歯周病と栄養バランスについて
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
今回は、歯周病と栄養バランスについてお話しします。
歯周病は歯周病の原因菌による細菌感染ですが、メタボリックシンドロームと同じように生活習慣病の一つと言われています。
そもそも歯周病の原因菌はゼロにすることはできないし、存在していても大昔の人には歯周病はありませんでした。
しかし、加工食品や穀物を摂取しだして栄養バランスが崩れたため、歯周病を発生させるようになりました。
生活習慣病の一種である歯周病を予防するためには食事と栄養バランスが大切です。
・タンパク質
私たちのからだをつくる栄養素。筋肉や骨、皮膚や髪の毛、血液を作ります。
口腔内では歯にカルシウムが定着するのを助けます。
タンパク質の含まれている食品 肉・魚・牛乳・卵・大豆製品
・ビタミンA
成長を助ける栄養素です。視力や目の健康、ひふや粘膜を健康に保ったり、病気の感染に対して抵抗をつける働きがあります。
口腔内では歯の表層のエナメル質の形成に関与しています。
ビタミンAの含まれている食品 トマト・人参・かぼちゃ・レバー・卵黄・ほうれん草・ウナギ
・ビタミンB1
元気になる栄養素。炭水化物を分解して体を動かしたり頭を働かせるために必要な栄養素です。
ビタミンB1の含まれている食品 豚肉・ハム・大豆・たらこ・鮭
・ビタミンB2
成長をサポートする栄養素です。脂質を分解して代謝の手助けをして細胞の再生・成長促進や粘膜を保護する働きをします。
口腔内では歯肉のはれや傷の修復に効果を発揮します。
ビタミンB2の含まれている食品 レバー・卵・脱脂粉乳・納豆
・ビタミンC
ストレスを防止してウイルスや細菌に対する抵抗力を強めて感染症を予防する働きをします。
血管や骨、皮膚、粘膜を強くする働きします。、
口腔内では象牙質の形成を助けたり、歯のぐらつきや出血にも効果があります。
ビタミンCの含まれている食品 いちご・オレンジ・レモン・アセロラ・キウイ・トマトなどの果物や野菜
・ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯の健康をサポートします。
口腔内では顎の骨をつくったり歯の石灰化に働きます。また、歯や骨をつくるカルシウムが足りていてもビタミンDが足りなくなると丈夫な歯や骨を作ることはできません。
ビタミンDの含まれている食品 魚・卵・きのこ類に多く含まれます。ビタミンDは日光浴を浴びることで皮膚でも作られます。
・カルシウム
丈夫な歯や骨を作る栄養素です。体のカルシウムの約99%は骨や歯の構成成分です。血液中のカルシウム濃度は一定に保たれていますが、カルシウムの摂取不足が続くと骨や歯からカルシウムが溶け出して骨の発達不良や歯の質の低下が起きます。
カルシウムの含まれている食品 牛乳・乳製品・大豆・小魚・煮干し・ひじき・小松菜
・リン
リンも体内の85%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯を作る成分になっています。
残りの15%は筋肉・脳・神経などの組織に含まれています。
リンは体内でリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムの形で骨や歯を形成しています。
リンの含まれている食品 魚・牛乳・大豆・肉類
リンは現代の食生活では不足することはあまりなく、むしろ逆に取りすぎが問題になっています。
その一つは加工食品や清涼飲料水に含まれていることが挙げられます。
リンの摂取量が多すぎるとカルシウムの吸収が悪くなるので要注意です。
いかがでしょうか?
このようにお口の中の環境を整えるために、様々な栄養素が必要になります。
そしてこれらの栄養素が一つでも欠けてしまうと、途端に虫歯や歯周病が進行してしまうのです。
過不足の無いバランスの取れた食事で、健康で快適な生活を過ごすようにしましょう。