さまざまな歯肉炎の種類について

こんにちは!
歯ブラシすると歯肉から出血することはありませんか?
それは歯肉炎もしくは歯周炎です。

歯肉炎とは、何らかの原因で歯の周りの歯肉が腫れた状態のことを言います。
歯周炎とは、歯肉炎も含まれますが、さらに歯肉の下の骨(歯槽骨)が溶けてしまう状態を言います。

今回は歯周炎の前段階とも言える歯肉炎について、いろいろ調べてみました。


まず歯肉炎には大きく分けて、プラーク性歯肉炎非プラーク性歯肉炎があります。

プラーク性歯肉炎は、文字通りプラーク(歯垢)の細菌によって引き起こされる歯肉炎です。

通常、一番多い歯肉炎はこのプラーク性歯肉炎になります。

非プラーク性歯肉炎には、細菌よりも更に小さいウイルスの感染で起こることもあります。
このウイルス感染による歯肉炎は、単純疱疹性ウイルス水痘帯状疱疹ウイルスが代表的です。


単純疱疹性ウイルスは幼児の体内に侵入、潜伏ののち、口腔粘膜疾患として現れます。

小さな疼痛を伴った潰瘍を認める歯肉炎と浮腫を伴う口内炎が特徴です。

全身的には発熱、倦怠感の皮膚の発疹を伴います。


この他にも真菌(かび)によって歯肉炎になることがあります。
真菌感染症は、口腔粘膜の真菌症とは違い歯肉に症状がでるものは少ないです。


口腔粘膜にもっとも発症するのは、Candida albicansによる感染症であります。

これは日和見感染で、免疫防御機能が低下して発症します。

この感染のあるHIV陽性患者には付着歯肉の紅斑がみられることがあります。

結節性または乳頭状の腫脹が潰瘍性となって疼痛を伴うようになります。


粘膜皮膚病変も、いくつかあります。
まず、扁平苔癬です。
これは口腔内の、特に歯肉に症状がある前癌病変です。
症状は多様性です。網状、板状、萎縮性、潰瘍性、水疱性の病型があります。


白斑と白い線状の病変が特徴的であり、網状にびらんを形成する場合もあります。

何年も病状が続き、病型が変化するので白板症と類似しています。

天疱瘡尋常性天疱瘡もあります。


次に、多形性紅斑です。これは急性の水疱性疾患です。

歯肉では水疱が形成され、水疱が破れると潰瘍が形成されて、偽膜と呼ばれる黄色いフィブリン様滲出液で覆われています。これは頬粘膜にも現れます。

そのほかにも、円板状紅斑性狼瘡剥離状皮膜があります。


そして、アレルギー反応の場合もあります。
歯科の修復物の、水銀、ニッケル、金、パラジウムなどの接触によりIV型アレルギーが起こる場合があります。

このときは、扁平苔癬や白板症と同じような症状になります。

歯科で使われる金属アレルギーは、直接当たる部分だけではなく、手足や全身にまで影響が及び、ガルバニック電流が流れている間に原因不明の皮膚病として発症します。

金属を使用してから数十年を経て突然発症することも多いです。
金属そのものはアレルギー性を示しませんが、溶出して+イオンとなり血中かfタンパク質と結合することによって異物とみなした体が過剰反応を起こします。

接触皮膚炎、扁平苔癬、全身性接触皮膚炎、蕁麻疹が起こります。

アレルギーの原因になりやすいのは、アマルガム、パラジウムです。
アレルギーになりにくいのは、金、銀、銅のみか、セラミック、エステニアなどの歯科材料です。


いかがでしょううか?歯肉炎にも色々な種類がありますね。
お口の中に異変があるときは当院スタッフまで、遠慮なくおっしゃってくださいね。


歯科衛生士 大久保