歯に良い食べ物について

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

今回は、『歯に良い食べもの』について考えていきます。
皆さん、歯に良い食べ物と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
砂糖が入っていない食べ物でしょうか?
加工されていない噛みごたえがある食べ物でしょうか?
実は歯の健康は食べ物に大きく左右されます。
そして歯の健康が損なわれると、今まで食べていたものが噛めなくなったりして食べられなくなってしまいます。
歯の役割は、『噛む』『飲む』『発音』『見た目』『力を使うときに食いしばる』など様々なことに使います。
しかし虫歯や歯周病で歯の機能が損なわれると、このような機能が損なわれてしまいます。
そのため日頃から歯に良い食べ物を積極的に摂るようにしましょう。
1 歯に良いとはどういう意味?
歯に良いという意味は、次の3つの要素があります。
・歯を強くすること
歯を強くすることとは歯の成分を強くすることです。
歯の質が良くなれば虫歯になりにくく、破折や摩耗に対しても丈夫になります。
歯はカルシウムでできているので、子供のときは石灰化を助ける食べ物がいいでしょう。
具体的には、牛乳・チーズなどの乳製品、小魚やひじきなど。
また、人参・ほうれん草・しいたけ・わかめ・キャベツなども歯のカルシウムの生成に役立つビタミンA
・C・Dを豊富に含んでいるので積極的に摂るようにしましょう。
・歯をきれいにすること
食べ物を食べることで、歯垢を落として歯の表面をきれいにすることです。
これには食物繊維の多い食べ物が挙げられます。
食物繊維の多い食べ物を食べると唾液の分泌を助けるため、唾液で歯の表面が洗い流されます。
これを自浄作用といいます。
食物繊維が多い食べ物は具体的に、ごぼう・こんにゃく・きくらげ・ひじき・大豆・しいたけ・セロリなどです。
・顎の負担がなく、噛む力を強化するもの
顎のまわりの噛むための4つの筋肉が強化されると噛む力が強くなります。
このような効果がある食べ物は、やや硬めのごぼうやスルメ、ステーキなどの大きめの肉等です。
これらを適量摂取するようにしましょう。
ただし硬い食べ物を過剰に摂取すると、逆に顎に負担がかかるようになってしまいます。
顎の負担が多くなると、『顎関節症』といって、「開けると痛い」「音がする」「引っかかる」「だるい」「大きく開かない」などの症状が出るようになりますので注意が必要です。
現代人の顎は常に硬い食べ物を食べ続けるようにはできていません。
今まで加工した柔らかめの食べ物が多い食生活を送っていたのに、いきなり硬いものばかり食べ続けたら体が悲鳴を上げてしまいます。
2 歯に良い食べ物
歯に良い食べ物は上記に挙げた食べ物になります。
これらの食べ物は少し噛む必要がりますが、歯をきれいにしたり、歯垢の原因になりにくかったり、顎を強くする働きがあります。
3 歯に悪い食べ物
逆に歯に悪い食べ物は、歯にくっついて残りやすくとても甘いものです。
洋食は甘くなくても柔らかいものが多いので要注意です。
例えば、ラーメン、焼きそば、スパゲッティ、目玉焼き、オムライス、カレーライスなど。
甘いものはアイスクリーム、キャラメル、ケーキ、ビスケットなどです。
これらの食べ物が主食になると顎が発達しなくなるので、口元が小さく歯並びが悪くなったり、口元が閉じなくなって虫歯が多くなったりします。
さらに砂糖がお口の中に残ることで虫歯菌や歯周病菌が繁殖して、どんどん噛むことができなくなってしまいます。
また、軟らかいものを食べ続けると顎の関節がおかしくなったり、甘いものを食べ過ぎると疲れやすくなってしまいます。
食事は主に和食を中心に、食後はよく磨いて、数ヶ月に1度は歯科医院で定期検診を受けて、いつまでも健康な状態を保ちましょう!