キシリトールについて

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

今回はキシリトールについてお話しします。

みなさんキシリトールってご存知でしょうか?

テレビの宣伝やコンビニなどで、キシリトール配合のガムを見かけたことはことはありますか?

このキシリトールですが、何が体にいいのか、またどうして虫歯予防にいいのかということまではなかなか知らないのではないでしょうか?
キシリトールとは?
キシリトール(xylitol)とは天然素材の甘味料で、シラカバやカシから発見されたキシラン・ヘミセルロースを原料にした甘味料です。
ギリシア語の 「Xylon、木」 から命名されました。
キシリトール自体は野菜や果物にも含まれております。
身近な例では、レタス・ほうれん草・カリフラワー・イチゴ・ラズベリーなどです。
甘さは砂糖と同じぐらいですが、カロリーは25%も低く、口の中で溶けるときに熱を吸収するのでさらっとした清涼感があります。
キシリトールの安全性は世界保健機構、WHOでも認められており、日本でも1997年に食品添加物として認可されています。
虫歯にならない甘味料?
次はキシリトールの虫歯予防効果についてご説明します。
砂糖が入った食品を口にすると、口の中でミュータンス菌などの虫歯原因菌が糖を分解して発酵して『酸』を作り出します。
その酸によって、歯のエナメル質やさらに内側の象牙質が溶かされて虫歯ができてしまうのです。
しかしキシリトールは、ミュータンス菌によって発酵しないので、結果として歯を溶かす酸ができません。
虫歯の発生や進行を防ぐ
ミュータンス菌がキシリトールを取り込むと、エネルギーを消耗させて菌自体の活性力が弱まっていきます。
そうすると口の中のミュータンス菌が減少するので、酸を摂取しても酸ができにくくなります。
キシリトールの働きとして、菌のかたまりである歯垢をサラサラにするということがあります。
歯垢は食べかすと違って、ネバネバしておりなかなか歯ブラシでしっかり落とすことは難しいです。
しかしキシリトールが歯垢をサラサラにするので取り除きやすくなります。
キシリトール入りのガムの効果は?
キシリトール入りガムの効果としては、唾液がたくさん出るため、唾液に含まれているカルシウムが増えることです。
カルシウムが増えると歯の表面のエナメル質と結合して再石灰化を促します。
なお、キシリトール入りガムの種類ですが、必ず原材料名をチェックして、甘みとしてキシリトール100%の物を選んでください。
砂糖も含まれていては効果はあまり期待できません。
ショ糖は虫歯菌の栄養になりますので、いくらキシリトール入りでも糖による虫歯菌の増殖と酸で歯を溶かすスピードのほうが早いからです。
ちなみにフィンランドでは、食事の後や寝る前にキシリトールガムをかむ習慣があるそうですよ。
その効果もあって、フィンランドの人は虫歯が少ないのですね。
キシリトールの注意点
キシリトールは虫歯予防の効果はありますが虫歯を治す働きはありません。
どんなにキシリトールを食べても、溶けてしまった歯が元に戻ることはなく、これだけで虫歯を予防することもできません。
歯にこびりついている歯垢は、歯ブラシをしないと取り除くことはできません。
キシリトールはあくまで虫歯予防を助けてくれる補助的なものと考えましょう。
またキシリトールを毎日摂取しているからと言って虫歯にならないわけではありません。
虫歯予防でいちばん大事なことは毎日の歯ブラシと、定期検診になります。
虫歯を予防するためには、糖分を取りすぎない、歯をていねいに磨く、歯科医院で定期的に歯垢と歯石を取り除くことがとても大切です。そして普段の生活にキシリトールを取り入れたり、歯科医院でフッ素を塗布するととても効果的です。