最強の光照射器

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

歯科治療では詰め物や接着剤を固めたりするのに、光照射器を使用いたします。
材料の成分の中に特定の色(波長)に反応して固まる物質が入っていて、それによりペースト状だった詰め物や接着剤が固形状に変化します。
この固まるまでの速度は波長と明るさと温度に左右されて、特に明るければ明るいほど固まる速さが早くなります。

当院では、2年前より国産メーカーでいちばん明るい照射器を使用しておりましたが、このたび、光殺菌装置と同じメーカーの光照射器を導入いたしました。

 

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デンマークのCMS Dental社のFlashMax P3です
この照射器は当院の国産最大照度の照射器(2000 mW/cm2)よりもさらに2.5倍も明るいのです。(5000-6000 mW/cm2)
詰め物を固めるのに通常は照射器を当てて20秒かかりますが、これを使うと、なんとたったの1秒でかたまります!
そのため患者さまがお口を空ける時間が少なくて済み、患者様の負担軽減につながります。
たかが20秒ぐらいと思われるかもしれませんが、歯の治療では数秒違うととても治療の効率が上がります。
私は3秒でも長いと感じてしまいます。。。
詰め物で治療を行う場合は、虫歯を削り取った後に次のような手順が必要です。
1 歯の神経を保護するセメントを神経に近い部分に塗って光を当ててセメントを固める
2 詰め物が歯にくっつくように接着剤の液を塗って光を当てて固める
3 最後に詰め物を詰めて光を当てて固める
4 削った部分が大きい時は2~3回に分けて光を当てたり、歯の色に濃淡ある場合は詰め物の色を何種類かに分けてそれぞれ照射して固める
また治療する歯が1本ならともかく、一度に3本ぐらいまとめて治療したり歯のいろいろな場所が虫歯だったりすると、それだけ詰め物を詰める時間が長くなります。
例えば8か所ぐらい詰めるとしたら、昔はこれらの手順を行うと光を当てている時間だけで5分ぐらい必要でした。実際にはつけたり消したりの動作があるので時間はもっとかかります。
しかしこの照射器ならば光を当てている時間は、全部で1分もかかりません。
歯の治療の予約は30分毎なので、この違いはとても大きいのです。
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当院にやってきた光照射器のFlashMax P3です。
先日購入した同じCMS Dental社の光殺菌装置FotoSanとそっくり同じ形です。
光殺菌装置のFotoSanも光照射機ですが、殺菌効果のある液に反応する赤い波長の照射器でした。
ボタン周りの軟らかいシリコン部はFotoSanはオレンジでしたが、この照射器はブルーです。
それではさっそくスイッチ・・・オン!!
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すごい光量です。こちらもFotoSanと同じく眩しすぎて、直視できません!
私が大学を卒業してすぐの頃は光照射器はハロゲンライトであまり明るくなくて波長も合っていないので、詰め物が固まるまで40秒ぐらいかかりました。
白熱球なので球切れがあったり、紫外線成分が目に有害なのでオレンジの大きなシールドを付けていたり私もアシスタントも照射中は光を見ないように顔をそむけていました。
その後は車のヘッドライトに使用されていたHIDランプを光源とした光照射機が販売されました。
こちらはハロゲンライトよりもかなり明るかったのですが、器械がとても大きく、また高価でした。
15年ぐらい前に初めてLEDのペン型の照射器が発売されたときは小ささと手軽さに感動しましたが、当時のLEDはとても暗くて1分しても詰め物が固まらずとてもではありませんが使い物になりませんでした。
それがだんだん明るくなって20秒ほどで硬化が可能になり、ついには1秒です。
さらにここまで明るくはありませんが、中国の歯科機器メーカーが販売している光照射機はとにかく安いです。
テクノロジーの進歩の速さにはとても驚かされます!