無痛の麻酔
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
9月にアメリカの歯周病学会に行きましたがその際に、麻酔の注射をするときの 『刺す痛み』 がなくなる器械を購入しました。
歯科治療、特に虫歯の治療をする際は『麻酔』が欠かせません。
麻酔しないで虫歯を取っていると歯の神経(歯髄)の近くになるとしみてきたり痛くなってきます。
痛いのを我慢していたり冷や汗が出ている患者さんを見ているとかわいそうになってきて、つい虫歯を取り切れずに終わらしてしまいます。
そうすると詰めたあとでもしみたり虫歯が広がったりして、いいことがありません。
そのため虫歯の治療をする際には麻酔が必須なのです。
また、歯周病の治療や歯石を取る際も麻酔をすることがあります。
歯の表面についた歯石を取り除く際はそれはど痛くないので麻酔はいりません。
しかし歯ぐきが腫れて膿が溜まった際に歯ぐきをメスで切ったり、歯周ポケットの深いところについた頑固な歯石(縁下歯石)を取り除く際はやはり麻酔をしてしっかり歯石を取るのが確実です。
しかし、これには欠点があります。
そうです。麻酔は歯ぐきに針をさすので、麻酔をするときは針を刺す痛みがあります。
ある意味究極の選択でしょう。麻酔の針の痛みがイヤか、治療の時の痛みがイヤか?
そのため当院では初診時に麻酔はどうしますか?と問診票でお聞きしています。
・麻酔はできるだけしたくない
・必要があれば麻酔してほしい
・麻酔はいつもして欲しい
ほとんどの人が「必要があれば麻酔してほしい」にマルをつけますので、状況に応じて麻酔をするようにしています。
そして注射がとにかくイヤなので治療で痛くても限界まで我慢します、という人と歯の治療は怖いのでいつでも口の中を触る治療なら必ず麻酔してほしい、といった人がいます。
どちらにせよ、麻酔は注射になるので、針を刺す痛みは誰でも嫌なものです。
そこで本題に戻りますが、アメリカの学会に行った際に器械が振動することで針刺しと麻酔液の注入の痛みを感じなくする装置に目が止まりました。
試しにこの装置を手の甲に当てて、そこに注射の針を軽く触れてもまったく感じません。
装置を当ててないときはもちろん尖った針先が触れるだけでチクッとします。
値段もそれほど高くなかったので、その場で決断して購入手続きをしました。
注文してから1ヶ月かかりましたが、ようやく装置一式が届きました。
DENTALVIBE という器械です。
上の画像上ではちょっと分かりにくいのですが、先端がブルブルと高速振動しています。
この二股に分かれた先端はゴムになっていて、歯ぐきに当たっても痛くありません。
そしてブルブルを持続させた状態で二股の間に麻酔の針を刺すとあら不思議、針刺しのチクッとした痛みがぜんぜんありません!
先端の二股部はディスポですのでとても衛生的です。
充電器に挿して立てた状態です。この充電器もスタイリッシュでとてもかっこいいです。
左隣に写っているのは、先日購入した世界最強の光照射機FlashMax P3です。
ちなみに当院では元々麻酔の注射筒に直接つけるコンパクトな振動するバイブラジェクトという器械を持っておりますが、原理は同じです。
バイブラジェクトは注射筒自体を振動させて針先が震えて刺す時の痛みを和らげます。
ただし振動が弱いので痛みを感じる場合もあります。
しかしこちらのDENTALVIBEはかなり強力に振動しますので、確実に麻酔の針刺し痛をなくすことができます。
当院では、患者さまに快適に歯科治療を受けていただけるよう、これからも様々な器械を導入したり新しい治療法を取り入れていきます。
DENTALVIBEを使用する上で当院では別途費用は頂いておりません。
患者さまでこのブログを見て、「痛くない振動する器械を使ってほしい」とおっしゃっていただければいつでも使用させていただきます。