとんどありません。 そのため、使いたいインプラントがあれば、それぞれのセミナーに参加して習得しなければなりません。 現在インプラントの基本的な術式はほぼ確立されており手順はほとんど一緒ですが、埋入や固定に際して ミクロン単位の精度が要求されるので、日々勉強をしなくてはなりません。 広島までは東京からは遠かったのですが、様々なインプラントの講習を受ける必要がありますので、全国どこでも行きます。 もっとも、講習会やセミナーはほとんど東京で行われることが多いですが。 今まで参加したインプラントのセミナーは、一番メジャーな『ITI』インプラントや京セラの『POI EX』システムがあります。 構造はほとんど同じなのですが、20年以上前はネジタイプではなく、櫛のような形をしたインプラントもありました。 私が開業する前に勤務していた東京の浜松町にある世界貿易センタービルの中の歯科医院では、院長先生がインプラントの専門の先生でした。 その先生は日本におけるインプラント治療の初期の創業メンバーの1人だったので、様々なインプラントの症例や患者様を診察することができ、大変有意義でした。 今回のインプラントセミナーは参加してとても良かったです! 埋入のデモや縫合の練習などとても充実した内容でした。 講習会に参加していた先生は若い先生からベテランの先生まで様々でした。 しかし、インプラント治療は高度な技術が要求される外科手術なので、参加している先生はほぼ男性でした。 講師の先生は、自己紹介のときに知ったのですが東京の目黒で開業しているインプラント専門医の先生でした。 私が東京から来たというととてもびっくりしていました。 わざわざ東京から広島まで来て講習を受ける人はなかなかいないみたいです。 この先生とは、後日メールで相談に乗っていただけましたので、それも含めて今回のセミナーに参加して良かったです。 インプラント治療は歯が全部ある人にとっては必要のない治療です。 しかし歯がない人にとって噛むことができないということは、精神的にも肉体的にも大きなマイナスの影響を与えてしまいます。 それを補うためにこのインプラント治療というのはほんとに素晴らしい治療方法です。 ただし難点として治療に際しては、外科的な侵襲があり、時間とコストがかかります。 また我々も日々勉強したり事前の準備と長期的なフォローが必要なのですごく大変です。 このような試練を乗り越えて、今後も患者様のために日々努力してまいります。
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歯とスポーツの関係について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回から歯に関する情報を院長ブログとして定期的に発信していきます。 最初の歯の豆知識は、 『歯とスポーツの関係』 についてです。 歯はスポーツをする上でものすごく重要です。 しかしプロのスポーツ選手は歯が悪い人がとても多いんですよ。 なぜなら、集中している時に思いっきり食いしばって、歯をすり減らしたり割ってしまうからです。 アマチュア選手ならそこまで歯は悪くなりません。プロは全神経を集中して自分の出せる力を100%出し切るために、普通ではありえないぐらい歯をかみしめるのです。 しかも毎日が練習の連続です。その都度歯を思いっきり噛みしめているのです。 みなさんも重いものを持ち上げたり筋トレをしている時に、歯を無意識に噛みしめていませんか? ウィキペディアより 歯は物を噛み砕くという機能のほかに、力を込めている時に踏ん張るための機能があります。 口の中の機能と全身の運動能力は密接に関係してるのです。 通常、人の歯はそれぞれ1本あたりに瞬間的に自分の体重ぐらいの力が噛む時にかかると言われています。 つまり40キロの女性なら40キロの力を歯にかけていて、80キロの男性なら80キロの力を自分の歯にかけていることになります。 普段食事で噛む時にこれだけの力がかかっていますが、スポーツで思いっきり歯を食いしばるときは、なんと体重の3倍のちからが歯にかかっています! 80キロの男性なら240キロ! これでは歯はたまらず欠けてしまいます。 そのためプロスポーツ選手になるほど歯が悪いのです。 ではスポーツをしたらダメなのかというとそういうわけではありません。 噛みしめた時に歯と歯が直接ぶつからず、歯をガードするマウスピースがあります。 これをつけることで、スポーツをしている際も歯を守ることができます。 マウスピースは薬局などで売っていますが、フィッティングがあまり良くありません。 Uの字をしたトレーをお湯で柔らかくして口の中で噛んで適合させますが、ピッタリしません。 そのため気になってイライラしたり口の中を切ってしまったりすることがあるので、市販のトレーはお勧めしません。 歯科医院では、歯の型を取って模型を作り、真空にする器械でマウスピースを模型にプレスするので、ピッタリとして違和感の少ないマウスピースを作ることができます。 このマウスピースをさらにお口の中に合わせて細かく削ってきついところや大きいところ、噛みしめの偏っているところを修正して、患者さまに合ったオーダーメイドのマウスピースができるのです。 マウスピースの効果は歯の保護だけではありません。 特にスポーツ用マウスピースをつけることで、歯を食いしばった時に守るだけでなく、瞬間的な力を倍以上に引き出すことができるのでとてもおすすめです。 そのため最近では、テレビでサッカーや野球の試合を見ているとマウスピースをつけている選手が何人もいます。 マウスピースは歯ぎしりやあごの症状の改善のためのものと、スポーツ用の2種類あります。 スポーツ用は上下の歯にぴったり合うようにできていて、厚みも厚くなっています。 さらに当院では、スポーツの種類でマウスピースの形と厚さを変えています。 野球やサッカーなど直接歯に衝撃が少ないスポーツと、ボクシングやラグビー、アメフトなどのハードなスポーツや格闘技では、マウスピースの形が異なります。 もしみなさんが普段、筋トレやテニスなどの運動をしているならマウスピースを作成することをお勧めします。 顎の関節痛や歯の食いしばり、歯ぎしり防止のマウスピースは保険適用ですが、スポーツ用のマウスピースは保険外治療となります、 当院では各種マウスピースを取り扱っていますので、お気軽にご相談くださいね。