骨粗しょう症のお薬

こんにちは、歯科医師の鈴木です。
今回は『骨粗しょう症のお薬』についてお話し致します。

骨粗しょう症とは骨強度の低下から骨折する危険が大きい状態で、WHO(世界保健機関)では、

「骨粗しょう症は低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である」

と決めています。

難しい言葉ですが、骨密度が低下して、骨が弱くなってしまっている状態ですね。
日本でも、とてもこの骨粗鬆症の病気は年々増えています。
ですから、病院に行ったらお薬をもらうこともあると思いまして、ご説明致します。

骨粗鬆症になる原因は様々で遺伝的要因だったり、生活習慣、閉経、加齢など様々な理由があります。
お薬をもらうきっかけは様々で、骨折をきっかけに長期間服用したりすることはあるようです。
歯科医院では、「いつからどんな期間このお薬を飲んでいますか?」と聞きます。

では次にどうしてこのお薬と歯科の治療が重要に関係しているのかを説明致します。
ビスホスホネート製剤は、骨を作ろうとする破骨細胞を活性化しないようにすることで、骨吸収を抑制して、骨粗鬆症やがんの骨転移の治療に広く用いられています。

また、新たな治療薬として抗RANKL抗体(デスマノブ)も使われるようになりました。

以下種類を書いています。

この表は青い文字で書かれているのが患者さんとして理解できますので、この青い文字のお薬が病院で処方され服用していることがございましたら、担当医に教えて下さい。
これらの薬を飲んでいると、抜歯を機会にして、顎の骨が溶けてしまうという顎骨壊死を引き起こす危険性があるのです。
これらのお薬を飲んでいる方には、それを処方している病院のお医者さんに対診としてお手紙をお書きして、歯科治療とお薬をこれからどうやって付き合っていくのかを医師と相談いたいますので、どうぞご安心下さい。

では、どうやって抜歯が必要とする方がもし骨粗鬆症であったらどうしたらいいのかを考えていきます。
これまでに多くの検討や解析が行われていますが、顎骨壊死発症の予防についてはいまだに統一の見解はなく、患者様それぞれで医師と歯科医師が協力して考えていきます。

実は日本の多くの病院からの報告があり、抜歯する際、このお薬を止めた場合と、止めないでいた場合では、その後の顎骨壊死が発生する率に差はありませんでした。
今後、多くの臨床データの報告があるので、年々このお薬の歯科医院での取り扱い方法は変わってくると思います。
また、新しいデータが出ましたら、私もこのブログでご報告致しますので、またお読みいただけたら幸いでございます。

歯科医師 鈴木孝美