歯磨きで新型コロナウイルス予防
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
日本でもようやく2月中旬に新型コロナウイルス感染症のワクチンが届くみたいですね。
しかし一般の接種は5月頃ということなので、新型コロナウイルスのパンデミックが収束するにはまだまだ時間がかかりそうです。
それまでは、我々が各自でできるだけ予防をするように心がけましょう。
感染の予防方法には手洗い・マスク・換気をする・距離をあける・大声を出さない、などいろいろありますが、今回は 『歯磨きをすることが新型コロナウイルスの感染を積極的に予防する』 ということについて説明していきます。
1 コロナウイルスの主な感染経路は?
コロナウイルスは感染者の咳やくしゃみにより大気中にウイルスが放出され、それを吸い込むことで感染します。
また飛散したウイルスは、ドアノブ・電話・タオル・食器・電車のつり革など普段触るところに付着したり、冬の乾燥した空気中にも死滅せずに長時間とどまります。
このようなウイルスは数時間は感染力がまだあるといわれており、それを我々が吸い込むことによっても感染するのです。
特にくしゃみをすることで、コロナウイルスが広範囲に飛び散ります。
くしゃみをする際は手や腕で抑えるなどして、飛沫を拡散させないようにしましょう。
2 感染を予防する方法は?
感染力の強い新型コロナウイルスに対しては予防を徹底しましょう。
感染のピークは下がってきた傾向にあるものの、現在の東京都の新規感染者数はまだとても多いので、いつ誰がかかってもおかしくありません。
しかし、予防を徹底することでコロナウイルスの感染は避けることができます。
まず基本的な下記については確実に実行しましょう。
・手洗い・うがい
手をこまめに洗いましょう。
手を洗うことは感染予防で一番大切です。
外から帰ってきたときと、食事をする前は必ず手を洗いましょう。
普段我々は無意識に顔を手で何度も触っていますので、手指は常に清潔にしておきましょう。
手を石鹸で洗う際は、つめの間・指の付け根・手のひらのくぼみは特に汚れが残りやすいので良く洗いましょう。
手を洗った後にアルコールで消毒をすると効果的です。
・規則正しい生活
コロナウイルスの予防には、質の高い睡眠と栄養バランスのとれた食事が大切です。
基礎体力が無くなると免疫力が低下してコロナウイルスに感染しやすくなります。
あまり夜更かしせず、飲酒も程々にしましょう。
・外出を避ける・カラオケなど声を出したり空気の循環が悪いところに行かない
新型コロナウイルスのワクチンがある程度行き渡るまでは、引き続き不要不急の外出は避けるようにしましょう。
クラスターは声を大きく出すようなところで発生しています。
カラオケ店は空気が淀みやすく感染が蔓延しやすい環境にあります。
このような所はコロナウイルスが収束した後に行きましょう。
3 歯磨きで予防する!?
今まで述べてきた予防法はみなさんご存じかと思います。
実はこれらの予防法に加え 『歯を磨く』 ことで新型コロナウイルスの感染を防ぐことができます。
歯を磨くとどうしてコロナウイルスの感染を防ぐことができるのでしょうか?
口や鼻から入ったコロナウイルスは気道の粘膜に付着します。
この粘膜の表面はタンパク質の覆いがあって、ウイルスや細菌感染を起こさないような仕組みになっています。
しかしプロアテーゼという酵素はこのタンパク質の覆いを破壊するため、コロナウイルスが容易に気道内に侵入することができてしまうのです。
このプロアテーゼという酵素は実は口腔内の細菌が作り出すのです。
そのため歯を磨いたり口腔内を衛生的に保つことで酵素の発生を抑えて、新型コロナウイルスの感染を防ぐことができるのです。
さらにコロナウイルスは舌の表面に付着している細菌が作る毒素を受容体にします。
そのため、コロナウイルスに感染すると味覚障害が起きるのです。
歯ブラシで歯垢を取り除くと同時に、舌の表面の細菌層(舌苔)も取り除くようにしましょう。
なお舌の表面を磨く際は、歯ブラシを使用すると舌を傷つけてしまいます。
舌磨きが薬局で売っているので、舌は専用のツールでていねいに磨きましょう。
またコロナウイルスに感染してしまうとウイルス性肺炎を起こします。
その際に歯垢・歯石が多いと、肺炎で弱っている肺の細胞に虫歯や歯周病の菌が入り込み細菌性肺炎に移行します。
年配の方など、基礎疾患で免疫力が低下していると、細菌が血流に乗って全身にまわり多臓器不全で死亡してしまうのです。
このように、歯ブラシなのでお口の衛生状態を良くすることは、コロナウイルスの感染を防いだり、重症化を食い止めることができるのです。
食後はていねいに歯ブラシを行い、3ヶ月に1度は歯科医院で普段取りきれない歯垢・歯石を除去してもらいましょう。
コロナ禍が収束するまでもう少しの辛抱です。
歯をしっかり磨いて、感染と虫歯や歯周病にならないようにしましょう!