電動注射器を導入しました!

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

今回、最新式の電動注射器を導入しました!
歯科治療において、麻酔はとても重要です。麻酔なしで治療を行うことはほとんどありません。
ごくまれに、「痛いのは我慢できるが注射が苦手なので、麻酔なしで治療してください。」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし逆に、「痛いのは嫌なので、いつも麻酔をしてください。」という方のほうが多いです。
特に歯の神経を取り除く処置になると、麻酔を使わないわけにはいきません。
昔は麻酔の代わりにヒ素を塗って、歯の神経を殺してから取り除く治療がありました。
しかしヒ素は『毒薬』です!
歯の根の治療をした際に薬を歯の根の中に入れて仮の蓋をしますが、その仮ブタが取れたり仮ブタが減って隙間が空いてしまうことがあります。
もし根の治療薬にヒ素を使用していたらそのようなときに口の中にもれてしまいます。
口の中にヒ素が漏れたら大変なことになってしまいます!
麻酔に話は戻りますが、歯の麻酔は実は下の奥歯はとても効きが悪いです。
なぜかというと歯に麻酔を効かせるには、麻酔の液を骨の中にしみ込ませる必要があるからです。
歯ぐきから骨の中にしみこませてそれが歯の根の先まで到達してようやく歯の神経が麻酔されます。
ただし下のあごの骨は全身の骨の中でも特に硬く、なかなか麻酔の液がしみ込んでいきません。
そこで麻酔の針を歯と歯茎の間に差し込んで、そこから歯の根の先まで麻酔液をしみ込ませる方法を行います。
この方法だと下の奥歯や親知らずも麻酔が聞くのですが、そのためにはものすごい圧力をかける必要があります。
女性の歯科医師ではそこまで圧力をかけることができません。
患者さまの中には麻酔をしているにもかかわらず、なかなか麻酔が効かなくて痛いのを我慢しながら治療を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
場合によっては麻酔の液を通常は1本で効くところ、3本も4本も打たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうなると歯の治療はもうこりごりとなって治療を途中で中断してしまい、さらに悪化してしまうという悪循環になってしまいます。
また、麻酔の効きが悪いと「歯科医師の腕が悪いのでは?」と不信感にも繋がります。
そこでこの電動注射器が役に立つのです。
電動注射器を使えば、常に一定の圧力で麻酔をすることができます。
かなりの圧力でも可能なので女性の歯科医師でもしっかり麻酔を効かせることができます。
しかも骨にぶつかったりして液が入らず圧力が高まった場合でも、強い圧力を感知して自動的に止まります。
また麻酔の液を急いで入れると気分が悪くなったり意識がなくなることがありますが、電動注射器はとてもゆっくりとしたスピードなのでとても安全です。
麻酔の際にスピードと圧力の設定を変えることができるので、患者さまの状態に応じて麻酔をコントロールすることができます。
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こちらが今回導入した電動注射器です。とてもコンパクトで使いやすいです。
今までも電動注射器は存在していましたが、かなり大きくズッシリと重くてとても使う気にはなれませんでした。(大きな銃みたいなものもあります。ガンタイプはたしかに持ちやすいのですが、仰々しいので導入していませんでした)
しかし最近この電動注射器が発売されて、ようやく使ってもいいかなというサイズと重さなので今回購入に踏み切りました。
麻酔液を出すスピードや圧力をコンピューター制御で調整できますので、麻酔中の痛みがかなり軽減されます。
 
もちろん従来の手用の麻酔のほうが使いやすいので、状況に応じて使い分けています。
もし電動注射器をご希望する患者さまがいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。
電動注射器使用に際しては追加料金等は一切発生いたしません。