保険診療と自費診療
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
治療をしようとする場合、大きく分けて「保険治療」と「自費治療」がありますが、自費治療についてよくわからない方も多いと思います。
そこで今回は「保険治療」について、また「自費治療」にはどんなものがあるのか説明いたします。
1 保険治療とは
「保険治療」とは、健康保険証を使用して国が定めた治療費の3割の負担で済む治療になります。
これは全国どの医療機関でも決められた治療行為に関しては同じ治療費です。
受診に際しては、毎月必ず有効期限内の健康保険証の提示が必要となります。
健康保険証の提示がない場合は保険治療が受けられなかったり、預かり金が必要となる場合があります。
また保険証の提示は原本が必要で、コピーや記号番号の控えだけでは受診ができないこともあります。
医療機関にも毎月必ず確認するよう、国から厳しく指導されています。
なお、保険治療は「病気」や「けが」に対する治療になります。
2 自費治療とは
「自費治療」とは、保険診療ができない治療全般を指します。
美容目的や健康診断、例えば美容整形や人間ドックなどは基本的に自費になります。
また高度先進医療や認可外医薬品、差額別途代なども自費扱いになります。
(民間の医療保険や各自治体で給付が可能となる場合があります)
3 歯科での保険治療と自費治療の違い
歯の治療は他の診療科目と違って、保険のきく治療以外に保険のきかない治療がたくさんあります。
他の科では、例えば内科や耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、整形外科など身近な病気でお医者さんにかかっても、基本的には保険で治療が可能です。
しかし歯科では、精密な処置や高価な材料、機器を使用することが多く、保険でそのような治療をカバーすることができません。
「歯の汚れを取りたい」「銀歯を白くしたい」「きれいにしたい」なども美容行為のため保険外となります。
また、「症状はないが検診を受けたい」というのも厳密には病気やけがではないため、保険治療が難しい場合があります。
4 歯科の自費の種類について
自費治療(保険外治療)には主に以下のものがあります。
「セラミックス冠」「インプラント(人工歯根)」「金属や目立たず柔らかい入れ歯」「矯正治療」「クリーニング」「ホワイトニング」
よりきれいになりたい、より壊れないものにしたい、もっとよく噛めるものにしたい、もっと食べ物を味わえるものにしたいという、「人生をより豊かに過ごすため」に必要な治療になります。
実際、歯科治療の基本的なことは歯科医として仕事を始めて3年もすれば、たいていできるようになります。
しかし、より良い治療を行うには、どうしても保険外の治療が欠かせません。
そのためには常に勉強して、技術と知識と経験を磨き続ける必要があります。
私も海外の学会に参加したり勉強会やセミナーで技術を磨き、試験を受けて各種の資格を習得することで、患者様に自信をもって最高の治療をお勧めすることができます。
レーザー治療も保険外治療になりますが、症状を軽くしたり回復を早めたり、短時間で外科処置ができたりととても大きなメリットがあります。
またインプラントに関しても、専門の学会の認定医の資格を習得しておりますので安心して治療を受けることが可能です。
5 保険治療の限界
保険治療は国が定めた様々な制約があります。
基本的には、限られた歯科の予算内での「病気」「けが」の回復が目的なので、現代の多くの人にのニーズにすべて答えるのは難しいのが現状です。
例えば、前歯の差し歯は銀歯の表面にプラスチックを張り付けたもので、衝撃にもろく数年すると変色してしまうことがあります。
奥歯は銀歯となりますが、銀歯は錆びたり金属アレルギーの心配がありますが国が定めた一般的な治療方法になります。
(一部、強化プラスチックの冠が認められるようになりましたが、耐久面と削る量が多くなるため当院では行っておりません)
歯の治療は主に、人工的な素材に置き換える処置が主になります。
そのため100%まったく元に戻すことはできません。
人が作ったものですから、天然の歯の状態よりもリスクは高くなります。
しかし、保険外治療の技術と素材を使用することで、可能な限り寿命を長持ちさせることができます。
特に虫歯になりやすい方は、保険治療を選択したため延々と治療を繰り返すことにもなりかねません。
そうすると、保険治療で実際にかかった治療費以外にも、治療回数・治療時間・治療の苦痛が自費治療に比べて多くなってしまします。
つまり結果的には、自費治療で治したほうが時間も労力も少なく済み、それらも費用に換算したら安上がりになります。
しかも医療行為は、年間で一定の額以上になった場合に所得から引くことができるので(医療費控除)、支払う税金が安くなります。
(詳しくは管轄の税務署にご相談ください)
当院では、患者さまが最高の治療を受けることができるように、スタッフ一同常に勉強に励んでいます。
保険治療と自費治療に関して分からないことがありましたら、お気軽にスタッフに相談してくださいね。