院長ブログ
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【活動報告】美容大国・韓国ソウルで開催されたインプラント研修に参加しました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 7月19日から21日の連休を利用して、お隣の国である韓国・ソウルで開催されたインプラントのハンズオンセミナー(実践的な実技研修)へ参加してまいりました。 冒頭の写真は、セミナーの全日程を終えた後の修了証授与式での一枚です。韓国の大学の伝統的なスタイルなのか、このような立派なアカデミックガウン(衣装)を着せていただき、大変誇らしく嬉しい瞬間でした! このセミナーは、私が所属している「国際口腔インプラント学会」が主催する海外特別セミナーです。今回の講師を務めてくださるのは、私が以前名古屋で受講した高度な骨造成セミナーでもご指導いただいた、韓国の大学教授の先生です。 前回の名古屋でのインプラントセミナーの様子はこちら 私にとって海外でのセミナー参加は今回が初めてだったため、出発前からとても楽しみにしていました。しかも今回はただ座学で講義を聴くだけでなく、実際の器具を使った実習(ハンズオン)がメインとなります。この学会は現場で活躍する臨床医(開業医)が中心となって運営しているため、明日からの治療に直結する非常に実践的な内容が学べるのが特徴です。 いざソウルへ!ビジネスの街「江南(カンナム)」と美容医療 ソウルの金浦空港に到着した直後は、「ここから会場までどの交通手段を使えばいいのだろう?」と少し迷いましたが、無事にバスに乗って滞在先のホテルへ到着することができました。 今回滞在したのは、韓国の有名企業が数多く集まるビジネスの中心地「江南(カンナム)地区」です。明洞(ミョンドン)や南大門(ナムデムン)といった日本人に人気の観光スポットからは少し離れた場所にあるため、周囲に観光客の姿はあまり見かけませんでした。 ホテル内を散策していて驚いたのがこちらです。 さすがは美容大国・韓国。一流ホテルの施設内に、なんと立派な「美容外科クリニック」が普通に入っているのです! 韓国では、美容外科へ通うことが日本でエステサロンに行くのと同じくらい身近な感覚として根付いているのでしょうね。 実は、歯科のインプラント治療も「しっかりと噛めるようになる」という機能的な側面だけでなく、「失った歯を自然に美しく蘇らせる」という美容的・審美的な側面を強く併せ持っています。見た目の美しさに非常にこだわる韓国だからこそ、インプラント治療がここまで大きく発展し、このような素晴らしいセミナーが盛んに開催されているのだと実感しました。 こちらは、宿泊先の「COEXインターコンチネンタルホテル」のロビーに、日本から参加した先生方と集合した際の様子です。 空港に着いてから街中までずっと韓国の方しか見かけず、看板もハングルばかりで少し緊張していたのですが、ここでようやく日本人の先生方と合流できてホッと胸を撫で下ろしました。首都ソウルであっても、ビジネス街には意外と日本人は少ないのかもしれませんね。 年間2,000本のオペをこなすスペシャリスト・Cho教授 ここから歩いて5分ほどの場所にある研修センターへ移動します。会場は、韓国の最大手インプラントメーカーである「Osstem(オステム)社」の巨大なオフィス内です。 こちらが、今回のセミナーのメイン講師であるCho(チョ)先生です。 実はCho先生は、韓国の最高学府である「ソウル大学」の口腔外科で教授を務められている、インプラント治療の超スペシャリストです。 口腔外科に所属されているとはいえ、なんと毎年2,000本ものインプラントオペを執刀されているというから驚きです。日本の一般的な歯科医院では「年間100本」もオペがあれば相当多い方(インプラントに力を入れている医院)とされますから、年間2,000本という数字は桁違いです。韓国トップのソウル大学という環境と、インプラント需要の高さがあるからこその圧倒的な臨床数ですね。 午前中のセッションは、まず最新の術式に関する講義からスタートです。 少しでも多くの知識を吸収しようと、今回も一番前の席に陣取って一生懸命に聴講しました。 スクリーンにこのような図解スライドが映し出され、インプラントの緻密な配置変更や骨移植などについて解説されていました。 Cho先生は英語と韓国語が堪能ですが、講義は主に韓国語で行われ、それを通訳の方がリアルタイムで日本語に翻訳してくれました。ちなみに、この通訳を担当してくださったのも韓国語がペラペラな日本の歯科医師の先生でした。専門用語が飛び交う医療の現場では、同じ歯科医師による通訳が最も正確で心強いですね。 午後からの実践実習(ハンズオン)で技術を磨く 午後からは、いよいよ顎の骨の模型を使ったインプラント埋入の実習(ハンズオン)です。 インプラント治療を安全に成功させるためには、ひたすら勉強を続け、新しい技術を繰り返し手と体に覚え込ませる習得訓練が欠かせません。 現代のインプラント治療の基本的な術式自体はすでに確立されていますが、実際の人間の体(お口の中)で行うオペでは、骨の硬さや神経の位置など患者さまごとに全く条件が異なり、決して教科書通りにはいきません。 私たちインプラントに携わる歯科医師は、オペ中にどのような不測の事態や難しい状況に直面しても、冷静かつ確実に対処できる引き出し(技術力)を持っておかなければなりません。こうした実践的な模型実習は、その引き出しを増やすために非常に重要です。 ソウル市内の最先端「歯科医院」見学ツアー セミナー翌日は、ソウル市内にある実際の歯科医院を2軒も見学させていただくことができました。海外のリアルな歯科医院の裏側を見学できる機会など滅多にありませんから、大変貴重な体験です。 まず1軒目に見学させていただいたのが、こちらの『ソウルスマイルフェイスデンタルクリニック』という歯科医院です。 エントランスや受付は、まるで高級ホテルのラウンジのような洗練された雰囲気で、隅々までとても綺麗に清掃・デザインされていました。 こちらは奥にある実際の診察室の様子です。最新の設備が整っており、ちょうど患者さまの治療が行われていました。 韓国ではインプラント治療が非常にポピュラーな治療法として広く国民に認識されており、なんと全国の8割以上の歯科医院がインプラント治療を取り扱っているそうです。日本よりもはるかにインプラントが身近な存在であることが伺えます。 続いて2軒目に見学したのが『デザインクリニック』という歯科医院なのですが、ここでは度肝を抜かれました。 なんと、歯の治療を行う傍らで「ネイルケア(ジェルネイルなど)」のサービスを受けることができるのです! 院内には写真のような本格的な「ネイル専用ルーム」が完備されており、本当にびっくりしました。 「歯を綺麗にするついでに、指先も美しく整えて帰る」という、美容大国ならではの素晴らしいアイデアとホスピタリティですね。日本の法律(医療法など)の規制を考えると、歯科医院の中にネイルサロンを併設するのはちょっと不可能に近いのですが、患者さまを喜ばせるエンターテインメント性として非常に勉強になりました。 まとめ 今回の韓国セミナーは2泊3日という非常にタイトな弾丸スケジュールだったため、残念ながら観光を楽しむ時間は全くありませんでした。 しかし、韓国トップクラスの教授からインプラントの高度な知識と技術を直接学び、さらに海外の最先端の歯科医院のシステムを見学することができ、歯科医師として本当に実りある充実した時間を過ごすことができました。 今回海を渡って得た最新の知識とインスピレーションを、明日からの谷村歯科医院での日々の診療にしっかりと活かし、患者さまへより安全で質の高い治療をご提供してまいります! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【活動報告】江戸時代の歯医者さんは麻酔なし!?国立科学博物館「医は仁術」
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 私は趣味でよく博物館や美術館へ足を運ぶのですが、先日、上野の国立科学博物館で開催されている特別展『医は仁術』を見に行ってまいりました。 今回の展示は「医学の歴史」、特に私たちの専門分野である「歯科医学」にも深く関係する貴重な資料が多数展示されているということで、非常に興味があり早速出かけてきました。江戸時代の医学の成り立ちについて、とても深く知識を得ることができましたので、皆様にも少しご紹介したいと思います。 1. 「気」の調和から「解体新書」へ。江戸時代の医学の進化 西洋医学が本格的に入ってくる江戸時代後期までの日本の医学は、古くから中国(漢方医学)の強い影響を受けて発展してきました。 当時の医学では、実際の臓器といった「目に見える人体の構造」よりも、目に見えないエネルギーである『気』の巡りを重要視していました。この「気」の調和が崩れた状態こそが『病気』であると考えられていたのです。 医者は患者を診察すると、症状や状態に応じて日本の薬草や中国から伝わった漢方薬を調合して処方していました。また、鍼(はり)や灸(きゅう)といった治療法がポピュラーであったほか、現代の医学とは呼べないような「祈祷(お祈り)」なども、病気を治すための手段としてごく当たり前に、かつ盛んに行われていました。 江戸時代の医学の歴史を語る上で最も有名な出来事といえば、やはり『解体新書』の翻訳・出版でしょう。 ドイツ人医師のアダム・クルムスが記した解剖学書『ターヘル・アナトミア』のオランダ語訳本を手に入れた前野良沢と杉田玄白は、江戸で行われた実際の死体解剖(腑分け)の場に立ち会いました。そして、本に描かれている緻密な解剖図と、実際の臓器の構造を照らし合わせてみたところ、その内容が寸分違わずものすごく正確であったことに大変な衝撃を受けたそうです。 彼らが苦難の末に4年もの歳月をかけて日本語に翻訳したこの『解体新書』こそが、我が国における「初めての本格的な西洋医学書」と言えます。 これを機に、山脇東洋が日本初となる人体解剖の記録を残すなど、人体解剖の重要性が各地へ広まっていきました。さらに1804年(文化元年)には、華岡青洲がなんと「世界初」となる全身麻酔下での乳がん摘出手術を成功させます。そして1823年(文政6年)にドイツ人医師のシーボルトが来日し、日本の西洋医学は飛躍的な進歩を遂げることになります。 2. 医療の原点「医は仁術」に込められた想い 今回の特別展のタイトルにもなっている『医は仁術(いはじんじゅつ)』とは、「医というものは、人命を救う博愛の道である」という意味を持つ格言です。江戸時代に、医者の心構えとして盛んに用いられた言葉だそうです。 『仁』とは儒教の教えから来ており、「他を想う心(思いやり)」を意味します。 身分制度が非常に厳しかった江戸時代においてさえ、「仁」の精神は身分の上下に関係なく、命と向き合う誰もが持つべき平等な思想として受け継がれていました。現代の医療従事者である私たちにとっても、決して忘れてはならない大切な精神です。 3. 麻酔なし!?江戸時代の恐ろしい「抜歯」事情 会場には、様々な難病を治療する様子を描いた浮世絵も展示されていました。上の写真の真ん中の絵をよく見ると、なんと「歯を抜いている(抜歯している)」様子が描かれています。 昔の人は、虫歯などで歯が痛くなってしまった時は一体どうしていたのでしょうか? 江戸時代やそれ以前の時代、現代のような優れた局所麻酔薬は当然ありません。どうやって抜歯をしていたのか非常に気になりますよね。 基本的には、この絵に描かれているように、専用の鉗子(かんし=ペンチのような道具)を使って「力任せに歯を引っこ抜いていた」そうです。麻酔らしい麻酔も無いため、文字通り「せ〜の!」で一気に気合で抜いていたとのこと。想像しただけでも歯が浮くような恐ろしい痛さです。 しかし、すでにグラグラになっている歯ならともかく、そこそこ根っこがしっかりしている歯は人間の力だけではなかなか抜けません。人間の顎の骨というのは、全身の骨の中でもトップクラスに硬く頑丈なため、少しでも歯の根が引っかかっているとビクともしないのです。 そこでどうしたかというと……なんと、「木の棒を歯に当てて、木槌(トンカチ)でガンガンと叩いて衝撃を与え、無理やり抜歯していた」そうです! 現代の痛みを抑える麻酔(無痛治療)のありがたさを痛感するとともに、つくづく江戸時代に生まれなくてよかったと心から思いました(笑)。 4. 世界最高峰!日本独自の精巧な「木床義歯(入れ歯)」 そしてこちらが、江戸時代に実際に使われていた「木製の入れ歯(木床義歯)」です。 非常に硬くて加工しやすく、なじみの良い黄楊(つげ)の木を削り出して作られています。既婚女性などはお歯黒の習慣があったため、歯の部分が黒く染められているのが特徴です。 驚くべきことに、当時の日本の入れ歯製作技術は「世界で最も優れていた」と言われています。 当時は『入れ歯師』と呼ばれる、入れ歯作りだけを行う専門の職人(プロフェッショナル)が存在していました。現代の歯科治療で入れ歯を作る際は、専用の印象材で歯の型を取り、石膏で模型を作ってから精密に製作します。江戸時代の入れ歯師たちも、なんと「蜜蝋(みつろう=ミツバチの巣からとれるロウ)」をお湯で柔らかくして口に含ませ、精巧な顎の型を取っていたそうです。 そうして作られた木製の入れ歯は、隙間なく顎の粘膜にピッタリと吸い付くほどのものすごい精度を誇っていたとのこと。道具も乏しい時代にここまでのモノを作り上げる、日本人の職人魂と手先の器用さには本当に驚かされるばかりです! おわりに 今回の特別展は歴史や骨董などのテーマということで、ご年配の方の見学者が多いのかなと予想していたのですが、会場に行ってみると意外にも学生さんや若い方の姿がとても多かったです。 よく観察してみると、熱心にメモを取ったり展示に見入っている若い方たちは、みなさん医科や歯科関係の方(医師や医大生、研修医たち)のようでした。先人たちの知恵と努力の結晶を学ぼうとする若い世代の熱意に触れ、私自身も非常に大きな刺激をもらいました。 江戸時代から脈々と受け継がれる「医は仁術」の精神と、日本の細やかな職人技術。私たち谷村歯科医院もその想いをしっかりと受け継ぎ、最新の技術で患者さまに最善の治療を提供できるよう、これからも日々研鑽を積んでまいります。 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【歯科医師解説】女性は要注意?ホルモンバランスの変化と歯周病の深い関係
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 今回のブログのテーマは、『ホルモンバランスと歯周病の関係』についてです。 「歯の病気とホルモンになんの関係があるの?」と驚かれる方も多いかもしれませんが、実は、私たちの体のホルモンバランスが崩れたり大きく変化したりする時期は、お口の中の「歯周病」が非常に悪化しやすいタイミングでもあるのです。 これが一体どういうことなのか、歯周病の基本的なメカニズムとともに詳しく解説していきます。 1. そもそも歯周病とは?(自覚症状のない恐ろしい病気) 歯周病(昔でいう歯槽膿漏)とは、歯そのものの病気ではなく、歯を支えている周りの組織(歯茎や顎の骨)が細菌に感染して炎症を起こす病気です。 進行すると、歯茎の赤く腫れ、出血、痛み、歯のグラつき、強烈な口臭といった症状が現れ、最終的には歯を支える骨が溶けて「歯が抜け落ちてしまう」という非常に恐ろしい病気です。 実は、日本人が歯を失う原因の第1位は「虫歯」ではなく、この「歯周病」です。 30歳以上の成人の約8割がすでに歯周病(またはその予備軍)にかかっていると言われており、50代後半に差し掛かると、これまでの進行が表面化して急速に歯を失う方が急増します。 歯周病が最も恐ろしいのは、病巣が末期に近づくまで「痛み」や「目立った自覚症状」がほとんどないという点です。そのため、自分では気づかないうちに進行してしまうことから、別名『サイレント・ディジーズ(静かなる病気)』とも呼ばれています。 さらに最近の研究では、お口の中の歯周病菌が血管を通って全身に運ばれることで、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病の悪化など、全身の命に関わる重大な病気と密接なつながりがあることも分かってきています。 生涯にわたってご自身の歯を残し、健康に生きるためには、この歯周病をいかに早期に抑え込むかが最大の鍵となります。 2. 歯周病の本当の原因と「2種類の歯石」 歯周病の根本的な原因は「細菌感染」です。 毎日の磨き残しである「歯垢(プラーク)」は、単なる食べかすではなく細菌の巨大な塊です。この歯垢が歯に付着したまま約3ヶ月ほど放置されると、唾液の中のカルシウム成分と結合し、石のように硬い「歯石(しせき)」へと変化してしまいます。 一度歯石になってしまうと、もはや普段の歯ブラシでいくら強くこすっても取り除くことはできません。そして、このザラザラした歯石の裏側や隙間に、酸素を嫌う毒性の強い「歯周病菌」が爆発的に増殖していくのです。 実は、この歯石には大きく分けて2つの種類があります。 ① 縁上歯石(えんじょうしせき) 歯茎より上の「目に見える部分」につく、白っぽい色の歯石です。これは歯科医院の超音波スケーラーなどの機械を使えば、比較的容易に取り除くことができます。 ② 縁下歯石(えんかしせき):★これが歯周病の元凶! 白い歯石を放置していると、やがて歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)の奥深く、目に見えない根っこの部分へと進行していきます。炎症を起こして腫れた歯茎から出た「血液」と結びついて黒褐色になったものを縁下歯石と呼びます。 この黒い縁下歯石こそが、歯周ポケットをさらに深くし、歯茎に強烈な炎症を起こさせ、歯を支えている大切な顎の骨をジワジワと溶かしていく真犯人です。 縁下歯石は非常に硬く、奥深くにこびりついているため、歯科医院の専門的な機械を使っても簡単には取り除けません。処置の際に痛みが強い場合は麻酔が必要になりますし、付着している場所や根の形状によっては、物理的に取り除くことが不可能なケースすらあります。 顎の骨という「土台」が溶けて無くなってしまった歯は、もはや柔らかい歯茎の肉だけでブラブラとぶら下がっている状態です。これでは硬いものを噛むことは到底できず、最終的にはポロリと抜け落ちてしまうのです。 3. ホルモンバランスと歯周病の深い関係(女性は要注意!) ここまで歯周病の恐ろしさをお伝えしてきましたが、実は数あるホルモンの中でも、特に「女性ホルモン」が歯周病の進行と密接に関わっています。 女性ホルモンの分泌量が多くなると、歯肉(歯茎)の血管内の血流量が増加し、少しの刺激でも歯茎が赤く腫れたり、出血しやすくなったりします。そこへ歯周病菌が入り込むことで、症状が一気に重症化しやすくなるのです。 女性の生涯において、ホルモンバランスが特に大きく変化する「2つの危険な時期」があります。 危険な時期①:妊娠・出産の時期(妊娠性歯肉炎) 昔から「妊娠・出産をすると、お腹の子供にカルシウム(栄養)を取られてお母さんの歯が悪くなる」という俗説をよく耳にしますが、これは医学的に全くの間違いです。 一度完成したお母さんの歯から、子供へカルシウムが溶け出していくようなことは絶対にありません。 妊娠中に歯や歯茎が悪くなる本当の理由は、以下の3つです。 女性ホルモンの急増: 妊娠中は女性ホルモン(エストロゲンなど)が急激に増加し、これを好物とする特定の歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯茎が腫れやすくなります。 つわりによるお口の酸性化: つわりで嘔吐を繰り返すことで、強い胃酸がお口の中に残り、歯の表面が溶けやすい状態(酸蝕症)になります。 つわりによる歯磨き不足: 歯ブラシを口に入れるだけでも気持ち悪くなってしまうため、十分なブラッシングができず、お口の中の衛生環境が一気に悪化してしまいます。 危険な時期②:更年期と骨粗鬆症 更年期を迎えると、今度は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少するため、女性の体調には大きな変化が現れます。 エストロゲンには骨を丈夫に保つ働きがあるため、これが減少することで全身の骨密度が低下する「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」のリスクが高まります。これは、歯を支えている「顎の骨」も例外ではありません。 骨粗鬆症になると、顎の骨自体もスカスカになり弱くなってしまうため、歯周病による骨の吸収(溶けるスピード)がさらに加速しやすくなります。 また、骨粗鬆症の治療薬(ビスフォスフォネート系薬剤など)は、骨を溶かす細胞(破骨細胞)の働きを止める効果がありますが、長期的には新しい骨を作る細胞(造骨細胞)の働きも抑えてしまう側面があります。そのため、このお薬を服用されている時期に抜歯などの外科処置や重度の歯周病治療を行うと、顎の骨が細菌感染を起こしやすくなるリスクがあります。(※お薬を服用されている方は、必ず事前に歯科医師へお知らせください) まとめ:毎日のケアと定期検診で防ごう! このように、女性は男性に比べて、生涯を通じて「歯周病になりやすい・悪化しやすい条件(ホルモンの波)」がどうしても揃ってしまっているため、特に注意が必要です。 一度歯周病によって溶けてしまった顎の骨を、元の高さまで完全に再生することは現代の医療でもほぼ不可能です。 しかし、決して絶望する必要はありません。毎日の丁寧なセルフケア(歯磨き)と、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケア(縁上・縁下歯石の除去)を徹底していれば、歯周病の進行を確実にストップさせることは可能です。 もちろん男性であっても、お口のケアを怠れば容赦無く歯周病で歯を失うことになります。 年齢や性別に関わらず、ご自身の未来の健康な歯を守るために、ぜひ毎日の歯磨きを頑張り、数ヶ月に一度は当院へメンテナンスにいらしてくださいね! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【活動報告】米国レーザー歯学会(ALD)で指導医試験に挑戦!in アリゾナ
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 2月26日から3月3日まで、昨年も参加した米国レーザー歯学会(Academy of Laser Dentistry : ALD)の年次大会へ参加してまいりましたので、ご報告いたします。 ※昨年の学会(パームスプリングス)での様子はこちらからご覧いただけます。 昨年の学会の様子はこちら 今年の目的は「カテゴリー3(指導医)」資格への挑戦! 今回アメリカの学会へ参加した目的は、最新技術の習得と、より上位クラスの資格試験を受験することです。 昨年私が取得したのは「カテゴリー2」という標準的な認定医資格でした。 標準的とは言え、すべて英語での筆記と実習試験があり大変だったのですが……今回受験するのは、さらにその上の「カテゴリー3(指導医クラス)」の資格です。 内容は桁外れに高度になり、以下の3つの過酷なテストをクリアする必要があります。 実技テスト: 30分以内にレーザーに関する100項目を英語で説明しながら処置を実演する。 オンラインテスト: 2時間以内に175問を解く。 症例発表テスト: ご自身の臨床から5症例を集め、論文にして発表する。 これらすべてにおいて「85%以上」正解しなければなりません(もちろんすべて英語です)。 取得までには何年もかかりますし、最低でも2年はアメリカの学会に足を運ぶ必要があります。 今回は、この中の「1」の実技テストを受験しに行ってまいりました。 今年の舞台はサボテン広がるアリゾナ州スコッツデール 今年の開催場所は、アリゾナ州のスコッツデールという場所です。空港のあるフェニックスから車で30分ほど走ります。 会場へ向かう道路の周りはひたすら原野が広がっており、まるで漫画に出てきそうな巨大なサボテンがたくさん生えていました。フェニックスの街並みを抜けると、ずっとこの雄大な景色が続きます。途中にはネイティブアメリカンの居住地もありました。 学会会場のホテルに到着しました。 到着して早々、ホテルのチェックインもそこそこに、スーツケースを持ったまま学会会場へ直行してテストを受けに行きます! ……と意気込んだものの、残念ながら登録がギリギリ間に合わず、すでにテストが始まってしまっていました。すごくガッカリしましたが、幸いにもスケジュール調整をしていただき、テストは後日受けられることになったので一安心です。 いったんホテルに戻ってチェックインを済ませ、部屋でばったんぐーでした。 睡魔との戦い!学術大会と猛勉強の日々 翌日からいよいよ学術大会が始まりました。 時差ボケと寝不足でフラフラな状態です。会場にはコーヒーが用意されているので、受講中に寝てしまわないよう1日中飲み続けていました。 前回のアメリカの学会に持参した電子辞書は10年前のものだったので、今回は新しく買い直して挑みました。新しい電子辞書には「医学辞典」が入っていてすごく役立ちます!これがないと専門用語は全く分かりません。 (※展示ブースなどでも最新のレーザー機器について学びます) 夕食後は、日本人の先生方がみんなで指導医の永井先生の部屋に集まり、夜中の2時まで勉強会です。平均睡眠時間はなんと2時間!みんな時差ボケと寝不足でふらふらになりながら必死に頑張りました。 いざ、実技試験本番! 実技試験の会場(クリニカルシミュレーションルーム)です。開始時間は2日目の朝7時から!相変わらずアメリカの学会の朝は早すぎます。 黒いカーテンで仕切られたブースの中で、2人の試験官が採点を行います。ここでレーザーの安全管理や設定方法、治療内容の説明をし、ブタの骨を使って実際の手技のデモンストレーションを行います。 昨年のスタンダード(カテゴリー2)の試験でも似たことをしましたが、その時は試験官が色々と誘導してくれたのでまだ楽でした。 しかし、今回は「指導医」の試験です。試験中は一切の助け舟を出してくれません。すべて自分で正確に必要なことを説明し、正しいやり方でレーザー処置を完遂しなければなりませんでした。 試験の合格発表とセレモニー 学会最終日に、表彰式と試験の合格者発表がありました。 自分の名前が呼ばれたときは、本当に嬉しかったです!睡眠を削って頑張った甲斐もあり、今回も無事にパスすることができました。 今年も主催者の一人であるJohn(ジョン)と一緒に写真を撮りました。Johnさんは試験のコーディネーターとして、みんなのお世話を色々としてくれました。 一緒に試験を受けた先生方、そして今年も大変お世話になった指導医の永井先生との一枚です。 昨年の学会もものすごくハードでしたが、今年はそれに輪をかけてハードな日々でした。 しかしまだ、オンラインテストと症例発表が残っています。指導医資格の完全取得を目指して、来年も引き続き頑張ります! 一緒に受けた先生方と、指導医の永井先生。 今年も大変お世話になりました。 昨年の学会はものすごくハードでしたが、今年はさらに輪をかけてハードでした。 しかしまだ、オンラインテストと症例発表が残っていますので、来年も頑張ります! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【活動報告】詰め物を「たった1秒」で固める!世界最強のLED光照射器(FlashMax P3)を導入しました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 歯科医院で虫歯の治療を受けた際、先生やスタッフがお口の中で「青い光」をピカッと当てているのを見たことはありませんか? あれは、歯に詰めた白い詰め物(レジン)や、被せ物をくっつけるための接着剤をカチンと固めるための『光照射器』という機械です。 歯科用の詰め物や接着剤の成分の中には、特定の波長(青い光)に反応して固まる特殊な物質が含まれています。この光を当てることで、それまで柔らかいペースト状だった材料が、一瞬にしてカチカチの固形状に変化するのです。 この固まるまでのスピードは、光の「波長」「明るさ(照度)」「温度」に左右され、特に光が明るければ明るいほど、一瞬で素早く固まるという特徴があります。 当院では、2年前から国産メーカーの中で一番明るいハイスペックな照射器を使用しておりましたが、患者さまの治療負担をさらに減らすため、このたび最新式の最強の光照射器を新たに導入いたしました! デンマーク製 最新機器『FlashMax P3』の驚異的なパワー こちらが今回新しく導入した、デンマークのCMS Dental社製『FlashMax P3(フラッシュマックス P3)』です。 実はこのメーカー、以前のブログでご紹介した「光殺菌装置(FotoSan)」と全く同じメーカーの製品になります。 この照射器の最大の凄さは、なんといってもその「圧倒的な明るさ」です。 これまで当院で使用していた国産の最大照度の照射器(2,000 mW/cm2)と比べても、なんと2.5倍も明るい驚異のパワー(5,000〜6,000 mW/cm2)を誇ります。 従来の照射器では、詰め物をしっかりと固めるために「約20秒間」ずっと光を当て続ける必要がありました。しかし、このFlashMax P3を使うと、なんと「たったの1秒」で完全に固まってしまうのです! 「たかが20秒くらい、そんなに変わらないのでは?」と思われるかもしれませんが、ミクロン単位の精密な作業が連続する歯の治療において、この数秒の違いは治療の効率と患者さまの快適さに劇的な違いをもたらします。せっかちな私としては、3秒待つだけでも長く感じてしまうほどです(笑)。 詰め物治療のステップと、お口を開ける時間の短縮 実は、白い詰め物(レジン)で虫歯の治療を行う場合、ただ穴に詰めて1回光を当てて終わり、というわけではありません。削り取った後には、以下のような細かく複雑な手順を踏む必要があります。 神経の保護: 歯の神経に近い深い部分に、神経を保護するセメントを塗り、光を当てて固める。 接着処理: 詰め物が歯にしっかりとくっつくように専用の接着剤(ボンディング液)を塗り、光を当てて固める。 充填(じゅうてん): 実際に白い詰め物を流し込み、光を当てて固める。 積層充填: 削った穴が大きい場合は、一度に固めると収縮して隙間ができるため、2〜3回に分けて少しずつ詰めながらその都度光を当てて固める。また、より自然な歯を再現するために、濃淡の違う数種類の色を重ねてそれぞれ照射することもあります。 このように、たった1本の虫歯を治療するだけでも、最低でも3回〜数回は光を当てて固める工程が発生します。 もし、一度に3本まとめて治療したり、1本の歯でも複数の箇所が虫歯になっていたりすると、8箇所ほど詰めることも珍しくありません。 昔の照射器であれば、これらの手順を行うと「光を当てて待っている時間」だけでトータル5分以上もかかっていました(実際には機械を口に入れたり出したりする動作があるため、もっと時間がかかります)。患者さまは、その間ずっと大きなお口を開けたままじっと耐えなければなりませんでした。 しかし、このFlashMax P3ならば、光を当てている時間は全部合わせても1分もかかりません。当院の治療予約は30分単位でお取りしているため、この時間短縮は患者さまの顎の負担軽減に直結する、非常に大きなメリットなのです。 同じデザインでも中身は別物!強力なブルーライト 当院にやってきた実機を手に持ってみました。 先日購入した同社の光殺菌装置FotoSanとそっくり同じスタイリッシュな形をしています。 FotoSanも光照射機の一種ですが、あちらは殺菌効果のある薬液に反応させるための「赤い波長」の照射器でした。見分けがつくように、ボタン周りの柔らかいシリコン部分がFotoSanはオレンジ色でしたが、今回のFlashMax P3は鮮やかなブルーになっています。 それでは、さっそくスイッチを入れてみます。オン!! ものすごい光量です!! こちらもFotoSanと同じく眩しすぎて、絶対に直視することはできません。強力な青い光が、詰め物の奥深くまで一瞬で到達し、確実に硬化させてくれます。 劇的な進化を遂げた「光照射器の歴史」 私が大学を卒業してすぐの頃(十数年前)の光照射器といえば、「ハロゲンライト」が主流でした。今ほど明るくなく、波長も最適化されていなかったため、詰め物が固まるまでなんと40秒ほどもじっと待つ必要がありました。 白熱球なので熱を持ちやすく、頻繁に球切れを起こしましたし、強力な光(紫外線成分など)が目に有害であるため、オレンジ色の巨大なシールドを取り付けたり、照射中は私のアシスタントも絶対に光を見ないよう、顔をそむけて作業していたものです。 その後、車のヘッドライトなどにも使用される「HIDランプ」を光源とした照射器が登場しました。これはハロゲンよりもかなり明るく画期的でしたが、機械の本体が非常に大きく場所を取り、おまけに大変高価でした。 そして約15年ほど前、初めて「LED」を使ったペン型の照射器が発売されました。その小ささと手軽さには感動したものの、当時のLEDはまだ出力が弱すぎて暗く、1分以上当てても詰め物が中まで固まらず、とても臨床の現場で使い物になるレベルではありませんでした。 それが年々改良されて明るくなり、20秒で硬化が可能になり、ついには「1秒」の時代がやってきました。 さらに言えば、最近はここまで明るくはないものの、中国などの海外メーカーが非常に安価なLED照射器を多数販売するようにもなりました。歯科医療を支えるテクノロジーの進歩の速さと価格破壊には、ただただ驚かされるばかりです! これからも谷村歯科医院では、こうした最新のテクノロジーを積極的に取り入れ、患者さまが少しでも快適に、負担なく安全な治療を受けられる環境を追求してまいります。 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【歯科医師解説】歯磨き粉の正しい選び方と成分の秘密!塩で磨くのがNGな理由とは?
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 前回のブログでは『歯ブラシの種類と選び方』について解説しましたが、今回は毎日のブラッシングに欠かせない相棒である『歯磨き粉』について詳しくご説明いたします。 薬局やスーパーのデンタルケアコーナーに行くと、歯ブラシと同じくらいたくさんの種類の歯磨き粉がズラリと並んでいます。「ホワイトニング」「歯周病予防」「知覚過敏ケア」など、パッケージには実に様々な効果が書かれており、一体どれを買ったらいいのか迷ってしまいますよね。 なかには「歯磨き粉は使わずに水だけで磨いている」という方もいらっしゃいますが、効率よくお口の健康を保つためには、基本的にはご自身の目的に合った歯磨き粉を適量つけて磨くことをお勧めします。 また、ごくまれに「昔ながらの塩だけをつけて磨いている」という方もいらっしゃいます。確かに塩(塩化ナトリウム)には歯茎を引き締める効果がありますが、粗い結晶状の塩で直接ゴシゴシとこすってしまうと、歯の表面のエナメル質やデリケートな歯肉を大きく傷つけてしまうため、絶対におやめください。 1. 歯磨き粉を使う「9つの大きなメリット」 現在市販されている歯磨き粉には、ただ汚れを落とすだけでなく、お口のトラブルを防ぐための様々な効果が詰め込まれています。歯磨き粉を使用することで、主に次のようなメリットが得られます。 〈歯磨き粉の優れた効用〉 歯垢(プラーク)を浮かせ、落としやすくする 歯茎からの出血や、不快な炎症を抑える 口臭の元となる細菌を減らし、ニオイを取り除く お口の中をさっぱりさせ、爽快感を保つ お茶やコーヒーなどの着色汚れ(ステイン)を取る 本来の歯の白さを取り戻す 冷たいものがしみる「知覚過敏」の痛みを和らげる お口の中の悪玉菌を殺菌する 溶け出したミネラルを戻し、初期虫歯を「再石灰化」させる このように、ご自身の症状に合わせた機能特化型の歯磨き粉を選ぶことで、毎日の歯磨きが立派な「予防治療」へと変わります。薬局でも、一番種類が多いのが「虫歯予防」、次いで「歯周病予防」、そして近年では「ホワイトニング・着色除去」に特化したものが非常に人気を集めています。 2. 目的別!歯磨き粉に含まれる「有効成分(薬効剤)」 歯磨き粉のパッケージの裏側を見ると、様々な成分が記載されています。ここでは、虫歯と歯周病を防ぐための代表的な有効成分をご紹介します。 虫歯予防に効果的な成分 キシリトール: 天然の甘味料ですが、虫歯菌のエサにならないため、歯を溶かす「酸」を作らせないという強力な効果があります。 フッ素(フッ化物): 歯の表面の質を強化し、酸に対して溶けにくい頑丈な歯を作ります。 ハイドロキシアパタイト: 歯の主成分と同じ成分です。顕微鏡レベルのミクロの傷を埋め、白濁などの初期虫歯を修復(再石灰化)する効果があります。 歯周病予防に効果的な成分 デキストラナーゼ: 歯の表面に頑固にこびりついた細菌の塊(歯垢・プラーク)を化学的に分解し、落としやすくします。 トラネキサム酸: 歯周病によって赤く腫れ上がった歯茎の炎症を抑え、出血を防いで歯茎をキュッと引き締める効果があります。 3. 要注意!歯磨き粉の「その他の成分」の落とし穴 歯磨き粉は、上記の「薬効剤」以外にも、ペースト状にするための様々な成分で作られています。しかし、中には「多すぎるとかえって歯に良くない成分」も含まれているため注意が必要です。 研磨剤(清掃剤):少ない方が良い タバコのヤニ取り用や、安価なホワイトニング歯磨き粉には、頑固な汚れを削り落とすために「粗い研磨剤」が大量に含まれていることがあります。汚れは落ちますが、同時に歯の表面のエナメル質まで削り取ってしまい、結果的に知覚過敏を引き起こしたり、削れた溝にさらに汚れが溜まりやすくなったりするため、研磨剤無配合(または低研磨)のものをお勧めします。 発泡剤:少ない方が良い(低発泡がおすすめ) お口の中でモコモコと泡立つ成分です。泡立ちが良いと口全体に広がりやすく気持ちが良いのですが、「泡だらけになってすぐにうがいをしたくなる(=短時間しか磨けない)」「泡で汚れが隠れて磨き残しに気づかない」という大きなデメリットがあります。 香味料(ミントなど):少ない方が良い 強烈なミントなどの香味料が入っていると、お口に入れた瞬間に爽快感が広がり、実際には全く歯垢が取り切れていないのに「綺麗に磨き終わった気」になってしまいます。この錯覚が磨き残しの最大の原因になります。 湿潤剤・着色料 ペーストが乾燥して固まるのを防ぐのが湿潤剤です。また、ペーストを綺麗なストライプ模様にしている着色料などもありますが、これらは薬効的には全く意味のない見た目だけの成分です。 本当に質の良い歯磨き粉は、「低発泡(泡立ちが少ない)」「低研磨(歯を傷つけない)」「低香味(ごまかさない)」に作られています。 4. 歯磨き粉の正しい使い方と、当院のおすすめ 歯磨き粉は、歯ブラシの毛先全体にたっぷりと乗せる必要はありません。たくさんつけたからといって効果が倍増するわけではなく、むしろ前述した「清涼感による磨いた気になってしまう錯覚」を引き起こしやすくなるため、適量(大人の場合は1cm程度、豆粒大)で十分です。 当院では、本当に患者さまのお口の健康に役立つ厳選した歯磨き粉を販売しております。 「歯周病予防に特化したもの」と、「知覚過敏の痛みを抑制するもの」の2種類をご用意しており、どちらも虫歯予防・歯周病予防・知覚過敏抑制の3つの優れた効果を併せ持っています。さらに、あえて泡立ちを少なく(低発泡に)設計されているため、鏡を見ながらじっくりと長時間磨くことができ、磨き残しを劇的に減らすことができます。 まとめ:歯磨き粉は「魔法の薬」ではありません 最後に、皆様に決して誤解していただきたくない重要なことがあります。 それは、どんなに高価で優れた成分が入った歯磨き粉であっても、「すでに進行してしまった病気を治すことはできない」ということです。 ぽっかりと穴が空いてしまった大きな虫歯が歯磨き粉で塞がることはありませんし、歯と歯茎の間に石のようにこびりついた深い歯石が、歯磨き粉の成分で綺麗に溶けて無くなることも絶対にありません。 歯磨き粉は、あくまで「これ以上悪くしないための予防」と「現状の健康の維持」のためのサポートアイテムです。 痛みや違和感など、お口の中に何か異常を感じたら、手遅れになる前に早めに歯科医院を受診して適切な治療を受けましょう。そして、一生ご自身の歯で美味しい食事を楽しむために、毎日のご自宅での正しい歯磨きと、歯科医院での定期検診(プロフェッショナルケア)を欠かさないようにしてくださいね! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【活動報告】国際口腔インプラント学会に参加!高度な「神経移動術」と当院の安全への取り組み
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 11月16日(土)と17日(日)の2日間にわたり、私が所属しております「国際口腔インプラント学会」の年次大会へ参加してまいりました。 実際の学術大会のメインは17日(日)なのですが、前日の16日(土)には、ドイツから招かれた専門医の先生による日本では非常に珍しい『神経移動術』の実践的なハンズオン実習が開催されたため、迷わずこちらも受講してまいりました。 上の写真は講義中の様子ですが、せっかくの貴重な機会ですので、通訳の方(写真手前の女性お二人)のすぐ後ろ、一番前の特等席に陣取って熱心に聴講させていただきました!この実習セミナーは非常に人気が高く、募集開始からあっという間に満席になってしまったそうです。 超高難易度!ドイツ人講師による「神経移動術」の実習 最初の2時間ほどはスライドを使った緻密な講義があり、その後は実際に豚の顎の骨とインプラントの専用機材を用いた本格的な外科実習が行われました。(※上の写真は、参加者の先生方がブルーの術衣を着て実習に取り組んでいる様子です) 今回テーマとなった『神経移動術』とは、顎の骨の中を通っている太い神経を一時的に別の位置へ移動させ、そこにインプラントを埋め込むという、インプラント治療の術式の中でも極めて高度で難易度の高いテクニックです。 神経は少しでも傷つけたり過度な圧力をかけたりすると、術後に唇や顎のしびれ、麻痺といった重篤な後遺症を引き起こす恐れがあるため、決して簡単には移動させられるものではありません。私自身もこのような高度な内容を直接実習で学ぶのは初めてだったため、非常に刺激的で勉強になりました。 参加者は凄腕揃い!外科処置における「縫合」の奥深さ 実習の定員はわずか24名でしたが、超高難易度の内容ということもあり、集まったのは全国から集結した経験豊富なベテランの先生ばかりでした。ドイツの講師の先生も、受講生のインプラントスキルが「中級者以上」であることを大前提として、ハイレベルな解説を進めておられました。 実習の中で、切開した歯肉を糸で縫い合わせる「縫合(ほうごう)」の場面があったのですが、周りの先生方は皆、いともたやすくスイスイと縫合を完了させていきます。 実は、外科処置における「歯肉の縫合」というのは非常に奥が深く、新卒の歯科医師や経験の浅いドクターでは絶対にうまく縫うことができない高度な技術なのです。 歯肉をピンセットでどう持ち上げるか 針と糸をどのような角度でホールドするか 出血して視野が狭いお口の中で、針をどこから刺してどこから抜くか 糸を結ぶ際、たるまず、ちぎれず、かつ術後に簡単に緩んでこないようにどう縛るか これらの複雑な動作を、暗くて狭いお口の中で、短時間に何針も確実に行わなければなりません。特に奥歯や親知らず周辺の縫合ともなると、手首をフルに回転させてミリ単位の細かな動きを要求されるため、本当に大変な作業です。 しかし、今回受講されていた先生方の無駄のない鮮やかな手さばきを見ていると、どうやら口腔外科出身のスペシャリストが多いようでした。(普通の歯科医師の縫合スピードとは次元が違いました…!)ちなみに、今回は女性の先生の参加者は皆無で、まさに職人たちの熱気にあふれた実習空間でした。 2日目:学術大会と最新の歯科医療機器・展示ブース 翌日の17日(日)は、いよいよ学術大会の本番です。 この日はさすがに全国から何百人もの会員の先生方が駆けつけ、会場は熱気に包まれていました。インプラントは素晴らしい治療である反面、リスク管理が極めて重要な治療法でもあるため、受講されている先生方の眼差しも非常に真剣そのものでした。 同じインプラントの学会でも、「日本口腔インプラント学会」の方は大学病院の教授や研究者の先生方が多いため、内容がかなり基礎研究などの学術的なデータに寄る傾向があります。一方、今回私が参加した「国際口腔インプラント学会」は、日々の臨床現場に立つ開業医の先生が中心となっているため、参加者も全国で実際に歯科医院を経営されている院長先生ばかりで、より実践的で「明日からの治療にすぐ活かせる内容」が多いのが特徴です。 学術大会の会場に隣接して、歯科関連メーカーによる最新機器や材料の展示ブースも多数出展されており、こちらも非常に参考になりました。 その中で、音波式電動歯ブラシのトップブランドである「ソニッケアー(Sonicare)」がブースを出していました。 この音波歯ブラシの清掃効率は本当に素晴らしく、私自身もプライベートでもう15年以上愛用し続けています(もちろん、モーターの寿命などで何度か最新機種に買い替えていますが!)。 ブースでお話を伺ったところ、後日、ソニッケアーの公認インストラクターを務めている歯科衛生士さんが、当院のスタッフ向けに直接レクチャーをしに来てくださることになりました。プロの目線で最新のブラッシング指導の知識をアップデートし、皆様へ還元してまいります。 クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を劇的に向上させるインプラント インプラントは外科手術を伴うため、リスクをゼロにすることはできません。しかし、だからこそ私たち歯科医師が絶えず学び、しっかりとした最新の技術と知識を身につけることで、その安全性は飛躍的に高まります。そして、安全に行われたインプラント治療は、患者さまの「クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)」を格段に向上させてくれます。 歯を失ってしまった場合、従来の治療法である「ブリッジ(両隣の健康な歯を大きく削って繋げる)」や「入れ歯(取り外しが必要でバネをかける)」を選択すると、うまく噛めないだけでなく、支えとなる残りの健康な歯に過剰な負担をかけ、寿命を縮めてしまうことが多々あります。 しかしインプラントであれば、顎の骨にしっかりと固定された人工歯根が単独で噛む力を支えてくれるため、「残っている大切な自分の歯を保護する」という意味でも、非常に優れた最善の治療方法なのです。 谷村歯科医院の「安心・安全」への徹底した取り組み 当院でインプラント治療を行う際には、患者さまに心から安心して治療を受けていただくために、以下の安全基準を徹底しております。 歯科用CTによる精密な3次元検査(骨の厚みや神経の位置を正確に把握します) 大学病院の「口腔外科専門医」との連携(専門医を当院へ招き、私と一緒にチームで安全なオペを行います) リスクの事前説明と文書によるお渡し(メリットだけでなく、リスクも隠さず事前にお伝えします) 安心の「10年保証」(長期にわたって責任を持ってお口の健康をサポートします) インプラント治療にご興味のある方、または入れ歯やブリッジでお悩みの方は、ぜひ一度、当院までお気軽にご相談ください。最新の知識と万全の安全体制で、あなたのお口の健康を取り戻すお手伝いをさせていただきます。 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【活動報告】「光殺菌・レーザー治療」の実践的セミナーに参加しました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 昨日は、品川で開催された「光殺菌とレーザー治療」に関する最新のセミナーへ参加してまいりました。 せっかくの機会ですので、一番前の席を確保してしっかりと受講してきました! このセミナーは「iCAT」という歯科医療機器メーカーの社長さんと、以前アメリカで一緒に米国レーザー歯学会の認定医試験を受けた同じく学会へ一緒に参加し、この会社を経営されている歯科医師の先生が主催しているものです。 今回のテーマは「審美歯科やインプラント治療におけるレーザーの活用法」ということで、日々の臨床に直結する非常に有意義な内容でした。 インプラント・審美歯科におけるレーザーの絶大な効果 インプラント治療は非常に奥が深く、高度な技術が求められる難しい治療です。だからこそ、最新のレーザー機器が極めて有効なツールとなります。 レーザーを活用することで、メスを使わずに歯肉を出血なしで切開でき、同時に強力な殺菌を行い、術後の痛みを和らげて治癒(治り)を大幅に促進することができるからです。 また、見た目の美しさを追求する「審美領域」においても、レーザーは絶大な威力を発揮します。 例えば、笑った時に見える歯肉のライン(形)を綺麗に整えたり、歯のホワイトニングの効果を高めたり、通常の器具ではどうしても取り切れない頑固な歯石を除去したりすることが可能です。さらに、外科処置で歯肉を切った際に歯の根元が露出してしまうようなケースでも、レーザーを使用することで組織へのダメージを最小限に抑えることができます。 現在、歯科用レーザーは様々なメーカーから多種多様なモデルが販売されており、実際に導入している歯科医院も少なくありません。 しかし、「具体的にどの波長のレーザーを、どのような出力設定で、どう動かして使用すれば最も効果的なのか?」といった実践的なノウハウが分かりにくく、せっかく導入しても十分に使いこなせていない医院が多いのが実情です。歯科用レーザーの細かい術式について詳しく書かれた専門書がほとんど存在しないことも、その一因となっています。 だからこそ、今回のように実際に第一線でレーザーを駆使している先生方が講演される実践的なセミナーは、大変貴重な学びの場となります。 アグレッシブな十河先生と最新のドイツ製レーザー こちらの写真は、今回のセミナーを主催された歯科医師の十河先生です。 大阪大学歯学部の講座にも在籍されながら、歯科医療機器の会社も経営されているという、バリバリの関西弁で非常にアグレッシブでエネルギッシュな先生です。 十河先生が経営される業者(iCATさん)では、高性能なドイツ製の歯科用レーザーを販売しています。 残念ながら、私が現在当院で愛用しているレーザー機器と全く同じ波長のものであったため、買い替えても得られる効果が同じということで今回の新規購入には至りませんでしたが、機器の詳細な出力設定や活用法に関するプレゼンテーションは非常に素晴らしく、大いに参考になりました。 歯科専門誌への執筆と、全国の先生方との再会 今回のセミナー会場では、以前アメリカのレーザー学会へ一緒に行った矯正専門の先生や大阪の先生方とも再会でき、久しぶりに直接顔を合わせて熱い情報交換ができたことも大きな収穫でした。 診療所をわざわざ休診にしてまで、海外の学会へ飛び回るような先生方ばかりですので、レーザーに関する知識も圧倒的に深く、少し会話を交わすだけでも臨床のヒントになるお話をたくさん聞くことができました。 ちなみに、冒頭の一番前の席に座っている私の写真の右後ろに立っておられる方は、歯科専門雑誌の編集者の方です。 実は最近、ご縁があってその歯科専門雑誌に私自身が記事を執筆させていただきました。全国の歯科医師が読む専門誌ですから、当然ながら少しでも間違ったことや曖昧な内容を書くことは許されません。最新の文献をしっかりと考察し、読者に伝わりやすい適切な文章を練り上げ、症例写真を分かりやすく組み込んでいく作業は想像以上に大変で、完成までにものすごい時間と労力を費やしました。 この編集者の方と直接お会いしたのは今回が初めてでしたが、とても感じの良い素敵な方でした。記事の執筆は本当に骨の折れる作業ですが、また機会があればぜひ頑張って投稿に挑戦してみようと思います! 師匠・永井茂之先生による明日から使える実践的講演 そしてこちらは、今回メインで講演をされた永井 茂之先生との一枚です。 永井先生は、レーザーを応用した最先端の歯科治療における日本の第一人者であり、私にとっては技術と知識の指標となる「師匠(自称ですが!)」のような存在です。 今回の講演も、長年の豊富な経験に基づいた深い知見をユーモアたっぷりに交えながらお話しくださり、非常に分かりやすく、かつ実際の臨床現場ですぐに役立つ実践的な内容ばかりでした。 また今度、アメリカのレーザー歯学会へ参加する際にも、ぜひご一緒させていただければと願っております。どうぞよろしくお願いいたします!(^o^) まとめ:実践的な学びを日々の診療へ 今回は朝から夕方まで一日がかりの長丁場なセミナーでしたが、審美治療におけるレーザーの応用テクニック、最新の光殺菌(PAD)の症例報告、インプラント治療における細かな注意点など、中身の濃いお話ばかりで、あっという間に時間が過ぎてしまうほど充実した1日でした。 日々の診療でレーザーを使用する中で感じていた細かな疑問点もすべて解消され、頭の中がとてもスッキリしました。 大学などの学術機関が主催する学会は、どうしても基礎研究やデータ重視の発表が多くなりがちで、現場の人間からすると少し退屈に感じてしまうこともあるのですが、今回のような「明日からの臨床に直結する実践的なセミナー」は本当に有意義です。 今日学んだ世界基準の最新の知識と技術をしっかりと吸収し、明日からまた当院へ足を運んでくださる患者さまの安全で痛みの少ない治療へ、全力で還元していこうと思います! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【活動報告】最新の歯科医療機器が集結!東京デンタルショーへ行ってきました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 先日、東京ビッグサイトで開催されていた「東京デンタルショー」の視察に行ってまいりました。 日本全国では、近畿、北海道、九州、東北など各地で様々な歯科関係の展示会が行われていますが、この東京デンタルショーは国内でも特に規模の大きな展示会です。(ちなみに国内最大規模のものは「日本デンタルショー」ですが、こちらは4年に一度の開催となっています。) なお、このデンタルショーは一般の方が入場することはできません。歯科医師や歯科衛生士などの医療従事者(歯科大学の学生を含む)や、歯科医療ビジネスに関わる関係者のみを対象とした、完全なプロ向けの展示会となっています。 なぜデンタルショーに行くのか?(自分の目で確かめる重要性) 私たちがデンタルショーに足を運ぶ最大の目的は、「最新の医療機器や材料を、自分自身の厳しい目で直接確かめること」です。 新しく導入を検討している機器がある時、カタログのスペックや写真だけを見て購入を決めることは非常に危険です。特に、診療用のチェア(診察台)やレントゲン装置などの大型医療機器は大変高価なものです。実際に導入してから「思っていた使い心地と違った」「動作音が大きくて患者さまを不安にさせてしまう」となっては、せっかくの設備投資が台無しになってしまいます。 そのため、実際の動き方、操作性、動作音、そして患者さまが受ける感覚などを現場でしっかりと確認し、本当に当院の診療に役立つ(=患者さまの利益になる)ものだけを見極める場として、展示会は非常に重要な役割を果たしています。 熱気に包まれる会場!歯科関係者だけで大盛況 当日は朝一番で会場入りしたため、最初はまだ空いていて、一つひとつのブースをゆっくりと丁寧に見て回ることができました。やはり何事も「早起きは三文の徳」ですね! しかし、視察を終えて帰るお昼頃には、会場は歩くのもやっとというほど多くの人でごった返していました。 モーターショーなどの一般向けイベントとは全く違う専門的な展示会ですが、「歯科関係者だけでこれほどまでに大勢の人が集まるのか!」と改めて驚かされるほどの熱気でした。全国から集まった歯科医師、歯科衛生士、歯科アシスタント、歯科技工士さんたちで溢れかえり、日本の歯科医療に対する皆さんの熱意を肌で感じることができました。 日々進化する歯科医療と最新技術 現代の歯科治療では、診察台やレントゲン装置といった大型機器以外にも、実に数え切れないほどの器具や材料を使用します。 検査機器、歯を削るための精密な器具、詰め物や被せ物の材料、正確な型取り材、噛み合わせの調整器具、抜歯用の専用器具、インプラント関連機材、カルテを管理するパソコンソフト、日々の衛生・滅菌用品など、ありとあらゆるものが展示されています。 歯科治療の歴史は100年以上かけて先人たちによって少しずつ改善されてきました。ここ20年ほどで基本的な治療技術や術式はすでに確固たるものとして確立されているため、全く見たこともないような魔法のような新技術…というのは流石にありませんが、それでも毎回参加するたびに「なるほど!」と思わされる面白い最新技術が展示されています。 たとえば、今回の展示で特に目を引いたのは「歯の根の治療(根管治療)で使用する新しい詰め物」です。 これまでの治療では、根の奥にわずかでも細菌が残ってしまっていると、被せ物をした後に再発して腫れたり痛くなったりするリスクがゼロではありませんでした。しかし、今回展示されていた最新の材料は「詰め物自体に強力な持続的殺菌効果がある」という画期的なもので、治療後の再発リスクを劇的に抑えることが期待できます。 保険適用の銀歯であれ、自由診療の白くてアレルギーのないセラミックであれ、せっかく高価で綺麗な被せ物を入れても、土台となる根っこが再発してしまっては元も子もありません。こうした「見えない部分の安全性を高める材料」の進化は、非常に素晴らしいことだと感じました。 また、今回は最新の「予防用液体キット」なども展示されていました。製品自体は非常に魅力的でしたが、健康保険適応外のため患者さまへのコスト負担が大きくなってしまう点を考慮し、今回の導入は慎重に見送ることにしました。 もう一つ興味深かったのが、従来の粘土のような型取り材(印象材)を使う代わりに、特殊な小型カメラで歯を直接スキャン(撮影)し、コンピューター制御で被せ物を削り出す装置(CAD/CAMシステム)です。 現段階では、精密な被せ物を作るための精度としては「まだもう少し改善の余地があるかな」という印象を受けましたが、今後さらに技術の精度が向上していけば、患者さまの型取りの負担(オエッとなる感覚)を無くすことができるため、将来的な導入を見据えて継続的にチェックしていきたい技術です。 世界基準の治療を目指して 会場の端から端まで全てのブースをくまなく回ったため、すっかり半日がかりの長丁場になってしまいました。販売業者の方の熱心な売り込みが少しだけ面倒な場面もありましたが(笑)、最新の歯科医療のトレンドを総合的に学ぶ上で、非常に有意義な時間となりました。 ちなみに、世界最大のデンタルショーは医療先進国であるドイツで開催される「ケルン国際デンタルショー(IDS)」だそうです。その規模は桁違いで、全部を見て回るだけでなんと3日間もかかるそうです! いつか機会があれば、ぜひドイツの会場にも足を運び、世界の最前線の技術を学んでみたいものです。 これからも谷村歯科医院では、こうした展示会や学会へ積極的に参加して最新の知識と技術をアップデートし、皆さまにより安全で最善の歯科医療をご提供できるよう努めてまいります。 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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【歯科医師解説】電動・音波・超音波はどう違う?あなたに合った歯ブラシの種類と選び方
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 毎日の歯のお掃除といえば、なんといっても『歯ブラシ』が主役ですよね。 しかし、一言で歯ブラシといっても、薬局や家電量販店に行くと、形やヘッドの大きさ、毛の材質や硬さなど、本当に様々な種類のものがズラリと並んでいます。また、自分の手で動かして磨くオーソドックスなものから、電動で動くものまであり、さらにその「電動」の中にもいくつもの異なる仕組みが存在します。 「結局、どれを買えば自分の歯を一番綺麗にできるの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな奥深い『歯ブラシの種類と選び方』について、詳しくご説明していきます。 1. 歯のお手入れに使うアイテムには何がある? 歯ブラシのお話に入る前に、まずは日常的にお口のケアで使用する様々なアイテムを整理してみましょう。ご家庭でのお手入れ(セルフケア)に使うものには、主に以下の6つがあります。 歯ブラシ(プラーク=歯垢を物理的にこすり落とす主役) 歯磨き粉(フッ素による虫歯予防や、着色汚れを落とすサポート役) 歯間ブラシ(歯と歯の間の広い隙間を掃除する小さなブラシ) デンタルフロス/糸ようじ(歯と歯の狭い接触面の汚れをこすり落とす糸) ウォーターピック(強い水流で隙間の汚れを弾き飛ばす洗浄器) デンタルリンス/洗口液(殺菌成分などでお口の中全体をゆすぐ液体) また、これらに加えて、私たち歯科医院では専用の超音波スケーラーや研磨用の機械など、さらに専門的な器具を使ってプロのお掃除(プロフェッショナルケア)を行っています。 お口の健康を守るためには、実にお口の中の状況に合わせた多くの道具が存在していることがわかりますね。 この中で最も基本となる「歯ブラシ」の最大の目的は、食べかすや歯垢(プラーク)を取り除くこと、歯の着色(ステイン)を落として白く保つこと、歯肉を適度にマッサージして血行を良くすること、そして口臭を根本から取り除くことです。 2. 歯ブラシの「4つの種類」とそれぞれの特徴 大きく分けると「手用」と「電動」に分かれますが、電動歯ブラシはその駆動する仕組み(機能)によってさらに細かく分類されます。それぞれの特徴をしっかりと理解しておきましょう。 ① 手用歯ブラシ(基本中の基本) ご自身の手で動かして磨く、最も一般的なタイプの歯ブラシです。薬局などで数百円から手軽に購入できます。 【選び方のポイント】 大きさ: できるだけ小回りの利く「コンパクトヘッド」を選びましょう。ネック(首の部分)が細いものの方が、狭い奥歯の裏側までしっかりと届きやすいです。 毛先の形: 平らに切りそろえられているものや、山切りカットのものなどがありますが、清掃効率に極端な大きな差はありません。ご自身が歯面に当てやすいと感じるものを選んで大丈夫です。 毛の硬さ: 基本的には「やわらかめ」または「ふつう」をお勧めします。現代人は朝の忙しい時間帯などに、無意識のうちにかなり強い力(オーバーブラッシング)でゴシゴシと磨いてしまっている人が非常に多いためです。硬い毛で強く磨きすぎると、歯茎が削れて下がってしまったり、歯の根元がえぐれて知覚過敏になったりします。 (※ただし、女性やご高齢の方などで極端に磨く力が弱く、磨き終わっても歯垢のヌルヌルがどうしても落ちないという方に限っては「かため」を選んで効率を上げるのも一つの方法です。) ② 電動歯ブラシ(お手軽で効率的) ヘッド部分に内蔵されたモーターによって、毎分2,500回〜7,000回ほどのスピードでヘッドが物理的に往復運動や回転運動をする歯ブラシです。薬局やコンビニなどでも比較的安価で、乾電池で動く手軽なタイプも販売されています。 【メリットと注意点】 自分の手を細かく動かさなくても機械がゴシゴシと磨いてくれるため、手で磨くよりも短時間で効率的です。しかし、手用歯ブラシと同じように歯に「強く押し付けたり」、長時間同じ場所に当て続けたりすると、あっという間に歯の表面が削れたり歯茎を傷つけてしまう危険があるため、優しい力加減が必須です。 ③ 音波歯ブラシ(現在の主流) 電動歯ブラシの進化版です。ヘッドが大きく物理的に動くのではなく、「音波領域の微振動(周波数が約20,000〜200,000Hz)」を発生させます。 【メリットと注意点】 この高速の微振動によってお口の水分(唾液など)から激しい水流や「衝撃波」を発生させ、その力で歯垢を浮き上がらせて落とし、細菌の連鎖を破壊します。 磨き方に少しコツが必要で、歯に「軽くそっと当てるだけ」で十分な効果を発揮します。手用歯ブラシのようにご自身でゴシゴシと手を動かしてしまうと、せっかくの音波振動の波が打ち消されて効果が出ません。装置が複雑でバッテリーを積んでいるため、手用歯ブラシに比べると本体が大きく重いのが少し難点です。 ④ 超音波歯ブラシ(細菌を破壊する極小振動) さらに周波数が高い、1,600,000Hz(1.6MHz)という「超音波」を発生させるタイプの歯ブラシです。 【メリットと注意点】 この超音波の振動は、歯垢の元となる細菌の構造そのものを直接破壊する強力な効果があります。しかし、超音波の領域になると振動が細かすぎて、歯ブラシの毛先自体は肉眼では「ほとんど動いていない」ように見えます。そのため、電動歯ブラシの一種ではありますが、汚れを物理的に掃き出すためには「自分自身の手で(手用歯ブラシと同じように)細かく動かして磨く必要がある」という特殊な歯ブラシです。 3. 結局、どの歯ブラシを選ぶのが一番いいの? 一時期は、「音波よりも超音波のほうが名前の響きがすごそうだから効くのでは?」というイメージが先行し、超音波歯ブラシがブームになったことがありました。 しかし現在では、微振動によって物理的に食べかすや歯垢を水流で弾き飛ばし、清掃効率に最も優れている「音波歯ブラシ」が電動タイプの中では主流となっています。 では、誰もが音波歯ブラシを使えば良いのかというと、そうではありません。 お口のケアにおける一番の基本は、「手用歯ブラシを使って、正しい角度で、正しい力加減で磨けるようになること」です。 なぜなら、いくら数万円もする超高性能な音波歯ブラシを購入したとしても、「歯と歯茎の境目」や「奥歯の裏側」といった肝心なポイントに毛先を正しく当てることができていなければ、結局そこに歯垢がたっぷり残り、虫歯や歯周病になってしまうからです。「機械に任せていれば安心」というわけにはいかないのです。まずは手磨きで、ご自身の歯の形や並びを理解し、汚れが落ちる感覚を身につけることが何よりも大切です。 4. 歯ブラシだけでは不十分!補助清掃用具の併用を そして最後に忘れてはならない最も重要な事実があります。 それは、どんなに磨き方のテクニックを極めても、どんなに高性能な高級電動歯ブラシを使用したとしても、「歯ブラシの毛先だけでは絶対に歯垢が落とせない場所がある」ということです。(特に歯と歯がぴったりとくっついている隙間などです。) そのため、毎日の歯のお手入れの際には、歯ブラシでのブラッシングに加えて、糸ようじ(デンタルフロス)や歯間ブラシ、そしてデンタルリンスといった補助清掃用具を必ず併用するようにしましょう。 虫歯や歯周病を確実に予防するためには、「毎日の正しいセルフケア」と「歯科医院での定期的な検診とプロのクリーニング」という両輪が欠かせません。 当院では、お口のケアのプロフェッショナルである国家資格を持った歯科衛生士が、患者さま一人ひとりの歯並びやお口の状況にピッタリと合った「歯ブラシの選び方」や「効果的な磨き方」を丁寧にご指導いたします。 「自分に合った歯ブラシがわからない」「フロスの使い方が難しい」とお悩みの方は、どうぞお気軽にスタッフまでご相談くださいね。当院のスタッフが厳選し推奨している、使いやすい歯科医院専売の歯ブラシもご購入いただけます! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7