院長ブログ
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キシリトールについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回はキシリトールについてお話しします。 みなさんキシリトールってご存知でしょうか? テレビの宣伝やコンビニなどで、キシリトール配合のガムを見かけたことはことはありますか? このキシリトールですが、何が体にいいのか、またどうして虫歯予防にいいのかということまではなかなか知らないのではないでしょうか? キシリトールとは? キシリトール(xylitol)とは天然素材の甘味料で、シラカバやカシから発見されたキシラン・ヘミセルロースを原料にした甘味料です。 ギリシア語の 「Xylon、木」 から命名されました。 キシリトール自体は野菜や果物にも含まれております。 身近な例では、レタス・ほうれん草・カリフラワー・イチゴ・ラズベリーなどです。 甘さは砂糖と同じぐらいですが、カロリーは25%も低く、口の中で溶けるときに熱を吸収するのでさらっとした清涼感があります。 キシリトールの安全性は世界保健機構、WHOでも認められており、日本でも1997年に食品添加物として認可されています。 虫歯にならない甘味料? 次はキシリトールの虫歯予防効果についてご説明します。 砂糖が入った食品を口にすると、口の中でミュータンス菌などの虫歯原因菌が糖を分解して発酵して『酸』を作り出します。 その酸によって、歯のエナメル質やさらに内側の象牙質が溶かされて虫歯ができてしまうのです。 しかしキシリトールは、ミュータンス菌によって発酵しないので、結果として歯を溶かす酸ができません。 虫歯の発生や進行を防ぐ ミュータンス菌がキシリトールを取り込むと、エネルギーを消耗させて菌自体の活性力が弱まっていきます。 そうすると口の中のミュータンス菌が減少するので、酸を摂取しても酸ができにくくなります。 キシリトールの働きとして、菌のかたまりである歯垢をサラサラにするということがあります。 歯垢は食べかすと違って、ネバネバしておりなかなか歯ブラシでしっかり落とすことは難しいです。 しかしキシリトールが歯垢をサラサラにするので取り除きやすくなります。 キシリトール入りのガムの効果は? キシリトール入りガムの効果としては、唾液がたくさん出るため、唾液に含まれているカルシウムが増えることです。 カルシウムが増えると歯の表面のエナメル質と結合して再石灰化を促します。 なお、キシリトール入りガムの種類ですが、必ず原材料名をチェックして、甘みとしてキシリトール100%の物を選んでください。 砂糖も含まれていては効果はあまり期待できません。 ショ糖は虫歯菌の栄養になりますので、いくらキシリトール入りでも糖による虫歯菌の増殖と酸で歯を溶かすスピードのほうが早いからです。 ちなみにフィンランドでは、食事の後や寝る前にキシリトールガムをかむ習慣があるそうですよ。 その効果もあって、フィンランドの人は虫歯が少ないのですね。 キシリトールの注意点 キシリトールは虫歯予防の効果はありますが虫歯を治す働きはありません。 どんなにキシリトールを食べても、溶けてしまった歯が元に戻ることはなく、これだけで虫歯を予防することもできません。 歯にこびりついている歯垢は、歯ブラシをしないと取り除くことはできません。 キシリトールはあくまで虫歯予防を助けてくれる補助的なものと考えましょう。 またキシリトールを毎日摂取しているからと言って虫歯にならないわけではありません。 虫歯予防でいちばん大事なことは毎日の歯ブラシと、定期検診になります。 虫歯を予防するためには、糖分を取りすぎない、歯をていねいに磨く、歯科医院で定期的に歯垢と歯石を取り除くことがとても大切です。そして普段の生活にキシリトールを取り入れたり、歯科医院でフッ素を塗布するととても効果的です。
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子どもの歯について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、『子どもの歯について』です。 人間は生まれてからしばらくすると乳歯が生えてきます。 ところで乳歯は全部で何本ありますでしょうか? 正解は20本です。子供の歯である乳歯は0歳から生え始めます。 4歳ぐらいで乳歯が生えそろって、そのあと5~13歳ぐらいの間に順次永久歯に生えかわっていきます。 乳歯の使用期間はわずか10年ぐらいです。 そのため、「乳歯は永久歯が生えるまでの物だからちょっとぐらい虫歯になってもそのままでもいいかな」なんて放置していないでしょうか? 乳歯といえども虫歯がひどくなると強い痛みや腫れで、お子さんがとても苦しんでしまいます。 子どもの歯の状態は大人と比べてかなり異なっています。 それは乳歯と永久歯が存在して歯が生え変わるという過程があるためです。 そのため子供のお口の中の状態はとても複雑なので健康管理は親がチェックして、治してあげる必要があります。 次は乳歯の働きについてです 1 噛む 乳歯の最大の目的は噛むことです。 子どもの歯で食べ物をしっかりと噛むことで、あごの成長を促します。 口の周りの組織を刺激して、筋肉や表情に影響を与えます。 しっかりかみ砕いて食べ物を摂取することで、消化と吸収をよくします。 また噛んでいると唾液が多く出て、口腔内を浄化して虫歯になりにくくなり口臭も防げます。 2 発音をよくする 乳歯がしっかりと生えそろうことで、舌の動きとともに正しく発音をすることができます。 3 永久歯の歯並びをよくする 子どもの歯は乳歯から永久歯に生えかわりますが、永久歯の形ができてくると、乳歯の根が吸収していきます。 そして吸収したところに永久歯が誘導され、乳歯が脱落するとともに新しく生えてきます。 通常はあごの骨も年齢とともに発達してきて大きくなるので永久歯が生えるスペースができます。 しかし乳歯が虫歯や外傷などの理由で早期に脱落すると歯並びが悪くなるので要注意です。 そのため乳歯は生えかわって無くなるとはいえ、乳歯は今後の人生に大きくかかわっているのです。 お口の健康を守るために 子どもの歯の治療はとても大変です。 まず、子どもが怖がって暴れてしまい、治療が大掛かりになってしまいます。 また、子どもの口の中はとても小さいので器具がなかなか届きません。 さらにこちらの言うことが理解できなかったり、急に動いたりするためとても危険です。 唾液の量も大人と比べて子どもはとても多いので、詰め物がうまくくっつかなかったり、感染のリスクがあります。 そのため子どもの歯も親が、「痛がるようになってから歯医者に行けばいい」と考えず、少しでも早く歯科医院に来院してください。 また普段から、子どもが自分で歯磨きができるようになっても、仕上げ磨きをしたり、間食を減らして少しでも虫歯になるリスクを減らしましょう。 歯科医院には痛くなってから通うのではなく、定期検診や虫歯のチェックで何度も通って慣れておくといいですね。 医院の雰囲気で泣き出してしまうお子さんもいらっしゃるので、いざというときちゃんとできるようにしておくことも大切です。 虫歯予防のフッ素の塗布も、お子さんの歯を守るためにとってもいいですよ。 なお当院ではお子さんが治療に際して暴れてしまったり、口を閉ざして拒否してしまう場合に使用するネットなどの拘束具や開口器を使用しての治療は行っておりません。 これらを使用した治療はお子さんの人権を無視した行為であり、将来にわたって歯科医院に対するトラウマになったり、スタッフが怪我をするリスクにつながります。 そのため、どうしても治療が必要にもかかわらずお子さんの協力が得られない場合は、小児歯科専門医での受診をおすすめいたします。
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虫歯はなぜ増える?
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、『虫歯はなぜ増える?』というテーマです。 いつもしっかりと歯磨きをしているのに虫歯ができてしまう、という方も多いのではないでしょうか? 虫歯は細菌による感染症ですが、口の中の細菌をゼロにすることはできません、 しかしそれでも虫歯になりやすい人となりにくい人がいます。 歯の質が、もともとかなり頑丈な人は虫歯になりにくいのですが、そうでない方でそんなに歯が柔らかくなくても虫歯になってしまう人がいます。 もしかしたらあなたがよく虫歯になってしまうのは、食事の仕方や飲み物の飲み方に原因があるのかもしれません。 今回は虫歯がなぜ増えるというテーマで、主に飲食に重点を置いて説明をしていきます。 虫歯ができるには3つの要素があります。 まず一番目は歯の質です。元々歯が固い人は虫歯になりにくく、歯が柔らかい人は虫歯になりやすいです。 二番目は清掃性です。食べかすや歯垢・歯石がきちんと丁寧に取り除いてあればいくら歯が柔らかくても理論上は虫歯になりません。実際に食べかすや歯垢・歯石をゼロにすることはできませんが。 三番目は食べ物・飲み物です。虫歯になりやすい食べ物・飲み物を多くとったり頻度が多いといくら歯が固くて歯ブラシを一生懸命にしていても虫歯になる確率は高くなります。 次は虫歯ができるメカニズムと食べ物・飲み物に関してご説明します。 虫歯は食べ物や飲み物に含まれる糖質を虫歯の原因菌が取り込み排泄物として酸を出し、それが歯の表面のエナメル質や歯の中の象牙質を溶かしていき虫歯となります。 歯の表面は通常酸に対して抵抗する膜に覆われていますが、限界を超えると耐えられなくなって歯が溶け出してしまいます。 特にエナメル質は硬いので虫歯の進行が遅いのですが、象牙質に虫歯が届くと急速に中で虫歯が進行していきます。 普段はこのように歯の表面が溶けないようなシステムになっていますが、食事や飲み物を飲むと一時的に酸性度が高くなります。 食後時間が空いている状態のお口の中は中性のpH7に保たれていますが、酸性度が上がってpH5.5を超えると歯が溶け出します。 通常はこの溶けた量はものすごく微量で、また唾液の中のカルシウム成分によりすぐに再石灰化が起こり元に戻ります。 しかし多量の糖分を摂取したりpHが元に戻る前にちょこちょこ間食を繰り返すと、再石灰化できる限界を越して虫歯になってしまうのです。 最近では甘くなくても、炭水化物も糖質のためご飯やパン、ラーメンなどもだらだら食べていると虫歯の原因になるとのことです。 あまり多量の糖分摂取や間食は虫歯の原因になるので注意が必要です。 虫歯にならないようにするにはどうすればいいか? 虫歯にならないような飲食の仕方を心がけましょう。具体的には以下のようになります。 1 食事と食事の間に適切な間隔を空けること 2 唾液が少なくなる就寝前の飲食は取らないこと 3 炭酸飲料などの清涼飲料水はできるだけ控える これらを実践することで虫歯の発生を抑えることができます。 ちなみにアイスクリームはものすごい量の砂糖が含まれているのでお勧めしません。 溶けたアイスクリームはびっくりするほど甘くて、食べれたものではありません。 そのため夏場に毎日のようにアイスクリームを食べて歯をあまり磨かないと、すごい勢いで虫歯になってしまいます。 現代の食生活では意識をして糖分を抑えていかないと、あっという間に過剰摂取になってしまいます。 虫歯にならないように食事の回数を決めて糖分を減らして、食べた後はていねいに歯を磨くようにしましょう。 そして、磨ききれなくて溜まった歯垢と歯石は、定期的に歯科医院を受診して歯科医師や歯科衛生士に取り除いてもらいましょう。
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歯周病
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、歯周病についてお話します。 歯周病という言葉を最近テレビのCMなどでも耳にするようになりましたが、これは以前は「歯槽膿漏」と言われていたものです。 歯ぐきが腫れて血がにじんだり膿が出る症状があります。 この「歯周病」ですが、実は生活習慣病で成人の8割以上が罹患しています。 歯周病はお年寄りがかかる病気と思われがちですが、それだけでなく実は最近では小学生や中学生などの未成年でもかかっていることがあります。 これは清涼飲料水や甘いお菓子が増えてきたことによるものです。 歯周病とはどんな病気でしょうか? 歯周病とは名前の通り「歯の周りの病気」です。つまり歯を支えているあごの骨とその表面の歯ぐきが細菌感染を起こして炎症が進んでいる状態のことです。 食べ物を食べると口の中の細菌が活発になり毒性の強い細菌が毒素を出して歯肉に炎症が起きます。 歯垢が固まった歯石は細菌の住みかになっており、歯周病がどんどん進んでいきます。 歯周病の怖いところは、痛みをほとんど伴わないで進んでいくということです。 つまり痛くて噛めなくなった時には手遅れで抜歯になってしまうことがとても多いのです。 年とともに不幸にも歯がなくなってしまうことがありますが、実は歯がなくなる原因の第一位はこの歯周病なのです! 歯周病の症状について 歯周病は症状がほとんど出ないで進行していく怖い病気ですが、こんな症状が出たら手遅れになる前にすぐに歯科で診てもらいましょう。 ・歯ブラシをすると血がついている ・歯ぐきが赤く腫れている ・歯ぐきを押すと膿が出てくる ・歯石がついている ・歯ブラシや冷たいもので歯がしみる ・歯が長くなってきた気がする ・歯と歯の間に物がつまる ・口臭がある ・歯がぐらぐらする ・噛んだ時に高いところがある ・歯や歯ぐきが痛い 「歯周病」の原因は? 歯周病の原因は歯についた歯垢・歯石です。歯垢は一見食べかすに見えますが、実は大量の細菌のかたまりです。これが唾液のカルシウムとくっついて固くなったものが歯石です。 歯石がつくと歯と歯ぐきの間のすき間(歯周ポケット)に入り込み歯ぐきが腫れてきます。 この状態は「歯肉炎」といってこの時に歯科医院できれいに取り除くことで、腫れが引いて元に戻ることが可能です。 しかし何の症状もないため、どんどん進行すると今度は実際に歯を支えているあごの骨が溶けていきます。 こうなると歯の根が出てきて、しみたり歯が長く見えたりすき間ができて物がつまるようになります。 この時点で歯石を取って消毒することで歯周病の進行を止めることはできますが、一度失ったあごの骨はほとんど回復することはありません。 とても痛くなったり、グラグラして噛めなくなったときはもう手遅れです。歯の根の裏側まで歯石に覆われてもはやどうにもなりません。 どうすれば予防できるのか? 歯周病の予防は患者さん自身で行っていくことと歯科医院で行うことの両方が必要です。 1 毎日の歯ブラシなどのプラークコントロール 食後(30分以上開ける)や寝る前と朝起きた時の歯ブラシや糸ようじなどで日常の歯垢を取り除きましょう。マウスウォッシュも効果的です。 2 歯科医院での定期的な歯石除去 毎日念入りに歯を磨いていても届かないところや下の前歯の裏などに歯石がついてしまいます。 これは自分で取ることはできないので、歯科医院で専門の資格を持った歯科衛生士にとってもらいましょう。歯石は3ヶ月で付き始めるので3から6か月ごとの検診がおすすめです。 これらのセルフケアとプロフェッショナルケアの両方を行うことで、いつまでも自分の歯を健康に保つことができるのです。 セルフケアで分からないことがありましたら、いつでも当院スタッフにお尋ねください!
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歯周病と栄養バランスについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は、歯周病と栄養バランスについてお話しします。 歯周病は歯周病の原因菌による細菌感染ですが、メタボリックシンドロームと同じように生活習慣病の一つと言われています。 そもそも歯周病の原因菌はゼロにすることはできないし、存在していても大昔の人には歯周病はありませんでした。 しかし、加工食品や穀物を摂取しだして栄養バランスが崩れたため、歯周病を発生させるようになりました。 生活習慣病の一種である歯周病を予防するためには食事と栄養バランスが大切です。 ・タンパク質 私たちのからだをつくる栄養素。筋肉や骨、皮膚や髪の毛、血液を作ります。 口腔内では歯にカルシウムが定着するのを助けます。 タンパク質の含まれている食品 肉・魚・牛乳・卵・大豆製品 ・ビタミンA 成長を助ける栄養素です。視力や目の健康、ひふや粘膜を健康に保ったり、病気の感染に対して抵抗をつける働きがあります。 口腔内では歯の表層のエナメル質の形成に関与しています。 ビタミンAの含まれている食品 トマト・人参・かぼちゃ・レバー・卵黄・ほうれん草・ウナギ ・ビタミンB1 元気になる栄養素。炭水化物を分解して体を動かしたり頭を働かせるために必要な栄養素です。 ビタミンB1の含まれている食品 豚肉・ハム・大豆・たらこ・鮭 ・ビタミンB2 成長をサポートする栄養素です。脂質を分解して代謝の手助けをして細胞の再生・成長促進や粘膜を保護する働きをします。 口腔内では歯肉のはれや傷の修復に効果を発揮します。 ビタミンB2の含まれている食品 レバー・卵・脱脂粉乳・納豆 ・ビタミンC ストレスを防止してウイルスや細菌に対する抵抗力を強めて感染症を予防する働きをします。 血管や骨、皮膚、粘膜を強くする働きします。、 口腔内では象牙質の形成を助けたり、歯のぐらつきや出血にも効果があります。 ビタミンCの含まれている食品 いちご・オレンジ・レモン・アセロラ・キウイ・トマトなどの果物や野菜 ・ビタミンD カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯の健康をサポートします。 口腔内では顎の骨をつくったり歯の石灰化に働きます。また、歯や骨をつくるカルシウムが足りていてもビタミンDが足りなくなると丈夫な歯や骨を作ることはできません。 ビタミンDの含まれている食品 魚・卵・きのこ類に多く含まれます。ビタミンDは日光浴を浴びることで皮膚でも作られます。 ・カルシウム 丈夫な歯や骨を作る栄養素です。体のカルシウムの約99%は骨や歯の構成成分です。血液中のカルシウム濃度は一定に保たれていますが、カルシウムの摂取不足が続くと骨や歯からカルシウムが溶け出して骨の発達不良や歯の質の低下が起きます。 カルシウムの含まれている食品 牛乳・乳製品・大豆・小魚・煮干し・ひじき・小松菜 ・リン リンも体内の85%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯を作る成分になっています。 残りの15%は筋肉・脳・神経などの組織に含まれています。 リンは体内でリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムの形で骨や歯を形成しています。 リンの含まれている食品 魚・牛乳・大豆・肉類 リンは現代の食生活では不足することはあまりなく、むしろ逆に取りすぎが問題になっています。 その一つは加工食品や清涼飲料水に含まれていることが挙げられます。 リンの摂取量が多すぎるとカルシウムの吸収が悪くなるので要注意です。 いかがでしょうか? このようにお口の中の環境を整えるために、様々な栄養素が必要になります。 そしてこれらの栄養素が一つでも欠けてしまうと、途端に虫歯や歯周病が進行してしまうのです。 過不足の無いバランスの取れた食事で、健康で快適な生活を過ごすようにしましょう。
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予防歯科とは?
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は『予防歯科』について説明しようと思います。 ところで皆さん、歯科医院へはどんな時に行きますか? ・歯が痛くなった、しみる ・つめものが取れた ・歯ぐきが痛い、腫れた ・グラグラしてかめない ・歯をぶつけた、かけた ・親知らずが痛い、腫れた ・顎が痛い、音がする これら以外にも、歯医者に行こうと思う理由はまだまだありますが、基本的には 「症状が出て困っているので行く」 のでしょう。 もちろん『治療』をすることは大事ですが、治療が必要になる前の『予防』もとても重要です。 『予防歯科』とは、治療が必要となる前に歯石を取ったり、虫歯ができても 『早期発見して早目に治すこと』 です。 予防歯科は家庭での歯磨きなどのホームケアだけでも、歯科医院でのプロフェッショナルケアだけでもお口の健康を守ることができません。 つまり自分の口の健康を保つためには、普段から適切に歯磨きをするのはもちろん、 『歯科医院で決められた期間の間に定期検診を受ける』 ことが大切です。 実際に歯科医院で予防歯科でどのようなことをするのかお話しします。 虫歯と歯周病のチェック レントゲンを撮ったり歯周病の検査をして病巣がないかチェックします。 レントゲンは特に症状がなくても定期的に撮影してチェックすることで、虫歯ができても早めの対処が可能になります。 歯周病のチェックもとても大事です。歯と歯ぐきの間の隙間(歯周ポケット)の深さを確認してその深さに応じて歯石を取り除きます。 腫瘍や親知らず、噛み合わせのチェック 若い人なら親知らずがほかの歯に悪影響を与えていないか、また年配の人なら顎骨内に腫瘍が発生していないかチェックします。 親知らずが手前の歯を圧迫していたり、歯ブラシが届かない場合は他の歯に悪影響を与えるため、抜歯などの対策が必要になってきます。 また、レントゲン画像で、腫瘍が疑われる場合はただちに専門の歯科大学病院に紹介いたします。 特に悪性腫瘍は時間が経つとどんどん他の組織を破壊していきますので、全身にとても大きなダメージを与えるので、早期発見がとても重要になってきます。 歯石の除去 普段のケアで取れない歯垢や歯石を除去します。特に歯石は病原菌の住みかになっていて歯ブラシでは取れないので歯科医院で取り除く必要があります。 この歯石は最初はザラザラしていますが、そのうちに頑丈な白い歯石になります。 これをほおっておくと、腫れた歯ぐきから出る血液と結合して歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に入り込む黒くて歯周病の原因菌のすみかとなる「縁下歯石」ができてしまいます。 この縁下歯石が溜まっていくと、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が歯周病菌によってどんどん溶かされていき、最後は歯がグラグラして抜けてしますのです。 ブラッシング指導 毎日一生懸命歯ブラシをしても正しく行わないと歯垢が残ったり歯や歯ぐきを傷つけてしまいます。そのため、患者さん一人一人のお口の中の状態にあった歯みがきの指導を行います。 予防歯科を実践すれば絶対に虫歯にならないわけではありません。 さすがに数ヶ月の検診だけで絶対に虫歯にならないようにすることは、我々歯科医師にはできません。 毎日の正しい歯ブラシと患者さま一人ひとりにあった期間での定期検診と歯垢・歯石の除去がとても大事です。 そして、もしも虫歯が見つかったとしても早めに治療することで、治療期間もコストも抑えることができ、痛みや腫れたり抜歯のリスクも抑えることができるのです。 ちなみに初診のときに虫歯がかなり多かった人も、すべての治療が終わった後に決められた期間に予防歯科を受けているとその後はあまり悪くなりません。 虫歯は、食べ物と清掃と歯の硬さなどの要因が重なったときにできます。 歯が弱い人は、他の人と同じように歯ブラシをしていても虫歯ができやすいです。 そうした方も予防歯科を実践するようになってから、ほとんど虫歯にならず快適に生活を営むことができています。 症状が出てからだと、痛みも出たり何度も通院したり費用も掛かったりするので、ぜひとも『予防歯科』の受診をお勧めします。 当院では予防歯科を積極的に実践しています。 予防歯科を実践できるように国家資格である歯科衛生士が多数在籍しております。 もしも予防歯科について分からないことがありましたら、お気軽に歯科医師や歯科衛生士にお尋ねください。
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入れ歯の種類
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今日は 『入れ歯の種類』についてお話ししようと思います。 入れ歯とは、歯がなくなってしまった場合に元の歯の代わりの機能を持たせた、『取り外し式の人工歯』です。 入れ歯には、部分的に歯がない場合に使う『部分入れ歯』と、歯が全部なくなってしまったときに使う『総入れ歯』 があります。 たまに患者さんで部分入れ歯のことを『ブリッジ』とおっしゃる方がいますが、これは誤りです。 ブリッジも歯が無くなったときに使いますが、こちらは無い部分の前後の歯を削ってつなげた『銀歯やセラミックのかぶせ物』のことで、接着剤で歯にくっつけるため取り外しはできません。 患者さんと話をしていて、「どうも話がかみ合わないな」と感じる事があり、よくよく聞いてみるとブリッジと部分入れ歯を勘違いしていたことがありました。 さて入れ歯の種類に戻ります。 入れ歯には、『部分入れ歯』と『総入れ歯』がありますが、さらに保険適用かどうかや使用している材質でいろいろな種類があります。 特に部分入れ歯は構造が複雑で、残っている歯にかかるバネが金属製のものや目立たないもの、磁石を使用したものなど他人からわかりにくいものも開発されています。 保険適応の入れ歯は、何といっても安価で作れることが最大のメリットになります。 しかし保険適応には厳格なルールがあり、「バネが見える」「入れ歯が厚ぼったい」「温度が分からない」「噛む所が減ってしまう」などといった個々の事情を考慮することができません。 また、入れ歯を作製してから6か月間は作った医院はもちろん、他の医院に行っても入れ歯を新しく作ることはできません。 そこで、保険の入れ歯の問題点を改善した入れ歯が保険外ではいろいろあります。 金属床の入れ歯 歯の内側の、外から見えにくいところにプラスチックより薄い金属を使った入れ歯です。 舌が触れるところが薄くなるので、口の中に空間ができて楽になります。 温度がすぐに伝わるので食事がおいしくなり、火傷などの危険性も減ります。また入れ歯が真っ二つに割れるといったリスクも少なくなります。 入れ歯用の金属の種類は、 『コバルトクロム合金』 や 『チタン合金』 になります。 コバルトクロム合金は昔から保険外の材料として使われています。 チタン合金も20年ぐらい前から使用されている金属で、コバルトクロムに比べてとても軽く、金属アレルギーのリスクも少なくなっています。 ただしチタン合金は加工がとても難しく、コバルトクロムを使用した入れ歯よりもやや高額となります。 弾力のある材質を使用した入れ歯 こちらはプラスチックの代わりに弾力性のある繊維素材をした入れ歯になります。 よく、 『ノンクラスプ』 や 『フレキシブル』 の入れ歯といわれています。 金属のバネの代わりに一体化したピンク色をした繊維素材を用いるため、つけていてもほとんど入れ歯とはわかりません。 この材料は入れ歯用として使われ始めたのが比較的新しく、様々な種類があります。 一番柔らかいのは、 『ポリアミド』 という材料です。痛みが出にくいのですが、修理がほぼできず、しっかりかむと曲がって噛みにくいことがあります。 次は、 『ポリエステル』 で、少し弾力があり、修理もお預かりになりますが可能です。 他には、 『ポリカーボネイト』 があります。よくスーツケースの素材として使用されています。 とても頑丈で修理もできますが、柔らかさはほとんどありません。 これら以外にも、磁石を使用したり、残っている歯にかぶせるものがついていたり、シリンダーのロック装置がついていたりと様々な種類があります。 しかしどの入れ歯を選んでも、一生ぴったりした入れ歯はありません。 それは口の中の顎の状態がどんどん変化していくからです。 お口の中の歯ぐきの厚みや顎の骨はどんどん変わっていきます。 しかし入れ歯は硬いので、数年すると合わなくなってがたがたになったり、歯ぐきが痛くなってしまいます。 そのため、入れ歯に特に問題がなくても、定期的に歯科医院でチェックしたり調整をすることも必要です。 もし合わない入れ歯を無理やり使用し続けていよいよ壊れてしまっても、新しい入れ歯はすぐにはできません。 何週間もかかるので、その間はとても困ることになります。 入れ歯は、『自分の体の一部』 となるわけですから安易に妥協せず、快適に人生を過ごせるような入れ歯を選ぶようにしましょう!
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インプラントのセミナーに参加しに広島に行ってきました!
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 昨日、『インプラントのハンズオンセミナー』 に参加しに広島に行ってきました! インプラントのセミナーは東京でももちろん頻繁に開催していますが、私の師匠の先生が使用しているインプラントのメーカーが広島でセミナーを開くので、急遽申込みをしました。 歯科用インプラントの種類は国内のメーカーと海外のメーカーを合わせると、現在100種類以上もあります。 今回はアメリカの、『スプライン』というメーカーのインプラントの講習を受けてきました。 このインプラントはネジの構造が独特で、ゆるみにくい構造になっているそうです。 インプラントは顎の骨に埋める本体と土台と被せ物の3つのパーツで成り立っています。 インプラント本体は顎の骨とがっちり固定されるため問題ないのですが、本体と土台と被せ物は特殊なネジでつけていきます。 このネジは手で締めるだけでは長期間噛んでいると緩んでしまうので、締め付ける力を制御できる専用の電動ドライバーを使用して締めます。 しかし、それでも何年かたつと緩む場合があるのですが、このスプラインインプラントはネジが特殊構造で緩みにくそうです。 実は歯科用インプラントはメーカーの互換性がほとんどありません。 そのため、使いたいインプラントがあれば、それぞれのセミナーに参加して習得しなければなりません。 現在インプラントの基本的な術式はほぼ確立されており手順はほとんど一緒ですが、埋入や固定に際して ミクロン単位の精度が要求されるので、日々勉強をしなくてはなりません。 広島までは東京からは遠かったのですが、様々なインプラントの講習を受ける必要がありますので、全国どこでも行きます。 もっとも、講習会やセミナーはほとんど東京で行われることが多いですが。 今まで参加したインプラントのセミナーは、一番メジャーな『ITI』インプラントや京セラの『POI EX』システムがあります。 構造はほとんど同じなのですが、20年以上前はネジタイプではなく、櫛のような形をしたインプラントもありました。 私が開業する前に勤務していた東京の浜松町にある世界貿易センタービルの中の歯科医院では、院長先生がインプラントの専門の先生でした。 その先生は日本におけるインプラント治療の初期の創業メンバーの1人だったので、様々なインプラントの症例や患者様を診察することができ、大変有意義でした。 今回のインプラントセミナーは参加してとても良かったです! 埋入のデモや縫合の練習などとても充実した内容でした。 講習会に参加していた先生は若い先生からベテランの先生まで様々でした。 しかし、インプラント治療は高度な技術が要求される外科手術なので、参加している先生はほぼ男性でした。 講師の先生は、自己紹介のときに知ったのですが東京の目黒で開業しているインプラント専門医の先生でした。 私が東京から来たというととてもびっくりしていました。 わざわざ東京から広島まで来て講習を受ける人はなかなかいないみたいです。 この先生とは、後日メールで相談に乗っていただけましたので、それも含めて今回のセミナーに参加して良かったです。 インプラント治療は歯が全部ある人にとっては必要のない治療です。 しかし歯がない人にとって噛むことができないということは、精神的にも肉体的にも大きなマイナスの影響を与えてしまいます。 それを補うためにこのインプラント治療というのはほんとに素晴らしい治療方法です。 ただし難点として治療に際しては、外科的な侵襲があり、時間とコストがかかります。 また我々も日々勉強したり事前の準備と長期的なフォローが必要なのですごく大変です。 このような試練を乗り越えて、今後も患者様のために日々努力してまいります。
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歯とスポーツの関係について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回から歯に関する情報を院長ブログとして定期的に発信していきます。 最初の歯の豆知識は、 『歯とスポーツの関係』 についてです。 歯はスポーツをする上でものすごく重要です。 しかしプロのスポーツ選手は歯が悪い人がとても多いんですよ。 なぜなら、集中している時に思いっきり食いしばって、歯をすり減らしたり割ってしまうからです。 アマチュア選手ならそこまで歯は悪くなりません。プロは全神経を集中して自分の出せる力を100%出し切るために、普通ではありえないぐらい歯をかみしめるのです。 しかも毎日が練習の連続です。その都度歯を思いっきり噛みしめているのです。 みなさんも重いものを持ち上げたり筋トレをしている時に、歯を無意識に噛みしめていませんか? ウィキペディアより 歯は物を噛み砕くという機能のほかに、力を込めている時に踏ん張るための機能があります。 口の中の機能と全身の運動能力は密接に関係してるのです。 通常、人の歯はそれぞれ1本あたりに瞬間的に自分の体重ぐらいの力が噛む時にかかると言われています。 つまり40キロの女性なら40キロの力を歯にかけていて、80キロの男性なら80キロの力を自分の歯にかけていることになります。 普段食事で噛む時にこれだけの力がかかっていますが、スポーツで思いっきり歯を食いしばるときは、なんと体重の3倍のちからが歯にかかっています! 80キロの男性なら240キロ! これでは歯はたまらず欠けてしまいます。 そのためプロスポーツ選手になるほど歯が悪いのです。 ではスポーツをしたらダメなのかというとそういうわけではありません。 噛みしめた時に歯と歯が直接ぶつからず、歯をガードするマウスピースがあります。 これをつけることで、スポーツをしている際も歯を守ることができます。 マウスピースは薬局などで売っていますが、フィッティングがあまり良くありません。 Uの字をしたトレーをお湯で柔らかくして口の中で噛んで適合させますが、ピッタリしません。 そのため気になってイライラしたり口の中を切ってしまったりすることがあるので、市販のトレーはお勧めしません。 歯科医院では、歯の型を取って模型を作り、真空にする器械でマウスピースを模型にプレスするので、ピッタリとして違和感の少ないマウスピースを作ることができます。 このマウスピースをさらにお口の中に合わせて細かく削ってきついところや大きいところ、噛みしめの偏っているところを修正して、患者さまに合ったオーダーメイドのマウスピースができるのです。 マウスピースの効果は歯の保護だけではありません。 特にスポーツ用マウスピースをつけることで、歯を食いしばった時に守るだけでなく、瞬間的な力を倍以上に引き出すことができるのでとてもおすすめです。 そのため最近では、テレビでサッカーや野球の試合を見ているとマウスピースをつけている選手が何人もいます。 マウスピースは歯ぎしりやあごの症状の改善のためのものと、スポーツ用の2種類あります。 スポーツ用は上下の歯にぴったり合うようにできていて、厚みも厚くなっています。 さらに当院では、スポーツの種類でマウスピースの形と厚さを変えています。 野球やサッカーなど直接歯に衝撃が少ないスポーツと、ボクシングやラグビー、アメフトなどのハードなスポーツや格闘技では、マウスピースの形が異なります。 もしみなさんが普段、筋トレやテニスなどの運動をしているならマウスピースを作成することをお勧めします。 顎の関節痛や歯の食いしばり、歯ぎしり防止のマウスピースは保険適用ですが、スポーツ用のマウスピースは保険外治療となります、 当院では各種マウスピースを取り扱っていますので、お気軽にご相談くださいね。