院長ブログ
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最強の光照射器
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 歯科治療では詰め物や接着剤を固めたりするのに、光照射器を使用いたします。 材料の成分の中に特定の色(波長)に反応して固まる物質が入っていて、それによりペースト状だった詰め物や接着剤が固形状に変化します。 この固まるまでの速度は波長と明るさと温度に左右されて、特に明るければ明るいほど固まる速さが早くなります。 当院では、2年前より国産メーカーでいちばん明るい照射器を使用しておりましたが、このたび、光殺菌装置と同じメーカーの光照射器を導入いたしました。 デンマークのCMS Dental社のFlashMax P3です この照射器は当院の国産最大照度の照射器(2000 mW/cm2)よりもさらに2.5倍も明るいのです。(5000-6000 mW/cm2) 詰め物を固めるのに通常は照射器を当てて20秒かかりますが、これを使うと、なんとたったの1秒でかたまります! そのため患者さまがお口を空ける時間が少なくて済み、患者様の負担軽減につながります。 たかが20秒ぐらいと思われるかもしれませんが、歯の治療では数秒違うととても治療の効率が上がります。 私は3秒でも長いと感じてしまいます。。。 詰め物で治療を行う場合は、虫歯を削り取った後に次のような手順が必要です。 1 歯の神経を保護するセメントを神経に近い部分に塗って光を当ててセメントを固める 2 詰め物が歯にくっつくように接着剤の液を塗って光を当てて固める 3 最後に詰め物を詰めて光を当てて固める 4 削った部分が大きい時は2~3回に分けて光を当てたり、歯の色に濃淡ある場合は詰め物の色を何種類かに分けてそれぞれ照射して固める また治療する歯が1本ならともかく、一度に3本ぐらいまとめて治療したり歯のいろいろな場所が虫歯だったりすると、それだけ詰め物を詰める時間が長くなります。 例えば8か所ぐらい詰めるとしたら、昔はこれらの手順を行うと光を当てている時間だけで5分ぐらい必要でした。実際にはつけたり消したりの動作があるので時間はもっとかかります。 しかしこの照射器ならば光を当てている時間は、全部で1分もかかりません。 歯の治療の予約は30分毎なので、この違いはとても大きいのです。 当院にやってきた光照射器のFlashMax P3です。 先日購入した同じCMS Dental社の光殺菌装置FotoSanとそっくり同じ形です。 光殺菌装置のFotoSanも光照射機ですが、殺菌効果のある液に反応する赤い波長の照射器でした。 ボタン周りの軟らかいシリコン部はFotoSanはオレンジでしたが、この照射器はブルーです。 それではさっそくスイッチ・・・オン!! すごい光量です。こちらもFotoSanと同じく眩しすぎて、直視できません! 私が大学を卒業してすぐの頃は光照射器はハロゲンライトであまり明るくなくて波長も合っていないので、詰め物が固まるまで40秒ぐらいかかりました。 白熱球なので球切れがあったり、紫外線成分が目に有害なのでオレンジの大きなシールドを付けていたり私もアシスタントも照射中は光を見ないように顔をそむけていました。 その後は車のヘッドライトに使用されていたHIDランプを光源とした光照射機が販売されました。 こちらはハロゲンライトよりもかなり明るかったのですが、器械がとても大きく、また高価でした。 15年ぐらい前に初めてLEDのペン型の照射器が発売されたときは小ささと手軽さに感動しましたが、当時のLEDはとても暗くて1分しても詰め物が固まらずとてもではありませんが使い物になりませんでした。 それがだんだん明るくなって20秒ほどで硬化が可能になり、ついには1秒です。 さらにここまで明るくはありませんが、中国の歯科機器メーカーが販売している光照射機はとにかく安いです。 テクノロジーの進歩の速さにはとても驚かされます!
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歯磨き粉の種類について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 前回は、『歯ブラシの種類』について解説しましたが、今回は歯ブラシをする際に欠かせない『歯磨き粉』について説明いたします。 薬局やスーパーに行くと、歯ブラシと並んでとても多くの種類の歯磨き粉が売っていてどれを買ったらいいのか迷ってしまいますよね。 歯磨き粉のパッケージには実に様々な効果が書いてあります。 なかには歯磨き粉を使わずに毎日歯ブラシをしている人もいますが、基本的には歯磨き粉をつけて磨いたほうがいいでしょう。 ごくまれに塩だけつけて磨いているという方もいらっしゃいます。たしかに塩化ナトリウムは歯ぐきを引き締める効果がありますが、結晶状だと歯肉を傷つけますのでおやめください。 1 歯磨き粉はなぜ使う必要があるのか? 現在市販されている歯磨き粉には次のようなさまざまな効果があります。 そのため、歯を磨く時には歯磨き粉を適量つけましょう。 〈歯磨き粉の効用〉 ・歯垢を落としやすくする ・歯ぐきからの出血や炎症を抑える。 ・口臭を取り除く ・口の中をさっぱりさせる ・歯の汚れを取る ・歯を白くする ・知覚過敏を抑える ・口の中を殺菌する ・初期虫歯を再石灰化させる 虫歯予防としては、歯磨き粉の成分にキシリトールを入れて、虫歯菌が歯を溶かす酸を作らないようにする効果があります。フッ素を入れると歯の表面を酸に対して強くする作用があります。 また、ハイドロキシアパタイトを配合して、顕微鏡レベルの初期虫歯を再石灰化する効果があります。 歯周病予防としては、デキストラナーゼを配合して歯垢を分解する効果や、トラネキサム酸で腫れている歯ぐきを引き締める効果があります。 最近は機能に特化した歯みがき粉が薬局で多数販売されています。 一番多いのが虫歯予防、次が歯周病予防です。 さらにホワイトニング効果や着色除去効果を謳ったものも販売されています。 2 歯磨き粉の成分は? 歯磨き粉は主に次のような成分でできています ・薬効剤 虫歯予防や歯周病予防などの成分 ・発泡剤 泡立って口の中に広がりやすくする。少ないほうがいい ・研磨剤 歯を痛めるので少ないほうがいい ・湿潤剤 歯磨き粉のペーストを湿潤状態にする ・香味料 歯磨き粉に味をつける ・着色料 歯磨き粉に色をつける タバコのヤニ取りの歯磨き粉などは真っ黒で頑固なタールを落とすために研磨剤が多く含まれていますが、歯や歯茎を痛めるのでおすすめしません。 また香味料も口の中がさっぱりするので、まだ歯垢が取り切れていなくてもきれいになった気になってしまうため、香味料は少ないほうがいいでしょう。特にメントール系の味は口に入れた瞬間にすでに磨き終わった気になってしまいます。。。 発泡剤も口の中の歯みがき粉が泡状になることで気持ちいのですが、泡立ちが少ない歯みがき粉のほうがいい歯みがき粉です。 湿潤剤が少ないとペーストが固まってしまいます。 着色料は歯みがき粉に色を付けてストライプにしたりしていますが薬効的にはまったく意味はありません。 3 歯磨き粉の使い方は? 歯磨き粉を歯ブラシに適量つけますが、大量につけても効果は変わりません。 逆に歯磨き粉の清涼感で、磨けていなくても磨いた気になってしまうので注意しましょう。 当院では歯周病予防効果のあるものと、知覚過敏を抑制する効果のあるものと2種類の歯磨き粉を販売しています。 虫歯予防、歯周病予防、知覚過敏抑制の3つの効果があり、泡が少ないので磨き残しを少なくする効果があります。 ここで決して誤解しないでほしいことは、歯磨き粉の成分では病気を治すことはできません。 大きな虫歯が治ったり、深い歯石が綺麗になくなるわけではありません。 やはり何かあったら早めに歯科医院で診てもらうか、定期検診を欠かさないようにしましょう!
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インプラントの学会に参加
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 11月16・17日に私が所属しています国際口腔インプラント学会の年次大会へ参加してまいりました。 実際の学術大会は17日の日曜日ですが、16日の土曜日はドイツの先生による日本では珍しい『神経移動術』の実習がありましたので、こちらも参加することにしました。 私もこのような内容は初めてだったので、とても勉強になりました。 最初講義が2時間ぐらいあり、そのあと豚の骨とインプラントの機材を用いた実習でした。 この実習は、インプラント治療の術式の中でもさらに高度な術式です。 神経は損傷するとしびれや麻痺が起きますのでそんなに簡単には移動させられません。 一番手前が私です。せっかくなので一番前で聴かないと。女性二人は通訳の方です。 このセミナーは大変人気だったらしく、早々と満席になったそうです。 参加者は24人でしたが、難易度の高い実習のため、みなさんベテランの先生ばかりでしたね。 ドイツの講師の先生も、受講している歯科医師のインプラントのスキルが中級者以上と想定して話していました。 実習では歯肉を縫合する場面がありましたが、どの先生もスイスイと縫合しています。 歯肉の縫合はとても奥が深く、新卒の歯科医師や経験の浅い歯科医師はまずうまく縫合することができません。 歯肉をどう持ち上げて、糸と針をどうつけて、最初歯肉のどこに入れて出血だらけの歯肉の中で、どう針を出すのか。また糸を結ぶ時もたるまずちぎれず、簡単に緩んでこないようにする必要があります。これらの動作を狭い口の中で、短時間に何針も縫わなければなりません。 親知らずの抜歯の際の縫合などは手首をフルに回転させて細かな動きもしますので超大変です。 しかし受講している先生たちの手さばきを見ると、どうやら口腔外科出身の先生が多いみたいです。 普通の歯科医師の縫合のスピードではありません。。。 また女性の先生は皆無でした。 翌日、17日は学術大会です。この日はさすがに何百人もの会員の先生が来ていました。 インプラントはリスクの高い治療方法なので、受講している先生もとても熱心に聴いていたように見受けられました。 この学会は開業医の先生が中心となっているので、参加している先生たちも全国の歯科医院を経営されている方ばかりです。 これが同じインプラント学会でも日本口腔インプラント学会の方は歯科大学の先生たちが多いので、内容がかなり学術的になります。 学術大会に関係した歯科関連業者の展示も多く、最新機器に触れることができとても参考になりました。 ここで電動(音波)歯ブラシのソニッケアーがブースを出していました。 この音波歯ブラシはとてもいいので私ももう15年以上使用しています。(もちろん何度か買い替えていますよ) ソニッケアーのインストラクターをしている歯科衛生士さんが、後日に当院に来てソニッケアーについてレクチャーしてしてくれることになりました。 インプラントはリスクの高い治療ではありますが、しっかりとした技術と知識を身につけることで安全性が高まり、治療によって患者さまのクオリティオブライフは格段に向上します。 歯がなくなると、両隣の歯を削って繋がった被せ物をつくるブリッジか取り外しが必要な入れ歯になります。 どちらもうまく噛めなかったり残っている歯を痛めることがあります。 しかしインプラントは人工歯根が歯を支えて噛めるようになるため、残っている歯を保護する上でもとても優れた治療方法なのです。 当院ではインプラント治療を行うにあたりCTによる検査と、大学病院の口腔外科専門医に来てもらい、一緒にオペを行うため、とても安心、安全性が高いです。 さらにリスクに関しても事前にご説明し、それを文書でお渡ししており、インプラントの10年保証をしておりますので、安心して治療を受けていただけます。
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光・レーザーのセミナーに行きました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 昨日、品川で行われた光殺菌とレーザー治療のセミナーに行きました。 このセミナーは、アメリカで一緒にレーザー学会の認定医試験を受けたiCATという業者の社長さんと、同じく学会に一緒に参加してこの会社を経営している歯科医師の先生が主催してます。 今回は審美歯科やインプラントでの治療に関する内容だったので、セミナーに参加してとてもよかったです。 特にインプラントに関する講演は臨床にとても役立つ内容でした。 インプラント治療はとても難しく奥が深くいのでレーザーがとても有効だからです。 歯肉を出血無しで切ったり殺菌したり治癒を促進したり痛みを和らげる事ができます。 また審美領域でもレーザーはとても有効です。 歯の見えている部分をきれいにそろえたり、ホワイトニングに使用したり、なかなか取り切れない歯石を除去したり、外科処置で歯肉を切った際に歯の根が出てしまうケースでレーザーを使用して最小限に抑えたりすることができます。 そのため歯科用レーザーはざまざまなメーカーから、いろいろな種類のものが販売されており、レーザーを導入している歯科医院も多いです。 しかし具体的にどんなレーザーをどのような設定でどのような動作で使用すればいいかなどはなかなかわかりにくいので、あまり使用していない医院が多いのが実情です。 また歯科用レーザーに関しては詳しく書いてある本がないのが現状です。 今回のセミナーでは、いろいろな先生が講演されてとてもためになりました。 主催の歯科医師の十河先生です。大阪大学歯学部の講座にも在籍されており歯科機器の会社も経営されています。バリバリの関西弁で、とてもアグレッシブな先生です。 この業者iCATさんでは、ドイツ製の歯科用レーザーを販売しています。 残念ながら私が現在持っているレーザーと同じ波長のレーザー機器のため、使用しても同じような効果なので購入することはありませんが、設定に関してはとてもよさそうでした。 セミナーの受講は、せっかくなので一番前で聞いてました。 前回アメリカに一緒に行った矯正の先生や大阪の先生も来ていたので、久しぶりにみんなで話ができてとても楽しかったです。 みなさんアメリカのレーザー学会に診療所を休んでわざわざ行くぐらいですからレーザーにはとても詳しく、私も会話していてとても参考になる話を聞くことができました。 ちなみに私の右後ろで立っている人は、歯科専門雑誌の編集者の方です。 最近その歯科雑誌に私も記事を執筆しました。 記事を書くのはなかなか大変です。 専門誌なので間違えたことを書くことはできません。 しっかり考察して、適切な文章と写真を組み込むのにすごく時間がかかりました。 この編集者の方とお会いしたのは今回初めてでしたが、とても感じのいい方でした。 また機会があれば大変ですが頑張って投稿してみようと思います。 講演された永井先生と。レーザーを使用した歯科治療の第一人者で私の師匠です。(自称ですが) 今回の講演もユーモアを交えてとても分かりやすく、しかも実際の臨床にとても役に立つ内容でした。 また今度アメリカのレーザー歯学会に行くときは、よろしくお願いいたします。(^o^) 今回は朝から一日がかりの長丁場のセミナーでしたが、レーザーの審美治療での使い方や、光殺菌の症例、インプラント治療での注意点などの話が聞けて、とても充実した1日でした。 日常でレーザーを使用している際の疑問点が解消されてスッキリしました。 大学が主催している学会はどうしてもデータ重視で研究レベルの内容が多くてあまり面白く有りませんが、こういった実践的なセミナーはとても有意義です。 また明日から、今日の内容を踏まえて患者さまの治療に役立てていこうと思います。
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デンタルショーに行きました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 先日、東京ビックサイトで行われていたデンタルショーに行ってまいりました。 毎年さまざまな歯科関係の展示会が行われますが、この東京デンタルショーは特に規模が大きい展示会です。 日本全国では、近畿デンタルショー・北海道デンタルショー・九州デンタルショー・東北デンタルショーなどが開催されています。 また一番大きなデンタルショーは日本デンタルショーですが、これは4年に一度の開催となります。 なおいずれのデンタルショーも一般の人は入場することができません。 歯科医療関係者(歯科大学の学生を含む)や歯科医療ビジネス関係者のみとなっております。 デンタルショーでは最新の医療機器を見ることができます。 また購入したほうがいいのか迷っているときも、実際に行ってみることで判断がつきます。 医療機器はとても高価なので購入してから思っていたのと違ったり、あまり使わないとなるとお金を捨てるようなものです。 特に大型機器(診療台やレントゲン機械など)は、カタログ上の仕様だけではわからない実際の動き方や動作音などもしっかり確認が必要です。 会場に朝一番で行ったので、まだすいていてゆっくりと見て回ることができました。この後帰るころにはとても多くの人でごった返していました。なんでも早いに限ります! それにしても、歯科関係者だけでこれほどまでに多くの人がいるのに驚きました。 もちろん、一般的なモーターショーなどとは規模がまったく違いますが、歯科医師、歯科衛生士、歯科アシスタント、歯科技工士さんで溢れかえっていました。 歯科治療では、診察台やレントゲン装置以外にも、とても多くの器具や材料を使います。 たとえば、検査機器、削る器具、詰め物、型取り、調整、かぶせもの、抜歯器具・材料、インプラント、カルテ用パソコンソフト、衛生用品、便利グッズなどなど、、、 そのため最新情報を知ることは、最善の歯科医療を行う上で欠かせません。 歯科治療は100年以上かけて改善されてきました。 ここ20年ほどは治療技術や術式はもはや確立されているのでそんなに画期的なものはありませんでしたが、それでも参加するたびに面白そうなのもが展示されています。 例えば歯の根の中を詰めるものですが、今までであればばい菌が残っている場合、かぶせてから腫れたり痛くなったりすることがありました。 しかし最新の詰め物であれば詰め物自体に強力な殺菌効果があり、そのようなことがまったくなくなりました。 歯の被せ物には保険適応の銀歯や自由診療の白くて錆びずアレルギーのないセラミックなどがあります。 せっかく高価なセラミックをかぶせた後で腫れたり痛みが出ると大変です。(銀歯でももちろん同じですが) これは最新の歯の予防のための液体キットになります。とてもよさそうでしたが、健康保険適応外のためコストは高くなってしまうため導入は見送りました。 他にいいなと思ったものは、歯の型どりをする代わりに特殊なカメラで歯の撮影をして、CADCAMでかぶせ物を作っていく装置です。 まだかぶせ物としての精度は今一つという感じでしたが、そのうち製作の精度が上がれば導入してもいいかもしれません。 会場を全部回ったので半日がかりになってしまいました。 ちなみに世界最大のデンタルショーはドイツで行われるケルンデンタルショーだそうです。 全部見て回るにはなんと3日間ぐらいかかるそうです! いつか機会があれば、医療先進国であるドイツにも行ってみたいものです。 販売業者の売り込みがちょっとしつこいのがちょっと面倒ですが、基本的には最新の歯科医療を学ぶ上で、デンタルショーに行くことはとても有意義でした。
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歯ブラシの種類について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 歯のお掃除といえば、なんといっても『歯ブラシ』でしょう。 一言で歯ブラシといっても、形や大きさ、材質、硬さなどさまざま。 また手で磨くものや電動のものなど、電動でもまたいろいろなものがあります。 今回は歯ブラシについて詳しく説明をしていきます。 ・歯のお手入れにはどんなものがあるの? 歯のお手入れに使うものは、以下のものがあります。 1 歯ブラシ 2 歯磨き粉 3 歯間ブラシ 4 デンタルフロス(糸ようじ) 5 ウォーターピック 6 デンタルリンス また、歯科医院では様々な器械を使って歯を掃除します。 それぞれの種類や機能の詳しい説明は今回しませんが、歯のお手入れには実に多くの道具や器械がありますね。 歯ブラシの目的は、食べかすや歯垢を取る・歯の着色を取る・歯を白くする・歯肉をマッサージする・口臭を取り除くなどです。 ・歯ブラシの種類 電動歯ブラシに関しては機能上いくつか種類がありますが、歯ブラシを細かく分けると4つの種類があります。 1 手用歯ブラシ 2 電動歯ブラシ(3,4以外) 3 音波歯ブラシ 4 超音波歯ブラシ 手用歯ブラシ 手で磨くタイプの歯ブラシです。薬局に行くと実に様々な歯ブラシが販売されていますが、できるだけコンパクトなものを選びましょう。 毛の硬さは柔らかめにしましょう。朝忙しい時など、かなり強い力で磨いている人が多いためです。 ただし女性の方などで磨く力が弱く歯垢がなかなか落ちない方は、硬めを選んでもいいでしょう。 毛先の形は平らでも山ぎりカットでもどちらでも大きな差はありません。 ネックの部分は細めのほうが奥歯までしっかりと届きやすいです。 電動歯ブラシ 電動歯ブラシは毎分2,500回から7,000回ヘッドが往復運動する歯ブラシで薬局のほかコンビニでも買うことができます。 比較的安価で電池で動くものもあります。 ヘッドが単純往復するものや回転運動するものがあります。 手で磨くよりも効率的ですが、強く押し付けたり長時間使い続けると歯が削れたり歯ぐきを傷つけてしまします。 音波ブラシ 電動歯ブラシの一種ですが、大きな動きはせず、音波領域の微振動になります。 周波数が20,000~200,000Hzの振動で、この振動で衝撃波を発生させて歯垢を落とし細菌を破壊します。 音波ブラシは軽く当てるだけでよく、手用みたいに動かすと音波振動が出ません。 また装置が複雑なため、歯ブラシが大きく重いのが欠点です。 超音波歯ブラシ 電動歯ブラシの一種で、1,600,000Hzの超音波を発生させます。 この超音波が細菌を破壊します。 しかし超音波領域では歯ブラシ自体はほとんど振動しないので、電動歯ブラシとはいえ自分で動かす必要があります。 ・どの歯ブラシがいい? 基本は手用歯ブラシが正しく磨けるようになることが大事です。 なぜならいくら高性能な電動歯ブラシを使用しても、正しく当てることができないと磨けてないところに歯垢が残ってしまうからです。 一時期は超音波歯ブラシがはやりました。 音波より超音波のほうがイメージ的にすごそうだからです。 しかし現在は音波歯ブラシが振動することで機械的に食べかすや歯垢を落とすことができるので清掃効率に優れており主流となっています。 ただしどんな高性能な電動歯ブラシを使用しても歯垢が落とせないところはあります。 そのため歯のお手入れの際には糸ようじや歯間ブラシ、デンタルリンスも併用しましょう。 虫歯と歯周病を予防するためには、正しいブラッシングと定期的な検診が必要です。 当院では国家資格を持った歯科衛生士が、みなさんのお口に合った磨き方や歯ブラシを指導いたします。 また歯科医院で推奨する歯ブラシも購入できますので、お気軽にご相談ください。
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大人の虫歯
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 すべての人は、歯が生えてきた時から虫歯になるリスクがあります。 乳児から虫歯になる可能性がありますが、実は最近は子供の虫歯は減少しています。 これは、食べたら歯を磨く習慣ができていたり、甘みの少ないお菓子が好まれるようになったためです。 逆に大人の虫歯は年々増えています。なぜでしょうか? 今回は『大人の虫歯』について解説をしていきます。 ・『大人の虫歯』とは? 子供の虫歯の場合は、噛む面の溝だったり歯と歯の間に詰まった歯垢から虫歯になることが多いです。 もともとなんでもなかった歯に歯垢が付着することで虫歯菌が酸を出して歯を溶かしていくのです。 これに対して大人の場合は詰め物や被せ物などの治療済みの歯や歯と歯茎の境目が虫歯になることが多いです。 もちろん子供と同じような過程で虫歯になる場合も多いです。 ・治療済みの歯がなぜ虫歯になるのか? 治療が終わっている歯は一生虫歯にならないと思っている人がとても多いのですが、そんなことはなくてむしろ虫歯のリスクは上がります。 今までに虫歯になって、詰め物を入れたり神経を取り除いてかぶせたりすると、あたかも歯が元に戻った気がします。 さらに樹脂や金属、セラミックになったので、この歯はもう虫歯にならないと思いたくなりますよね。 しかし残念ながら、虫歯のリスクは処置がしていない歯(虫歯になっていない)のほうが低いのです。 詰め物の下に新たに虫歯ができたり、かぶせ物の境目から穴があいたりします。 これを『2次虫歯』、専門用語で『2次う蝕』といいます。 ではなぜ2次虫歯になるのでしょうか? 治療したときに虫歯を取り残したからでしょうか? もちろんその可能性もありますが、多くは材質の劣化が挙げられます。 口の中の環境はとても過酷です。 朝から晩まで食べ物を食べることで熱くなったり冷たくなったり、また酸性になったりします。 するとその都度、かぶせ物や詰め物がわずかに膨張と収縮を繰り返し接着剤がはがれていきます。 また保険の銀歯は錆び(腐食)が発生して接着剤をだめにしていきます。 樹脂の詰め物も吸水性があるためだんだん不衛生になっていったり、すり減って隙間ができていきます。 するとその微量な隙間に細菌や液体がしみ込んで詰め物やかぶせ物の内側に虫歯を作っていくのです。 銀歯が外れて歯医者さんに行くと大きな虫歯を指摘されて「えっ」となるのはそのためです。 では、治療をしないほうがいいのかというとそんなことはありません。 虫歯は初期の肉眼で見えないぐらいのものを除き、時間がたてばどんどん進行してしまいます。 ですから少しでも早く虫歯を取り除いて代わりのもので置き換える必要があります。 そのための材質は、セラミックや金合金を使用することで劣化を最小限に抑えることが可能です。 また定期的なメインテナンスで普段の歯ブラシで取り切れない歯垢歯石を歯科医院で除去することで、少しでも長く歯を持たせることが可能です。 当院では歯石がつき始める3か月ごとの定期検診をお勧めしています。 ・歯と歯茎の間の虫歯 大人になって年を重ねると、歯の根がだんだん出てきます。 歯の根は象牙質と言って、噛むところのエナメル質よりも柔らかく虫歯になりやすいです。 また歯と歯茎の境目は歯垢が残りやすいので、しっかり丁寧に歯ブラシをしていく必要があります。 ・歯がすり減って虫歯になりやすくなる 老人に近づくにつれて歯が全体的に減っていき、やはり柔らかい象牙質が出てきます。 そのため歯垢歯石がつくとともに虫歯菌によって歯と歯の間も虫歯になりやすくなります。 誰でも生きていく以上虫歯になるリスクはあります。 そのため3か月に1回の定期検診と歯垢歯石を除去して、いつまでも健康なお口を保ちましょう!
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電動注射器を導入しました!
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回、最新式の電動注射器を導入しました! 歯科治療において、麻酔はとても重要です。麻酔なしで治療を行うことはほとんどありません。 ごくまれに、「痛いのは我慢できるが注射が苦手なので、麻酔なしで治療してください。」とおっしゃる方がいらっしゃいます。 しかし逆に、「痛いのは嫌なので、いつも麻酔をしてください。」という方のほうが多いです。 特に歯の神経を取り除く処置になると、麻酔を使わないわけにはいきません。 昔は麻酔の代わりにヒ素を塗って、歯の神経を殺してから取り除く治療がありました。 しかしヒ素は『毒薬』です! 歯の根の治療をした際に薬を歯の根の中に入れて仮の蓋をしますが、その仮ブタが取れたり仮ブタが減って隙間が空いてしまうことがあります。 もし根の治療薬にヒ素を使用していたらそのようなときに口の中にもれてしまいます。 口の中にヒ素が漏れたら大変なことになってしまいます! 麻酔に話は戻りますが、歯の麻酔は実は下の奥歯はとても効きが悪いです。 なぜかというと歯に麻酔を効かせるには、麻酔の液を骨の中にしみ込ませる必要があるからです。 歯ぐきから骨の中にしみこませてそれが歯の根の先まで到達してようやく歯の神経が麻酔されます。 ただし下のあごの骨は全身の骨の中でも特に硬く、なかなか麻酔の液がしみ込んでいきません。 そこで麻酔の針を歯と歯茎の間に差し込んで、そこから歯の根の先まで麻酔液をしみ込ませる方法を行います。 この方法だと下の奥歯や親知らずも麻酔が聞くのですが、そのためにはものすごい圧力をかける必要があります。 女性の歯科医師ではそこまで圧力をかけることができません。 患者さまの中には麻酔をしているにもかかわらず、なかなか麻酔が効かなくて痛いのを我慢しながら治療を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 場合によっては麻酔の液を通常は1本で効くところ、3本も4本も打たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか? そうなると歯の治療はもうこりごりとなって治療を途中で中断してしまい、さらに悪化してしまうという悪循環になってしまいます。 また、麻酔の効きが悪いと「歯科医師の腕が悪いのでは?」と不信感にも繋がります。 そこでこの電動注射器が役に立つのです。 電動注射器を使えば、常に一定の圧力で麻酔をすることができます。 かなりの圧力でも可能なので女性の歯科医師でもしっかり麻酔を効かせることができます。 しかも骨にぶつかったりして液が入らず圧力が高まった場合でも、強い圧力を感知して自動的に止まります。 また麻酔の液を急いで入れると気分が悪くなったり意識がなくなることがありますが、電動注射器はとてもゆっくりとしたスピードなのでとても安全です。 麻酔の際にスピードと圧力の設定を変えることができるので、患者さまの状態に応じて麻酔をコントロールすることができます。 こちらが今回導入した電動注射器です。とてもコンパクトで使いやすいです。 今までも電動注射器は存在していましたが、かなり大きくズッシリと重くてとても使う気にはなれませんでした。(大きな銃みたいなものもあります。ガンタイプはたしかに持ちやすいのですが、仰々しいので導入していませんでした) しかし最近この電動注射器が発売されて、ようやく使ってもいいかなというサイズと重さなので今回購入に踏み切りました。 麻酔液を出すスピードや圧力をコンピューター制御で調整できますので、麻酔中の痛みがかなり軽減されます。 もちろん従来の手用の麻酔のほうが使いやすいので、状況に応じて使い分けています。 もし電動注射器をご希望する患者さまがいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。 電動注射器使用に際しては追加料金等は一切発生いたしません。
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フッ素の効果
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 今回は『フッ素の効果』について説明いたします。 皆さん「フッ素」という言葉は聞いたことがありますでしょうか? よく「子供の歯にフッ素を塗りましょう」とか「フッ素入りの歯磨き粉が虫歯予防に効果的」などという言葉を耳にした人もいるのではないでしょうか? フッ素はお口の健康のためにとてもいいものです。 フッ素を取り込むと、歯の表面にフッ素と結合した層ができるので、虫歯になりにくくなります。 フッ素そのものを使用するだけでなく歯磨き粉に入っていたり食べ物に入っていたり、フッ素は私たちの日常生活でかなり身近な存在です。 それではフッ素とは何なのか、どんな効果があるのか、副作用や注意点などについて説明いたします。 ・フッ素とは フッ素とは元素の一つで、他のものととても反応しやすい性質を持っています。 またこのフッ素とほかの元素と結びついた「フッ化物」は自然界に広く存在しています。 自然の海中や地中にもフッ素は含まれており、決して人工的に作られたものではありません。 また普段私たちが食べている野菜・魚介類・お茶にも含まれています。 ですからこのフッ素は天然に存在する物質であり適切に摂取する分にはまったく問題ないといえます。 ・フッ素の虫歯予防効果は? フッ素がフッ化物として虫歯予防になることが20世紀初頭に発見されました。 今では世界保健機関(World Health Organization, WHO)が、フッ素は虫歯予防効果と歯に塗布しても安全だということを承認しています。 では具体的にフッ素の予防効果について説明します。 1 フッ素が虫歯の原因菌に酸を出させにくくする 2 歯の表面が、歯の成分のハイドロキシアパタイトから虫歯菌に強いフルオロアパタイトにかわる 3 目に見えないほどの初期の虫歯を再石灰化して修復してくれる 歯がまだ軟らかい子供の歯にフッ素を塗ることは、将来にわたっていい歯を維持する上でとても有効だといえます。 ・フッ素の塗布方法 フッ素の塗布方法はいくつかありますが、基本的に効果に違いはあまりありません。 1 フッ素の薬液やゼリーを塗布する 2 フッ素のしみこませた綿が入ったトレーを噛んでもらう フッ素を塗布する前は口の中を全体にブラッシングしてきれいにします。 また塗布後30分間は飲食しないようにします。 フッ素は高濃度の塗ってもあまり効果の違いはありません。それより定期的にこまめに塗るほうが虫歯の予防効果は大きいです。 ・フッ素は体に悪い? 虫歯予防にとても役立つフッ素ですが、もちろん多く塗布したからと言って虫歯が治るわけではありません。 また虫歯の予防効果が何十倍にも高まるわけではありません。 そしてフッ素を過剰に大量に飲み込めば、悪影響になります。 例えば、胃腸障害(下痢、嘔吐)、呼吸困難などです。 しかしこれらの中毒症状が発生するには大量のフッ素を取った場合ですが、成人のフッ素危険量は5gほどです。 歯磨き粉に含まれているフッ素の量は、一本につき120mgほどですから、一度に歯磨き粉を40本以上飲み込まない限り問題ないという計算になります。 また子供が継続的にフッ素を取り込んだ場合に永久歯が縞模様になってしまうことがありますが、これは外国のようにフッ素が水道水に含まれている場合です。 日本にいる限り水道水にフッ素は入っていませんので、これは気にする必要はありません。 フッ素はこのように、虫歯予防にとっても役に立つものです。 子供は歯が柔らかく虫歯になりやすいので、定期的にフッ素を塗ることをお勧めいたします。 もちろん大人も虫歯予防効果がありますので、虫歯になりやすい方は検診のたびに歯石除去とともにフッ素塗布を併用することをお勧めします。
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光殺菌装置 FotoSanを導入しました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。 先日レーザーと光殺菌に関するセミナーを受講し、そのときに購入した光殺菌装置がついにやってきました。 先日のレーザーと光殺菌のセミナーの様子 光殺菌とは? 特定の波長のLEDの光に反応する薬液(トルイジンブルー液)を病巣に塗布して光を当てると、活性酸素が発生して細菌を死滅します。 この方法は、とても安全性が高いです。 まず、薬液に副作用はありません。また光は電球と同じLEDを光源にしていますので、レーザーのような目に対する防護がいりません。 さらに処置に際して痛みはまったくありません。少し温かくなります (妊婦さんや光過敏症の方はできません) 医科の分野では、光線療法と言ってがん細胞を周りの組織を傷つけずに死滅する治療で用いられています。 この薬液にLEDの光ではなく、レーザー光線を当てる方法もありますが、販売元の営業の方の話によると殺菌の効果はあまり変わらないそうです。 今回購入したこの光殺菌装置ですが、商品名を 『FotoSan』 といいます。 デンマーク製で、現地からの直輸入品です。 医薬品は税関審査が厳しいので2ヶ月ぐらいかかるのかなーと思っていましたが、あっさりとたった1週間で届きました。 FotoSanの薬液です。この中に光に反応するブルーのジェルが入っています。 この薬液は『トルイジンブル-』という液体です。 薬液は粘稠度の違いで3種類あります。 日本の代理店の話では、副作用は全く無いので安心して使用できるとのことです。 LED照射器の本体になります。先端に、病状に合ったアダプターを付けます。 この先端は使い捨てですが、先端が短いものや尖っやものなど、病巣や歯周病か歯の根の治療かで使い分けます。 ではスイッチを押してみましょう。 スイッチ オン! おおー、かなり眩しいです。眩しすぎて直視できません。付属品でこの赤い波長をカットするサングラス(防護ゴーグル)がついてきました。 ゴーグルなしではまぶしすぎて病変部をしっかりと確認することができません。 また、実際に自分で口の中に入れて光を当ててみましたが、ものすごく明るいので目をつぶっていてもうっすら赤く明るくなります。この強力な光が、病巣の奥まで届くそうです。 ちなみに歯科用のレーザーの中でも半導体を使用したレーザーも同じような効果があります。 このレーザーの波長は赤い可視光線領域では目に見えるのですが、赤外線領域になると目に見えません。 そのためレーザーが照射されていても見えないので、目にレーザーを向けると最悪失明してしまいます。 もちろんレーザーの照射中は患者さまを含め、術者とアシスタントも安全性においてはこの光殺菌のほうが優れていると言えるでしょう。 この光殺菌装置FotoSanは細菌が引き起こす病変にとても有効で、以下の状態の際に効果があります。 1 根の先の膿が何度治療しても治らない場合 2 根の先の膿が原因で、歯ぐきが腫れたり膿が出てくる場合 3 歯槽膿漏(歯周病)による腫れ、出血、痛み 4 親知らずの周りの歯ぐきの腫れ 5 インプラント周囲炎 光殺菌治療は治療自体に痛みはなく、またお薬を使わないので耐性菌も発生しません。 ブルーのジェルが活性酸素を発生させ、細菌の細胞壁や膜だけを破壊して殺菌します。 すでに何人か使用しましたが、かなり効果があります! 歯の根の先に膿が溜まっていて、何度治療をしても薬を交換しても治らなかった部分が良くなった場合もありました。 今後症例などもホームページにアップしていく予定です。 これからもケースに応じて使用して行こうと思います。 ちなみに日本の歯科医院でこの光殺菌治療を導入しているところはまだ少ないそうですよ。