歯がしみる・・・知覚過敏について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
冷たいものを食べたり飲んだ時に、歯が「キーン」としみることがあります。
また歯ブラシをしているときも、「ズキン」としみることがあります。
虫歯があればそこから痛みが出ますが、虫歯でもないのに歯がしみる場合は 『知覚過敏』 の可能性があります。
今回はこの知覚過敏について説明をいたします。
1 『知覚過敏』とは?
歯は主に表面の『エナメル質』とその内面と根の大部分を占める『象牙質』、そして歯の中心にある知覚を感じる『歯髄』からなっています。
この中心にある歯髄は、痛みのみを感じる神経と歯に栄養を送ったり歯を硬くする細胞を送ったりする血管が混ざったものになります。
冷たいものなどの刺激が歯にあたっても通常は固いエナメル質で守られているため、中心の歯髄にまで伝わりません。
しかし何らかの原因でエナメル質の内側の象牙質に当たると、そこから歯髄に刺激がさらに伝わって鋭い痛みになるのです。
象牙質はエナメル質と同様に硬い組織ですが、顕微鏡で見ると歯髄まで無数の管が走っています。
これを『象牙細管』といいます。
刺激はこの象牙細管を伝わって、痛みを感じる歯髄に達することでまるで電気が走るようにしみるのです。
2 『知覚過敏』の原因は?
知覚過敏は様々な原因で発生します。
最もよくある原因は歯ブラシのしすぎです。
歯を磨くことはとてもいいことですが、多くの人は力を入れすぎています。
特に朝は忙しいため、歯ブラシも短時間で終わらせるのでつい力を入れすぎてしまいます。
また食後すぐに歯を磨くと口の中が酸性のため、歯の表面のエナメル質や象牙質が削れてしまいます。
歯を磨くのは食後30分経たってからにしましょう。
その他の原因として多いのは、歯周病による歯の根の露出です。
歯周病は歯茎の奥の実際に端を支えている顎の骨が細菌の出す酸で溶けてしまう病気です。
それはゆっくりと進むため自覚症状がないまま進行していき歯の根が露出してきてようやくしみるなどの症状が出るようになります。
また加齢による歯肉の退縮も歯の根が露出することで知覚過敏になります。
そしてとても怖いのが、歯ぎしり・食いしばりによる知覚過敏です。
寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをする人が多いのですが(皆さん寝ているのでほとんど自覚はありません)、強い力で歯が揺さぶられるので全体に歯の根が露出してしみるようになります。
歯が全体にしみると感じたら歯ぎしり・食いしばりをしている可能性があります。
歯ぎしり・食いしばりはしみるだけでなく、歯肉と骨の吸収や歯をする減らしたりかけたり被せ物が壊れたりしていきますので、出来るだけ早く歯科医院で歯を保護するマウスピースを作ってもらってください。
ただし、口の中は自分ではよく見えないため、知覚過敏だと思っていても虫歯の可能性もありますから気をつけてください。
3 『知覚過敏』を防ぐには?
歯ブラシは強く当てずに、食後30分以上経ってから磨くようにしましょう。
また歯ぎしり・食いしばりのある方はマウスピースを作りましょう。
歯科医院では、しみ止めの薬を塗ることで改善することがあります。
薬局ではしみ止め成分の入った歯磨き粉もあります。
当院でも歯科医院専用のしみ止め効果のある歯磨き粉を販売していますので、お気軽にご相談ください。