虫歯・歯周病以外のお口の中の病気
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
お口の中の病気というと虫歯や歯周病を思い浮かべると思います。
しかし口の中には虫歯や歯周病以外にも様々な病気ができるのです。
今回はお口の中にどのような病気ができるのか説明を致します。
良性腫瘍
腫瘍は大きく分けて 『良性』 と 『悪性』 に分けられます。
良性腫瘍は限られた部分で成長する腫瘍です。
癌と違いますので成長がゆっくりで他の臓器への転移がありません。
では放置してもいいかというとそんなことはなく、良性腫瘍の中でも多く見られる『エナメル上皮腫』 は顎の骨の中にできるため、大きくなると周りの組織を圧迫して、歯がずれたり骨が骨折したり神経や血管を圧迫して麻痺が起こってしまいます。
そのためレントゲン撮影をして腫瘍が見つかったら、痛みなどの症状が無くてもまずは口腔外科を併設している病院で受診することをお勧めします。
このエナメル上皮腫以外にも、口の中にできる良性腫瘍として、血管が絡まりながら大きくなる『血管腫』や腫瘍の中が脂肪で満たされている『脂肪腫』、などがあります。
悪性腫瘍
悪性腫瘍で代表的なものはお口の中にできる口腔癌です。
その中でも特に発生頻度が高いものは『舌癌』です。
次が『歯肉癌』になります。
癌は炎症と違って初期の段階では痛くありません。
自覚症状がほとんど無いのですが、何かお口の中に違和感を感じてそれが2週間たっても消えなければまずかかりつけの歯科医院を受診して診察してもらいましょう。
ちなみに堀ちえみさんは舌癌になりましたが、2020年のテレビ朝日のたけしの家庭の医学で放送された再現ビデオの歯科医院のシーンは当院で私の指導のもと再現ビデオとして撮影されました。
嚢胞
『嚢胞』 とは、体の中にできた薄い皮や壁で覆われた空洞で腫瘍とは異なります。
この空洞の中には通常体液で満たされています。
嚢胞の中で一番多いのは、歯の根の先の骨の中にできる 『歯根嚢胞』 です。
また、親知らずなどの歯が骨の中で袋に覆われている、『含歯性嚢胞』 や、粘液で満たされている『粘液嚢胞』 などがあります。
このように、お口の中には虫歯や歯周病以外にも様々な病気が発生します。
中でも悪性腫瘍の舌癌や歯肉癌は全身に転移する可能性がありますので、痛くないからと放置せず早めに歯科医院を受信するようにしてください。
口の中の違和感や痛みを放置してしまうと癌が全身に転移しまい、手遅れになってしまいます。。。
虫歯や歯周病のチェックと歯石取りで3ヶ月毎に定期検診で来院されていると、お口の中に異常があっても早期発見で専門病院を紹介して早期治療が可能になります。
特に口腔癌は痛みが出てからだと手遅れになりますので、違和感を感じたらすぐに歯科医院を受診してください。