歯とお口に関するマメ知識

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

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今回は、『歯とお口に関するミニ知識』 をクイズ形式で説明していきます。
知っているようで意外と知らない歯とお口に関するウソとホント。
皆さんは知っていますか?
1 『歯垢』 は食べかすが集まったもの?
答え ×
歯垢とは、食べかすを餌に増えた細菌が集まったものです。
歯ブラシをしなかったり、歯垢が取れていないと唾液の中のカルシウムと結合して3ヶ月経つと硬い 『歯石』 になります。
歯石はそれ自体に毒性があるわけではありませんが表面はとてもザラついていて、歯周病菌や虫歯菌が付きやすく結果として歯周病や虫歯ができやすくなってしまいます。
一度歯石が付くと歯ブラシでとることができなくなってしまうため、歯科医院で定期的に歯石を取り除いてもらいましょう。
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2 コーラを飲み過ぎると歯が溶ける?
答え ○
コーラを始めとする甘い炭酸飲料水やスポーツドリンクさらにお酢などには、かなり強い 『酸』 が含まれています。
歯は人体の中で一番硬い組織なのですが、酸に触れると溶けてしまいます。
通常は歯の表面は 『ペリクル』 という酸から歯を守る膜で覆われており、簡単には溶けることがありません。
また歯がごくわずかの量溶けたとしても、また歯ができる 『再石灰化』 が起きるため問題はありません。
しかし歯が多量の酸、高濃度の酸に触れたり長時間酸にさらされてしまうと歯は徐々に溶けていき元に戻らなくなってしまいます。
たとえどこにでも売っているコーラでも大量に飲んだり、ダラダラ飲みをしていると歯が溶けてしまうのです。
歯が酸によって溶けてしまった状態を 『酸蝕歯(さんしょくし)』 といい、酸を扱っている工場では定期検診が義務づけられています。
3 歯垢の中の細菌は数は大便の中よりも多い?
答え ○
とてもビックリしますが、歯垢の中の細菌数は1g中に100~1000億個!も存在します。
大便の中の細菌数は1g中に1000万個ほどですから、いかに歯垢が細菌の固まりだということがよくわかりますよね。
お口の中がネバネバしたカスで覆われている場合、それは食べかすではなくて膨大な数の細菌の塊なのです。
毎日の歯ブラシで歯垢をしっかりと落としましょう!
4 歯ブラシは食後30分以内に磨いた方がいい?
答え ×
この答えも皆さんエッと思われたかもしれません。
歯科医院でも歯ブラシ指導のたびに、「食べたらすぐに磨きましょうね」 といわれますからね。
確かに昔は、「食後30分以内に3分以上、一日に3回は歯を磨きましょう」 といわれてきました。
今でもこのように指導している歯科医院はとても多いです。
しかし食後30分以内のお口の中はまだ飲食物によって酸性になっていて、また食べかすがお口の中に残っていてその状態で歯を磨くと歯を逆に傷つけてしまいます。
そのため最近では、30分ほど経ってお口の中が唾液でだいぶ洗い流されてから(自浄作用)、歯を磨くほうがいいとされています。
また歯ブラシも毎食後に磨くよりは、唾液が少なくなって細菌が繁殖する就寝前と起床後すぐに歯ブラシをするほうがおすすめです。
5 飛行機に乗る時は虫歯があるとよくない?
答え ○
飛行機は上空約10,000mの高度で飛行します。
もちろん機内は与圧されていますが、それでも標高2,000メートルと同じぐらいの低い気圧です。
このような状態に急になると、虫歯になっている歯は歯の神経(歯髄)に刺激が加わり激痛が生じることがあります。
また歯の根の先に病巣があったり治療中の場合も、気圧の変化で痛みが生じることがあります。
飛行機とは逆に海の中も通常よりも気圧が高くなることで、虫歯があると痛くなってしまいます。
海でスキューバダイビングを楽しむ人は、前もって虫歯を治してしまいましょう。
ちなみに自衛隊の潜水艦勤務の人は、虫歯があると業務に支障がでてしまうため潜水艦に乗ることができないとのことですよ。
我々の生活している大気圧と歯は大きく関係しているのですね。